前回までは変化朝顔が出現する親木の紹介でしたが、今回はそれらから誕生した、「変化朝顔の色々」です。
今年は変化の出具合が芳しくなかったようで、会場にはこんなプレートが貼られていました。「スゴイ変化朝顔」を「くらしの植物苑」に見に行かなくては・・・。
変化朝顔1「捻梅咲(ねじりうめざき)」
曜(花弁の折れ目)の先端が部分的に萼に変化する
変化部分が硬くなるため、花弁が捩れ、ウメの花のような形になる
変化朝顔2「台咲(だいざき)、縮緬(ちりめん)」
花の中心部の花弁が折り返って‘でべそ’のようになる
縮緬(葉の表面がカサカサして細かいしわが寄る)とセットで出現する
変化朝顔3「木立(こだち)」
節間が詰まって、蔓が長く伸びない。キダチアサガオはこれの近縁種
変化朝顔4「石化(せっか)」
蔓の組織が横に向かって分裂して行くため、幅の広い蔓になる
蔓と言うより、茎のようだ。帯化(たいか)とも言う
変化朝顔5「渦小人(うずこびと)」
渦の親木から25%出現する不稔性の矮性変異。蔓が全く伸びず、寸詰まり
成長しても15~20cm位にしかならない。まれに版画咲くが、種は出来ない
変化朝顔6「石畳咲(いしだたみざき)」
花弁が深く切れ込んで、折れ曲がった独特な形。曜を中心に花弁が
反って細くなるものや、反らずにひらひらしているものもある
変化朝顔7「咲分・染分(さきわけ・そめわけ)」
ひとつの株から2種類の色の花が咲く。2色別々に咲くものを咲分、
ひとつの花が2色に分かれているもの染分という
変化朝顔8「乱菊(らんぎく)」
葉は、不規則に深く避けた形で、複葉状になることもある。双葉も変な
形で3枚出ることもある。花弁も縁がザクザクした「乱菊咲」になる
ここからは、会場となった「松戸市金ケ作育苗圃」で見た花です。
この市営育苗圃は、市内の緑化用樹木と花壇の草花の生産供給を目的に設置されました。現在は、ハーブ園や生垣見本園等も整備されています。
メマツヨイグサ(雌待宵草)
アカバナ科マツヨイグサ属の越年草。北アメリカ原産の帰化植物
花期は6~10月。花径は2.5~4cm。花は萎れてもオレンジ色になる程度
ビロードモウズイカ(ビロード毛蕊花)
ゴマノハグサ科モウズイカ属の多年草。原産は地中海沿岸~アジア
花期は8~9月。花径1.5~2cm。別名:シルバームレイン
もう、花は僅かだが、ブチヒゲカメムシがへばりついていた
ヨモギギク(蓬菊)
キク科ヨモギギク属の多年草。ヨーロッパからアジアにかけて分布
全体に毒性を持つ成分があり、乾燥させた後、虫除けかハーブ等に利用
和名は葉がヨモギに似たキクだから。花期は7~9月。別名:タンジー
次回は、「銘」があるアサガオを紹介します。
(つづく)
花ちょう遊館「高山植物館」の記事と交互に投稿しています。
この記事へのコメント
river
変化朝顔とは言え観賞価値が問題です。単純の変化と複雑な変化を見せる2つのグループがありますね。桔梗咲き、木立ち、切れ咲き、石畳咲き、台咲き、捻梅咲き、枝垂れ、縮み咲き、帯化茎などは単純な変化のグループで種を付けます。
采咲き牡丹、台咲き牡丹、車咲き牡丹、獅子咲き牡丹などは複雑な変化で種が出来ませんね。
ビロードモウズイカは道路脇などで最近やたらと目にするようになりました。
なおさん
朝顔にも帯化現象があるのですね。
変化朝顔も種子が出来ないものもあるのでしょうし、種子を播いたからと発源するものでもないのでしょうから、博打的な賭けの要素も魅力があるのでしょうねえ。
nobara
これは「行かずば、なるまいて!」ですよね。
変化朝顔の「木立」は
ペチュニアに見えてしまいました(^o^)丿
変化朝顔「石化(せっか)」=帯化
蔓というより茎?というより葉っぱのようにも見えます。
縞模様の何かの葉っぱかと思いましたよ!
咲き分けはキキョウなどでも見られますよね。
ここの変化朝顔みてたらこの猛暑でなったのかと勘違いしそうです。
ビロードモウズイカのカメムシ?やばくないですか?
タンジーにはさすがに虫さんは来ないようですね(笑)
イッシー
いかんせん佐倉は遠いです。
長さん
こちらも暑かったです。墓参のはしごで汗をかきました。
これまでの2回は単純な変化で、種が採れる品種を紹介しましたが、今回は複雑な変化で種が採れない物です。後者は、前者の親木から誕生するのですが、出現率が少ないのが難点です。親木の種を沢山蒔くしか方法がないので、今回のように変化朝顔の作品が少ない歳も出てしまいます。
ビロードモウズイカはこぼれ種が飛んで増えますね。
長さん
変化朝顔は親木から受け継いだ遺伝子の発現具合に任せるしかないので、思い通りに発言したら喜びが大きいのでしょうね。
変化朝顔の親木は種が採れますが、変化が少ないです。その親木の種から、低い確率で、変化が大きい「変化朝顔」が誕生するわけですが、確率がとても低いのです。まさに博打ですね。
茎の帯化はくらしの植物苑で見たことがありますが、今回の物はそれより更に幅広でした。
長さん
佐倉市にある「くらしの植物苑」、昨年は8月16日に行ったので、同じ日を予定しているのですが、台風の進路が心配です。
「木立」は花弁がこれ以上開かないので、鼻が小さく見えますね。ですから、花径はペチュニアくらいでしょう。
「石化」はケイトウやキク科の花に現れますが、アサガオの場合は茎が横に広がるだけで、花の石化は起こらないようです。
ブチヒゲカメムシ、初めて見ました。ダイズ、イネ、ゴマ、トマト、ニンジン、ネギ、ゴボウなどに被害を及ぼすらしいですが、このカメムシの出現率は低いとか。
長さん
くらしの植物苑は青梅からだと圏央道、中央高速、首都高、湾岸経由で2時間ほどだと思いますが、渋滞していたらもっとかかりますからね。
yoppy702
そそられる文言ですね。(^^)
こちらの近くで、変化朝顔を展示してる所がないかチェックしましたらありました。(^^)
堺市の大仙公園の日本庭園で、8月中旬~9月上旬となってました。
出来たら行ってみたいと思ってます。(^^ゞ
変化朝顔って、花が変化するだけじゃなく、朝顔自体が変化するんですね。
「石化」なんて、エエッ!となりました。
幅の広い蔓なんて、もう、ビックリです。
「渦小人」にも唖然です。
「くらしの植物苑」のスゴイ変化朝顔、、、気になりますね。(^^ゞ
すーちん
変化アサガオ
花の美しさより
変化をたのしむんですねー
長さん
このプレートがあったので、今年も佐倉市にある「くらしの植物苑」に変化仇顔を見に行ってくるつもりです。
堺市の大仙公園でも変化あさがお展が開催されるのですか。それは必見ですね。「約20品種100鉢の大輪朝顔を、常時30鉢程度」とあるので、何回か言ってみると良いでしょうね。
長さん
そうですね、変化朝顔の花は綺麗な物ばかりでは無いので、変わった物(分かりやすく言えば奇形)を楽しむ物なんですね。