今回は「花銘」が添えられていた品種の続きを紹介します。40点近くありましたが、殆どが大輪アサガオでした。
品種の説明は九州大学のHP「引用したのは(九州)と記載」などを参考にしました。
茶無地、日輪抜け筒白。大阪の中村長次郎氏が「初娘」・「初誉」系より昭和46(1971)年に作出した。大きさを競う行灯作りでは白、桃、藤色などの淡色系の方が花径が伸びるといわれてきたが、この品種は茶色花で初めての24㎝ほどに咲いたという伝説の名花。中村氏の住所の千里丘陵にちなんで命名されたもの。現在の「千里の馬」は明らかに別の花である。先代の「千里の馬」は明るい薄茶だったが極端に種子つき悪く、おそらく絶種したのだろう。二代目は濃いめの茶色(写真)で、花径は20㎝程度。各地で栽培されている(九州)
白地紫時雨絞。花冠の一カ所に紫の条斑が見える。条斑の数が少ないので園芸的に時雨絞りというが、品種によっては多数の条斑がでるものもある。この時雨絞りは18世紀前半に出現したようで、黒白江南花、白川朝顔、絞りあさがおなどと呼ばれて珍しがられ、三村森軒「朝顔明鑒鈔」(1723年)や平賀源内の「物類品隲」(1762年)に記載されている(九州)
黒鳩縞。京都では「たそがれ」という。色や縞柄の出が良い。比較的葉に斑の出が少なく、草勢はやや強性。蕾つきがやや悪く、結実もやや悪い。古くから各地で栽培されている(九州)
黒唐桑無地。「響」(黒鳩無地)の変化したものから東京の雨間秀治氏が平成14(2002)年に選出。黒唐桑は桑の実が完熟したときの色で、この品種は極黒鳩色と暗紫系に分離し、いずれも筒抜けに難があるが、珍しい花色に根強い人気がある。開花期は遅れ気味(九州)
紅吹掛絞、日輪抜け。田口秀丸氏が昭和42(1968)年に作出。超矮性で草勢は弱性種だが、花は18㎝ほどに咲く。開花期は他花より4~5日早い。蕾つきは非常に良いが、結実が悪く、種子は採れにくい。各地で盛んに栽培されている(九州)
濃浅葱無地。「浅黄の園」、「浅黄の輝」と姉妹品種。「浅黄空」系の本葉は縦につまるが、大きな花を咲かせるには長めのものを選ぶ。花径も24㎝を超え、姉妹の中では一番大きく咲き、花弁も厚く伸びも良い(九州)
浅葱吹雪。東京の「波涛(波頭)」が名前替えしたものといわれる。浅葱色の柄物としては縞柄が主流の中で、唯一の吹雪柄品種。縞と吹雪は混在するのでこれを専門で選別する人が必要不可欠で、これが希少品種を維持する唯一の手段である。各地で栽培されている(九州)
浅葱縞。東京の樋口進亮氏作出。浅葱色の色と柄の出が安定していて蕾つきも良い。切込み、数咲きの名花で、各地で栽培されている(九州)
東京の樋口進亮氏の作出。樋口氏が広瀬秀一氏の葬儀に献種したもので、京都で栽培され、広瀬氏の雅号一笑園と住所のあった京都市左京区を基に命名された。鮮やかな紅無地、すっきりした日輪抜け筒の周囲を、非常に美しい本紅の花弁が取り巻く。種子が細長いのも特徴の一つ。京都を中心に各地で栽培されている(九州)
紺無地、大陽光抜け、筒白。 東京の田口秀丸氏が「雪月花」と「紫蝶の夢」の交配から得た「旭日」に、「碧澄」を交配して昭和49(1974)年に発表した優れた品種。各地で高い人気がある。深く澄んだ紺色と筒が白く、大きな陽光抜けの花は限りなく美しい。花弁の曜が硬く、弁が重なり円満に咲きにくいし、草勢が強く、蕾つきが悪いため、草勢が大きくなりやすい(九州)
紺無地。筒抜けが鮮やかなので、濃い花色にマッチして見応えがする。花弁はしっかりして花切れが少ない。節間はつまって葉も小形のため草姿を整えやすい。花径16~17cm(九州)
他に10種類ほどありましたが、詳細不明だったり、交雑種だったリなので、省略します。
以下は、金ケ作育苗圃で咲いていた花の一部です。
イヌハッカ(犬薄荷)
シソ科イヌハッカ属の多年草。 原産はヨーロッパ南東部~中国、長野県
花期は4月~10月。花径 3~4mm。猫が興奮する物質が含まれるハーブ
別名:キャットニップ、キャットミント、チクマハッカ(長野県筑摩郡)
ムギワラギク(麦藁菊)
キク科ムギワラギク属の多年草(一年草扱い)。オーストラリア原産
別名:帝王貝細工、ヘリクリサム。ドライフラワーとしても有名
あさがお展シリーズ終了。
次回は、花ちょう遊館「高山植物館」で見た花の続きを投稿します。
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