今回の目的は、特別企画「冬の華・サザンカ」展(11/28~1/28)を見る事ですが、特別企画「伝統の古典菊」展(10/31~11/26)が終って間もなくなので、まだ古典菊の展示が残されていました。
古典菊の色々とサザンカの色々を投稿してきましたが、今回は、カンツバキ群のサザンカの続きと、タゴトノツキ群などの紹介です。
続・カンツバキ群のサザンカ
瀬戸白(せとじろ)
黄白、八重の牡丹咲き、小輪、11~1月、1990年・今治市・丹下幸雄氏作出
稚子桜(ちござくら)
白色で外弁の縁が淡紅色、八重、中輪、11~12月、熊本(肥後)
ベティパトリシア
米国ジョージア州生まれの偶発実生。咲き始めの花はバラに似た華やかな品種
桃色、千重、中輪、11~12月。1952年に初めて開花したという
シルバーダラー
白地の八重、海外作出品種
ミスエド
ピンクがかった灰白色、八重、海外作出品種
リトルピアル
白色で外弁の先端が少し薄紅色、八重、海外作出品種
コットンキャンディ
薄紅色、八重、海外作出品種
タゴノトツキ群
中国原産の「油茶」の系統を引くものと考えられています。園芸品種は少なく、古くから知られているものは「田毎の月」ただひとつです。
なお、「田毎の月」の特徴は、白の小輪、一重咲(雄蘂弁化なし)、花の香は弱、萼苞は開花時には落下、葉の大きさは大、立性で横にも張る。
銀 宝(田毎の月の実生)
白色、一重、平開咲き、小輪、11~12月、葉は大形で光沢はない
以下は、タゴトノツキ群ではありません
油 茶(ゆちゃ)桃花
ツバキ科ツバキ属の常緑高木。中国・台湾・ミャンマー・タイ・ベトナムの標高500~1800m帯に分布。花期は10~1月。名は実から油を採取したことによる
花合せ(はなあわせ)
サザンカ、カンツバキ、チャの三元交雑種。 初見です
サザンカの鉢にヒノキの葉のような植物が一緒に植えられていました。古典園芸植物のひとつだそうです。
マツバラン(松葉蘭)
マツバラン科マツバラン属のシダ植物。マツバラン科では日本唯一の種
関東地方南部から四国、九州、南西諸島、台湾、中国及び熱帯地方原産
林中の樹上や岩の上、岩の隙間などに着生。江戸時代から栽培されてきた
クコ(枸杞)の実
ナス科クコ属の落葉低木。花期は7~11月。9月頃から赤橙色の実が目立つ
サフラン
アヤメ科サフラン属の多年草。原産は南ヨーロッパ~小アジア
よく似た花のクロッカス(別名:ハナサフラン)は春に咲く
クロモジ(黒文字)の黄葉
クスノキ科クロモジ属の落葉低木。同即のヤマコウバシは紅葉する
次回は、ハルサザンカ群のサザンカや江戸サザンカの色々などを紹介します。
(つづく)
この記事へのコメント
信徳
今日のサザンカは白、白+ピンク系ですね。これらは殆どが作出されたものですか?
民家の生垣に多用されているサザンカは殆どが赤系ですね。白いサザンカの生垣って見た事がありません。
赤いクコの実がビッシリとなっています。台湾では乾燥クコの実が薬膳料理には欠かせません。
なおさん
田毎の月というのは、銘も趣がありますが、花も趣が良いですね。
クロモジは山形・小国のブナ林の下生えの灌木としても多く見られ、黄金の森と言われるほどに黄色く色付きますね。
eko
クコの赤い実がいっぱい、美味しそうです。中華料理のおかゆに入っているのしか食べたことがありません。
サフランもたくさん咲いて可愛いです。
長さん
今回のカンツバキ群の品種は、上から3つは由来が分っていますが、それ以下の海外作出品種は近年のものでしょう。
確かにサザンカの白は、街中では少ないですね。しかし、サザンカの原種は白花だそうで、それに赤いカンツバキ等が交雑して、赤系が作出されたようです。
クコの実は中華料理では重宝されていますね。
長さん
サザンカやツバキは海外でも人気だそうで、その園芸種数は数千に上り、日本より一桁多いそうです。
田毎の月は入手困難なようで、ここではその実生が展示されていました。
山形小国辺りでは自生のクロモジが多そうですね。ここのは小木ですが、沢山あると黄葉も綺麗でしょうね。
長さん
やはり、白花のサザンカは見ることが少ないですか。清楚で良いですが、赤やピンクの方が一般受けしやすいでしょうね。
サザンカやツバキは海外でも人気で、園芸種数は日本より一桁覆いそうですよ。
クコの実、プリプリで美味しそうですが、植物苑で食べるのはルール違反です。中華料理では乾燥した実が使われますね。
river
田毎の月は古くから日本では系統不明のサザンカとして扱われてきました。現在では葉緑体DNAのPCR-RFLP分析および塩基配列解析の結果から「田毎の月」の母系祖先種がユチャであることが分かりました。
長さん
サザンカの園芸種の発展について、歴史的なご説明をいただき、ありがとうございます。
今回は、タゴトノツキ群の基になった油茶や、花合わせという珍しい花を見る事が出来て良かったです。
イッシー
見ごたえありますね~。近くにこんなとこないかな~
長さん
サザンカの品種が沢山保存されているところは、東京農工大学の府中キャンパスが有名だそうで、200種以上のサザンカコレクションは世界有数だそうです。全部地植えで、多分、見学可能だと思いますよ。
ちなみに、くらしの植物苑のサザンカは東京農工大学から寄贈されたものです。
yoppy702
「リトルピアル」がフリフリのような感じやし、薄紅のぼかしがあるので綺麗です。
「ベティパトリシア」は偶発実生なんですね。
咲き始めがバラに似た…ってなんか想像できそうです。
「田毎の月」、チェックしてみました。
「銀宝」と同じような花でした。
しべが、これだけ綺麗から、こういう花姿をしてるんですね。
「マツバラン」って、実際に見た事はないんですが、名前に記憶があります。
花(?)のような、小さい丸いのが出来るんでしたっけ?
いや、、、記憶がメッチャ曖昧です。<(_ _)>
ジュン
山茶花のお花
街路樹でしか見ませんが
種類も多く綺麗なお花ですね
すーちん
純白のサザンカは
見たことないですねー
サザンカといえば
生け垣のピンク^^
コスモス
近所にも白いサザンカがあり、いつも楽しんでいます。
淡いピンク色もいいですね。
12月に入ってから、近所でクコの実をやっと見つけました。こんなにたくさん生っていませんが、刈り取られずに残っていました。
長さん
海外はサザンカやツバキの園芸種作りが盛んなだけに、規定名花が咲く品種が色々出来ているようです。
ネットで田毎の月を検索されましたから。銀宝が似ているのはそれの実生だから当然と言えば、当然ですが。
マツバランはここでしか見たことが無いです。小さな丸いものがあったとしたら、それは胞子嚢で、熟すと黄色くなるそうです。
長さん
サザンカは古くから多くの園芸種が作られていますが、これらの品種は少なくなる一方ですから、こうして維持管理されいるのはありがたいことです。
長さん
街中ではピンクのサザンカが多く、白は殆どど見かけませんねー。
長さん
近所で白いサザンカが咲いていますか。それ、珍しいですよ。余程サザンカがお好きなお宅なのでは。
こちらでもウォーキング中にクコの実を見ることがありますが、実の付き方がまばらで、大きさも小さいです。この植物苑のものは肥料が良く効いているのでしょうね。