今回はシリーズ最終回で、絶滅危惧商物温室で見た花などを紹介します。
コウヤミズキ(高野水木)
マンサク科トサミズキ属の落葉低木。本州中部地方~四国・九州に分布
別名:ミヤマトサミズキ(深山土佐水木)
フクジュソウ(福寿草)‘紅撫子’
キンポウゲ科フクジュソウ属の多年草。園芸品種。花期は1~2月
人気の紅花種で、花弁の先が鋸状に切れ込みが入ったナデシコ咲き
ツクシチャルメルソウ(筑紫哨吶草)
ユキノシタ科チャルメルソウ属の多年草。日本固有種。準絶滅危惧(NT)
九州の山地渓流沿いに生育する。自生地や個体毎に葉の形の変異が大きい
牧野富太郎博士によって記載された種
過去には四国にも分布していた可能性あり。葉の状況はこちら
コチャルメルソウ(小哨吶草) 初見です
ユキノシタ科チャルメルソウ属の多年草。日本固有種(本州、四国、九州)
山地の湿った場所に生育する。ボットも分布が広く、個体数も多いチャルメルソウの一種だが、地域ごとに性質が大きく異なる。分布の南限にあたる収集では数を減らしている。葉の状況はこちら
カンアオイの色々
フクエジマカンアオイ(福江島寒葵) 絶滅危惧IA類(CR)
1994年、最も遅く発見された希少種で、五島列島に分布
個体数が少なく、自生地の状況が不明で、絶滅した恐れが大きい
フジノカンアオイ(藤野寒葵) 絶滅危惧Ⅱ類 (VU)
奄美大島の湿潤な森林下に自生。日本のカンアオイの中で最も大株に。
自生地や株ごとに花の色や形に大きな異変があり、複数種を含む可能性あり
花には動物の糞のような悪臭がある
フジノカンアオイ(大花型)
奄美大島には8種類のカンアオイ類が分布するが、フジノカンアオイは
最も広範に分布する種。その中で、この様な花の大きいものは、オオ
フジノカンアオイとよばれることもある
ヒュウガカンアオイ(日向寒葵) 初見です
九州南部の限られた場所に分布する未記載種。ややトイミサキ
カンアオイに似るが、花の構造にかなりの違いがあり、独立種
と考えられる。自生地での個体数は少ない
ナタデラカンアオイ(那谷寺寒葵) 初見です
石川県、福井県の限られた場所だけに生える。萼裂片が良く発達した
黒っぽい花を咲かせる。ヒメカンアオイやカントウカンアオイに近い
種と考えられるが、まだ正式な学名が与えられていない
トイミサキカンアオイ(都井岬寒葵) 初見です
九州南部の限られた場所に分布する未記載種。冬に開花する。
詳細は不明だが、他に似た種はなく、独立種と考えられる。
自生地での個体数は少ない
ツクシアオイ(筑紫葵) 絶滅危惧Ⅱ類(VU) 初見です
九州北西部の林床に育成する固有種。春に開花する。
奄美大島のフジノカンアオイにやや似た花を付けるが、
全体に小型で、花の表面に毛があることで区別できる
ナンゴクアオイ(南国葵) 絶滅危惧II類 (VU)
鹿児島県の宇治群島と大隅諸島の黒島に分布。サンヨウアオイに似て
萼筒がくびれた花をつけ、萼裂片の両面に毛が密集するのが特徴
ヤクシマアオイ(屋久島葵) 絶滅危惧II類 (VU) 初見です
屋久島の山地の常緑樹林に分布。大きな花を付け、珍しいので、
園芸用に多数採取され、数を減らしている。鬼の腰巻きを思わ
せる色彩からオニカンアオイと呼ばれることもある
ヤエヤマカンアオイ(八重山寒葵) 絶滅危惧IB類 (EN)
西表島の限られた場所にのみ自生する希少種。2009年に台湾でも発見され、
唯一日本固有種ではなくなった、花には甘い香りがある
センカクアオイ(尖閣葵) 絶滅危惧IA類(CR) 初見です
尖閣諸島の魚釣島に分布する。花期は春。萼筒内部の網目があまり
発達しないなど、地域的に近い先島諸島に分布するオモロカン
アオイに良く似る。花はより大きく、また、雄しべ、雌しべ
の数がオモロカンアオイの倍である
サンインカンアオイ(山陰寒葵) 初見です
西日本の日本海側に分布するカンアオイ類はサンインカンアオイと
呼ばれることが多いが、研究が不十分でその実態は不明。アツミカン
アオイに似ているとされるが、展示中の個体はアツミカンアオイとは
異なった形態であり、分類学的位置づけを明確にさせる必要がある
(シリーズ終了) 11回もお付き合いいただき、ありがとうございました。
3月24日より1泊2日の旅に出ておりますので、コメント欄を閉じています。
お伺いしますが、コメントはご容赦願います。