今回の目的は、特別企画「冬の華・サザンカ」展(11/26~1/26)を見る事ですが、特別企画「伝統の古典菊」展(10/29~11/24)が終って間もなくなので、まだ古典菊の展示が一部、残されていました。
今回は、東屋の左奥に展示された、江戸菊のいろいろを紹介します。
江戸菊とは
花弁は平弁で、開花するにつれて花が様々に変化(芸をする)のが特徴で、この変化を「狂い」と呼びます。狂いは開花直後から始まり、終わるまでには1か月近くもかかります。江戸菊は江戸時代の初頭から育成されていましたが、現在に受け継がれる花形が成立したのは、江戸時代後期の文化・文政期(1804~1830)とされています。
花の咲き始めは周辺の舌状花の花弁が垂れ下がり、中心部の筒状花が見えます。さらに咲き進むと中心部に近い舌状花の花弁から順次立ち上がり、いろいろに折れ曲がって筒状花を包み込むように抱えます。江戸菊は咲いて10日、開いて10日、狂って10日と言われ、長く楽しめる花です。
江原紫玉(えばらしぎょく)
江戸黄八丈(えどきはちじょう)
多摩の紫(たまのむらさき)
八幡山(やはたやま)
薄化粧(うすげしょう)
瀬田の秋(せたのあき)
下谷藤娘(したやふじむすめ)
春日(かすが)
花散里(はなちるさと)
下谷金鶴(したやきんかく)
江戸の白桜(えどのしろざくら)
江戸神楽(えどかくら)
江戸山吹(えどやまぶき)
平成絵巻(へいせいえまき)
江戸宝貴(えどほうき)
遠見の桜(とうみのさくら)
瀬田の月(せたのつき)
江戸菊の紹介は、もう1回続きます。
(つづく)
この記事へのコメント
river
でも最近は古典菊を見る機会は少なくなっています。
江戸菊は「江原紫玉」のような色合いを見ることが多いです。
家の江戸菊は「八幡山」、1種だけです。
信徳
ダリアの花の様に大型の花なんですね。
余り見られない花で興味深く見ました。多摩の紫が好みです。
イッシー
菊もサザンカも奥が深そうですね。
長さん
古典菊の展示期間中に行ければ良かったのですが、機会を逸しました。なので、今回は残っていたものだけです。
こうしてみると、江戸菊も花色は多彩ですね。お宅では八幡山が咲いていますか。この品種は3回見ましたが、「狂い」は出ないようですね。
長さん
キクは概して花保ちが良いですが、江戸菊はその期間中に花弁が「変化」するのが面白いです。
「多摩の紫」、赤に少し紫色が入っているような入りですね。
長さん
古典菊を系統別に集めて、研究している組織は、恐らくここだけじゃないかと思うので、貴重です。
サザンカも色々登場しますよ。
なおさん
もこ
こんなに変化して咲く菊があるのを
知りませんでした。
優しい色の「薄化粧」好きです。
nobara
頭を掻きむしったような(^o^)丿状態になっていますね。
多摩の紫なんてこんなダリアを見ますよね(*^-゚)⌒☆
ネーミングが面白いです。
江戸宝貴は ”はたき” みたいです。きれいな色ですね~
それぞれ個性的で面白いですね(*^-゚)⌒☆
eko
yoppy702
江戸時代の園芸家さんってスゴイですね。
この変化を「芸をする」というのも江戸の風情ですね。
ここにアップされてるのは、変化した、もしくは、変化の途中の姿?
最初の「江原紫玉」の姿は衝撃です。(^^ゞ
嵯峨菊にも似た感じのもあるんですね。
すーちん
江戸菊
一気に乱れてくる
来るのではないんですねー
こういった展示場でしか
見られませんねー
長さん
つくば植物園や小石川植物園などは、植物そのものを維持保存する使命がありますが、国立歴史民俗博物館は日本民族の文化という側面に着目して、古典菊やサザンカなどの古品種を収集維持しているのだと思います。
長さん
江戸時代は園芸が盛んになり、日本古来の菊も様々な園芸種が作出されました。
ここでは、古典菊(嵯峨菊・伊勢菊・松阪菊を・肥後菊・江戸菊・丁子菊)を110種収集・展示しています。
長さん
写真の前の説明にも書きましたが、江戸菊は「咲いて10日、開いて10日、狂って10日」と言われます。江原紫玉は花弁が捩れてあちこちに向き、まさに「狂った」状態です。江戸宝貴も狂った状態と思われますが、「はたき」とは面白い表現ですね。
ダリアの中にも多摩の紫のような咲き方がありますね。
長さん
菊は概して花保ちが良いですが、江戸菊は30日も楽しめるのですね。
「平成絵巻」は花弁の表と裏の色が違うので、「狂う」とそれが見え隠れして面白いです。次の記事には「江戸絵巻」というのも登場します。
長さん
江戸時代、園芸は庶民の楽しみとしても大流行し、盛んに園芸種が作られました。そんな中から、各藩主が推奨したこともあって、嵯峨菊、伊勢菊、肥後菊、江戸菊、美濃菊、奥州菊などのグループが作られました。
江戸菊は花弁が捩れたりするのが特徴で、それを「狂い」と言いますが、花弁の巾も色々なので、狂う程度は様々です。
長さん
江戸菊は「咲いて10日、開いて10日、狂って10日」と言われるように、花弁が捩れてて、乱れてくるのは最終盤の状態ですね。
江戸菊を始め、古典菊は栽培する人も減っているので、こうして色々見られるのは貴重な機会です。