昨年12月3日に見に行きましたが、その時はシシガシラ(カンツバキ)群とハルサザンカ群の花が咲いている品種が少なかったので、先月の続編として取材しました。
今回は、シシガシラ(カンツバキ)群の品種を紹介します。
なお、品種の説明は吉井さんのHP(こちら)を参考にしました。
シシガシラ群(カンツバキ群)の特徴
中部地方に古木が多い「獅子頭」(関東地方では「寒椿」と呼ばれます)がもとになって作られたもので、真冬に八重や獅子咲きなどの華やかな花を咲かせます。樹形は立ち上がらずに、横張性のものが多く、枝葉が密生して、仕立てやすいものが多いようです。
生態、形態的には、サザンカの自生種に近いグループで、樹形も自生種に似て、多くは立性です。
開花期:11~3月、花色:白~紅、まれに縁紅ぼかし、大きさ:小輪~中輪、
花弁:八重~獅子咲(雄蘂一部弁化)、花の香り:弱い、
萼苞:開花期には落下、葉の大きさ:中型、樹形:多くは横張性
展示の様子(東屋の左手、ビニールハウス内)
長 春(ちょうしゅん)
明るい桃色で花弁基部が濃色、八重~御子咲き、中輪、12~2月咲き
肥後旭の海(ひごあさひのうみ)
紅色、一重、抱え~平開咲き、中輪、11~12月、熊本~福岡(久留米)
曳馬乙女(ひくまおとめ)
桃紅色、花弁中心に白筋が入る、千重、中輪、11~2月、静岡(浜松)
晴 姿(はれすがた)
白色で外弁の先端と裏面が桃紅色、八重、中輪、11~12月、静岡(清水)
ベティパトリシア
米国ジョージア州生まれの偶発実生。咲き始めの花はバラに似た華やかな品種
桃色、千重、中輪、11~12月。1952年に初めて開花したという
姫白菊(ひめしらぎく)
白色、八重、小輪、11~12月、福岡(久留米)、新花
ベアトリスエミリー
白色で外弁の先端が紅色、八重、海外作出品種
緋乙女(ひおとめ)
桃紅色、千重、小輪、10~12月、関西(宝塚、池田)
別名:紅乙女、昭和の誉、御幸
発心桜(ほっしんざくら)
桃色、八重~獅子咲き、中冷、11~12月、福岡(久留米)
武蔵野(むさしの)
桃紅色、八重~獅子咲き、中輪、11~1月、東京
紅 司(べにつかさ)
紅色、八重、中輪、11~2月、埼玉(安行)
群小蝶(むれこちょう)
濃桃色、弁数の少ない八重、小中輪、11~12月、静岡
リトルピアル
白色で外弁の先端が少し薄紅色、八重、海外作出品種
ジェニファースーザン
紅色(日にちが経つと、濃くなるようだ。左下)、八重、海外作出品種
次回も、シシガシラ群のサザンカを投稿します。
(つづく)
ここ数日、公私ともに忙しかったので、コメント欄を閉じ、皆様のブログは拝見するだけにさせて頂いておりました。
今回からコメント欄を再開しましたので、よろしくお願いいたします。
この記事へのコメント
もこ
ピンクの花が多いですね。
曳馬乙女(ひくまおとめ)の
優しいピンクが気に入りました。
長さん
サザンカの園芸種は多いですね。
曳馬乙女がお気に入りですか。花色は写真よりもう少し濃いめのものがあるようです。曳馬は「馬を曳く」ではなく、浜松近くの地名だそうです。
夕菅
街路樹に植えられたのはよく見ますが、こんなに新しい品種が作出されているとは驚きです。
冬期が長い欧州ではバラの花のような椿が求められるのかもしれませんね。
コスモス
色は白から紅が多いんですね。
白い花では先端がちょっとだけ紅いベアトリスエミリーや、リトルピアルが好みですね。
深紅の緋乙女もいい色ですね。
長さん
ツバキもそうですが、サザンカもいろいろな品種があって、開花期間が異なります。
これらの品種は、殆どが江戸時代に作出され、現代に受け継がれてきたもので、今では殆ど流通していない品種もあるという、貴重なコレクションです。
長さん
サザンカは、サザンカ群、カンツバキ群、ハルサザンカ群、タゴトノツキ群などを合わせ、約260種類の園芸種が江戸時代から受け継がれてきています(ほかに、海外作出品種が10種類)。
白に縁紅がお好みですか。次回以降にも多分出てきます。
river
サザンカはツバキほどには興味を示す人が少ないのかこうした展示会は希少です。
nobara
御子咲きというんですか?
晴姿も動きがあって面白い。
いろいろなシシガシラ群があるのですね。
シシガシラしか認識できませんが?
展示されたくらい(鉢植え)の大きさならば
食指が動いてしまいますね~
ツバキの類はサザンカを1本残して処分しました。
それも持て余しています((+_+))
長さん
やはり、サザンカも何種類か植えられていらっしゃいますか。
江戸時代から受け継がれたサザンカの大規模な展示は、多分、ここだけではないかと思います。国の施設ならではですね。
yasuhiko
色んな種類があるんですね。華やかな印象で
びっくりしました。それにしても、
寒椿もあればハルサザンカもあるというのは、
何ともややこしい気がします。
長さん
長春、引用した資料には「八重~御子咲き」と書かれていますが、「八重~唐子咲き」の誤りではないかと思います。
晴姿も八重ですが、八重がお好み?
我々素人は花だけ見て、それがどの群に属するサザンカかどうかなんて分かりませんから、こうした展示は貴重です。
鉢植えで管理するのもおそらく大変なことなのでしょう。
長さん
一口にサザンカといってもかなり多くの園芸種があるのですね。
私なんぞ、ツバキは花の落ち方で分かりますが、サザンカはツバキよりはるかに園芸種が多いので、園芸種名を見分けるなんて不可能です。なので、毎年、この企画展を見に行って楽しんでいます。
グランドマザー
さざんかの花たくさん種類があるんですね
ピンク系が多いんでしょうか
どれも大切に この日のために合わせて育てられたんですね
ほっしんざくら 優しそうな花、桜の花に似ていますね
なおさん
サザンカもいろいろですね。うちでは以前タチカンツバキの生垣でしたが、もう今はありません。
長さん
江戸時代から受け継がれたサザンカの園芸種、とても多くの種類があります。昨年12月のシリーズではサザンカ群の品種を中心に4回シリーズで投稿しましたが、今回も3回分ぐらいになるでしょう。
花色は、赤、ピンク、白と様々です。花の大きさはサクラよりずっと大きいので、見た感じはからサクラを連想するのは難しいかも。
長さん
パソコンを更新したので、その調整や完熟に時間を取られた上、交差点の旗振りの人数が減ってしまい、その人の分に時間も取られたり、病院通いだったり、とにかく時間が足りませんでした。
インフルエンザに感染されましたか。我が家は予防接種をしたので、今のところセーフです。新型コロナのワクチンも打ちました。
サザンカの色々が見られるのは、日本でここだけのようなので、毎年楽しみにしています。
イッシー
私には色の違いと花びらの付き方がちょっと違うかな。。
程度しか認識できていません。
写真はどれもみごとに撮られていますね。
新しいPCは調子いいですか。
長さん
サザンカの園芸種は大きく4つのグループに分かれ、全部で260種くらいが残っているらしいのですが、ここにはかなりの品種が集められています。どれも少しづつ違うところがあるのがすごいことです。
日差しがあればきれいに撮れるのですが、PCを変えたらモニターに表示される色が少し変わってしまったので、色調整に苦労しています。
eko
外国産のベアトリスエミリーやリトルピアルの白地に縁にほんのりとピンクが入って素敵です。ピンク色が多いですね。
ミキ
ことに1枚目の長春はツバキ?と思いました。
華やかさの中に優しさが感じられ素敵です。
公園やご近所のサザンカしか知りませんので
花が立派で驚きです。
サンシャインシティの世界のらん展、
楽しく見せていただき、堪能しました。
ありがとうございました。(^^♪
yoppy702
鉢の表面に、草のようなのが植えられてるのが多いんですね。
今回のアップ、綺麗な個体ですね。
最初の「長春」、綺麗な色です。
これ位になると、獅子咲きなんですかねぇ?
外国産も、結構あるんですね。
ちょこっとボカシが入ってると綺麗です。
というか、こういうの好きです。(^^ゞ
ベアトリスエミリー、リトルピアルが可愛いいと思いました。
長さん
この植物苑には何種類あるか分かりませんが、江戸時代から受け継がれてきたシシガシラ群のサザンカ品種は60以上だそうです。
白にピンクの縁取りタイプがお好みですか。
長さん
長春はツバキを連想されましたか。確かに、ツバキにもピンクの獅子咲きがありますね。
私も近所でサザンカを見ますが、乙女サザンカくらいしか分かりません。
サンシャインシティの世界のらん展、お楽しみいただけて、幸いです。
長さん
保存品種は全部鉢植えなので、小さくまとまるよう、剪定が欠かせないでしょうね。
根元の松葉牡丹みたいな草はマツバラン(松葉蘭)という古典園芸植物です。
やはり、ブログに載せる花となると、状態の良い奇麗な花を撮りたいです。
長春は、引用した資料の記載が間違っているようで、唐子咲きか篠崎だろうと思います。
外国で作出されたサザンカは10種類くらいが知られているようです。