奥州菊(大掴み)とは(苑のリーフレットから引用)
江戸時代の末頃から、奥州八戸地方で盛んに栽培された大菊の系統です。
外側の管状の走り弁を周囲に長く伸ばし、内側の花弁は両手できつく掴んだように巻き、何段にも力強く盛り上がって咲きます。厚物の変化系で、大掴みとも呼ばれます。
肥後菊とは(苑のリーフレットから引用)
宝暦年間(1751~1764)、肥後藩主が文化政策の一つとして栽培を奨励したことに始まります。一つの花序(偽花)を構成する花数(花弁)の数が極めて少なく、一見すると一重に見えるシンプルな花容となるのが特徴です。肥後朝顔などとともに「肥後六花」に数えられています。「肥後六花」は、他に肥後椿、肥後芍薬、肥後花菖蒲、肥後朝顔、肥後山茶花
肥後菊の伝統品種は、残念ながら開花が遅れており、今回はくらしの植物苑が開発・育成した品種のみの紹介です。
朱鷺の羽(歴肥-3)

佐倉の淑女(歴肥ー8)

歴肥-14(実生)

H26-6(試作花)

H26-16(実生)

H28-1(実生)

H28-29(実生)

古典菊の紹介はこれで終り、以下は、苑内で見た花です
サフラン
アヤメ科サフラン属の多年草。原産は南ヨーロッパ~小アジア
よく似た花のサフランは春に咲く


ミナロバータ
ヒルガオ科サツマイモ属の多年草(春蒔き一年草扱い)。メキシコ原産
別名:イポメア・ロバータ、ジャングルクイーン。花期は9~11月
つる性なので、和名はキンギョアサガオ(金魚朝顔)
つぼみは緋赤色で、咲き進むにつれ、橙、黄、白へと変化する



次回は、サザンカの色々を紹介します。
(つづく)
この記事へのコメント
なおさん
江戸時代、太平の世になるとお殿様やら武士階級、商人、町人などまであれこれ草木を楽しむ文化が育っていった、というのも良いですね。
サフランの蘂は収量が少なく貴重品だということですね。
もうじき師走、ということですので、皆炉端??にあつまる寒い時期になるのでしょうが、今では囲炉裏もそうないので、ストーブですかねえ。皆老婆だ、などというとヒンシュクをかってしまいそうです。ミナロバータの花を見ると、ついオオハシという鳥を思い浮かべてしまいます。
river
肥後菊は花弁が細く花弁数も少ないですね。家では’松の雪’という品種が咲いています。
イッシー
どの種類も千両役者だな~。
ここ近くなら行くんだけどな~。
そういえば、御苑でラン展やってますね。
信徳
日本の花として菊が愛されて来た事が良く分かります。
eko
サフランが可愛く咲いていますね。サフランの雌しべから作られる香辛料は世界一高価だそうですね。取れる量が少ないので高価なのもうなづけます。
ミナロバータは初見です。色が変化しながら咲き進むのも可愛いですね。
無名子
奥州菊、肥後菊、何れを見ても素敵です (^o^)
肥後、園芸植物を幾つも作り出してますね。
長さん
古典菊6種類をすべて受け継いで保存・育成しいる公的機関は、恐らくここだけと思われ、極めて重要ですね。
サフランは雄しべに薬効があるとかで、大変貴重なんだそうですね。
ミナロバータ、駄洒落が冴えますね。あまり知られていないようで、ここでしか見たことがありません。
長さん
奥州菊は厚物変化形で、花弁が握り拳みたいになるので、大掴みとも呼ばれているそうです。
肥後菊は武士のたしなみで育てられたそうで、花には華やかさが薄いですね。お宅の松の雪、たくさん咲きましたか。
長さん
奥州菊はどれも開花途中の姿で、もっと盛り上がるようになります。それに引き替え、肥後菊はシンプルですね。
新宿御苑の洋らん展、11/27までですね。11/25に昭和記念公園の花みどり文化センターのラン展を見に行ってきました。御苑より出展数が多いはずが、今年は半分くらいで、当てが外れました。
長さん
古典菊を保存育成しているのは恐らくここだけだと思われるので、伝統を受け継いだ品種作りが望まれます。なにせ、菊は天皇家の御紋章ですからね。
長さん
奥州菊を豪華とするなら、肥後菊は質素とでも云いましょうか。対照的ですね。
サフランの雄しべは貴重品なんですってね。日本では大分県の「竹田市のみが産地を維持しており国内生産量のほとんどを占めており、品質は世界でも最高級」なんだそうです。
ミナロバータ、面白い花ですよね。
長さん
菊の咲かせたかとしては奥州菊と肥後菊は対照的ですね。肥後六花は、熊本藩の六代藩主・細川重賢が、家臣の武士たちの精神修養に園芸を奨励したことに始まったといわれているので、菊の花も質素なんでしょう。
yoppy702
これを見てたら、コスモスやマーガレットなどがキク科というのが、至極、納得できました。(^^ゞ
「岸の赤星」は、まるで、エキナセアですね。
奥州菊も変わった姿ですね。
「愛国殿」を見てると、説明の特色が理解できました。
肥後菊も独特の姿ですね。
くらしの植物苑が開発・育成した品種という事ですが、これが肥後菊の特色なんですね。
各古典菊、素晴らしいですね。(^^)
すーちん
海外でも菊栽培
盛んでしょうがー
こういった菊あるん
でしょうかねー
長さん
菊の花の構造は、中央の筒状花と、それを取り巻く舌状花に分けられますが、舌状花は筒状花の変化したものです。奥州菊に至っては、コスモスやマーガレットより舌状花の枚数がはるかに多いのが異なる点でしょう。
長さん
海外でも日本の菊は「マム」と呼ばれて人気ですが、古典菊を育てている人は、多分、少数でしょうね。