前回に引き続き、多目的温室で開催された「琉球の植物」展(3/20~29)で見た植物を投稿します。
今回は、珊瑚礁と砂が固まってできた海岸に分布する植物が多いです。
展示の様子
ヒメキランソウ(姫金瘡小草)
シソ科キランソウ属の多年草。日本(九州~琉球列島)、台湾に分布。海岸付近の日当たりの良い場所に匍匐する。佐賀県が北限となっている。九州産と琉球列島産に花の形態などに異変があり、分類研究が必要(福岡、佐賀、熊本で絶滅危惧種に指定)
姫とつくが、キランソウに比べ花は大きく、群生することが多い
ボウコツルマメ(膨湖蔓豆) 初見です
マメ科ダイズ属のつる性多年生草。別名:ボウコヤブマメ。フィリピン~オーストラリアに分布。日本では、沖永良部島、伊江島にしか分布しない。絶滅危惧IA類(CR)。
花はこちら(←クリック。Wikipediaより)
近縁種に琉球固有のミヤコジマツルマメが宮古群島と石垣島に分布
オキナワスナゴショウ(沖縄砂胡椒)
コショウ科サダソウ属の多年草。日本の九州~琉球列島に分布するコショウの仲間。絶滅危惧IA類(EN)。サダソウ(佐多草)と近縁だが、全体的に毛がない。絶滅危惧IB類(EN)。別名:ケナシサダソウ。サダソウの変種とする説もある。穂状花序に、淡緑色の小さな花を多数つける
イソフジ(磯藤)
マメ科クララ属の常緑低木。奄美諸島~東南アジアにかけて分布。海岸部に生え、葉の裏側には密毛があり、耐潮性に優れている。絶滅危惧IB類 (EN)。学名はソフォラ・トメントーサ。花はこちら(←クリック。新宿御苑の温室で)
ルゾンヤマノイモ(るぞん山の芋) 初見です
ヤマノイモ科ヤマノイモ属の常緑蔓性多年草。大東諸島、フィリピンに分布。やや明るいサンゴ礁石灰岩地域の低地に生育する。葉腋にムカゴを作り栄養繁殖することもある。雌雄異株。絶滅危惧IA類(CR)。展示は葉が1枚だけ伸びていた
ハマトラノオ(浜虎の尾)
オオバコ科クワガタソウ属の多年草。日本固有種:九州南西部・奄美大島・琉球(慶良間列島の座間味島)。和名は総状花序を「虎の尾」に見立てたもの。育成環境である海岸沿いの岩場の開発により説滅の危機に瀕している。絶滅危惧II類 (VU)
花はこちら(←クリック。つくば植物園にて)
モクビャッコウ(木百紅、木百香)
キク科モクビャッコウ属の常緑低木。原産は琉球、台湾、中国、フィリピン。海岸沿いの日当たりの良い琉球石灰岩に生育する。園芸目的の採取や護岸工事のため個体数が減少している。絶滅危惧Ⅱ類(VU)。径5mmほどの黄色い地味な花が咲くが、悪臭もあるので鑑賞価値はない。花はこちら(←クリック。新宿御苑の温室で)
クサミズキ(臭水木) 初見です
クロタキカズラ科クサミズキ属の常緑小高木。日本(石垣島、西表島)、台湾~東南アジア に分布。植物体内に抗がん物質のカンプトテシンを含み、薬用として利用される。もとより個体数が少ない上に、環境悪化、医薬採取などにより個体数が減少している。絶滅危惧IB類 (EN)
蕾が写っているが、花はこちら(←クリック。GKZ植物辞典が開きます)
イラブナスビ(伊良部茄子) 初見です
ナス科ナス属の常緑小低木。宮古島、伊良部島、来間島に分布する固有種。伊良部島では自生地が市指定天然記念物として保護されているが、ごみ不法投棄によって生育環境が悪化している。宮古島では近年の分布確認はなく、絶滅した可能性がある。絶滅危惧IA類 (CR)。台湾にも分布するという意見もある。大きさは別として、花や実は在来種によく似ている
ケサヤバナ(毛鞘花)
シソ科サヤバナ属の多年草。与那国島、台湾、フィリピン、マレーシアに分布。海岸などに生育し、良く分岐するため、自生地では大株となる。日本では与那国島だけに分布し、もともと個体数が限られている。絶滅危惧IA類(CR)
花はこちら(←クリック。つくば植物園にて)
ハマゴウ(浜栲、浜香、蔓荊)
シソ科ハマゴウ属の常緑小低木。日本では本州~琉球に分布。琉球の代表的な海岸植物で、砂浜に這うように生育する。花期は7~9月。花冠の長さは12~16mm
花はこちら(←クリック。つくば植物園にて)
クサトベラ(草海桐花)
クサトベラ科クサトベラ属の常緑低木。帯・亜熱帯の太平洋に広く分布し、日本では沖縄や小笠原の、汐風が当たる海岸に生育。琉球の代表的な海岸植物。琉球列島の中でも種内形態変化がみられ、今後、研究が必要な植物のひとつ。花はブルーファンフラワーの花弁を白くしたような感じ
ヤエヤマスズコウジュ(八重山鈴香需)
シゾ科シキクンソウ属の匍匐性多年草。台湾、琉球列島(沖縄島、与那国島)の海岸近くの低地に分布し、道路工事や土地造成により減少している。環境省の絶滅危惧II類(VU)。花期はほぼ周年。花径は10~13mm。
ヒメイヨカズラ(姫伊予蔓) 初見です
キョウチクトウ科カモメヅル属の多年草。奄美群島(奄美大島、与論島)、沖縄群島に分布。海岸の草地に生え、春から夏にかけて、黄緑色の花を多数つける。近縁種のツルモウリンカがクロバネキノコバエなどに送粉されるのに対し、本種の花には殆ど昆虫が訪れず、もっぱら自家受粉によって結実するという。踏みつけや海岸開発、自然変異で減少している。絶滅危惧1B類(EN)
オキナワハイネズ(沖縄沖縄這杜松) 初見です
ヒノキ科ビャクシン属(ネズミサシ属)のほふく性常緑針葉樹に1変種。本州(房総半島から東海地方、伊豆七島)と琉球列島に分布。岩の上を這って生育する。自生地の開発や園芸用の採集によって、絶滅が危惧されている。沖縄県絶滅危惧植物。ハイネズも分布する種子島などでは中間型も知られており、雑種がいる可能性がある
(つづく)
次回は、3月29日に行った、新宿御苑の桜を投稿します。
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