今回は、2日目の午後に訪れた「とちぎ花センター」で見た花などの3回目です。
前記事で紹介した展示温室の右手には「ブルーローズ」のコーナーがありました。このコーナーは、栃木県佐野市に生まれたアマチュア育種家・小林森治氏が作出した「青いバラ」を一堂に収集・展示し、その遺伝資源を後世に残すための保存をしている、世界で唯一のバラ園です。
なお、紹介するバラは、作出年の新しい順です。
青 龍(登録名称は「青竜」)
HT、剣弁高芯咲き、大輪、微香、1992年・小林森治
交配でできた青バラにもかかわらず、青色遺伝子が入っていると分った希少
品種。いわゆる青バラの中でも、恐らく最も青みのあるバラと言われている
ターンブルー
FL、アンティークタッチ・カップ咲き、中輪、微香、2008年・小林森治
紫の園
F、丸弁半八重平咲き、中輪、微香、1980年・小林森治
1985年 日本バラ会国際ばら新品種コンクール 銅賞受賞
たそがれ
F、半八重丸弁平咲き、中輪、微香、1977年・小林森治
続いて、「とちはなちゃんドーム」(鑑賞大温室)に入ります
大花壇の上部からみた「とちはなちゃんドーム」(有料施設)
ヒメアリアケカズラ(姫有明葛)
キョウチクトウ科アラマンダ属の常緑蔓性熱帯性低木。ブラジル原産
花径は5cmで、アリアケカズラ(同5cm~10cm)より小さい
セイロンライティア
キョウチクトウ科ライティア属の非耐寒性常緑低木。スリランカ原産
花期は6~10月と長い。花径は3cm。花には香りがない
ルエリア・グラエキザンス
キツネノマゴ科ルイラソウ属(ルエリア属)の多年草。南アメリカ原産
花の長さは約3cm。花筒の内側に白い網目模様がある
チャイニーズ・ハット
シソ科ホルムショルディア属の常緑低木
原産はインド~ヒマラヤ。別名:ホルムショルディア・サンギネア
お皿のような萼の中央から筒状の花が咲く様子を中国式の帽子に例えた
写真はつぼみ。こんな花が咲きます
メディニラ・スペキオサ
ノボタン科メディニラ属の非耐寒性常緑小低木
原産はインドネシア・ジャワ島。別名:サンゴノボタン(珊瑚野牡丹)
残念ながら、殆どつぼみだった
フォックスフェイス
ナス科ナス属の一年草。熱帯アメリカ原産。和名はツノナス(角茄子)
別名:キツネナス、カナリアナスなど。ハロウィーンの飾りが残っていた
ヒゴロモコンロンカ(緋衣崑崙花)
アカネ科コンロンカ属の蔓性常緑低木。原産地はコンゴ、ザイールなど
萼苞の長さは5cm。学名:ムッサエンダ・エリトロフィラ
ポインセチアに似た感じなので「サマーポインセチア」の愛称がある
花径は1~2cmで、こんな花です
ムラサキルエリア
キツネノマゴ科ルイラソウ属の半耐寒性宿根草、花径は4cm
原産は熱帯アメリカ、アフリカ。別名:エリア・チューベローサ
葉が細いヤナギバルイラソウの仲間
ローゼル
アオイ科フヨウ属の一年生または多年生の亜灌木(亜低木)
西アフリカ原産、インド~マレーシアにかけた地域が原産(諸説あり)
別名:ハイビスカス・ローゼル、ロゼリ草、レモネードブッシュなど
花期は8~11月で、クリーム色かピンクの花が咲く(こちら)
次回は、とちはなちゃんドーム(鑑賞大温室)で見た花などの続きを投稿します。
(つづく)
この記事へのコメント
なおさん
これからどんどん花が少なくまってくる時期ですから、あれこれ花を見たいとなると温室ですかねえ。
イッシー
温室のお花もいいな~。
綺麗に撮られていて見ごたえ十分ですね。
信徳
温室内には珍しい草花ばかりです。
nobara
どうしても、青紫っぽく見えてしまいますね。
青龍はさすがにより青バラに近づいてます。
温室はこんなに色々咲いているんですねー
チャイニーズ・ハットが可愛らしい💛です。
フォックスフェイス、🎃の飾り、保護色ですね(笑)
eko
「とちはなちゃんドーム」の花も様々咲いていて楽しいですね。ローゼルはこの夏植えて咲かせました。写真の赤い苞が食用になりますね。
river
小林森治氏の本職は電気技師ですが「ミスターブルーローズ」と呼ばれるほどの功績を残しました。
一か所ですべてを見られるところは他にはありませんね。
長さん
鬼舞辻無惨ってアニメのキャラクターですか。青いバラの作出はバラの育種家にとっては夢ですよね。でも、小林森治が作ったバラに青の遺伝子が発見されたというのは画期的ですよね。以来、30年経つのに未だに本物の青いバラが出来ていませんね。
温室、ありがたい存在です。
長さん
コチョウランはツユクサの遺伝子を導入して青い花ができましたが、バラはまだ実現されていないので、小林森治は凄いことを実現したんですね。
イッシーさんに、綺麗に撮られているなんて言われると嬉しいが、被写体が良かったのでしょう。
長さん
小林森治が青いバラを作ってからもう30年ですが、これ以上のもの初食らえていないので、凄いことです。コチョウランはバイオ技術で青い花ができましたが、バラはまだ実現していませんからね。
長さん
青龍を作出した小林森治さんは74歳で亡くなられました。もっと青いバラを作りたかったと、さぞ、心残りだったでしょうね。
鑑賞大温室は大きいだけに展示品種数が多いですが、やはり11月だと花は少なくなっていました。
チャイニーズハットは残念ながらつぼみでした。フォックスフェイス、ハロウィーンの飾りを取り忘れているようです。係員も保護色で見落とした(笑)。
長さん
青竜はぎふワールドローズガーデンでご覧になりましたか。バイオ技術で青いコチョウランは実現しましたが、バラはまだfr来ていません。草と木の違いは乗り越えられない壁があるのかもね。
鑑賞大温室、やはり秋は花が少なくなるようです。4月に行ったときはもっと色々咲いていましたよ。
ローゼルは赤い苞が食用に、実がお茶として利用できますね。
長さん
詳しく調べなかったのですが、「青龍」は不稔だったのですか。それでは交配親になれませんね。さぞ残念だったことでしょう。不念でも、挿し木で増やせるでしょうから、他の作出種と共に、あちこちに植えてほしいものです。
yoppy702
これは必見ですね。(^^)
ショッキングブルーが作出された当時は、今までに無いブルーと言われていたらしいですが、今見ると、赤紫ですから、以降も、作家さんは、御苦労されて進化なさってるんですね。
ブルーの付くバラって、大抵、藤色系ですが、「青龍」は、これは、もはや、ブルーですね。
この後、研究が進み、もっと濃いブルーが出来たら、ノーベル賞程の価値があるやろなぁ…
夢かもしれないけど。(^^ゞ
「とちはなちゃんドーム」、立派な大温室ですね。
チャイニーズ・ハット、面白いなぁ…
これがシソ科?と思いましたが、「こんな花」をクリックすると納得しました。(^^ゞ
ミキ
ないものに挑戦するのは、本能なのでしょうか。
ご苦労も多いと思いますが、花は美しいです。
チャイニーズ・ハット、楽しい花ですが、
花かと思ったら赤い花が咲くのでびっくりです。
温室の花、楽しみです。(^^♪
すーちん
コンロンカ
赤もあるんですねー
葉っぱも
ポインセチアに似てますね
長さん
「青いバラ」コーナーがあるバラ園は他にないのではないかと思います。ショッキングブルーは見たことがないですが、ネット画像を見ると、とても青といえたものではないですね。
バイオ技術が発達した現在でも青いバラは実現できていないので、まだまだ年数がかかりそうです。
チャイニーズハット、運が良くないと花を見る事が出来ません。隠し画像は唯一のチャンスでした。
長さん
育種の専門家ではない、アマチュアの小林さんが「青いバラ」を作り出したのですから素晴らしいですよね。残念ながら、道半ばでお亡くなりになりました。
チャイニーズハット、こんな姿のことが多いです。花を見たのは一回だけなんです。
長さん
ヒゴロモコンロンカは、白い苞葉で黄色い花が咲くコンロンカと同属ではあるのですが、これがドウ即?と思える程、似ていませんね。
夕菅
小林森治さんのバラ、淡い色ですがきれいですね!
今はサントリーが挑戦しているとか。
草花については青い花の研究が進んでいて、2019年にはつくば植物園で「青いキク」の展示がありました。
長さん
つくば植物園で青い菊が展示されましたか。青いコチョウランの時は観に行きましたが・・・。サントリーは青いバラにも挑戦しているのですね。
小林森治の作った青龍には青い遺伝時が含まれていましたが、不稔であったために、それ以降の交配種は作れなかったそうです。
バイオ技術で作った場合、不稔が求められるので、サントリーも苦労しているでしょうね。草と木の違いも大きな問題でしょう。
青い菊を作った色素はチョウマメから取り出したのですってね。偶然ですが、前記事にチョウマメを投稿しました。