先月の「つくば夏の洋蘭展」に富貴蘭が出展されていたので、色々なHPを検索していたら、日本富貴蘭会という組織があり、毎年、表記の展示会と即売会があると知ったのです。
富貴蘭とは
「富貴蘭」とは江戸時代から伝わるフウランの園芸品種の総称です。日本富貴蘭会による登録品種はおよそ250品種を数え、古典園芸植物のひとつとして親しまれています。
フウランは、茨城県以南の本州・四国・九州・沖縄に分布し、常緑針葉樹から落葉および常緑広葉樹、時に岩上に生える着生蘭です。深山から海岸まで、その環境適応能力は高く、つまり栽培も容易な植物です。着生する樹種は様々ですが、軽く苔や地衣類が生えている樹皮に長い根を伸ばし、へばり着くようにして生活しています。(以上、日本富貴蘭協会のHPから)
富貴蘭展は初めてなので、スタッフの方に伺うと、「洋ランは交配が盛んだが、富貴蘭は野生のフウランの中から突然異変のものを探し出し、それを育てることを楽しみにするもの」だそうです。
展示された作品を見せていただくと、様々な形態の花があり、花色も白だけでは無く、ピンクや紫が入ったものもありました。最近、紫のものの中には、他の品種や洋ランと交配したものも出来始めているとか。
前置きが長くなりました。作品の中から、各賞が付与された作品を紹介します(‘ ’内は銘です)。
最優秀賞と準優秀賞の作品は、大株で花付きが良く、どの方向から見ても花がまんべんなく咲いている点が評価されたとのことでした。
最優秀賞 ‘土佐緑’ 鈴木孝幸さん
準優秀賞 ‘天 品’ 渡部 宝さん
優良賞 ‘赤 兔’ 武井忠一さん
距と花弁の一部が赤紫色
優良賞 ‘源五郎丸’ 吉田道彦さん
花弁が奇形で、距が短い 残念ながら、ピンズレ
以下は、各賞受賞作品です
園芸JAPAN賞 ‘玉香炉’ 武井忠一さん
3本の距があるだけで、花弁がない奇形品種です
蘭のみその賞 ‘花かんざし’ 田口和徳さん
距や花の一部が赤紫色
作品の紹介が残りました。次回の記事(花ちょう遊館の高山植物館の花)の後半で紹介します。
(つづく)
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ここからは、待ち時間が長い松戸市総合医療センターの近くで撮った花です。
2024年7月8日撮影。
この記事へのコメント
river
昨年は20回目の展示だったようで展示された鉢数は280点ほどでした。
https://hanazukijiji.seesaa.net/article/500164470.html
夕菅
フウランはいつも行く園芸店で見て庭木に着生させようと試しましたが、2度とも失敗して枯らしました。
やはり小まめな水遣りがいるのでしょう。
つくば植物園でも樹木に着生させていますが日陰で高所なので撮影困難です。
長さん
riverさんの植物好きは父上譲りだったんですね。
昨年の富貴蘭展のURLを貼付けていただきましたが、やはり、群馬県は愛好者が多いのですね。
今回は業者さんの即売会もあったので、ざっと見てきましたが、株そのものは勿論、鉢も高いものがありましたよ。
長さん
フウランの着生にトライされましたか。やはり、鉢植えの方が育て易いようですね。
つくば植物園で着生させていますか?初めて知りましたよ。
eko
イッシー
よりディープな方へ向かいましたね
でもとっても綺麗ですね
なおさん
日本のものですから温室などなくてもそれなりに楽しめるのが良いですね。基本は素焼き鉢に水苔植えですが、木炭(備長炭が最適)を何本かテグス糸で束ねて、水苔など使わずじかにフウランを付けて黒い木綿糸で根をぐるぐる巻きにしてしばり付けると完成で、庭木の木陰になるところに吊り下げて1日に1、2回水やりすると良いですね。木炭はヘゴより水持ちが良いのです。
何年かフウランの栽培をしましたが、このところご無沙汰なのがザンネンです。
yoppy702
古典園芸品種なんですね。
日本の伝統園芸技術ってスゴイですね。
「土佐緑」、「天品」、素敵ですね。
ボリームがあってユラユラしそうですね。
「赤兔」、色が素敵です。
パッと見、オダマキの仲間?と思ってしまいました。(^^ゞ
「玉香炉」、面白い!
それに、グリーンがイイですね。
ミズゴケを使われてるのもあるんですか?
着生蘭なので、ミズゴケで育てる事が出来るんですね。
信徳
富貴蘭は独特な花姿ですね。花弁が長く伸びたり色が付いたりで
奥が深いランなんですね。
すーちん
富貴蘭
蘭とは又違う
躍動感があって
良いですねー
もこ
長~く伸びた距が風になびいて咲いて居る様で素敵な蘭ですね。
いよいよ夏本番を感じさせてくれるヒマワリやジニア梅雨明けも間近でしょうね。
長さん
富貴蘭だけの展示会は山野草の愛好家が多い群馬県などではあるようですが、南関東ではここだけのようです。
何せ、江戸時代から続いている園芸なので、銘品も多いらしいです。
会場で、一鉢、数十万円の名が付いたものも売られていましたよ。
最優秀賞と準優秀賞の作品は流石ですね。
長さん
初めて見に行きましたが、ひとつの品種でこんなに変化があるのだというのを初めて知りましたよ。流石に、江戸時代から続く園芸だけのことはあります。
長さん
私は、恥ずかしながら、目も利かないし、鼻も効かないので、富貴蘭がこれ程並んでいても香りを感じませんでした。展示品に鼻を近づけるわけにも行かないし・・・。
フウランは日本に分布する蘭だけに、育て易いのですね。水苔やヘゴより木炭が良いですか、なるほど。
いくら丈夫な山野草とは言え、仕事で世話をする時間が無いと枯れちゃいますよね。
長さん
和蘭についてはあまり知識が無いので、フウランと富貴蘭の違いも知りませんでしたよ。
小品が多い中で、大株で花付きが良い、土佐錦と天品は目立っていました。
色変わりや花の奇形も珍重されるようです。
なおさんによれば、水苔だけで無く、根に木炭を抱かせて縛っているそうです。
長さん
フウランの突然異変を探してきて育てる、それが富貴蘭だそうで、まさに貴重品なんですね。
花色は勿論ですが、距が3本だけで、花弁が無いなんて、究極の変異でしょうね。
長さん
洋ランも奥深いですが、富貴蘭はフウランだけの世界で単純な筈なのに、予想外に奥深い世界でした。
長さん
富貴蘭だけの展示会、江戸時代は流行ったようですが、現代では珍しい部類になってしまったようです。
フウランという一品種なのに、これほどの変異があるとは、ビックリですよ。
ヒマワリも最近は色々な品種が出回ったいますね。今日は草丈が膝くらいしかない品種を見ました。
yasuhiko
フウランは素朴な感じのする花ですが、
そのよさを残しつつ、園芸種は個性豊かで
見応えがありますね。これは育てても
楽しいだろうなと思いました。
長さん
富貴蘭はフウランの貴重種という意味もあるのでしょうね、
江戸時代から続いている趣味だそうですから、変わり種も沢山あるようです。
フウランは基本的には強い草だそうで、育て方は難しくは無いそうです。