今回は屋外編の4回目で、低地林や岩礫地帯で見た花や実などです。
ゴンズイ(権萃)の実
ミツバウツギ科ゴンズイ属の落葉小高木。花は見たことが無い
関東以西の本州・四国・九州に分布。日本固有種
赤い果皮が割れ、中から黒い種が顔を出していた
ウツギ(空木)の実
アジサイ科ウツギ属の落葉低木。北海道南部、本州、四国、九州に広く分布
別名:ウノハナ。唱歌「夏は来ぬ」で歌われた卯の花がこれですね
果実はさく果。直径4〜6mmの椀形、先端はややくぼみ、花柱が残る
コゴメウツギ(小米空木)の実
バラ科コゴメウツギ属の落葉低木。花期は5~6月
日本では、北海道、本州、四国、九州に分布
実は長さ2~3mmの袋果で、基部には萼が残る。こんな花が咲きます
花柄が長いので、実は垂れ下がる
ツクバネウツギ(衝羽根空木)の萼片
スイカズラ科ツクバネウツギ属の落葉低木。 別名:コツクバネ
日本固有種。本州・四国・九州に分布。こんな花が咲きます
写真は実が落ちても残る萼片。これが「衝羽根」に似るのでこの名がある
そう果は長さ8~14mmの棒状で、稜があると言うが、見たことが無い
ハコネウツギ(箱根空木)の実
スイカズラ科タニウツギ属の落葉低木。日本各地の海岸近くに自生
蒴果は約3cmの円筒形で、熟すと裂開する
花期は5~6月頃で、白から赤に変る(こちら)
ヒオウギ(檜扇)の実
アヤメ科アヤメ属の多年草。本州・四国・九州に分布
別名:カラスオウギ(烏扇)。熟すと現れる黒い種は「ぬばたま」で有名
ヤブミョウガ(薮茗荷)
ツユクサ科ヤブミョウガ属の多年草。東アジア原産(日本では関東地方以西)
まだ花が残っていた。径5mmほどの球形の実は、熟すと藍紫色になる
イボタノキ(水蝋樹、疣取木)の実
モクセイ科イボタノキ属の落葉低木。
北海道、本州、四国、九州、朝鮮、中国に分布
実は黒く熟すと、長さは1cm位になる。5~6月頃、こんな花が咲きます
ネムノキ(合歓木)の実
マメ科ネムノキ属の落葉高木。本州から四国・九州、朝鮮半島や中国、
南アジアに分布。別名:ネム、ネブ。ご存じでしょうが、こんな花が咲きます
ニホンハッカ(日本薄荷)
シソ科ハッカ属の多年草。日本在来種。花期は8~10月
別名:ハッカ、和ハッカ(和薄荷)、ワシュハッカ(和種薄荷)
ヨウシュハッカよりやや葉が長く、萼筒の裂片が鋭く尖っている
次回も、屋外で見た花や実などです。
(つづく)
この記事へのコメント
river
ヤブミョウガ大変に丈夫で繁殖力が強く庭に生えて困っています。地下茎でも種でも増えます。
イッシー
黒いのが種なんでしょうか。
そのうち落ちるのかな。
客家の花は、花の付き方は違うけれど、
花自体はシモバシラにも似てますね。
eko
色々なウツギも実が出来ていますね。花は見ても実は初見です。
ヒオウギやヤブミョウガ、イボタノキ、ネムノキの実はお馴染みなのでしっています。
ニホンハッカはダンギクに似た咲き方なんですね。可愛いです。
なおさん
ヒオウギの漆黒の実は万葉のいにしえから有名ですね。以前実を頂いて播いて庭で咲かせたことがあります。
ヤブミョウガも種子を播いて庭にありますが、これは増えすぎるので、かなり制限しないとタイヘンなことになりますね。
無名子
ゴンズイの実、大きな目玉をギョロとさせていて可愛いですね。
毎年、花を撮ろうと通うんですが、何時も肝心なときにタイミングが合わず、撮り逃しています。
秋が深まるにつれ、草木の実が目立ってきますね (^o^)
信徳
草木の実しか撮った事がありません。
蕾から花そして実を撮って行くと面白いのでしょう。
長さん
植物名のゴンズイの名の由来は、1.魚のゴンズイに由来し、それと同様に役に立たないため。2.熊野権現の守り札を付ける牛王杖(ごおうづえ)がなまったもの。この杖を本種で作ったため。3.赤い果実から真っ黒の種子が出るのが天人の「五衰の花」を思わせることから。4.ミカン科の植物であるゴシュユに似ていることから、などがありますが、牧野富太郎は1の立場です。魚のゴンズイには背びれと胸びれに毒棘があり、刺されると死ぬこともあるとか。でも、蛋白毒なので加熱すれば食すことが出来るそうです。
ここのヤブミョウガは増えていないので、何らかの対策をしているのでしょう。
長さん
ゴンズイは赤い果皮が割れると黒い種が顔を出します。紅い色に誘われて、鳥が食べに来るようで、落下した種は見たことが無いです。
ハッカの花の付き方はダンギクに似ています。一つ一つの花は、シソ科だけに、花の形やしべの長さなど、シモバシラと共通していますね。
長さん
秋は実がなる季節ですね。ご存じのものが出てきましたか。
ゴンズイの果皮が割れると黒い種が覗くので、睨まれているよに見えます(笑)。
ウツギと名の付く植物は色々ありますが、実の形もそれぞれですね。
ニホンハッカもダンギクと同じように茎をぐるりと囲んで花が咲きますね。
長さん
人間は三原色で色を判断しますが、鳥の場合は赤・緑・青・透明(紫外線)しか判断できないそうですね。従って、黒い実は見えないので、赤い果皮やら偽果で鳥を誘うのでしょうね。
ヒオウギはこぼれ種でもよく増えますね。
ヤブミョウガ、この植物園では増やさない対策をしているようです。
長さん
ゴンズイの黒い実、初めて見たとこは、やはり睨まれているような感じに襲われましたよ(笑)。ゴンズイの花は5月ころですね。小さい上に、緑色ですし、高い所で咲いているので、気付かずに通り過ぎています。
長さん
街中散歩では気付かないこともある草木の実ですが、植物園なら名札があるので、見逃すことは少ないです。
今回の記事は実の社審に加え、出来るだけ花の写真をリンクさせています。
ジュン
我が家にあるミッキーマウスの
木の実に似ています
ハッカ好きなんです
このお花から出来るのでしょうか
お花はじめてみました
すーちん
ウツギはアジサイ科
なんですねー
実は見たことないですー
長さん
ミッキーマウスの木の実も、赤い萼に黒い種でしたね。鳥は黒色が認識できないので、赤い萼や、赤い偽果(ヤマシャクヤクなど)でおびき寄せる戦略ですね。
ニホンハッカなどのミントは葉を乾燥させたものを利用するようです。花の利用法はドライフラワーぐらいかなー。
長さん
ウツギはユキノシタ科からアジサイ科に変りました。
私もそうですが、花木は花が終わると殆ど注目しませんからね。