今回は、「ガーデンコンテスト部門」のうち、ライフスタイルガーデン部門の作品を紹介します。
「ライフスタイルガーデン部門」とは
2024年のテーマ:美・食・住~くらしを楽しむガーデニング~
ガーデン部門が「和」と「技」にフォーカスしているのに対して、ライフスタイルガーデン部門は、「ガーデニング」が日々のくらしにどのような形で関わり、また、どれほど豊かな彩りを添えているのかを表す作品を求めています。幅3mx奥行2m内に、最小2~最大6㎡の中に、テーマに沿った作品が作られています。
展示の様子
「陽はまた昇る ~beyond that now~」
国土交通大臣賞 東京都葛飾区 都立農業高校園芸デザイン科造園チーム
(出展者コメント)ぼくの庭にはハッチがある。何でハッチがあるんだって?それはね、ジィちゃんが若いころ、地球に良くないことが起こったんだ。その時に皆んなで地下に逃げたんだって。このハッチはその時の名残なんだ。何十年も閉められたハッチも、ここ最近は開けられる日が増えてきた。近くに植えた植物も無事に育っている。ジィちゃんは庭師だったんだ。ぼくの憧れだ。
「共働の庭」
東京都知事賞 福岡県中間市 庭木屋さかい
(出展者コメント)さて、みなさん、この空間の中にどれだけの生き物がいるか分りますか?わたしにも分りません。小さな生き物から大きな生き物まで、それぞれが住みやすい場を作り、それが合わさって庭になっています。ミツバチは植物の受粉を助け、蜜を作る。ミミズは大地を耕し、小動物のご飯にもなる。人間は何をしましょう?一緒に考えていきましょう!!
「コンクリートプラネット」
東京都都市緑化基金賞 岐阜県山県市 江崎真吾・グリーンプラザみやま
(出展者コメント)たとえ地面がコンクリートで覆われても、それ以上の緑で覆い返せば、無機質なものとも共存できる。コンクリートは植物と正反対の印象を持つ素材ではあるが、その組合わせにその生命力が引き立つ。コンクリートの上にも花を咲かせましょう。
「The long autumn evenings ~語り合いの庭~」
優秀賞(コンセプト賞) 長野県飯山市 Iiyama Garden Project
(出展者コメント)いつまでも眺めていられる植物と焔。他に何もいらない空間で友人、家族、恋人と語り合う秋の夜長。そんな場面の庭の一部分を切り取る。シックな宿根草と高木をメインになチュラリスティックな庭に。春の芽吹きから冬の枯れ姿まで1年を通して楽しむような配置にする事で鳥や昆虫を呼び込む。最低限のメンテナンスに留めることで持続できるお庭にし、庭本来の役割である心身共に健康なウェルビーイングを構築。
「ドリーム」
パパラム金賞 大分県大分市 リエールサキュレント(株)
(出展者コメント)「ドリーム」をテーマに、多肉植物の優しい丸みを生かして、夢のような安らぎの空間を作り出すことを目指しました。ぷっくりとした葉や柔らかな曲線を持つ多肉植物が、見る人に安心感と心地よさを与え、日常にほっとする瞬間をもたらします。まるで夢の世界に迷い込んだかのような独特なレイアウトを取り入れ、多肉植物の魅力を最大限に引き出した作品です。
以下の作品については、出展者コメントを省略しました
「home camping」
東京都杉並区 東京都立農業高等学校
「Nature ~ みのりの秋~」
埼玉県所沢市 ロサ・エグランテリア
「一角獣の間(ま)」
東京都練馬区 Amy Holdsworth
「It’s a Small World Garden」
岐阜県恵那市 岐阜県立恵那農業高等学校
「くつろぎの時間 ~いやしのTea Timeへようこそ~」
神奈川県藤沢市 日本ガーデンデザイン専門学校23期生
「Amazing Autumn」
東京都渋谷区 加勢造園(株) 写真は右横から撮影
「なんとなく」
東京都世田谷区 東京農業大学造園科学科有志
日比谷公園内で咲いていたキンモクセイ(金木犀)
次回は、「ガーデンコンテスト」のうち、コンテナガーデン部門の作品の中から紹介します。
(つづく)
この記事へのコメント
なおさん
コスモス
「共働の庭」がちょっと気になりました。
昔、箱庭作りに憧れた時もありましたが・・・。
青空に映えるキンモクセイの香りがここまで届きそうです。
信徳
私など狭い庭に果樹を植え山野草や四季の花、おまけに野菜を作る。狭い庭をフルに活用しています。隙間が無いように植えて雑草が生えないようにもしています(笑)。
river
ただこのような庭は都会ならではですね。
我が家のような自然林の林のような庭には合いそうもありません。それでも300本を超える庭木は何とかせねばと思っています。
夕菅
AIの時代になっても昔懐かしい庭には安らぎがあるのでしょう。
この中で多肉植物の「ドリーム」には新鮮なアートを感じました。これを見たら小さな箱庭でも作りたくなりそうですね。
eko
「陽はまた昇る ~beyond that now~」が個人的にはいいですね。「ジィちゃんは庭師だったんだ。ぼくの憧れだ。」コメントも嬉しいです。
長さん
プロは注文で作庭しますが、このような機会に自分の考えをPR出来るのは良いことですよね。
長さん
「共働の庭」、作者の考え方を生かすとすると、会期中だけでなく、どこかに移設して今後の変化を確かめてもらいたいなと思いました。
キンモクセイ、満開を過ぎており、香りが薄かったのが残念です。
長さん
狭い庭と仰いますが、この作品をいくつも併せたくらいの広さがあるのでしょう?奥様共々、このなかで、お宅に合いそうなものを探してみたら如何でしょう。
長さん
都心の公園で展示スペースが限られますから、riverさん宅のような広い敷地にこの様なアイディアを生かすのは難しいでしょうね。
長さん
入場者の中に外国人もいるかなと思ったのですが、残何ながら皆無でした。日本人の庭に対する考え方を外国人にPRするには良い機会だと思うのですが。
多肉植物を素材に選んだ作品は他の部門でも見られました。多肉植物を販売するブースも大盛況でしたよ。
長さん
このコンテストの作品を参考にして、自分の家の庭だとしたら、どうしたらよいのかを考えてみるのも良いでしょうね。きっと、「おばちゃんの庭、素敵だよ」とお孫さんに言ってもらえますよ。
yoppy702
国土交通大臣賞の作品にはビックリです。
都立農業高校園芸デザイン科造園チームにも驚きましたが、出展者コメントを読んで、「陽はまた昇る ~beyond that now~」というテーマにハッとさせられ、さらに驚きました。
「ぼくの庭にはハッチがある。」…
インパクトのある文章ですね。
単なる作品じゃなく、作品に意味を持たせながらのガーデニング…否、これは、もはや造園ですね。
この作品は、前回の「ガーデンコンテスト」でも上位に入るんでは?と思ってしまいました。(^^ゞ
後の作品は、親しみを感じる、大規模なガーデニングという感じを受けました。
「Amazing Autumn」は、いかにも、造園業の作品って感じですけど。(^^ゞ
う~ん…
画面からキンモクセイが香ってきます。(^^)
イッシー
日本人の得意技ですよね。
魅力的な作品ですね!
すーちん
庭の一角に
こう言う場所があると
潤いますね
長さん
ライフスタイルガーデン部門だけに、こんなに輪があったら良いなと思いましたよ。
ベテランに混じって、高校生たちも頑張っていました。コンセプトを良く考え抜いているなととも思いますね。
長さん
旅行から戻られましたか。
繊細な心を持つ日本人にはこういう庭作りはお手の物という感じですかね。おおざっぱと言っては失礼ですが、欧米人には考え付かないだろうな。
長さん
お宅のお庭も広う方じゃないようですから、これらの作品からアイディアを盗んじゃいましょう。