この高山植物館では、冬でも花が楽しめるよう工夫がなされています。その仕組みを記事末に記載しました。
ルリトラノオ(瑠璃虎の尾)
オオバコ科ルリトラノオ属の多年草
岐阜県の揖斐川町(旧春日村)と滋賀県の伊吹山の山頂部に自生
花期は7月下旬~8月。別名:イブキルリトラノオ。絶滅危惧II類(VU)
ミチノクコザクラ(陸奥小桜)
サクラソウ科サクラソウ属の多年草。青森県岩木山の固有種
エゾコザクラの変種。別名:イワザクラ。花期は6~8月。花径2cm
ミヤマキンポウゲ(深山金鳳花)
キンポウゲ科キンポウゲ属の多年草。北海道~中部地方以北の
亜高山帯~高山帯に分布。花径は2cmほど。花期は7~8月
ミソガワソウ(味噌川草)
シソ科イヌハッカ属の多年草。花期は7~8月。花冠の長さは2.5~3cm
日本固有種で、北海道、本州の中部地方以北・奈良県、四国の石鎚山に分布
亜高山帯の草地や深山の渓流沿いなどに生育する。別名:エゾミソガワソウ
ミソガワソウの名は、木曽川の支流の味噌川に由来する
タカネマツムシソウ(高嶺松虫草)
マツムシソウ科マツムシソウ属の越年草。花期は8月。花径3~5cm
本州の中部地方以北と四国の亜高山帯 の草地や礫地に生える
マツムシソウの高山型変種。別名:ミヤママツムシソウ
イブキジャコウソウ(伊吹麝香草)
シソ科イブキジャコウソウ属の小低木。朝鮮、中国、ヒマラヤに分布し、
日本では、北海道、本州、九州に分布し、海岸から高山帯までの日当たり
の良い岩地に生育。伊吹山に多く、花には芳香がある。花期は6~8月
別名:イワジャコウソウ、ナンマンジャコウソウ。1枚目は後ピンだった
シラネニンジン(白根人参)
セリ科シラネニンジン属の多年草。花期は7~9月。花径2~3mm
北海道、本州(中部地方以北)に分布。別名:チシマニンジン
日光白根山で初めて採集されたことによる名づけ
レブンソウ(礼文草)
マメ科オヤマノエンドウ属の多年草。花期は6~7月。花径2cm
北海道礼文島の固有種(桃岩展望台や桃岩歩道などで見られる)
絶滅危惧IA類 (CR)
前回までに34種類の花を投稿しましたので、今回は8種類で、累計42種類です。
開花コントロールについて(館内の説明板より)
この高山植物館では、冬でも高山植物を楽しむことが出来ます。
高山植物が開花するには、冬の厳しい低温の季節、開花時に光や暖かさが不可欠であることが分っています。そこで、休眠庫や人工気象室を用いて人工的に夏と冬を逆にして植物の季節を変えることにより、冬でも高山植物を咲かせることが出来ます。
開花コントロールのしくみ(1月頃に花を咲かせる場合)
2月頃、鉢を休眠庫(-2℃)に入れ、10ヵ月くらい休眠させる ⇒ 人工気象室に入れる(10~15日位) ⇒ 栽培棟・加温室に入れる(10~40日位) ⇒ 開花(翌年の1月頃)
(つづく)
この記事へのコメント
river
「花ちょう遊館」なら効率よく見ることが出来ますね。イブキトラノオなら良く見ますがルリトラノオには出会えません。イブキジャコウソウは車山でも見ましたが赤城の黒檜山でも咲いています。シラネニンジンはイブキボウフウやミヤマセンキュウに似ています。
もこ
山に上がらなくても山野草が色々楽しめて良いですね。
伊吹山の山頂部に自生するルリトラノオ一度だけ伊吹山に登った(8月下旬)事がありますが、見た記憶がありません。
20年も前なのできっと忘れたのでしょうね。
nobara
サクラソウ科のお花も?でも岩木山では6-8月に見られるのですか?
ミソガワソウって一見、ラショウモンカズラのようですね。
シラネニンジンの仲間って似てるのが多いですよね。
開花コントロールの仕組み。へ~~ですが。
なんだか仕組みを変えるって??
植物をだますんですね~(^o^)丿複雑です。
さりとて何時間も歩いても見られませんからね~
夕菅
イブキジャコウソウ以外は実物を見たことがありません。
レブンソウの葉と花の色・形すてきですね!
イッシー
あの狭いエリアだから密集度合いがすごい。
見たことない花も多いです!
なおさん
開花調整の技術を極めると季節を逆転させても、正常な状態で咲かせられるのがスバラシイですよね。僕は個人的には花は本来咲くべきときにあたりまえに咲くのがいちばん美しく、真の姿だと思うので季節感は最重要視するのですが、いろいろな試みの探求も否定するものではありません。
長さん
3ヵ所を歩かれてご覧になった花が50種類ですか。重複なしだとしたら少ないかもしれませんね。
もう、山歩きが出来なくなっていますから、こういう施設があることは嬉しいです。大阪の咲くやこの花館でも開花コントロールをしているようです。
私も、ルリトラノオは植物園以外では見たことが無いですが、イブキジャコウソウは池の平湿原で、」イブキボウフウは八島ヶ原湿原で、ミヤマセンキュウは千畳敷カールで見たことがあります。
長さん
この高山植物館には昨年2月にも行ったことがありますが、開花コントロールされた花が沢山咲いていましたよ。
10年前の7月、伊吹山に登りましたが、やはりルリトラノオは見つかりませんでした。
長さん
ルリトラノオ、植物園以外では見たことが無いです。ここは雨も風も無縁なので、綺麗な花が見られます。
ミチノクコザクラの花期は岩木山での場合だそうですよ。
ミソガワソウは、花の形、特に下側の花弁が2つに分かれていて、斑点があるところはラショウモンカズラに似ていますね。
セリ科の花って、シラネニンジンと同じような咲き方のものが多いですね。
植物が置かれた環境を変えるわけですが、植物はその環境に自ら合わせているので、騙されたことには気付いていないでしょうね。咲くやこの花館でも同じことをして、年間で展示が出来ているそうです。
長さん
年間を通して咲かせようとすると、同じ種類の植物をいくつも用意して、2ヶ月おきくらいに休眠庫から出して人工気象室に入れると言う作業をしなければならないから大変ですよね。
イブキジャコウソウ、自生の物をご覧になられたのですか。私は池の平湿原で1回だけ見たことがあります。
在職中に利尻・礼文のツアーに参加したのですが、レブンソウを見た記憶は全くありません。
長さん
6月にいらしたときに咲いていなかった花も沢山ありましたか?私の場合は端から全ての花を記録してきますから、見落としはないですが、イッシーさんはそんな時間が掛かることはしませんよね。
長さん
高校の時代に自生のイブキジャコウソウをご覧になりましたか。まさに、タイムの仲間ですから、花には良い香りがありますね。
私も花は自然界で見るのが一番とともっていますが、そう簡単に活けるものではないので、こうした施設もありだと思います。大阪では咲くやこの花館が同じ方法で展示しているそうです。
ろこ
だから年中楽しめるんですね。
いいな!
ルリトラノオは初めてみましたが
色が素敵ですね。
そうそう忘れてはいけないわ。
お花を2枚の写真で紹介されていて
近づいて撮られたお花がとても素敵ですね。
レブンソウは久しぶりです。
礼文への旅行で見てきたんですよ。
懐かしさでいっっぱいです。
yoppy702
伊吹山で見たのと、かなり雰囲気が違います。 (^^ゞ
ミチノクコザクラの、こんな花弁、初めて見ました。
ん?成長途中って事ないですよね?(^^ゞ
ミソガワソウって初めてです。
二枚目、花の後ろの茶色のは、葉っぱですか?
イブキジャコウソウ、伊吹山で見た事があります。
これ、可愛いい小花ですね。(^^)
レブンソウ、濃い紫で綺麗ですね。
マメ科やったんや。
葉っぱとのコラボがイイなぁ。
「開花コントロール」は、「咲くやこの花館」でもやってますが、その仕組みは知りませんでした。
やっぱ、メッチャ、手間の掛かる事をされてたんですね。
スタッフさんに感謝です。(^^)
ジュン
お花もコントロール出来
一年中楽しめるのですね
その様な道具?欲しいですね
好きなお花を楽しみたいです
すーちん
ブロ友さんの記事で
ミチノクコザクラ
拝見しました
可愛らしいですねー
長さん
開花調整のお陰で、冬でも高山植物の花が見られます。2月に行ったことがありますが、多くの品種が見られました。
花の写真はアップと引いた写真を投稿するようにしています。花だけだと歯の状態や茎の伸び方などが分っていただけるからです。
レブンソウ、現地でご覧になりましたか。それは良かったですね。私も在職中、ツアーに参加しましたが、見る事が出来ませんでした。
長さん
ルリトラノオ、伊吹山では見る事が出来なかったので、自然の状態は分りませんが、上の方がホッソリしている姿が多いようです。ここは頂点まで咲ききっています。
ミチノクコザクラはまだ花が平開する途中のようです。
ミソガワソウの2枚目、中央の茶色の物は咲き終わった萼ですね。
レブンソウは上側の花弁が立ち上がっていることと、歯の状態がマメ科に共通していますね。
咲くやこの花館でも開花コントロールが行われていますが、花ちょう遊館は咲くやこの花館の指導を受けたそうですよ。
長さん
これらの高山植物は、花ちょう遊館の隣にある3棟の施設で行われているようです。googleマップで見ると、かなり大きな施設のようです。
長さん
ブログ友さんがミチノクコザクラの画像を投稿していましたか。どこで撮影したのか、興味があります。
ミキ
前記事のフウロソウとウスユキソウの仲間、
素晴らしいですね、見た~い!です。
ルリトラノオの花色も良いですね。
ミチノクコザクラは花びらがユニークで
何だか笑ってしまいました。可愛らしい花です。
ミソガワソウは味噌川という川があるのですね。
楽しく見せて貰いました。(^^♪
長さん
フウロソウやウスユキソウの仲間、ここまで行けばいつでも見られますが、遠いですね。
ルリトラノオ、青が良く出ていました。
ミチノクコザクラ、花が平開する途中のようです。
味噌川の名の由来は「未だ曽ならず」、まだ木曽川でないという意味かららしいです。