今回の目的は、特別企画「冬の華・サザンカ」展(11/28~1/28)を見る事ですが、特別企画「伝統の古典菊」展(10/31~11/26)が終って間もなくなので、まだ古典菊の展示が残されていました。
古典菊の色々と、サザンカの色々を交互に投稿していますが、今回は江戸菊の紹介です。
江戸菊とは
花弁は平弁で、開花するにつれて花が様々に変化(芸をする)のが特徴で、この変化を「狂い」と呼びます。狂いは開花直後から始まり、終わるまでには1か月近くもかかります。江戸菊は江戸時代の初頭から育成されていましたが、現在に受け継がれる花形が成立したのは、江戸時代後期の文化・文政期(1804~1830)とされています。
花の咲き始めは周辺の舌状花の花弁が垂れ下がり、中心部の筒状花が見えます。さらに咲き進むと中心部に近い舌状花の花弁から順次立ち上がり、いろいろに折れ曲がって筒状花を包み込むように抱えます。江戸菊は咲いて10日、開いて10日、狂って10日と言われ、長く楽しめる花です。
江戸菊の展示の様子
多摩の桜(たまのさくら)
丘の曙(おかのあげぼの)
下谷紫(したやむらさき)
平成絵巻(へいせいえまき)
宿の一本(やどのひともと)
達磨山(だるまやま)
春 偲(はるしのぶ)
八幡山(やはたやま)
瀬田の月(せたのつき)
江戸(実生) RE-1
江戸(実生) RE-6
江戸(実生) RE-15
以下は、苑内で咲いていた花や黄葉です
コウシンバラ(庚申薔薇)
バラ科バラ属の落葉小木。園芸品種。原産は中国
四季咲き性があり、和名の由来は庚申月(つまり隔月)に咲くからだという
コナラ(小楢)の黄葉とドングリ
ブナ科コナラ属の落葉高木。別名:ハハソ、ナラ
クヌギ(櫟)の黄葉
ブナ科コナラ属の落葉高木。左は高い枝、右は低い枝
次回は、サザンカのシシガシラ群(カンツバキ群)続きを紹介します。
(つづく)
この記事へのコメント
もこ
まだまだ綺麗な江戸菊
「江戸菊は咲いて10日、開いて10日、狂って10日と言われ、長く楽しめる花」それでまだまだ楽しめるのですね。
イッシー
nobara
極端でないのが好感が持てます。
平弁咲きなのに芸達者なんですね(^o^)丿
コナラは黄葉が実にいいですね。
袴も外れてますが、今年の?ですか?
river
今は菊花展に行っても古典菊の展示は大変少ないです。現代人の好みには合わないのかもしてません。それでも歴史のある古典菊が絶えないで欲しいと思います。
なおさん
。ひとの場合は、狂気も才気も紙一重と考えられがちですよねえ。
武蔵野の雑木林を代表するコナラとクヌギの色付く頃は、いちばんの見どころで良い時期ですよね。
コナラはこの頃はナラ枯れがずいぶん目立ってきました。
eko
コウシンバラが素敵な花色で綺麗です。
ドングリがいっぱい落ちていますね。誰も拾わないのでしょうか。実の採集は禁止でしょうね。
長さん
白いサザンカがお好みですか。花弁の傷みが目立ちやすいですが、それは仕方がないことですね。
江戸菊は狂った姿も面白いのですが、今回は見る事が出来ませんでした。
長さん
菊はサザンカと違って上の方にまとまって咲きますから、こうして並ぶと華やかですよね。狂った花も見たかったのですが、今回は残念でした。
長さん
江戸菊は花色も豊富で、咲き方が変わっていくのが面白いですね。平成絵巻なんかは狂い初めかなーと思います。
コナラの実、袴は外れていますが、今年落ちた実です。
長さん
父上が江戸菊を栽培しておられましたか。それでは、咲き方が変わっていく様子もご存じですね。
確かに、菊花展では仕立て方の色々は見る事が出来ますが、古典菊は殆ど見ませんね。
この植物苑が古典菊を収集しているのは、このままでは絶えてしまうという危機感からでしょうね。
長さん
キクの狂いは説明書きにしか書かれていませんが、咲き方が変わっていくというのは面白いですね。ロシアやイスラエル・ハマスなんかは狂っているとしか思えませんね。
武蔵丘陵森林公園でもコナラやクヌギが黄葉しているでしょうね。
ナラ枯れ、問題になっていますね。つくば植物園ではビニール袋とクリアファイルを幹に巻き付ける対策が効果を発揮しているそうです。
長さん
今回は、江戸菊が完全に狂った姿は見る事が出来ませんでしたが、平成絵巻なんかは狂い初めと言って良いと思います。
実生の品種、いずれ和名が付けられるでしょう。
ドングリがたくさん落ちています。しかし、植物苑では枯葉なりとも持って帰ることは禁止されています。
yoppy702
「咲いて10日、開いて10日、狂って10日」と言う事は、ちょこっと行って見るだけじゃ、江戸菊の事を知らなかったら、本来の素晴らしさが分からないんですね。
古典菊、やっぱり、奥が深いです。
「芸をする」、「狂い」…
江戸菊に限らず、今に受け継がれてる江戸の文化ってスゴイですね。
「平成絵巻」なんて、「絵巻」ってなってるから、どんな変化なんやろ?って思ってしまいます。(^^ゞ
「春偲」が綺麗ですね。
これは、支えがあるから大輪なんですか?
コナラとクヌギの黄葉、、、黄金色になってて綺麗です。(^^)
ジュン
江戸菊は種類も多く
咲いて10日開いて10日狂って10日と
長く楽しめ全部の姿を見たいですね
すーちん
江戸菊
柵時期によって色が
微妙にへんかしまっすねー
白、黄色はそれ程出ないですが
赤は目立ちますねー
長さん
花が芸をするなんて面白いですね。
平成絵巻なんかは花弁が巻く様子が見られるので、狂い初めなのかもしれません。春偲は他より大輪ですが、舌状花を包み込んでいるように見えます。
長さん
菊葉は長々モチしますが、江戸菊はその間に花弁が変化するのが特徴です。平成絵巻や春偲は狂い初めじゃないかと思っています。
長さん
江戸菊を手がけたことがおありですか。私らはその年1回限りの見学ですから、花色が変化することは見る事が出来ませんが、花弁が芸をするというのは若干感じられました。