今回はシリーズ最終回で、絶滅危惧植物温室で見た花などの続きと、屋外で見た花などの続きです。
キレンゲショウマ(黄蓮華升麻)
アジサイ科キレンゲショウマ属の多年草。紀伊半島、四国、九州に自生
花期は8月。花径は0.7~1.3cm。絶滅危惧II類 (VU)


イワユキノシタ(岩雪ノ下)
ユキノシタ科イワユキノシタ属の常緑多年草(1属1種)
東海地方から四国にかけて、湿潤な岸壁に生える。日本固有種
花期は5~6月。雌雄異株で、これは雄株らしい(雌株は両性花)


ウリハダカエデと、寄生しているツクバネ
葉が大きい方がウリハダカエデ、小さい方がツクバネ

ウリハダカエデ(瓜膚楓)の葉
ムクロジ科カエデ属の落葉高木。本州〜九州の山地に生える
扇状五角形で浅く3〜5裂する(中央の裂片は広三角形で大きい)
裂片の先は鋭くとがり、縁には重鋸歯がある
雌雄別株(まれに同株)。花期は5月。紅葉はこんな色(こちら)

ツクバネ(衝羽根)の葉
ビャクダン科ツクバネ属の落葉低木。日本固有種。雌雄異株
光合成を行う植物だが、ツガやアセビ、カエデなどに半寄生しないと
生きられない。羽根つき遊びは、この実を手で衝いて遊んだのが
始まりと言われている。ツクバネの実の写真はこちらのブログへ

ここからは屋外で見た花や実などです
ニセコバンソウ(贋小判草)の穂
イネ科スズメノチャヒキ属の多年草。原産は中央アジア~小アジア
草丈は50~100cm。花期は7~8月。8~10月にコバンソウに似た穂が出る
コバンソウより太めの茎が直立する。穂はコバンソウより厚みがない
流通名はワイルドオーツ。生け花の素材として人気だとか

ウォーターバコパ
オオバコ科ステラ属の常緑多年草(水草)。原産はアメリカ東部
花期は7~9月。花径は1~1.5cm。別名:ミズバコパ(水バコパ)


ミズアオイ (水葵)
ミズアオイ科ミズアオイ属の一年草。日本では北海道~九州)に分布
水田の畦や湖沼などに生息する抽水植物。花期は8~10月。花径4cm
ミズアオイ科の名の基になった植物。準絶滅危惧 (NT)


コシガヤホシクサ(越谷星草)
ホシグサ科ホシグサ属の一年草。野生絶滅種(EW)
花期は8~9月。白い星形の花で、径は数ミリ

残念ながら、間もなく咲きそうなつぼみだった

越谷市のHPに花の写真が載っていました(こちら)。
ミズトラノオ(水虎の尾)のつぼみ
シソ科ミズトラノオ属の多年草。絶滅危惧Ⅱ類 (VU)
本州・四国・九州・朝鮮の低湿地に分布。別名:ムラサキミズトラノオ
花期は8~10月。長さ2~8cmの花穂を1個立て、淡紅色の花を密に付ける

こんな花が咲きます(2019年10月10日、つくば植物園で)

サンザシ(山査子、山樝子)の実
バラ科サンザシ属の落葉低木。中国原産
果実は生薬、果実酒、ドライフルーツなどに利用。盆栽の素材にも
5月頃、こんな花が咲きます

(シリーズ終了)
この記事へのコメント
もこ
それだけ環境破壊が進んでいるという事なのでしょうね
無秩序の開発が影響しているのでしょうか
サンザシの赤い実が可愛いですね
サンザシって食用になるのですか
実物を見たことがありません
なおさん
ウリハダカエデは武蔵丘陵森林公園のカエデ見本園でもお馴染みですが、ツクバネの方はなじみがありません。
ワイルドオーツは以前栽培したことがあります。種子でも増えますし丈夫ですね。ナンバンギセルを寄生させても面白いものです。
ミズアオイは以前は武蔵丘陵森林公園の水生植物の池でも見られたのですが、見られなくなってしまい、ザンネンです。良い色ですよね。
eko
キレンゲショウマは実物を見たことはありません。可愛い花ですね。
半寄生植物のツクバネの実は可愛い形、羽根つきの羽そのまま、初めて見ました。
ウォーターバコパ以外は初見の植物ばかりです。ミズアオイは綺麗な花が咲きますね。
ミズトラノオはツルボの花に似ていると思いました。
river
ウリハダカエデは山でよく見かけます。
サンザシは昔持っていたのですが枯れて今いました。実物盆栽でよく見かけます。
nobara
上を向いたり下を向いたり、なんかつる性ッぽく見えました(^o^)丿
ニセコバンソウ。カナリークサヨシに似ています。
ウオーターバコパ、可愛いお花ですね。
ミズアオイもですね~~~
サンザシの実が~おいしそうです。
イッシー
サンザシ以外は初見かもしれません。
ニセコバンソウ。これもかわいそうな名前ではありますね。
植物はだますつもりなんかないのにね。
長さん
絶滅危惧植物が色々あるのは気候の変化などもあるでしょうが、分布している地域に人の生活が迫って、環境が破壊されたこともあるでしょうね。
サンザシの実は食用になるそうですよ。
無名子
絶滅危惧種、環境の変化も進んでいるので減らないですね。
以前、里山の先生が、
「外来種の侵入は防げない、環境の変化も止められない、
そんな中で出来るのは、保護することだけ・・・」
絶滅危惧植物を保護する温室はありがたいことですよね。
長さん
キレンゲショウマ、ここは鉢植えなのですが、大きくなったら地植えも可能になるでしょうね。上三依水生植物園のような大株になってほしいものです。
ウリハダカエデは紅葉する木としても有名ですね。
私もツクバネの実物は初めて見ました。
ニセコバンソウはかなり草丈が伸びますね。多年草ですから、ナンバンギセルの寄生も可能でしょう。
ミズアオイは一年草だとのことなので、繁殖が難しいのかもね。
長さん
この植物園は絶滅危惧植物の保護育成に力を入れたいます。
キレンゲショウマは植物園などに行かないと花を見るのは難しいですね。
ツクバネの実物は初めて見ました。この株が大きくなったら花を見てみたいものです。
ミズアオイは薄いブルーの花がきれいですね。
ミズトラノオは、イブキトラノオの花色を変えたらこれとそっくになると思いませんか。
長さん
キレンゲショウマ、お宅にもありますか。それは貴重ですね。雹にやられたとは残念でした。
山で見るウリハダカエデの紅葉も良いものでしょうね。
サンザシは盆栽にも利用されますか。
信徳
虫にやられてしまいます。折角蕾も出て来たのですが完全に開花する前に虫が入り込んでポロリ、来年は葉が出た頃から注意してやりましょう。虫の好む草花が有りますね。
長さん
このキレンゲショウマ、鉢植えのせいか、枝が横に長く伸びていて、その途中に咲いている花の一部が上を向いていました。
カナリークサヨシは知らなかったので、ネットの花図鑑を見たら、実の色がニセコバンソウの穂の色に似ていますね。カナリークサヨシの実を扁平にしたらニセコバンソウの穂に似てくるかも。
サンザシの実は食用になるそうですね。
長さん
この植物は絶滅危惧種の収集数が多いです。
コバンソウに似ていることは確かですが、その偽物なんて気の毒な名前をもらったものです。
長さん
この植物園は絶滅危惧植物を収集して株を増やし、全国の植物園に配布したり、自生地に帰したりする活動をしています。盗掘を防止することは勿論、絶滅危惧種のある自治体や住民の皆さんの理解と協力なしには、復活は難しいです。
長さん
キレンゲショウマの葉は虫が好むのですか?大きなネットをかけるとかの工夫が昼用かも知れませんね。この温室は引き戸の開放が禁止されているので、虫が入る可能性は低いです。
すーちん
キレンゲショウマ初めて
みましたー
レンゲショウマとは一寸違う
感じしますね
長さん
キレンゲショウマの名の由来は「レンゲショウマに似て、花色が黄色いから」とされていますが、花の形は全く違いますから、名付けが問題ですね。