園内の最奥部に5坪ほどの金網囲いのスペースがあり、水草や野菜などが植えられていました。
うち日さつ 三宅の原ゆ か黒き髪に 眞木綿(まゆふ)持ち
あさざ結ひ垂れ・・・(長歌) 作者不詳 巻13-3295
ジュンサイ(蓴菜)
ハゴロモモ科 (ジュンサイ科、スイレン科)ジュンサイ属の多年草
アサザと同じ水槽に瓶を沈めて育てられていた。花期は6~8月
秋田県三種町はじゅんさいの生産量が日本一。万葉名は蓴(ぬはな)
寄りかつましじ 作者不詳 巻7-1352
瓜食めば 子ども思ほゆ 栗食めば まして偲はゆ・・・
長歌 山上憶良 巻5-802
み吉野の玉 松が枝は はしきかも 君が御言を 持ちて通はく
額田王が弓削皇子の歌に答えて読んだもの 巻2-113
からたちの 茨(うばら)刈り除(そ)け 倉(くら)建てむ 屎(くそ)遠くまれ
櫛(くし)造る刀自(とじ) 忌部首(おびと) 巻16-3832
宴席で戯れに詠んだ歌とのことで、万葉集にしては品が良くない歌だ
知智の実の父の命(みこと) 柞葉(ははそは)の母の命(みこと)・・・
語り継ぐべく 名をたつべしも・・・ (長歌) 大伴家持 巻19-4164
コムラサキ(小紫)の実
シソ科(←クマツヅラ科)ムラサキシキブ属の落葉低木。本州〜沖縄に分布
万葉集には、ムラサキシキブも含めて、登場しない。意外だった
ヒオウギ(檜扇)
アヤメ科アヤメ属の多年草。本州・四国・九州に分布
黒い種は「ぬばたま」と呼ばれていますが、万葉名もぬばたまです
万葉集には、植物名としては出てきませんが、枕詞で多用されています
磐姫皇后(いわのひめのおおきさき) 巻2-89
ワレモコウ(吾亦紅)
バラ科ワレモコウ属の多年草。日本では、北海道から九州に分布
奈良時代には既に「われもこう」と呼ばれていたが、万葉集には登場しない
ロウバイ(蝋梅)の実
ロウバイ科ロウバイ属の落葉低木。原産は中国南部
日本への渡来は17世紀(江戸時代)なので、万葉時代には存在しない
カジノキ(梶の木)
クワ科コウゾ属の落葉高木。日本国内では中部地方南部以西~沖縄に分布
別名:カジ(梶)、コウ(構)。万葉名は栲(たく、たへ)など
栲はカジノキまたはコウゾの古名で、当時はその区別がなかったそうだ
柿本人麻呂 巻2-222
(コウゾの皮から取った長い繊維のことも「栲」と言っていた)
2022年9月10日撮影。
(つづく)
この記事へのコメント
river
反歌は
銀母 金母玉母 奈尓世武尓 麻佐礼留 多可良 古尓斯迦米夜母
銀(しろかね)も 金(くがね)も玉も なにせむに 優れる宝 子に及(し)かめやも
万葉集には出てこない植物もありますね。
長さん
万葉集は全く勉強しなかったので、にわか仕込みです。反歌や返歌、答歌は同じような意味だと思っていましたから。
nobara
出かける頃は蕾んでましたが山からおりてきたら
ぱっかり開いていました
スワンボートや鴨さん鯉さんがいっぱいなのに増えています。
ジュンサイはぬらッとしておいしいですよね。
今季はまくわ瓜をたくさんいただきました。
売主さんはまくわ瓜じゃなくて、新メロンですと言い張って(^o^)丿
サクサクと美味しく頂きました。甘すぎないのがいいですね。
カラタチ、筋がはいってますね~
黄色くなる頃ピンポンみたいにして遊びました。
イヌビワ、ふむふむ~案外と美味しいです。
枇杷?というよりイチジクに似てると思うのですが。
カジノキの葉っぱ。面白い形ですね。
実は美味しいですよ!
eko
マクワウリ好きです。父が退職後、畑でよく作って持って来てくれました。あっさりとして美味しいです。古くからあるんですね。
コムラサキやワレモコウが登場しないのは意外でした。
ヒオウギは可愛いですね。ぬばたまと呼ばれる種も綺麗です。枕詞として知られていますね。
イッシー
カラタチって聞いたことはあるけれど、
見たのは初めてかもしれません。
なおさん
カラタチはトゲがものスゴイですから、生け垣などにすると防犯効果抜群でしょうねえ。
カジノキは七夕の際に葉に溜まった露で墨を摺り、手習いすると字が上手くなるとか言われましたし、繊維で布も織られたものですね。武蔵丘陵森林公園でも見られます。オレンジの実は食べてもなかなか美味しいですね。
無名子
アサザは一度だけ見たことがあります。
スイレンの咲く中にチョコッと咲いていたのが可愛かった。
マクワウリ、父の実家でスイカ、メロンと一緒に作られて居ました、ここのとは違ってスイカを細長くしたような品種。
味は・・・ 記憶の彼方に (^o^)
山上憶良の「子等を思う歌」読み直してみました、憶良がこの歌を詠んだ年齢に近いせいか、感慨深いです。
信徳
マクワウリは懐かしいですね。子供の頃はマクワウリだけ。
黄色いのとグリーンの色が有ったように記憶しています。
隣町の八色スイカなど滅多に食べられない時代でした。
もこ
島倉さんの「カラタチ?カラタチ?カラタチ?のは~な」って
歌は知っていますが カラタチの花も実も見たことがありません
注意してみるとこの近くにもあるのかしら・・・
長さん
アサザが白樺期に群生とは驚きました。大きな湖は波があるので育ちにくいそうなので、もしかして、その近くの小さな湖じゃないですか。
ジュンサイは旅館の料理でしか食べた記憶がありません。
新メロンですか。マクワウリは日本のメロンと言う人もいますからね。
カラタチの実は重そうですが、ピンポン球の代わりになりましたか。
イヌビワは食べたことがないですよ。
カジノキの葉はクワ科と言われれば、その形に納得です。
長さん
私の子供の頃はマクワウリが夏のおやつで出てきたので、懐かしいです。
コムラサキはワレモコウ、ちょっと意外でしたよ。ぬばたまは枕詞で有名なので、私でも知っていました。
長さん
イヌビワの実、熟す過程で色が変わるのが分るので、この写真を選びました。
カラタチは歌でも有名ですね。こんなに大きな棘でなくて良いのにと、いつも思います。
長さん
>アサザはキュウリを小型にしたような花
言えてますね。
カラタチは棘は、薔薇が裸足で似ていくような大きさですね。
カジノキは小石川植物園で雄株を見たことがありますが、そんないわれがあるのですね。それは知りませんでした。図鑑によると、花も実も面白い形ですね。
長さん
アサザは植物園などで何度か見たことがありますが、皇居東御苑の二の丸池にもあります。
マクワウリ、子供の頃は何度も食べたことがあります。味は覚えていませんが、甘くはなかったような。栽培種によって実の形が違うのでしょうか。
山上憶良は良い歌を沢山作ったようですね。
長さん
我々の年代は、マクワウリが懐かしいですよね。実の色は黄色でしたが、よく食べた記憶があります。
八色スイカ、実の色が8色もあるのかと思ったら、八色原という所で作られているスイカだそうですね。
長さん
マクワウリは古くから知られていたのですね。
島倉千代子のカラタチ日記、懐かしい。美空ひばりも詠っていたような。カラタチは花も実も見たことが無かったのですが、ここで実を初めて見ました。
すーちん
ロウバイの花が咲く頃
まだ葉っぱが落ちてません
咲いたの気が付かないことも^^
長さん
ロウバイは花の時期までに落葉するのが普通ですが、花が咲いてもまだ残っている木もありますね。
ジュン
歌われていますよね
実がなるのですね初めて見ました
長さん
島倉千代子や美空ひばりの歌に出てくるカラタチですが、今はあまり目にすることのない木ですね。私も、実を見たのは初めてです。
コスモス
花は見たことありますが、実は大きそうですね。
近所で綺麗に色づいたコムラサキを見ました。
気温が少し下がったので、昨日ワレモコウと黄色い花を買って花瓶に挿しました。
ドライフラワーにしてもいいですし。
長さん
カラタチの花はいかにもミカン科という花ですね。実は大きくなく、直径は4cmくらいです。
コムラサキの実、紫に色づくと綺麗ですね。
ワレモコウを生花の素材にしましたか。季節の花を添えると良いですね。