日本富貴蘭協会「第18回彩と香の富貴蘭展」にて(1) 富貴蘭とは & 優秀作品の紹介① & 街の花(ヒマワリ、ジニア)

 7月12日、上野公園で開催された、日本富貴蘭協会の「第18回彩と香の富貴蘭展」(7/12~13)を見に行ってきました。和蘭は勿論、富貴蘭だけの展示会は初めてです。
 先月の「つくば夏の洋蘭展」に富貴蘭が出展されていたので、色々なHPを検索していたら、日本富貴蘭会という組織があり、毎年、表記の展示会と即売会があると知ったのです。


展示会の告知(日本富貴蘭協会のHPから)
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展示の様子(恐らく、100鉢以上でしょう)
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富貴蘭とは
 「富貴蘭」とは江戸時代から伝わるフウランの園芸品種の総称です。日本富貴蘭会による登録品種はおよそ250品種を数え、古典園芸植物のひとつとして親しまれています。
 フウランは、茨城県以南の本州・四国・九州・沖縄に分布し、常緑針葉樹から落葉および常緑広葉樹、時に岩上に生える着生蘭です。深山から海岸まで、その環境適応能力は高く、つまり栽培も容易な植物です。着生する樹種は様々ですが、軽く苔や地衣類が生えている樹皮に長い根を伸ばし、へばり着くようにして生活しています。(以上、日本富貴蘭協会のHPから)
 富貴蘭展は初めてなので、スタッフの方に伺うと、「洋ランは交配が盛んだが、富貴蘭は野生のフウランの中から突然異変のものを探し出し、それを育てることを楽しみにするもの」だそうです。
 展示された作品を見せていただくと、様々な形態の花があり、花色も白だけでは無く、ピンクや紫が入ったものもありました。最近、紫のものの中には、他の品種や洋ランと交配したものも出来始めているとか。

 前置きが長くなりました。作品の中から、各賞が付与された作品を紹介します(‘ ’内は銘です)。
 最優秀賞と準優秀賞の作品は、大株で花付きが良く、どの方向から見ても花がまんべんなく咲いている点が評価されたとのことでした。


最優秀賞 ‘土佐緑’  鈴木孝幸さん
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準優秀賞 ‘天 品’  渡部 宝さん
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優良賞 ‘赤 兔’  武井忠一さん
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距と花弁の一部が赤紫色
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優良賞 ‘源五郎丸’  吉田道彦さん
花弁が奇形で、距が短い   残念ながら、ピンズレ
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以下は、各賞受賞作品です

園芸JAPAN賞 ‘玉香炉’  武井忠一さん
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3本の距があるだけで、花弁がない奇形品種です
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蘭のみその賞 ‘花かんざし’  田口和徳さん
距や花の一部が赤紫色
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 2024年7月13日撮影。

 作品の紹介が残りました。次回の記事(花ちょう遊館の高山植物館の花)の後半で紹介します。
(つづく)

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 ここからは、待ち時間が長い松戸市総合医療センターの近くで撮った花です。
ヒマワリ(向日葵)
キク科ヒマワリ属の一年草。原産は北アメリカ。草丈1m位の品種
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ジニア・プロフュージョン
キク科ジニア属の多年草(春まき一年草)
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 2024年7月8日撮影。

この記事へのコメント

  • river

    富貴蘭は亡父が栽培していたことがあるので実物はかなり古くから知っていました。16代将軍家斉が愛好者だったことで有名です。当時から大変高価なものが多く「大名園芸」と呼ばれていました。群馬でも愛好者がいるようで昨年、7月に渋川市北橘行政センターで開催された橘山草会の富貴蘭展を見てきました。
    昨年は20回目の展示だったようで展示された鉢数は280点ほどでした。
    https://hanazukijiji.seesaa.net/article/500164470.html
    2024年07月16日 15:04
  • 夕菅

    富貴蘭だけの展覧会があるのですね。
    フウランはいつも行く園芸店で見て庭木に着生させようと試しましたが、2度とも失敗して枯らしました。
    やはり小まめな水遣りがいるのでしょう。
    つくば植物園でも樹木に着生させていますが日陰で高所なので撮影困難です。
    2024年07月16日 16:31
  • 長さん

    🚩 riverさん、コメントありがとうございます。
    riverさんの植物好きは父上譲りだったんですね。
    昨年の富貴蘭展のURLを貼付けていただきましたが、やはり、群馬県は愛好者が多いのですね。
    今回は業者さんの即売会もあったので、ざっと見てきましたが、株そのものは勿論、鉢も高いものがありましたよ。
    2024年07月16日 21:20
  • 長さん

    🚩 夕菅さん、コメントありがとうございます。
    フウランの着生にトライされましたか。やはり、鉢植えの方が育て易いようですね。
    つくば植物園で着生させていますか?初めて知りましたよ。
    2024年07月16日 21:23
  • eko

    富貴欄だけの展示会があるんですね。登録品種はおよそ250品種もあるとは凄いですね。それも野生のフウランの中から突然異変のものを探し出してそれを育てるとは変わった花が見つけられたら最高なんでしょうね。最優秀賞と準優秀賞は本当に花付きが見事ですね。ピンクや紫が入ったものは可愛いですね。
    2024年07月16日 23:03
  • イッシー

    なんだかすごいな~。
    よりディープな方へ向かいましたね
    でもとっても綺麗ですね
    2024年07月16日 23:37
  • なおさん

     富貴蘭の展示をご覧になりましたか。香りは蛾を惹き寄せるため、夜の方が強いですが、昼でもそれなりに楽しめますね。
     日本のものですから温室などなくてもそれなりに楽しめるのが良いですね。基本は素焼き鉢に水苔植えですが、木炭(備長炭が最適)を何本かテグス糸で束ねて、水苔など使わずじかにフウランを付けて黒い木綿糸で根をぐるぐる巻きにしてしばり付けると完成で、庭木の木陰になるところに吊り下げて1日に1、2回水やりすると良いですね。木炭はヘゴより水持ちが良いのです。

     何年かフウランの栽培をしましたが、このところご無沙汰なのがザンネンです。
    2024年07月16日 23:42
  • yoppy702

    富貴蘭って名称は知ってますが(長さんとこで見たのかも)、今回、再認識です。
    古典園芸品種なんですね。
    日本の伝統園芸技術ってスゴイですね。
    「土佐緑」、「天品」、素敵ですね。
    ボリームがあってユラユラしそうですね。
    「赤兔」、色が素敵です。
    パッと見、オダマキの仲間?と思ってしまいました。(^^ゞ
    「玉香炉」、面白い!
    それに、グリーンがイイですね。
    ミズゴケを使われてるのもあるんですか?
    着生蘭なので、ミズゴケで育てる事が出来るんですね。
    2024年07月16日 23:51
  • 信徳

    ご無沙汰しています。
    富貴蘭は独特な花姿ですね。花弁が長く伸びたり色が付いたりで
    奥が深いランなんですね。
    2024年07月17日 06:31
  • すーちん

    おはようございます
    富貴蘭
    蘭とは又違う
    躍動感があって
    良いですねー
    2024年07月17日 08:19
  • もこ

    富貴蘭展このような展示会は見た事ありません。
    長~く伸びた距が風になびいて咲いて居る様で素敵な蘭ですね。
    いよいよ夏本番を感じさせてくれるヒマワリやジニア梅雨明けも間近でしょうね。
    2024年07月17日 11:27
  • 長さん

    🚩 ekoさん、コメントありがとうございます。
    富貴蘭だけの展示会は山野草の愛好家が多い群馬県などではあるようですが、南関東ではここだけのようです。
    何せ、江戸時代から続いている園芸なので、銘品も多いらしいです。
    会場で、一鉢、数十万円の名が付いたものも売られていましたよ。
    最優秀賞と準優秀賞の作品は流石ですね。
    2024年07月17日 20:30
  • 長さん

    🚩 イッシーさん、コメントありがとうございます。
    初めて見に行きましたが、ひとつの品種でこんなに変化があるのだというのを初めて知りましたよ。流石に、江戸時代から続く園芸だけのことはあります。
    2024年07月17日 20:32
  • 長さん

    🚩 なおさん、コメントありがとうございます。
    私は、恥ずかしながら、目も利かないし、鼻も効かないので、富貴蘭がこれ程並んでいても香りを感じませんでした。展示品に鼻を近づけるわけにも行かないし・・・。
    フウランは日本に分布する蘭だけに、育て易いのですね。水苔やヘゴより木炭が良いですか、なるほど。
    いくら丈夫な山野草とは言え、仕事で世話をする時間が無いと枯れちゃいますよね。
    2024年07月17日 20:39
  • 長さん

    🚩 yoppy702さん、コメントありがとうございます。
    和蘭についてはあまり知識が無いので、フウランと富貴蘭の違いも知りませんでしたよ。
    小品が多い中で、大株で花付きが良い、土佐錦と天品は目立っていました。
    色変わりや花の奇形も珍重されるようです。
    なおさんによれば、水苔だけで無く、根に木炭を抱かせて縛っているそうです。
    2024年07月17日 20:46
  • 長さん

    🚩 信徳さん、コメントありがとうございます。
    フウランの突然異変を探してきて育てる、それが富貴蘭だそうで、まさに貴重品なんですね。
    花色は勿論ですが、距が3本だけで、花弁が無いなんて、究極の変異でしょうね。
    2024年07月17日 20:49
  • 長さん

    🚩 すーちんさん、コメントありがとうございます。
    洋ランも奥深いですが、富貴蘭はフウランだけの世界で単純な筈なのに、予想外に奥深い世界でした。
    2024年07月17日 20:52
  • 長さん

    🚩 もこさん、コメントありがとうございます。
    富貴蘭だけの展示会、江戸時代は流行ったようですが、現代では珍しい部類になってしまったようです。
    フウランという一品種なのに、これほどの変異があるとは、ビックリですよ。
    ヒマワリも最近は色々な品種が出回ったいますね。今日は草丈が膝くらいしかない品種を見ました。
    2024年07月17日 20:56
  • yasuhiko

    フウランの園芸種でしたか。
    フウランは素朴な感じのする花ですが、
    そのよさを残しつつ、園芸種は個性豊かで
    見応えがありますね。これは育てても
    楽しいだろうなと思いました。
    2024年07月17日 22:30
  • 長さん

    🚩 yasuhikoさん、コメントありがとうございます。
    富貴蘭はフウランの貴重種という意味もあるのでしょうね、
    江戸時代から続いている趣味だそうですから、変わり種も沢山あるようです。
    フウランは基本的には強い草だそうで、育て方は難しくは無いそうです。
    2024年07月18日 09:36