10時45分頃に到着したのですが、急に大粒の雨が降り出しました。幸い、屋根のある駐車場の1階に1台分のスペースがあり、降り止むまでそこで待機することにしました。しかし、雨は強くなる一方。スマホで雨雲レーダーを見ると、茨城県に2本の線状降水帯があり、それが移動中と分りました。仕方なく、窓を全開にして、降り止むまで昼寝です。
12時頃、やっと降り止んだので、入園しました。受付のある教育棟では「水草展」が開催されており、お子さん連れが多数見学に来ていました。平日なのに駐車場が混んでいる理由はこれだったんですね。
今回の目的の一つはレンゲショウマを撮ることなので、いつものように左回りで園内を歩くことにしました。途中、野菜のエリアはパスして、その奥にある、絶滅危惧植物温室に入りました。
絶滅危惧植物温室の入口
珍しく、2人の先客がいました
コフジウツギ(小藤空木)
ゴマノハグサ科フジウツギ属の落葉低木。四国・九州・沖縄~台湾に分布
花期は5~9月。フジウツギより枝が細く、葉も小さい
愛媛県で絶滅危惧Ⅱ類 (VU)に指定
サルナシ(猿梨)の実
マタタビ科マタタビ属のつる性落葉木本。日本、朝鮮、中国などに分布
別名:シラクチカズラ、シラクチヅル。果実はコクワとも呼ばれる
鹿児島県で準絶滅危惧種に指定
サッコウフジ(酢甲藤)
マメ科ナツフジ属の蔓性低木。原産は台湾、中国南部~ベトナム
別名:ムラサキナツフジ(紫夏藤)、タイワンサッコウフジ
花期は7~8月。サッコウフジには白や紅の花が咲く品種もある
ヤマビワソウ(山枇杷草) 初見です
イワタバコ科ヤマビワソウ属の常緑小低木。琉球列島、真美大島以南に分布
(国外では中国、東南アジア)。花期は8~10月。花冠は6mm程度
葉がヤマビワに似ている故の命名。果実の付き方に種内変異があり、
変種を認める見解がある。鹿児島県で準絶滅危惧種に指定
ミヤコジマソウ(宮古島草)
キツネノマゴ科イセハナビ属の常緑多年草。絶滅危惧IA類 (CR)
原産は東南アジア~宮古島(北限、海岸の砂地など)
花期は6~8月。花径1.5cm。一日花。別名:ヒロハサギゴケ(広葉鷺苔)
オナガエビネ(尾長海老根) 初見です
ラン科エビネ属の常緑多年草。奄美や沖縄などの南西諸島に分布(海外では、台湾、中国南部、タイ、インドなど)。花期は7~8月。花径は3~4cm。
別名:リュウキュウエビネ(夏に咲くので、ナツエビネとも)。
オナガの和名は、距が長いことから。 絶滅危惧Ⅱ類 (VU)
ウラジロギボウシ(裏白擬宝珠) 初見です
クサスギカズラ科ギボウシ属の多年草。愛知県東部~静岡県西部の谷沿いの
岩壁などに生える。日本固有種。絶滅危惧ⅠB 類(EN)。花期は7~8月。
名の由来は、葉の裏が極度に白いことから
オキナワヤブムラサキ(沖縄藪紫)
シソ科ムラサキシキブ属の落葉低木。絶滅危惧Ⅱ類(VU)
沖縄の山地の林内、林縁に分布。ヤブムラサキの変種ではなく、
奄美大島や徳之島に分布するオオシマムラサキの変種。日本固有変種
花期は5~6月。花冠の長さは3mm。温室のためか、まだつぼみが多数
キレンゲショウマ(黄蓮華升麻)
アジサイ科キレンゲショウマ属の多年草。紀伊半島、四国、九州に自生
花期は8月。花径は0.7~1.3cm。絶滅危惧II類 (VU)。まだつぼみだった
次回は、植物園の最奥部に咲いているレンゲショウマを見に行きます。
(つづく)
この記事へのコメント
なおさん
サッコウフジは神代植物公園の原種・オールドローズ園のはずれのほうにありますね。
オナガエビネ、リュウキュウエビネ、ツルランなど夏咲きエビネも面白いですよね。リュウキュウエビネは一時期育てたことがあります。
river
祖谷のかずら橋訪れて渡ったことがあります。
家のキレンゲショウマは終盤で花を撮り損ねてしまいました。
イッシー
サルナシは山で見たことあります。
食べてみれば良かったかな~
長さん
これまで8月には行ったことがなかったので、久しぶりの花や初見のものが色々ありましたよ。
サルナシはキウイの味なんですってね。食べてみたい。ワインにもなるんですね。
サッコウフジは15年前にウォーキングで見かけたのが最初で、今回で4回目です。
エビネも色々種類がありますね。
長さん
サルナシ、60年前ですか。良く覚えておられましたね。
祖谷のかずら橋は、2007年4月、会社の先輩ご夫妻などと四国旅行に行ったとき、初めて渡りました。もう、太い蔓は採れないと言うことで、ワイヤで補強してありました。
お宅のキレンゲショウマ、もう終盤ですか。
長さん
たまには暑い夏にも行って見るものですね。今回は温室に限らず、初めて野田愛がありましたよ。
サルナシ、ご存じでしたか。次回、試食できると良いですね。
ミキ
初めて見る植物ばかり、素晴らしいですね。
あっ、サルナシは調布の野草園で棚一面に
実の下がっているのを見ました。
オキナワヤブムラサキ、雌しべに水滴が乗って
かわいらしいです。花の色もきれいですね。
私も在庫がなくて思案しています。(^^♪
eko
夏に咲くエビネも良いですね。オナガエビネは初見です。
キレンゲショウマはまだ蕾で残念でしたね。
yoppy702
さすが、つくば植物園には、貴重な植物があるんですね。
もし、現地で絶滅しても、ここで保存ができるんですね。
知らない植物が一杯です。
その中で知ってるのが、サルナシ、の実。
ニホンザルが好んで食べるんですね。
実は、美ヶ原に行った時に、サルナシのドライフルーツがあったので買って帰ったんです。
美味しかったです。
サルになっていたのかも。(^^ゞ
リュウキュウエビネは、先日、「咲くやこの花館」で見ましたが、この個体の方が綺麗ですね。(^^ゞ
本名(?)は、オナガエビネなんですね。
信徳
暫くのご無沙汰でした。
流石に絶滅危惧温室だけに珍しいものが並んでいます。南の物が多いようですがキレンゲショウマもどちらかと言うと南になるんですね、蕾の状態ですが良い状態の様ですね。
今日から再開ですがブログの上では一ヵ月も休養した気分です。また宜しくお願いいたします。
すーちん
サルナシ
キウイの味
チョット食してみたいですね
どの位が
食べ頃か??
長さん
この植物園は絶滅危惧種の保護、収集に力を入れているので、専用の温室があります。そのうち、花の咲いている品種が前列に並べられます。
サルナシの実、ご覧になりましたか。
この日は1時間ほど豪雨だったので、温室にも雨が入り込んだのでしょうね。水滴は色々な植物についていましたよ。
私も今週、どこかに行かないと、ネタ切れになりそうです。
長さん
この温室は、時々珍しい植物が並ぶので、見逃さないようにしています。
サルナシの実がキウイみたいとは、コメントでも証言がありました。
キレンゲショウマ、屋外なら咲いていたでしょうね。
長さん
この植物園では絶滅危惧植物の収集に力を入れており、ここで増やして、自生地に戻すしたり、他の植物園に寄贈したりと言うことも行われています。
サルナシのドライフルーツが売られていましたか。ドライでもキウイのような味がしたのかな。
咲くやこの花館のリュウキュウエビネ、2色の花が咲いていましたね。
長さん
ブログを一ヶ月も休養した気分だとは!!お孫さんたちと暑いお盆を十分に楽しまれまれたようですね。
キレンゲショウマ、まだ若木なので、開花が遅いのかも。
長さん
サルナシの収穫期は9月末から10月だそうで、少し固めのうちに収穫して、室温で10日ほど放置すると柔らかくなって食べ頃だと言うことですよ。でも、野生のナルナシの木が見つからないので、通販で手に入れるしか・・・。
夕菅
でも間に雨が止む時間帯があってよかったですね。
絶滅危惧植物温室はつい後回しにして時間切れ・体力切れでパスすることが多くなりました。
サルナシの近縁にシマサルナシがあり、淡路の友人が毎年送ってくれます。
キウイより小型ですが濃厚で甘く、年末の楽しみです。
長さん
その日の朝、行くことを決めたので、天気予報も見ずに飛び出しました。ご存じのように、15時過ぎの帰り際の方が雨が酷く、雷も凄かったですよね。
絶滅危惧植物温室は珍しい植物が咲いていることがあり、必ず訪れます。
シマサルナシというのもあるのですね。サルナシより大きそうですね。