今回は、新作花コーナーの左手に展示された「ジャパンフラワーセレクション~受賞品種コレクション」の展示品種の中から紹介します。出展は、一般財団法人 日本花普及センター(JFPC)でした。
「ジャパンフラワーセレクションとは」
2006年4月からスタートした日本における統一的な新品種のコンテストです。国内外の新品種の中から、消費者に推奨できる優れた品種を選んで「消費者の花や緑のあるライフスタイルを質的に向上させる」「新品種の開発・導入の水準を向上させる」「花き産業の発展を図る」を目的に、花き産業関係者の幅広い参加・協力、農林水産省等の後援を受けています。
世界の新品種コンテストとしては、北米を中心とした全世界的なオール アメリカセレクションズ(AAS)、 ヨーロッパを中心としたフロロセレクト(FS)がありますが、アジア発、日本発の新品種のコンテストは、このジャパンフラワーセレクションが初めてです。
なお、写真下のコメントは、出品者によるキャッチフレーズらしい。
< フラワー・オブ・ザ・イヤー2022 >
ファレノプシス「BlueGene(ブルージーン)」 石原産業(株)
2005年より研究開発を開始し、試行錯誤を経て
遂に誕生した唯一無二の青いコチョウランです
< ベストフラワー優秀賞・ニューバリュー特別賞・モニター特別賞 >
バラ「ラブリーラズベリーローズ」 (有)たなまち園芸場
花の大きさは中大輪で、アレンジやブーケに使いやすい。花色は
鮮やかなピンク色。花弁数が多く、豪華な雰囲気がある中で、
ロゼット状からポンポン咲きに変化し、可愛らしさがある
< ベストフラワー優秀賞・モーストジョイ特別賞 >
トルコギキョウ「ボヤージュ®(2型)ライトシャンパン」
(株)サカタのタネ
艶やかで大輪の存在感のある花。旅立ちを意味する“ボヤージュ”
が大切な方へのプレゼントやブライダルでの装花にも。
人生の角出に、「ライトシャンパン」で乾杯。
< ベストフラワー優秀賞・モーストジョイ特別賞 >
バラ「ブライダルメイプルローズ」 (有)たなまち園芸場
ティーカップ咲きの花型で、中からロゼットが出てくる。
中心から縁にかけて薄くなるピンク色の濃淡が美しい品種。
< ベストフラワー優秀賞・モーストジョイ特別賞 >
バラ「ピンクメイプルローズ」 (有)たなまち園芸場
ティーカップ咲きの花型で、中からロゼットが出てくる。少しくす
んだピンク色、絶妙な花の大きさがどんな色とも合せやすい品種
< ベストフラワー優秀賞・フレグランス特別賞 >
シクラメン「セレナーディア アロマブルー」
サントリーフラワーズ(株)
シクラメンでは希少なブルー系の花色が特徴の一重咲き。
強すぎずさり気なく遠くまで香る甘い香りも魅力的
< ベストフラワー優秀賞・ニューバリュー特別賞 >
デルフィニウム「F1ビジューアクアマリン」 (株)ミヨシ
珍しいシネンシスの八重タイプ。目を惹く濃いブルーの花色が特徴的で、
添え花としては勿論、メインの花材としてもお使いいただけます。
< ベストフラワー優秀賞 >
ユリ「プチシリーズ・プチソレイユ」 山口県農林総合技術センター
スカシユリとヒメユリを掛け合わせて開発した山口県オリジ
ナルのユリ。しなやかな草姿。プチシリーズの最初の品種
< ベストフラワー優秀賞 >
ファレノプシス「グリーンハット」 (株)マルイ洋蘭開発センター
中輪タイプの淡い緑の花弁が特徴の胡蝶蘭です。花並びの良さや
花持ちの良さは自信を持ってお勧めできます。これまでにない
色合いで用途を選ばず贈答として最適です。
< ニューバリュー特別賞・ブリーディング特別賞 >
デルフィニウム「F1ビジューラベンダーサファイア」
(株)ミヨシ
スプレータイプのデルフィニウムに、八重品種が登場しました。
発色の良いラベンダー花色で、ボリューム感のとりやすい品種です。
< ニューバリュー特別賞 >
プリムラマラコイデス「黄萌(きぼう)」 石塚園芸
世界で最初のプリムラマラコイデスの黄花系品種です。花付きの形態が
斜め上向きに咲き、新鮮みがあります。フロリアード2012で第1席を受賞。
< ニューバリュー特別賞 >
ファレノプシス「紫彩(しあ)」 (株)マルイ洋蘭開発センター
濃い紫に、可愛らしい丸みのある花びらが特徴的な胡蝶蘭は、
日常使いができるコンパクトサイズでの販売がベストです。
小さな株でも花数があるのでお得感のある品種。
< ジャパンデザイン特別賞 >
キク「セイロッサ」 イノチオ精興園(株)
発色の良い深い赤色の花弁で、花が大きくボリュームのある品種です。
秀品率も高く、夏場の高温期でも、開花が大幅に遅れることが少なく、
花色が良く残る耐暑性のある品種です。
< ジャパンデザイン特別賞 >
キク「トロピカーナ」 (株)デリフロールジャパン
南国のフルーツを思わせる華やかな印象ながらも、コクのあるレッドと弁
先をじんわりと彩るイエローがどこかクラシカルな雰囲気を醸し出す、奥
の深いデコラポンポンマム。さまざまなシーンで活躍できるマムです。
次回も、ジャパンフラワーセレクションの花を紹介します。
(つづく)
つくば蘭展の記事と交互に投稿しています。
この記事へのコメント
もこ
日々改良されている方たちの
努力を思いながら見させて頂きました
river
ブルー系の花色のシクラメンは群馬のシクラメン展でも出ていました。
新品種作成にたくさんの人、企業が頑張っていますね。
無名子
日本発の新品種、どんどん頑張ってほしいですね (^o^)
もともと園芸種の開発、栽培、
江戸時代から盛んだったのだから、それを活かしてほしいですね。
イッシー
どれも流石に素晴らしいですね。
信徳
18年の長い歳月を掛けてやっと作出したんですね。
素晴らしい、日本発ブルーコチョウラン世界一!
長さん
記事には書きませんでしたが、新品種の開発を担当した人たちの名前も書かれていました。ご苦労が報われましたね。
長さん
遺伝子組み替えによって誕生したという青い胡蝶蘭、2014年の世界ラン展日本大賞の際、特別展示がされていましたね。今回展示の胡蝶蘭は、石原産業が青い花の色素をツユクサから分離することに成功し、それを利用して遺伝子組み換えを行ったのだそうです。1月に行ったつくば植物園でもその展示があったので、別途記事を作る予定です。
ブルー系のシクラメン、ご覧になりましたか。新品種の誕生までには色々なご苦労があったでしょうね。
長さん
新品種作りは江戸時代から盛んだったようですね。現在では、昔のように、偶然に頼るのではなく、科学の力を利用して新品種作りに取組んでいるようです。バイオ技術などもその例ですね。
長さん
青い胡蝶蘭は遺伝子組み換え技術によるものですが、赤紫色のシクラメンは突然異変を固定したものだと言うことです。
長さん
青い胡蝶蘭は開発途中のものを、2014年の世界ラン展日本大賞で見ましたが、それが第一世代で、今回のものは第二世代にあたるそうです。種は出来ませんが、販売に力を入れたいようです。
なおさん
eko
シクラメンのブルー、香りがあって素敵ですね。以前買ったことがあります。ただ一年限りで終わりました。
yoppy702
「消費者の花や緑のあるライフスタイルを質的に向上させる」という意味では、嬉しい展示会ですね。(^^)
でも、この受賞作品って、メッチャ、レベルが高いんですね。
青いコチョウランなんて、まるで宝石みたいや。(^^ゞ
これ、生で見はったら、とっても綺麗やったでしょうね。
バラも新作なんですか?
バラって、バラの品評会に出すんかと思ってましたが、そうでもないんですね。(^^ゞ
こないだから、ちょっと気になってたんですが…
「花き」なんです。
今日も、使われていたんでチェックしてみました。
そういう意味の単語とは、全然、知りませんでした。
一つ、賢くなりました。(^^ゞ
すーちん
コチョウランといえば
かっては
白かピンクと思ってましたがー
ブルーのコチョウラン
初めてですー
長さん
青い胡蝶蘭、2014年の世界ラン展日本大賞で、遺伝子組み換えの試作品が展示されていましたが、いよいよ本格的に売り出されることになりそうです。
長さん
胡蝶蘭には青の色素がないので、自然界には存在しません。そんな色合いを科学の力で再現したのが青い胡蝶蘭です。
一方、シクラメンのブルー系は突然異変を固定したもののようです。お買いになったものは、一年で終わりましたか。残念ですね。
長さん
ジャパンフラワーセレクションの展示は、大阪で行われたこともあったようですよ。
青い胡蝶蘭、ツユクサの青の色素を遺伝子組み換え技術で組み込んだものです。
バラの切り花品評会が2018年に開催されたそうですが、最近は開催されていないようです。
「花卉」と書くのが正式ですが、草を表わす「卉」が読めない人もいるので、「花き」と表記するようになったようです。
長さん
人間ってないものを欲しがるようで、青い胡蝶蘭もその一つですね。ツユクサの青を、遺伝子組み換え技術によって、胡蝶蘭に取り入れました。
ジュン
青いコチョウランに目が釘付けに。
他のブルー系のお花にも・・・
ブライダルメイプルローズ
綺麗ですねこれ大好き
行き当たりばったり
どれもこれも素晴らしい花ばかり---。
青色のコチョウランは新聞記事で見たことがあります。
これが実物なんですね。
「グリーンハット」も見事です。好きな色です。
黄色く見えますがグリーンなんですね(笑)
長さん
青い胡蝶蘭やブルー系のシクラメン、写真だと正確な色が出ないので、どこかで実物に出会えると良いですね。
ブライダルメイプルローズ、素敵な色居合いですね。生産者の棚町さんはバラ農家の2代目、2000年から研究を始めたそうです。
長さん
青い胡蝶蘭、ご存じでしたか。花屋さんに並ぶのも間もなくでしょうか。「グリーンハット」の花色は、これまでのラン展でも見たことがない色合いでした。
bunko
長さん
今回は3種類のファレノプシスが登場しました。いずれも珍しいですが、既に販売されているので、高級花屋さんには並んでいるかも。