小石川植物園にて_23年9月末(7) 薬園保存園1(シャクチリソバ、アシタバ、イノコヅチ、ミシマサイコ、ナンバンカラムシ、タツナミソウ、コンニャク、ホソバオケラ、エビスグサ、フヨウなど)

 9月28日、小石川植物園に行ってきました。
 今回から、屋外で咲いていた花などを投稿します。まずは「薬園保存園」です。
 小石川植物園は、もとは徳川幕府の薬園でした。薬園保存園では往事を記念して、当時ここで栽培されていた約120種の薬用植物を栽培しているそうです。


ダイコンソウ(大根草)
バラ科ダイコンソウ属の多年草。北海道〜九州の山野に分布
実はひっつき虫になります(1枚目)、花期は6〜8月
これだけは、温室から薬園保存園に行く途中で、繁茂していたもの
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シャクチリソバ(赤地利蕎麦)
タデ科タデ属の多年草。原産はパキスタン~中国。日本には明治時代に薬種
として渡来し、ここで育てられた。和名は牧野富太郎の命名。別名:シュッ
コンソバ。種はえぐみが有り、食用には向かないが、葉は食べられる。
花期は夏から秋。花径は5~6mm。生薬名は赤地利(しゃくちり)
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アシタバ(明日葉)
セリ科シシウド属の多年草。関東地方南部、東海地方、紀伊半島、伊豆諸島、
小笠原諸島に分布。花期は8~10月。生薬名は鹹草(かんそう)
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イノコヅチ(猪の子槌)
ヒユ科イノコヅチ属の多年草。本州~九州に分布。ヒナタイノコヅチに対して
ヒカゲイノコヅチ(日陰猪子槌)ともいう。若芽や柔らかい葉は食用になる
花期は8~9月。生薬名は牛膝(ごしつ)
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ミシマサイコ(三島柴胡)
セリ科ミシマサイコ属の多年草。本州から、四国、九州に分布
絶滅危惧II類 (VU)。花期は8~10月。生薬名は柴胡(さいこ)
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ナンバンカラムシ(南蛮茎蒸)
イラクサ科カラムシ属の多年草。中国から渡来した帰化種
花期は8~9月。葉を解熱、利尿、解熱、止血剤として利用
生薬名は苧麻根(ちょまこん)。雌雄異花で、2枚目は雄花
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タツナミソウ(立浪草)
シソ科タツナミソウ属の多年草。中央アジアから中国、朝鮮半島に分布
全草に薬効成分フラボノイドがある。生薬名は韓信草(かんしんそう)
写真は実です。花は皆さんよくご存じでしょうがこちらです
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コンニャク(蒟蒻、菎蒻)  初見です
サトイモ科コンニャク属の多年草。原産はインドシナ半島
塊茎に消炎・利尿成分がある。生薬名は蒟蒻(くじゃく)
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ホソバオケラ(細葉朮)  初見です
キク科オケラ属の多年草。原産は中国。通常は雌雄異株
別名:サドオケラ(佐渡朮)。花期は9~10月。花径は2~2.5cm
根茎に健胃、整腸、利尿などの薬効あり。生薬名は蒼朮(そうじゅつ)
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エビスグサ(胡草、恵比須草、夷草)  初見です
マメ科センナ属の一年草。アメリカ原産。中国から渡来した帰化種
花期は7~8月。別名:ロッカクソウ(種子の形に由来)。種子に
便通・利尿、充血止め等の薬効有り。生薬名は決明子(けつめいし)
種子を炒ったものは「はぶ茶」。葉は就眠運動をする
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花弁が落ちる前から、細長い実が伸びてくる
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ムクゲ(木槿)フヨウ(芙蓉)
アオイ科フヨウ属の落葉低木。原産は中国~日本(九州、四国以南)
江戸中期の「和漢三才図」に、熱冷まし、解毒、腫れ物に効くとある
花期は7~10月。株元に「ムクゲ」の名札が有り、騙されてしまいました
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 2023年9月28日撮影。

 次回は、「薬園保存園」で見た花の残りと、「分類標本園」で見た花などです。
(つづく)

この記事へのコメント

  • river

    今日はすがすがしい絶好の行楽日和です。午前中は盆栽展、山野草展を梯子してきました。
    ダイコンソウは山でふつうにみられます。
    コンニャクは群馬は一大産地ですから子供のころからおなじみです。
    エビスグサは我が家では野生化して毎年たくさん生えてくるので困っています。今は花と実が一緒に見られます。元はハブソウのと一緒に種を播きましたがハブソウは絶えました。本来はハブソウがハブ茶になるのですがエビスグサが代用されるようです。
    2023年10月07日 13:02
  • もこ

    コンニャク、ホソバオケラ、エビスグサ等々
    長さんさんも初見の植物が多々あって
    ビックリです。
    シャクチリソバは白い花びらにピンクの蕊が可愛いですね。
    イノコヅチは若芽や柔らかい葉は食用になるそうですが
    枯れてきたら実がひっつくので
    見かけ次第取り除いています。
    2023年10月07日 14:36
  • なおさん

     時代劇に出てくる小石川養生所のあったところですよねえ。此処の薬草がいろいろ使われたのでしょうね。

     昔は食用になるもの、毒なもの、薬になるものといった実用知識が重視されたのでしょうが、だんだん文化の度合いが成熟してくると、それ以外の植物に対する関心も深まっていったのでしょうね。

     最後のムクゲとあるのはフヨウっぽい気もしますね。
     
    2023年10月07日 14:43
  • eko

    ダイコンソウは実の引っ付き虫を見るとダイコンソウだと確信できます。
    シャクチリソバの花素敵ですね。葯の先のピンク色が可愛いです。
    ミシマサイコ、コンニャク、ホソバオケラは初見です。
    タツナミソウの実は初めて見ました。コンニャクイモは知っていますが、葉は初見です。
    エビスグサは散歩道の畑でよく見ます。今年は散歩に行ってないので見ていません。
    最後はフヨウのような気がします。打ち間違いではありませんか?
    2023年10月07日 17:53
  • nobara

    シャクチリソバ、ソバみたいには食べられないのですね。
    葉っぱは練りこんでいただけるのかしら???
    アシタバはたてもの園でも育てています。
    ミシマサイコ、興味津々です。
    ホソバオケラの花、綺麗に撮れましたね。
    ムクゲの葉は小さいですよね。
    フヨウも結構、花期が長いですよね。
    名札は近くのなどとまぎらわしいですね~
    2023年10月07日 21:16
  • 長さん

    🚩 riverさん、コメントありがとうございます。
    今日は、こちらも秋日和で、久しぶりに皇居東御苑に行ってきました。
    ダイコンソウ、ここでも雑草のごとく蔓延っていました。
    こんにゃくの畑はこちらにはないので、葉は初めて見ました。
    エビスグサ、野生化していますか。花が咲いているうちに実が出来る草は珍しいですね。
    2023年10月07日 21:21
  • 長さん

    🚩もこさん、コメントありがとうございます。
    市街地に済んでいると、山野草や野菜の花を見る機会は少ないから、こうした植物園はありがたいです。
    ソバの花は紅花の場合も葯は赤いですね。
    そうそう、イノコヅチはひっつき虫になりますね。

    2023年10月07日 21:26
  • 長さん

    🚩 なおさん、コメントありがとうございます。
    小石川養生所を舞台にした「赤ひげ」、三船敏郎が名演技をしていましたね。
    小石川養生所の敷地をそのまま受け継いだのは小石川植物園だそうですから、当時から広かったのですね。
    最期のフヨウ、株元に「ムクゲ」と書かれた名札が立っていたので、そのまま表示しましたが、確認すべきでした。まさか、一流の植物園が違う名札を立てているとは思いませんでしたよ。
    2023年10月07日 21:38
  • 長さん

    🚩 ekoさん、コメントありがとうございます。
    ダイコンソウ、割合身近な植物ですよね。誰かの衣服についたひっつき虫がここに落ちた、なんて可能性もありますね。
    ソバの仲間の花は赤い葯が共通していますね。
    タツナミソウの実はとても地味で小さいので、これまで、目に入らなかったのかもね。
    エビスグサ、野菜として植えられているのですか?
    最期の花はフヨウですね。まさか、一流の植物園が違う名札を立てているとは思いませんでしたよ。
    2023年10月07日 21:45
  • 長さん

    🚩 nobaraさん、コメントありがとうございます。
    シャクチリソバの若葉は食用になるそうですが、茹でたらかなり酸っぱいのだそうです。2日ほどの塩漬けが美味しいらしいです。
    ミシマサイコ、いかにもセリ科という花ですね。絶滅危惧種ですから、入手は困難かも。
    ホソバオケラの花は2cm以上ですから、ミシマサイコに比べれば楽勝ですよ。
    フヨウの他には似た植物が植えられていないので、名札ミスとは思いませんでしたよ。
    2023年10月07日 21:56
  • yoppy702

    当時に栽培されていた約120種があるというのには、興味が湧きますね。
    それだけで、吉宗の時代を思ってしまいます。
    アシタバはボクでも知ってますが、実際に手にした事は無いです。
    タツナミソウって花は見てましたが、生薬なんですね。
    コンニャクって、食品のコンニャクですね。
    コンニャク芋って聞いた事がありますが、その植物というのは初めて見ました。
    これも生薬なんですね。
    知らない名前が殆どですが、それの花となると見る機会も無いので貴重です。
    フヨウも薬効があるんですね。
    そういえば、ボタンでも最初は薬ですから、観賞用植物といっても、薬効のある種が、結構、ありそうですね。
    2023年10月08日 00:31
  • すーちん

    おはようございます
    そういえば
    草むらに何処でもあった
    イノコズチ、オオバコ
    見掛けません
    渡来した植物が増えているんでしょうか
    2023年10月08日 08:36
  • 長さん

    🚩 yoppy702さん、コメントありがとうございます。
    120種と言っても、地植えですから、絶えてしまったものもあるとでしょうし、圃場で育てられているものを植え込む場合もあると思われます。
    タツナミソウが薬になるなんて、今回初めて知りました。
    スーパーに並んでいるコンニャクは良く見ますが、植物そのものとなると見る機会は殆どないですね。
    生薬となっている植物はあまり見る機会が無いので、後逸所は貴重ですね。身の回りにある植物でも、薬草だという知識は殆どないですからね。
    2023年10月08日 09:37
  • 長さん

    🚩 すーちんさん、コメントありがとうございます。
    イノコヅチやオオバコ、江戸川近くの田園地帯に行けばまだ残っていると思いますが、少なくなっています。外来種が増えていることは確かです。
    2023年10月08日 09:42
  • ジュン

    アシタバを収穫後に
    送ってくださるのですが
    お花ははじめてみました
    可愛いですね
    2023年10月08日 11:11
  • 長さん

    🚩 ジュンさん、コメントありがとうございます。
    アシタバの若葉や茎は食用になるそうで、栄養も豊富だとか。でも、スーパーでは見かけません。葉物野菜は、普通、花を咲かせませんからね。
    2023年10月08日 16:26