今回は、柴田記念館から一番近い、冷温室で見た花などです。
冷温室及び公開温室は2019年11月19日にオープンしました。その年の12月21日に見に行きましたが、新型コロナの関係もあり、3年9ヶ月ぶりです。
冷温室(約100㎡)では、高山植物や冷涼な環境に生育する冷温帯の植物を中心に約400種が展示されています。また、今まで夏の暑さで栽培しづらく、展示できなかった植物も、冷温室に展示されています。冬季は冷房による環境管理をしていないため、自生地の環境よりも暖かく、開花期はかなり早くなるとのことです。なお、冷温室の3割ほどはネットで仕切られており、立ち入ることが出来ません。
温室配置図(冷温室は右端)

冷温室の展示の様子

冷温室内の、牧野富太郎ゆかりの植物、11品種のうち、3品種を・・・
ステゴビル(捨小蒜)
ヒガンバナ科ステゴビル属の常緑多年草。関東~近畿に分布
ハタケニラ(畑韮)と同属で、絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定
花期は9~10月だが、既に実が出来ていた。花はこちらで


1枚目の画像に、「牧野 MAKINO MAP」と書かれた札が立っていますが、9月7日から受付などで配布が始まった「牧野富太郎ゆかりの植物マップ」に収録されている植物です。冷温室の展示の様子
冷温室内の、牧野富太郎ゆかりの植物、11品種のうち、3品種を・・・
ステゴビル(捨小蒜)
ヒガンバナ科ステゴビル属の常緑多年草。関東~近畿に分布
ハタケニラ(畑韮)と同属で、絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定
花期は9~10月だが、既に実が出来ていた。花はこちらで
ノウゴウイチゴ(能郷莓)
バラ科オランダイチゴ属の多年草。北海道から九州に分布
花期は5~7月。径1~1.5cmの白い花。果実は7~8月で、径は8mm

イワシャジン(岩沙参)
キキョウ科ツリガネニンジン属の多年草。関東地方~中部地方に分布
花期は9~10月。花の長さは2.5~3cm、花はこちら

ヤマトリカブト(山鳥兜)
キンポウゲ科トリカブト属の多年草。本州(東北~中部)に分布
花期は9~10月。有毒植物


イヌハコネトリカブト(犬箱根鳥兜) 初見です
キンポウゲ科トリカブト属の多年草。ヤマトリカブトの変種で、箱根に多い


サワダツ(沢立)
ニシキギ科ニシキギ属の落葉低木。別名:アオジクマユミ(青軸檀)
花期は6~7月。蒴果は直径約1cmで、ニシキギの実と見分けは出来ない

エンシュウハグマ(遠州白熊)
キク科モミジハグマ属の多年草。静岡県~愛知県に分布
花期は9~10月。花径は8mm。別名:ランコウハグマ


アカモノ(赤物)の実
ツツジ科シラタマノキ属の常緑小低木。赤桃が訛った名前
北海道、本州(主に近畿以北の日本海側)、四国に分布。花期は5~7月
(長さ6~ 8mmの釣鐘形)。花後、萼が成長し、果実を包み込み、直径
6mmの偽果となり、赤く熟す(食用になる)。別名:イワハゼ(岩黄櫨)

シラタマノキ(白玉の木)の実
ツツジ科シラタマノキ属の常緑小低木。中部以北の亜高山帯以上に分布
別名:シロモノ(同属のアカモノの果実は赤く、これは白い果実だから)
花期は7~8月。ドウダンツツジに似た花の径は5mm。実の径は1cmほど

ウラジロタデ(裏白蓼)
タデ科オンタデ属の多年草(高山植物)。雌雄異株で、これは雄株
葉の裏に白い綿毛が生える。日本では北海道~本州中北部に分布
花期は6~10月。別名:ウラジロイタドリ、タカネウラジロイタドリ

ヒダカミセバヤ(日高見せばや)
ベンケイソウ科ムラサキベンケイソウ属の多年草(多肉植物)
北海道日高地方の高山や海岸の岩場に分布。花期は8~10月。花径1cm

2023年9月28日撮影。バラ科オランダイチゴ属の多年草。北海道から九州に分布
花期は5~7月。径1~1.5cmの白い花。果実は7~8月で、径は8mm
イワシャジン(岩沙参)
キキョウ科ツリガネニンジン属の多年草。関東地方~中部地方に分布
花期は9~10月。花の長さは2.5~3cm、花はこちら
ヤマトリカブト(山鳥兜)
キンポウゲ科トリカブト属の多年草。本州(東北~中部)に分布
花期は9~10月。有毒植物
イヌハコネトリカブト(犬箱根鳥兜) 初見です
キンポウゲ科トリカブト属の多年草。ヤマトリカブトの変種で、箱根に多い
サワダツ(沢立)
ニシキギ科ニシキギ属の落葉低木。別名:アオジクマユミ(青軸檀)
花期は6~7月。蒴果は直径約1cmで、ニシキギの実と見分けは出来ない
エンシュウハグマ(遠州白熊)
キク科モミジハグマ属の多年草。静岡県~愛知県に分布
花期は9~10月。花径は8mm。別名:ランコウハグマ
アカモノ(赤物)の実
ツツジ科シラタマノキ属の常緑小低木。赤桃が訛った名前
北海道、本州(主に近畿以北の日本海側)、四国に分布。花期は5~7月
(長さ6~ 8mmの釣鐘形)。花後、萼が成長し、果実を包み込み、直径
6mmの偽果となり、赤く熟す(食用になる)。別名:イワハゼ(岩黄櫨)
シラタマノキ(白玉の木)の実
ツツジ科シラタマノキ属の常緑小低木。中部以北の亜高山帯以上に分布
別名:シロモノ(同属のアカモノの果実は赤く、これは白い果実だから)
花期は7~8月。ドウダンツツジに似た花の径は5mm。実の径は1cmほど
ウラジロタデ(裏白蓼)
タデ科オンタデ属の多年草(高山植物)。雌雄異株で、これは雄株
葉の裏に白い綿毛が生える。日本では北海道~本州中北部に分布
花期は6~10月。別名:ウラジロイタドリ、タカネウラジロイタドリ
ヒダカミセバヤ(日高見せばや)
ベンケイソウ科ムラサキベンケイソウ属の多年草(多肉植物)
北海道日高地方の高山や海岸の岩場に分布。花期は8~10月。花径1cm
次回は、冷温室の左隣にある「公開温室5」に入ります。
(つづく)
この記事へのコメント
イッシー
エンシュウハグマも綺麗ですね~。
river
前回、精子発見のイチョウと精子発見のソテツを間違えました。
当時は柴田記念館に近くに半地下のようなシダ園があったように覚えています。今はどうなったのでしょうか?
今年我が家の白花トリカブトが枯れてしまいました。
もこ
覚えやすいですね。
イヌハコネトリカブトの茎は
倒れたのでしょうか
それとも直立しない性質なのでしょうか?
ウラジロタデやヒダカミセバヤの花も
こうしてみると可愛いですね。
nobara
こんな子、見た事ありません。
葯の辺りがピンクっぽく見えるんですね。
シラタマに比べてアカモノは毛深いんですね。
食用になるんですね。
ヒダカミセバヤ、我が家の子はまだ花芽も見えません。
姿も大好きです。ミセバヤもありますが。
信徳
トリカブト、先日鹿沢高原のトリカブトは種が沢山できていました。一つの兜の中にビッシリと種が出来るので沢沿いなどで種が零れて蒔かれると辺り一面トリカブトの群生が出来るようです。
なおさん
シラタマノキの実はサロメチール臭がする、と読んだことがあるのですが、確かめたことがないのです。
ミセバヤ、ヒダカミセバヤは育てたことがあります。
長さん
ヤマトリカブトの花(花弁ではなく、萼片)の色は個体差があるようです。
エンシュウハグマは花が新鮮でした。
長さん
精子発見のソテツ、現在は正門を入ってすぐ左前に植えられています。
柴田記念館の前のシダ園は現在もあります。前記事のキイジョウロウホトトギスはシダ園の階段を降りたところから撮っています。また、メキシコジャイアントトクサはシダ園に下津手前右側です。
シロバナトリカブトが枯れましたか。やはり暑さのせいですかね。残念でした。
eko
エンシュウハグマはピンクがかって可愛いですね。
アカモノはシロモノと違って毛深いですね。
ヒダカミセバヤは花色が綺麗ですね。
長さん
トリカブトの名の由来は、雅楽のときに使う烏帽子(鳥兜)に似ていることからですね。
イヌハコネトリカブトは、横枝が伸びて倒れてきたものです。右の枯れ木がつっかえ棒の代わりです。
ヒダカミセバヤはたまに住宅街で見かけることがあります。
長さん
エンシュウハグマの花、生きが良いですね。咲いたばかりかも。しべの先が2つに分かれて、その中央がピンクっぽきみえますね。
アカモノの実は毛深いです。実が熟してもケは残っているようです。
ヒダカミセバヤ、まだ咲きませんか。ミセバヤの方は垂れ下がりますね。
長さん
トリカブトの種をご覧になりましたか。つくば植物園では、花が終わると刈り取ってしまうようで、私は見たことが無いです。トリカブトの花(苞)の中に種が出来るのですね。
長さん
私は、逆に、旧温室には入ったことがないです。かなり老朽化して、立ち入り禁止でしたから。
トリカブトの葉が枯れていますね。ここは大型クーラーが4台、設置されているので、乾燥してしまうのでしょう。
シラタマノキの実はサロメチール臭ですか、鼻を近づけたことはないです。
ヒダカミセバヤはたまに目にしますが、ミセバヤを育てているお宅は少ないです。
長さん
さほど広くないですから、小さな鉢植えがびっしりと並んでいます。
トリカブトの種類は多いですね。中には有毒では無いものもあるそうですが、見たことはありません。
イヌハコネトリカブトは初見なので分りませんが、長く伸びた枝が倒れてきてしまったようです。
エンシュウハグマの花色、うっすらピンクです。2枚目の下につぼみが写っていますが、ピンクの花弁が覗いています。
アカモノ、こんなに毛深いとは思いませんよね。
ヒダカミセバヤ、そろそろ園芸店に並ぶ頃でしょう。
しなのき
ヤマトリカブト、イヌハコネトリカブトの独特の花姿に
てを伸ばしたくなりそう、そう、危険植物ですね。
ヒダカミセバヤの花綺麗ですね。
yoppy702
トップの画像を見るだけで、鉢の数が半端無いなぁ…と思いました。
ステゴビル、こないだ、コスモスさんとこで見たとき、最初、外国の植物かと思ったんですが、牧野博士命名と書かれてあったんで、それなら和名やろと漢字を探しました。
ボクが見たのは、「捨子蒜」でしたので可哀想やなぁ…と思いましたけど、「捨て小蒜」なら、まだマシですね。(^^ゞ
イヌハコネトリカブトというのもあるんですね。
トリカブトも種類が多いなぁ…
エンシュウハグマ、カールした花弁が可愛いいですね。
パッと見、造花?と思ってしまいそうです。
ヒダカミセバヤ、綺麗に開花してる!
ミセバヤって好きなんです。(^^ゞ
すーちん
エンシュウハグマ
変わったハナですね
ハグマ初めてです
長さん
小石川植物園はしばらくご無沙汰ですか。
トリカブトの花(見える部分は萼)は面白い花ですよね。
ヒダカミセバヤ、ウォーキングで時々出会います。
長さん
冷温室は、植物園の圃場を見ているような感じで、天竺木ではありません。
ステゴビルは「捨小蒜」と「て」が入らないのが正しい氷期なので、訂正しました。
イヌハコネトリカブトの「イヌ」は役立たずという意味です。
エンシュウハグマの花は咲きたてのようで、綺麗でした。
ヒダカミセバヤは待ち泣けでもたまに見かけますね。
長さん
ハグマ(白熊)とは中国産の「ヤク」という動物の白い尾のことです。毛を染めて、武将の采配、僧侶の払子、旗や槍の装飾として使われました。ハグマと名が付くキク科は、花の様子をそのハグマに例えたものです。
コスモス
冬期の冷温室は開花期が早まりそうですか。
ステゴビルは実が出来ていますね。
私が撮ったのはミヤマトリカブトでしたが、ヤマトリカブトとは微妙に違いますね。
ヒダカミセバヤが開花してますね。
長さん
>冬期の冷温室は開花期が早まりそうですか。
それは冬に行って見ないと分りませんね。
ステゴビル、花を見たかったのですが、花弁が落ちた後でした。
トリカブトの仲間、似ているようで、違う部分がありますね。
ヒダカミセバヤ、近所で見かけませんか?