23年8月のつくば植物園にて(9) キイセンニンソウ、オオトキワイヌビワ、リュウガン、テリハバンジロウ、コシガヤホシクサ、レンゲショウマ、ヤマシャクヤク、アンドンマユミ、ヘビウリ

 8月22日、つくば植物園に行ってきました。
 今回は熱帯雨林温室を出てから、多目的温室や絶滅危惧植物温室で見た花や屋外で見た花などを投稿しています。


キイセンニンソウ(紀伊仙人草)
キンポウゲ科センニンソウ属のつる性の半低木。本州(紀伊半島南部)、
九州(熊本県)の南部に分布。キイセンニンソウは葉柄に節があり、
葉が枯れるとこの節から落ちるが、センニンソウにはこの節がない
熱帯雨林温室の下り階段の手すりに絡みついて咲いていました
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ここからは、多目的温室で見た「実」の色々です

オオトキワイヌビワ(大常葉犬枇杷)
クワ科イチジク属の常緑低木。小笠原諸島の父島と母島に分布する固有種
絶滅危惧Ⅱ類(VU)。花は6月頃。実は9月頃(結実数が少ないという)
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リュウガン(竜眼、龍眼)
ムクロジ科リュウガン属の常緑小高木。原産は中国南部やインド
果樹として、東南アジアで広く栽培。日本では、鹿児島県の大隅半島や、
沖縄などの一部地域に分布。実の径は2~2.5cm。ロウガンとも呼ばれる
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テリハバンジロウ(照葉蕃石榴)
フトモモ科バンジロウ属の常緑低木。ブラジル原産。実の径は3cmで、生食
やジュースに向く。長いおしべが目立つ、白い花が咲くという。別名:スト
ロベリー・グアバ(実の芳香が苺に似る。グアバの和名はバンジロウ)
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中央広場で

コシガヤホシクサ(越谷星草)
 ホシグサ科ホシグサ属の一年草。野生絶滅種(EW)。昭和13年、越谷市の元荒川で発見されるも絶滅。その後、昭和50年、茨城県下妻市砂沼で再発見されるも平成6年に絶滅。現在、つくば植物園と越谷市で野性に帰すための栽培が行われている。花期は8~9月。白い星形の花で、径は数ミリだという。つくば植物園のHPに花の顕微鏡写真が載っています(こちら)。
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絶滅危惧植物温室で

レンゲショウマ(蓮華升麻)
キンポウゲ科レンゲショウマ属の多年草。花期は7月~8月。花径3~4cm
日本特産で、1属1種。本州(東北~近畿地方)の太平洋側の深山に分布
まだ咲き残っていた
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ヤマシャクヤク(山芍薬)の実
ボタン科ボタン属の多年草。 準絶滅危惧(NT)。北海道~九州の
落葉広葉樹林下などの山地帯に生える。秋に実が熟すと結実しない
赤色と、結実した黒色の種子ができる。花はこちら
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アンドンマユミ(行燈真弓)の実
 ニシキギ科ニシキギ属の落葉低木。絶滅危惧ⅠA類(CR)。福島県檜枝岐村のみに自生する日本固有種(自生地は厳重に秘匿されており、自生を見た人は殆どいない)。4稜のある特徴的な果実(2枚目)をつけ、多種との区別は容易。別名:フウシャマユミ(風車檀)、カザグルママユミ(風車檀)
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最期は、屋外で見たヘビウリです

ヘビウリ(蛇瓜)
ウリ科カラスウリ属の一年草。原産は熱帯地方で、特定不能
花期は夏。花径は3~5cm。実の長さは30cm~1m以上になる
東南アジアで食用として広く栽培されている(若い実を食べる)
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 2023年8月22日撮影。

(シリーズ終了)

 次回から、上三依水生植物園で見た花などを投稿します。

この記事へのコメント

  • イッシー

    そこのセンニンソウは私も撮った覚えがあります。
    ヤマシャクヤクって実も面白いんですね。
    2023年09月05日 12:23
  • 信徳

    リュウガンはこの時期、台湾高雄のゴルフ場にも沢山植えられていてラウンドしながら食べました。乾燥リュウガンもあって長い事食べられます。テリハバンジロウは初見ですが同じ仲間のバンザクロも良く食べました。庭ではベニバナヤマシャクヤクの実が見えています。
    2023年09月05日 15:36
  • もこ

    コシガヤホシクサ小さな花でも
    沢山咲いていると見ごたえがありますね。

    アンドンマユミ(行燈真弓)の実
    初めて見ました。
    2023年09月05日 15:47
  • しなのき

    見た目普通にセンニンソウと思いました。
    バンジロウって初めてですがグアバなんですね。
    コシガヤホシクサも珍しい植物ですね。
    山芍薬の実も面白いし、赤いお布団に黒い実が神秘的。
    2023年09月05日 16:51
  • river

    センニンソウはおなじみの花ですがキイセンニンソウは初めてです。野生絶滅種はこれから増えてくることでしょうね。人間は環境の変化には疎いですが植物は大変敏感で少しの変化にも対応できずに絶滅してしまいます。一度壊した環境は復元するには長い年月が必要です。
    アンドンマユミのように厳重に秘匿されるのも仕方ないですね。
    2023年09月05日 16:58
  • なおさん

     つくばの植物園、毎度毎度珍しいものが出て来ますねえ。スバラシイです。ヘビウリを初めに見たのは、ずいぶん前になりますが、向島百花園でした。懐かしいですねえ。
    2023年09月05日 19:56
  • nobara

    キイセンニンソウ、見た感じは普通のセンニンソウと見分けがつきません。
    蓼科ではボタンヅルだけ見かけました。地域差がありますね、分布は。
    こちらでは玉川上水にセンニンソウが滝のように咲いています。
    オオトキワイヌビワは枇杷というよりイチジクの小型?
    コシガヤホシクサ、星が散らばっていますね☆
    端正なヤマシャクヤクの実ですね。八ヶ岳自然園は暴れていました。
    ヘビウリ、野川自然観察園でもいっぱい見られます。
    実が気持ち悪いんです。(^o^)丿
    2023年09月05日 20:17
  • 長さん

    🚩 イッシーさん、コメントありがとうございます。
    ヤマシャクヤクの実は赤と黒の2色があるというのが他の植物との違いです。赤い実で鳥をおびき寄せ、黒い実を食べてもらうのが戦略なんです。
    2023年09月05日 21:34
  • 長さん

    🚩 信徳さん、コメントありがとうございます。
    タイワンのゴルフ場はリュウガンのみを食べ放題だったのですか。それは良い体験でしたね。バンザクロもゴルフ場ですか?
    ベニバナヤマシャクヤク、花色が違うだけで、実は同じようですね。
    2023年09月05日 21:39
  • 長さん

    🚩 もこさん、コメントありがとうございます。
    子志賀はホシクサ、花穂がたくさん出来ているのですが、花は終わった後のようでした。
    アンドンマユミ、珍しいです。実物を見る機会は植物園くらいでしょう。
    2023年09月05日 21:41
  • 長さん

    🚩 しなのきさん、コメントありがとうございます。
    キイセンニンソウは普通のセンニンソウと花の違いは無いようです。
    バンジロウという名よりも、グアバの方が有名ですよね。
    コシガヤホシクサ、野生絶滅ですから、とても貴重です。
    ヤマシャクヤクの実、赤いのはダミーで、黒いのが本物です。
    2023年09月05日 21:43
  • 長さん

    🚩 riverさん、コメントありがとうございます。
    キイセンニンソウの展示は珍しいです。ここ以外では見たことがありません。
    保護しても自然に絶滅するのはやむを得ないですが、人為的な環境変化や盗掘などが原因で絶滅するのは困りますよね。
    アンドンマユミは最初から場所を特秘したので、関係者以外は場所すら分りません。こういう例は極めて希でしょうね。
    2023年09月05日 21:49
  • 長さん

    🚩 なおさん、コメントありがとうございます。
    今回の温室は初めて出会う品種が多く、楽しかったですよ。やはり、年に何度も行ってみるものです。
    ヘビウリの実は食用になるそうなので、栽培している所もあるようですが、滅多にお目にかかれません。
    2023年09月05日 21:53
  • 長さん

    🚩 nobaraさん、コメントありがとうございます。
    キイセンニンソウの花はセンニンソウと違いが分らないので、どこが違うのか調べて見ました。葉の付け根は撮らなかったので、次回は葉柄を撮ってこようと思います。ボタンヅルは葉の形が違いますね。
    オオトキワイヌビワはイチジク属なので、名前がややこしいですね。
    コシガヤホシクサ、花が終わった時期だったようです。
    ヤマシャクヤクの実、温室内ですから、原形を保っているようです。
    ヘビウリの実は、名の通り、くねくね曲がりますね。実は食用になるといいますが・・・。
    2023年09月05日 22:04
  • eko

    キイセンニンソウとセンニンソウとの違いは葉柄に節がある無しだけですか。花はセンニンソウと同じですね。
    コシガヤホシクサは群生していると綺麗ですね。東海地方にあるシラタマホシクサとお仲間でしょうか。
    ヤマシャクヤクの実は赤と黒で目立ちますね。
    アンドンマユミの実は初見です。面白い形をしていますね。
    ヘビウリの花はカラスウリの花と似て綺麗ですね。昼間に見られるのが良いですね。
    2023年09月05日 23:23
  • yoppy702

    「実」の色々、アップで撮って頂いてるので良く解ります。
    テリハバンジロウって生食OKで、見た目が美味しそうやから、3cmあったら、食べごたえがありますね。(^^ゞ
    コシガヤホシクサの説明を読んでビックリです。
    つくば植物園のHPの顕微鏡写真に、更に、ピックリ。
    不思議な花ですね。
    長さんのアップの画像もスゴイです。
    一枚目の画像の花の密状態と、二枚目の周囲のボケ具合で大変なマクロ撮影をされたんやと感じました。
    あっ、レンゲショウマが頑張ってる。(^^)
    エッ!ヤマシャクヤクの種って、こんなんなんですか!
    これにもビックリです。(^^ゞ
    マユミって好きなんですけど、行燈型があるんですね。
    「自生を見た人は殆どいない」って、もはや、幻の花ですね。(^^ゞ

    シリーズ、お疲れ様でした。(^^)
    2023年09月06日 00:34
  • すーちん

    おはようございます
    久し振りに土手を
    散策したら
    センニンソウが
    一面良い香りでしたー
    2023年09月06日 07:25
  • 夕菅

    暑い中、こんなにたくさんよく撮られたと感心するばかりです!
    キイセンニンソウの花を見に行きたかったのですが、午前中犬を預かっているので午後の暑さの中を出かける気になれず、今夏も見送り?
    ヘビウリの実はたくさん見ましたが、花はまだ見ていません。昼間も開いているのですね。
    2023年09月06日 10:08
  • 長さん

    🚩 ekoさん、コメントありがとうございます。
    キイセンニンソウ、次回、見るときは葉軸も撮ってきます。
    コシガヤホシクサ、ハクサン花穂が伸びていましたが、肝心の花は終わっていました。
    日本にはホシクサ属の植物が40種ほどあって、シラタマホシクサもその一つです。
    ヤマシャクヤクの実、この派手な取り合わせで、鳥を誘うううですよ。
    アンドンマユミの実は、マユミの実の下部を引き延ばしたような形ですね。
    ヘビウリはカラスウリと同属なので、花は良く似ていますね。
    2023年09月06日 11:26
  • 長さん

    🚩 yoppy702さん、コメントありがとうございます。
    テリハバンジロウはグアバの仲間ですから、実は美味しいでしょうね。
    コシガヤホシクサ、鼻が小さすぎて、いつも上手く撮れません。2枚目はかなりトリミングしています。
    ヤマシャクヤクの実は、種がない赤いものと、種がある黒いものがあります。美味しそうな赤い実で鳥を誘い、津で似黒い実を食べてもらうという戦略です。
    アンドンマユミの実、面白い形です。花はツリバナに似ているそうです。
    2023年09月06日 11:37
  • 長さん

    🚩 すーちんさん、コメントありがとうございます。
    センニンソウが土手で咲いていましたか。沢山増えると良いですね。
    2023年09月06日 11:38
  • 長さん

    🚩 夕菅さん、コメントありがとうございます。
    ブログネタが少なくなったので、暑いのは承知で出かけました。背とザックの間が一番汗をかき、昼食時に着替えましたよ。暑いときは犬の散歩も大変ですね。
    ヘビウリの写真は午後2時半の撮影です。
    2023年09月06日 11:44