第71回関東東海花の展覧会にて(5) ジャパンフラワーセレクションの展示品から(1)

 1月28日、3年ぶりの開催となった「第71回関東東海花の展覧会」(池袋サンシャイン、1/27~29日)を見に行ってきました。
 今回は、新作花コーナーの左手に展示された「ジャパンフラワーセレクション~受賞品種コレクション」の展示品種の中から紹介します。出展は、一般財団法人 日本花普及センター(JFPC)でした。


展示風景
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「ジャパンフラワーセレクションとは」
 2006年4月からスタートした日本における統一的な新品種のコンテストです。国内外の新品種の中から、消費者に推奨できる優れた品種を選んで「消費者の花や緑のあるライフスタイルを質的に向上させる」「新品種の開発・導入の水準を向上させる」「花き産業の発展を図る」を目的に、花き産業関係者の幅広い参加・協力、農林水産省等の後援を受けています。
 世界の新品種コンテストとしては、北米を中心とした全世界的なオール アメリカセレクションズ(AAS)、 ヨーロッパを中心としたフロロセレクト(FS)がありますが、アジア発、日本発の新品種のコンテストは、このジャパンフラワーセレクションが初めてです。

 なお、写真下のコメントは、出品者によるキャッチフレーズらしい。


< フラワー・オブ・ザ・イヤー2022 >
ファレノプシス「BlueGene(ブルージーン)」
 石原産業(株)
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2005年より研究開発を開始し、試行錯誤を経て
遂に誕生した唯一無二の青いコチョウランです

< ベストフラワー優秀賞・ニューバリュー特別賞・モニター特別賞 >
バラ「ラブリーラズベリーローズ」 (有)たなまち園芸場
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花の大きさは中大輪で、アレンジやブーケに使いやすい。花色は
鮮やかなピンク色。花弁数が多く、豪華な雰囲気がある中で、
ロゼット状からポンポン咲きに変化し、可愛らしさがある

< ベストフラワー優秀賞・モーストジョイ特別賞 >
トルコギキョウ「ボヤージュ®(2型)ライトシャンパン」
(株)サカタのタネ
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艶やかで大輪の存在感のある花。旅立ちを意味する“ボヤージュ”
が大切な方へのプレゼントやブライダルでの装花にも。
人生の角出に、「ライトシャンパン」で乾杯。

< ベストフラワー優秀賞・モーストジョイ特別賞 >
バラ「ブライダルメイプルローズ」 (有)たなまち園芸場
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ティーカップ咲きの花型で、中からロゼットが出てくる。
中心から縁にかけて薄くなるピンク色の濃淡が美しい品種。

< ベストフラワー優秀賞・モーストジョイ特別賞 >
バラ「ピンクメイプルローズ」 (有)たなまち園芸場
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ティーカップ咲きの花型で、中からロゼットが出てくる。少しくす
んだピンク色、絶妙な花の大きさがどんな色とも合せやすい品種

< ベストフラワー優秀賞・フレグランス特別賞 >
シクラメン「セレナーディア アロマブルー」
サントリーフラワーズ(株)
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シクラメンでは希少なブルー系の花色が特徴の一重咲き。
強すぎずさり気なく遠くまで香る甘い香りも魅力的

< ベストフラワー優秀賞・ニューバリュー特別賞 >
デルフィニウム「F1ビジューアクアマリン」 (株)ミヨシ
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珍しいシネンシスの八重タイプ。目を惹く濃いブルーの花色が特徴的で、
添え花としては勿論、メインの花材としてもお使いいただけます。

< ベストフラワー優秀賞 >
ユリ「プチシリーズ・プチソレイユ」 山口県農林総合技術センター
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スカシユリとヒメユリを掛け合わせて開発した山口県オリジ
ナルのユリ。しなやかな草姿。プチシリーズの最初の品種

< ベストフラワー優秀賞 >
ファレノプシス「グリーンハット」 (株)マルイ洋蘭開発センター
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中輪タイプの淡い緑の花弁が特徴の胡蝶蘭です。花並びの良さや
花持ちの良さは自信を持ってお勧めできます。これまでにない
色合いで用途を選ばず贈答として最適です。

< ニューバリュー特別賞・ブリーディング特別賞 >
デルフィニウム「F1ビジューラベンダーサファイア」
(株)ミヨシ
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スプレータイプのデルフィニウムに、八重品種が登場しました。
発色の良いラベンダー花色で、ボリューム感のとりやすい品種です。

< ニューバリュー特別賞 >
プリムラマラコイデス「黄萌(きぼう)」 石塚園芸
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世界で最初のプリムラマラコイデスの黄花系品種です。花付きの形態が
斜め上向きに咲き、新鮮みがあります。フロリアード2012で第1席を受賞。

< ニューバリュー特別賞 >
ファレノプシス「紫彩(しあ)」 (株)マルイ洋蘭開発センター
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濃い紫に、可愛らしい丸みのある花びらが特徴的な胡蝶蘭は、
日常使いができるコンパクトサイズでの販売がベストです。
小さな株でも花数があるのでお得感のある品種。

< ジャパンデザイン特別賞 >
キク「セイロッサ」 イノチオ精興園(株)
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発色の良い深い赤色の花弁で、花が大きくボリュームのある品種です。
秀品率も高く、夏場の高温期でも、開花が大幅に遅れることが少なく、
花色が良く残る耐暑性のある品種です。

< ジャパンデザイン特別賞 >
キク「トロピカーナ」 (株)デリフロールジャパン
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南国のフルーツを思わせる華やかな印象ながらも、コクのあるレッドと弁
先をじんわりと彩るイエローがどこかクラシカルな雰囲気を醸し出す、奥
の深いデコラポンポンマム。さまざまなシーンで活躍できるマムです。

 2022年1月28日撮影。

 次回も、ジャパンフラワーセレクションの花を紹介します。
(つづく)

 つくば蘭展の記事と交互に投稿しています。

この記事へのコメント

  •  もこ

    新品種の花たち
    日々改良されている方たちの
    努力を思いながら見させて頂きました
    2023年02月07日 15:42
  • river

    青いコチョウランは世界らん展で見た覚えがあります。
    ブルー系の花色のシクラメンは群馬のシクラメン展でも出ていました。
    新品種作成にたくさんの人、企業が頑張っていますね。
    2023年02月07日 18:50
  • 無名子

    こんばんは!
    日本発の新品種、どんどん頑張ってほしいですね (^o^)
    もともと園芸種の開発、栽培、
    江戸時代から盛んだったのだから、それを活かしてほしいですね。
    2023年02月07日 19:05
  • イッシー

    最初の青い胡蝶蘭と紫色のシクラメンが好きかな~。
    どれも流石に素晴らしいですね。
    2023年02月07日 19:56
  • 信徳

    ブルーのコチョウラン、凄いですね。
    18年の長い歳月を掛けてやっと作出したんですね。
    素晴らしい、日本発ブルーコチョウラン世界一!
    2023年02月07日 20:05
  • 長さん

    🚩 もこさん、コメントありがとうございます。
    記事には書きませんでしたが、新品種の開発を担当した人たちの名前も書かれていました。ご苦労が報われましたね。
    2023年02月07日 20:59
  • 長さん

    🚩 riverさん、コメントありがとうございます。
    遺伝子組み替えによって誕生したという青い胡蝶蘭、2014年の世界ラン展日本大賞の際、特別展示がされていましたね。今回展示の胡蝶蘭は、石原産業が青い花の色素をツユクサから分離することに成功し、それを利用して遺伝子組み換えを行ったのだそうです。1月に行ったつくば植物園でもその展示があったので、別途記事を作る予定です。
    ブルー系のシクラメン、ご覧になりましたか。新品種の誕生までには色々なご苦労があったでしょうね。
    2023年02月07日 21:19
  • 長さん

    🚩 無名子さん、コメントありがとうございます。
    新品種作りは江戸時代から盛んだったようですね。現在では、昔のように、偶然に頼るのではなく、科学の力を利用して新品種作りに取組んでいるようです。バイオ技術などもその例ですね。
    2023年02月07日 21:22
  • 長さん

    🚩 イッシーさん、コメントありがとうございます。
    青い胡蝶蘭は遺伝子組み換え技術によるものですが、赤紫色のシクラメンは突然異変を固定したものだと言うことです。
    2023年02月07日 21:28
  • 長さん

    🚩 信徳さん、コメントありがとうございます。
    青い胡蝶蘭は開発途中のものを、2014年の世界ラン展日本大賞で見ましたが、それが第一世代で、今回のものは第二世代にあたるそうです。種は出来ませんが、販売に力を入れたいようです。
    2023年02月07日 21:32
  • なおさん

     さすがに見事なものばかりですよね。ブルーのコチョウランなどというものもあるのですか。美しさを誇張??していますよねえ。
    2023年02月07日 21:54
  • eko

    ブルーのコチョウラン素敵ですね。人はブルーの花に憧れるんでしょうか。
    シクラメンのブルー、香りがあって素敵ですね。以前買ったことがあります。ただ一年限りで終わりました。
    2023年02月07日 22:24
  • yoppy702

    「ジャパンフラワーセレクション」のコンセプトが良く解りました。
    「消費者の花や緑のあるライフスタイルを質的に向上させる」という意味では、嬉しい展示会ですね。(^^)
    でも、この受賞作品って、メッチャ、レベルが高いんですね。
    青いコチョウランなんて、まるで宝石みたいや。(^^ゞ
    これ、生で見はったら、とっても綺麗やったでしょうね。
    バラも新作なんですか?
    バラって、バラの品評会に出すんかと思ってましたが、そうでもないんですね。(^^ゞ

    こないだから、ちょっと気になってたんですが…
    「花き」なんです。
    今日も、使われていたんでチェックしてみました。
    そういう意味の単語とは、全然、知りませんでした。
    一つ、賢くなりました。(^^ゞ
    2023年02月08日 00:34
  • すーちん

    おはようございます
    コチョウランといえば
    かっては
    白かピンクと思ってましたがー
    ブルーのコチョウラン
    初めてですー

    2023年02月08日 07:26
  • 長さん

    🚩 なおさん、コメントありがとうございます。
    青い胡蝶蘭、2014年の世界ラン展日本大賞で、遺伝子組み換えの試作品が展示されていましたが、いよいよ本格的に売り出されることになりそうです。
    2023年02月08日 09:36
  • 長さん

    🚩 ekoさん、コメントありがとうございます。
    胡蝶蘭には青の色素がないので、自然界には存在しません。そんな色合いを科学の力で再現したのが青い胡蝶蘭です。
    一方、シクラメンのブルー系は突然異変を固定したもののようです。お買いになったものは、一年で終わりましたか。残念ですね。
    2023年02月08日 09:39
  • 長さん

    🚩 yoppy702さん、コメントありがとうございます。
    ジャパンフラワーセレクションの展示は、大阪で行われたこともあったようですよ。
    青い胡蝶蘭、ツユクサの青の色素を遺伝子組み換え技術で組み込んだものです。
    バラの切り花品評会が2018年に開催されたそうですが、最近は開催されていないようです。
    「花卉」と書くのが正式ですが、草を表わす「卉」が読めない人もいるので、「花き」と表記するようになったようです。
    2023年02月08日 09:54
  • 長さん

    🚩 すーちんさん、コメントありがとうございます。
    人間ってないものを欲しがるようで、青い胡蝶蘭もその一つですね。ツユクサの青を、遺伝子組み換え技術によって、胡蝶蘭に取り入れました。
    2023年02月08日 09:57
  • ジュン

    勿論どれも素晴らしいですが
    青いコチョウランに目が釘付けに。
    他のブルー系のお花にも・・・
    ブライダルメイプルローズ
    綺麗ですねこれ大好き
    2023年02月08日 10:25
  • 行き当たりばったり

    おはようございます。

    どれもこれも素晴らしい花ばかり---。
    青色のコチョウランは新聞記事で見たことがあります。
    これが実物なんですね。
    「グリーンハット」も見事です。好きな色です。
    黄色く見えますがグリーンなんですね(笑)
    2023年02月08日 10:34
  • 長さん

    🚩 ジュンさん、コメントありがとうございます。
    青い胡蝶蘭やブルー系のシクラメン、写真だと正確な色が出ないので、どこかで実物に出会えると良いですね。
    ブライダルメイプルローズ、素敵な色居合いですね。生産者の棚町さんはバラ農家の2代目、2000年から研究を始めたそうです。
    2023年02月08日 11:06
  • 長さん

    🚩 行き当たりばったりさん、コメントありがとうございます。
    青い胡蝶蘭、ご存じでしたか。花屋さんに並ぶのも間もなくでしょうか。「グリーンハット」の花色は、これまでのラン展でも見たことがない色合いでした。
    2023年02月08日 11:10
  • bunko

    毎日楽しましていただいています、今日のファレノプシスは特別ですね、一般的にはまず見ることないでしょうね、それぞれがこんな花もあるんだと驚いています。
    2023年02月08日 11:22
  • 長さん

    🚩 bunkoさん、コメントありがとうございます。
    今回は3種類のファレノプシスが登場しました。いずれも珍しいですが、既に販売されているので、高級花屋さんには並んでいるかも。
    2023年02月08日 12:39