今回からつくば植物園シリーズを再開し、多目的温室で開催された「琉球の植物」展(3/20~29)で見た植物を投稿します。
この企画展は4回目とのことですが、曇天にもかかわらず、見学者が多かったです。
多目的温室入口付近の案内板
企画展のチラシ(表裏)
筑波実験植物園のごあいさつ クリックしたら読めるでしょう
今回の目玉展示
筑波実験植物園の研究によって新しく記載された植物
アマミマツバボタン(奄美松葉牡丹) 初見です
スベリヒユ科。これまでオキナワマツバボタンは琉球列島の奄美群島と沖縄群島に分布すると考えられていた。しかし、筑波実験植物園の研究から、奄美群島産と沖縄群島産では花の色、茎の色などが異なり、遺伝的にも分化していることが明らかになった。2013年7月、これまでオキナワマツバボタンとされていた奄美群島産を沖縄群島産と区別し、新変種「アマミマツバボタン」を発表した。2つの変種共に個体数が少なく、絶滅が心配されており、2025年には環境省によって絶滅危惧種に認定された
サツナンマンネングサ(薩南万年草) 初見です
ベンケイソウ科。これまでハママンネングサ(九州~琉球~台湾・フィリピンに広く分布)とされてきたもののうち、トカラ列島3島と与論島の集団は、新種のサツナンマンネングサとして環境省のリストに追加された。個体数が少なく、絶滅が心配されているので、恐らく絶滅危惧種として登録されると思われる
こちらは、比較展示のマルバマンネングサ(丸葉万年草)
ベンケイソウ科マンネングサ属の多年草。本州(群馬県以西)・
四国・九州に分布。 右上に、咲き終わった花が写っている
以下、展示された植物を、順次、紹介します
ナガミカズラ(長実蔓)
イワタバコ科ナガミカズラ属の多年生つる植物。西表島~中国、東南アジアに分布。1973年に西表島で発見された後、確認されていなかったが、2005年、牧野植物園と筑波実験植物園の調査により再発見された。日本では西表島の1個体しか知られていない。絶滅危惧IA類(CR)
ミツバウコギ(三葉五加皮)
ウコギ科ウコギ属の半蔓性落葉低木。中国、台湾、フィリピンに分布。2014年に宮古島にも分布することが分かった。今のところ、日本ではその宮古島の一集団だけである。個体数も極めて少ない
リュウキュウガシワ(琉球柏) 初見です
キョウチクトウ科カモメヅル属の蔓性多年草。琉球列島、フィリピンに分布。明るく、やや乾燥した原野に生育する、果実は長さ7cmと、植物体の割には大きい。近縁種は台湾に分布するホウライイケマ。スジグロカバマダラの食草
ヨナグニノシラン(与那国熨斗蘭)
キジカクシ科ジャノヒゲ属の常緑多年草。与那国島、台湾~中国南部(海南島)に分布。湿った環境に生育する。2001年に初めて日本にも自生することが分かった。もともと個体数が少ない。絶滅危惧IA類(CR)
花はこちら(←クリック。つくば植物園で)
ヒメスイカズラ(姫吸蔓)
スイカズラ科スイカズラ属の常緑または半落葉性の低木。琉球列島の固有種。沿岸沿いの日当たりが良い岩場や樹木の上に絡みつく。もともと個体数が少ない上、護岸工事などによって減少している。絶滅危惧IA類(CR)
花はスイカズラより一回り小さい(こちら←クリック。つくば植物園で)
オキナワソケイ(沖縄鼠径)
モクセイ科ソケイ属の多年草。琉球列島固有種。海岸沿いの石灰岩地帯の林床などで、他の植物に絡まって生育する。ジャスミンの仲間で、花に芳香がある。絶滅危惧II類 (VU)。花は白の5弁花(こちら)
オオシマウツギ(大島空木)
アジサイ科ウツギ属の落葉低木。奄美群島だけに分布する日本の固有亜種。沖縄群島に分布するオキナワヒメウツキの基本亜種。鹿児島県では準絶滅危惧種に指定
エノキフジ(榎藤) 初見です
トウダイグサ科。琉球列島、台湾に分布。日当たりの良い農地と林の境、道端などに分布。もともと個体数が少ない上、農地開発などにより絶滅寸前である。絶滅危惧IA類(CR)
テリハノギク(照葉野菊)
キク科シオン属の多年草。石垣島、西表島、魚釣島だけに分布する日本固有種。
近縁種は台湾の高地に分布するツルギバノギクと考えられている。
花はこちら(←クリック。つくば植物園で)
コナミキ(小浪来)
シソ科タツナミソウ属の多年草。日本(本州~琉球)、中国に分布。小型のタツナミソウの仲間。やや明るい林床などに生育。かつては、千葉、静岡でも報告されたが、現在では能登半島、中国、四国と琉球列島の一部でしか確認されていない。
花期は3~5月。花の長さは8mmほど。白い花に紫色の斑がある。絶滅危惧II類 (VU)
次回も「琉球の植物」展でみた希少な植物を投稿します。
(つづく)
この記事へのコメント
yasuhiko
アマミ、リュウキュウ、ヨナグニなど、
名前からして琉球列島の風景が浮かんで来る気がします。
神代植物公園の大温室にも、小笠原諸島の固有種を
集めたコーナーがありますけど、南の植物には
やはり独特の雰囲気がありますね。
日本列島は南北に長いと、改めて感じました。
river
イッシー
自然が豊かで憧れの地ですが、住むとなると不便なんでしょうね~。
。
なおさん
nobara
やはり見たい気持ちになるのでしょうね。
○○マツバボタン、やはりどこかしら違うんでしょうか?
マルバマンネングサなら身近に見られますけどね
ヨナグニノシラン(与那国熨斗蘭)花を見ましたが
普通のノシランと区別がつきません(^o^)丿
ヒメスイカズラの花、華奢な感じがいいですね~
エノキフジ、お花がきれいですね。花粉が舞い上がりそう~
コナミキはなんか普通にみてるような気がしました
よく似た何か、なんでしょうね~(^o^)丿
長さん
これまでにも琉球の植物が展示されたことはありますが、こんなに多くのものが一堂に展示されたのは初めて見ました。
関東に住んでいる人間にとっては、展示品種のほとんどがなじみがない植物です。そんな植物が大漁に展示されていたのですから、ワクワクしながら写真を撮ってきましたよ。
長さん
琉球レットの生い立ちからして、古い時代に隔離されたのですから、固有の植物が戸とも多いことが分かりました。それが絶滅の危機にさらされているのですから大切にしたいですね。
園芸用の乱獲もありますが、宅地・道路の整備、森林伐採などが自生地に迫ってきていることが大きく影響しているようです。
長さん
450年も続いた琉球王国を日本が力づくで奪ったのですね。
琉球に限らず、離島に住み続けることは大変なことですよね。
長さん
これまでに、琉球列島固有種が、熱帯雨林温室などで、何度も展示されていましたが、今回ほど大量に展示されたのは初めて見に行きました。
長さん
琉球の植物は絶滅危惧種が多いですから、無くならないうちに見ておきたいと思いました。
私たちがよく目にする松葉牡丹は南米が原産ですよね。オキナワマツバボタンとアマミマツバボタンはDNAが違うのでしょう。
ヨナグニノシランをご覧になりましたか。売られているのは園芸種でしょうね。
ヒメスイカズラは下側の花弁がまっすぐ突き出していますが、こちらで見かけるのは下向きですよね。
エノキフジ、とても小さな花です。2枚目の写真は咲いたばかりのようです。
関東で見られるコナミキは栽培種でしょうね。
yoppy702
こんな企画展は、筑波実験植物園やからこそできる展示なんでしょうね。
絶滅危惧種が集中する琉球列島の植物保全を含めて、筑波実験植物園って、やっぱ、スゴイ植物園なんですね。
今回の植物の中で、唯一、聞いた事かある、見た事があるというのは、比較展示のマルバマンネングサだけです。(^^ゞ
オキナワソケイの名は聞いた事があるんですが、きっと、長さんとこでしょうねぇ…
ボク的には、とても貴重な植物の数々です。
アマミマツバボタンの説明にも、へぇー…と思いました。
「遺伝的にも分化している」なんて、ここやから、きっと、DNA解析とかもされてるんでしょうねぇ…
コナミキが小型のタツナミソウの仲間と書かれていたので、それを頭に置いたら、ナルホドという感覚になりました。(^^ゞ
アップの画像が綺麗です。
eko
ヨナグニノシランはこちらで見るノシランとの違いが分かりません。ヒメスイカズラ、オキナワソケイは少し小さくて綺麗な花ですね。コナミキも小さな花ですね。
すーちん
筑波の植物園で
琉球の植物が保護されて
いるとは
チョット驚きでした
長さん
琉球・沖縄の植物をこれほど沢山集めているのはつくば植物園以外にないと思います。
つくば植物園は国立科学博物館の付属施設ですから、コレクションと保存は国としての使命とも考えられます。
マルバマンネングサはご存じでしたか。「初見です」と書いてないものは、以前に当ブログで紹介したものですから、ご記憶があるかもね。
植物のDNA解析はこの植物園では行っていないので、国のしかるべき機関が担当しているのでしょう。
長さん
つくば植物園は絶滅危惧種を保護育成して、現地に戻す活動も行っているようですよ。
ヨナグニノシランのように、写真だけでは在来種と区別がつかないものは他にもあり得ます。
長さん
琉球・沖縄の絶滅危惧種は小石川植物園でも見たことがあるので、保護育成は、つくば植物園との2か所で行っているようですよ。