くらしの植物苑2024年「伝統の朝顔」展にて(2) 出物系統の朝顔(その1)、正木系統の朝顔(その2)

 8月23日、千葉県佐倉市にある国立歴史民俗博物館の「くらしの植物苑」で開催中の「伝統の朝顔」展(8/07~9/08)を見に行ってきました。
 この朝顔展は、公的機関としては日本最大規模で、変化朝顔(正木系40系統、出物25系統)、明治時代以降の大輪朝顔25系統程度、ヨーロッパ・北米産の近縁の朝顔10系統程度、計約100系統、約700鉢が展示されます(苑のHPから)。
 今回は、入口を入って右手、よしず張りの展示台に並べられた朝顔の続きで、出物系統と正木系統、および、東屋の右手前に展示された正木系統の紹介です。
 説明は、くらしの植物苑での出物系統あるいは正木系統の管理番号、銘、葉の特徴、花の特徴の順です。
 なお、花の咲いていない個体の紹介は省略しています。


出物系統 1095 牡丹出物
青/縮緬/立田葉  白/筒紅/車咲/牡丹(注①)
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注① 牡丹咲きとは、アサガオの突然変異によって、花弁の数が増えたり、花びらの形が変わったりした品種

出物系統 1095 親木
青/縮緬/立田葉  白/筒紅/台咲
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松戸市内のあさがお展では、台咲を「でべそ」と表現していましたね

出物系統 1095 一重出物(上の親木の種から変化が出たもの)
青/縮緬/立田葉  白/筒紅/車咲(←台咲から変化)
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出物系統 1093 親木
黄/縮緬葉  瑠璃/台咲
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正木系統 X1289.2.1
青/斑入/蜻蛉葉  枝垂(注②)/第二  桃/丸咲
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注② 蔓が絡み付く能力を失い、垂れてしまうもの

正木系統 917
青/斑入/蜻蛉葉/枝垂  藤/車絞/丸咲(写真は変異か?)
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正木系統 907
黄/桔梗渦葉/枝垂  淡紅/複輪/桔梗咲
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ここからは東屋の正面右手の変化朝顔(正木系統)です
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正木系統 338
青/水晶斑入/常葉/木立(蔓があまり伸びない)  薄紅/筒白/丸咲
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正木系統 321
青/乱菊葉/木立  青/切咲/孔雀/八重
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正木系統 301
青/蝙蝠南天葉/木立  藤・筒咲
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正木系統 X1299
青/水晶斑入/常葉/姫  茶/丸咲き
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正木系統 856
青/渦葉  栗皮茶/丸咲
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正木系統 852
青/渦/蜻蛉葉  紫/丸咲
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正木系統 851
青/渦/蜻蛉葉  紅/丸咲
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正木系統 852
青/渦/蜻蛉場  紫/丸咲
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正木系統 778
黄/桔梗渦葉  水色/桔梗咲/八重
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 2024年8月23日撮影。

 次回は、東屋の右手前に展示された正木系統の続きを紹介します。
(つづく)

この記事へのコメント

  • 信徳

    アサガオらしからぬアサガオが揃っていますね。
    アサガオは薄いブルーで一重のアサガオがシンプルで美しいです。
    数年前朝顔市を見に東京まで行ったのですが栗皮茶の色が人気でした。
    2024年08月27日 12:26
  • river

    変化朝顔らしいものが登場してきましたね。もちろん花の変化が見どころなのですが葉の変化も相当なものです。
    蝙蝠南天葉などはもはやアサガオの葉とは思えません。
    水晶斑入も見応えがあります。
    2024年08月27日 15:46
  • 長さん

    🚩 信徳さん、コメントありがとうございます。
    朝顔というと青い花を連想しますが、次第に見慣れた朝顔らしからぬものが登場してきましたね。今後、もっと変な朝顔が登場しますよ。
    東京野朝顔市ですか、浅草かな。茶色のアサガオは珍しいですからね。昨日投稿した「団十郎」は中でも超人気種です。
    2024年08月27日 21:17
  • なおさん

     日本最大規模というだけのことはあり、あれもこれもと珍しいものが出て来ますねえ。変化朝顔の伝統を維持保存してゆくのも意義あることなのでしょうが、奇抜なものほどありがたがる、というのも趣味としてはアリかなあと思いつつも、健全かどうかというのはまた別のハナシですよねえ。
    2024年08月27日 21:20
  • 長さん

    🚩 riverさん、コメントありがとうございます。
    変化朝顔は葉も花も変化が出て来るのが特徴ですね。
    蝙蝠南天葉は、まだ葉の形が分りますが、変化朝顔の中には到底葉と葉思えないようなものが登場しますよ。
    水晶斑入は白い斑の部分が裏まで抜けているのが特徴です。
    2024年08月27日 21:23
  • 長さん

    🚩 なおさん、コメントありがとうございます。
    この植物苑の変化朝顔は歴史的にこういうのがありましたということを実物で残すということに意義を見いだしているのだと思います。趣味でここまで集める人は恐らくいないでしょうね。
    2024年08月27日 21:26
  • eko

    普通の丸咲きのアサガオが安心して見ていられます。アサガオとは思えないほど変化した花も面白いです。葉も花以上に変化していますね。上から4枚目までの葉はアサガオとは思えません。水晶斑入り葉は葉だけでも楽しめますね。
    一番下の八重咲はユニークですね。
    2024年08月27日 23:16
  • yoppy702

    出物系統 1095の三枚は、同じ血なんですよね?
    色は同じでも姿が別物ですね。
    これ、葉っぱもちゃうんですね。
    面白いですねぇ。
    「でべそ」、記憶にあります。(^^)
    正木系統 917や321の花姿、アサガオと思えない姿や。
    こんなの見たら、溜息が出そうです。(^^ゞ
    筒咲、桔梗咲き、可愛いいですね。(^^)
    2024年08月28日 00:54
  • すーちん

    おはようございます
    変化アサガオ
    思いも寄らないような
    変化が出るんですねー

    2024年08月28日 08:23
  • nobara

    段に飾ってあると壮観ですね~☆彡
    桔梗なんちゃらというのが多いような気がします。
    次の・・・
    桔梗渦場、赤い吹掛け、ユニークです。
    石化など、あえて育ててるんですね@@
    2024年08月28日 18:01
  • 長さん

    🚩 ekoさん、コメントありがとうございます。
    返信が遅れ、申し訳ありません。
    今回は一重の花が多かったですが、今後、もっと変化した花が登場しますよ。反変かも同様です。
    水晶斑入りは斑の部分が一部裏側まで達しているので、そこが白く見えます。
    最期のはちょっと変わった八重ですね。
    2024年08月28日 21:08
  • 長さん

    🚩 yoppy702さん、コメントありがとうございます。返信が遅れ、申し訳ありません。
    上から3枚は、2枚目の親木から変化して、1枚目と3枚目下が誕生したという例です。3枚目はでべそがちょっと覗いていますね。
    今回の変化はまだ序の口と言っても良いです。今後、ビックリするようなものが手々来ますよ。
    2024年08月28日 21:15
  • 長さん

    🚩 すーちんさん、コメントありがとうございます。返信が遅れ、申し訳ありません。
    今回の変化は小から中途行ったところでしょうか。今後もっと変化したものが登場しますよ。
    2024年08月28日 21:17
  • 長さん

    🚩 nobaraさん、コメントありがとうございます。
    桔梗咲きは、桔梗の花に似た一重~半八重の花で、最期の778のように、曜(折れ目)の長さより、曜と曜の間の部分が短い咲き方です(907はあまり変わりませんが・・・)。
    石化は遺伝するので、正木系統ですが、今回、顕著な石化には花が咲いていませんでした。
    2024年08月28日 21:39
  • イッシー

    難しいこと抜きにして、デベソって面白いというか
    なるほどっていう感じ。正木系統は色がとっても綺麗な
    印象です。
    2024年08月29日 22:03
  • 長さん

    🚩 イッシーさん、コメントありがとうございます。
    「デベソ」と言う表現は松戸市みどりと花の基金の「朝顔展」メンバーが付けたものですが、面白いしすぐ分る形容ですよね。
    正木系統は変化は少ないですが、綺麗な花が多かった印象です。花がシンプルだからと言うこともあるでしょうね。
    2024年08月29日 22:16