久しぶりに、マツカゼソウやマキエハギ、ヤマホトトギスを見る事が出来ました。いずれも、好きな花なのです。
マツカゼソウ(松風草)
ミカン科マツカゼソウ属の多年草。ミカン科では唯一の草本
本州から九州の山野に分布。花期は8~10月
万葉集には出てこないが、見たかった花です
花径4mmほどの4弁花ですが、下側の花は5弁ですね
ツユクサ(露草)
ツユクサ科ツユクサ属の一年草。原産は日本を含む東アジア
花期は6~10月。別名:蛍草。万葉名は月草(つきくさ)
作者不詳 巻7-1351
吾妹子(わぎもこ)に 逢はず久しも 甘美物(うましもの)
阿倍橘の蘿生(こけむ)すまでに 作者未詳 巻11-2750
春されば まづ三枝(さきくさ)の 幸(さき)くあらば
後にも逢はむ な恋ひそ吾妹(わぎも) 柿本朝臣人麿歌集 巻10-1895
マキエハギ(蒔絵萩)
マメ科ハギ属の落葉小低木(多年草)。本州から琉球、朝鮮・中国に分布
花期は8~9月。花の長さは6mmほどと小さい
名の由来は、まっすぐ伸びた細い花柄が蒔絵の手法を思わせるためと言う
万葉集にはハギの歌が一番多いが、マキエハギの名では登場しない
ヒサカキ(姫榊、柃)
モッコク科ヒサカキ属の常緑低木~小高木
花期は3~4月。雄花・雌花・更に両性花も持つらしい
万葉名は賢木(さかき)平安期以降はサカキをさすようになった
奥山の 賢木の枝に しらか付け・・・ 大伴坂上郎女 長歌 巻3-379
ハマヒサカキ(浜姫榊)
モッコク科ヒサカキ属の常緑小高木。花期は10月~2月(ヒサカキは3~4月)
万葉名は賢木(さかき)。ヒサカキと区別していなかった?こんな花が咲く
ヤマホトトギス(山杜鵑)
ユリ科ホトトギス属の多年草。日本固有種。花期は8~9月
北海道の南西部から九州の林縁や明るい林に生える
白地に紅紫色の斑点がある花弁が大きく反り返るのが特徴
花弁は6枚で、長さは15~20mmくらい
万葉集に鳥のホトトギスは出てくるが、花は詠われていない
これはつぼみ
ニワウメ(庭梅)
バラ科ニワザクラ属の落葉低木。中国原産。花期は4月
万葉名は 朱華(はねず)、唐棣。こんな花が咲きます
大伴家持 巻8-1485
梨(なし)棗(なつめ) 黍(きみ)に粟(あは)つぎ 延(は)ふ葛(くず)の
後(のち)も逢(あ)はむと 葵(あふひ)花咲く 作者不詳 巻16-3834
2022年9月10日撮影。
(つづく)
この記事へのコメント
イッシー
ツユクサとのコラボもいいですね~。
マキエハギも初めてです。面白い植物園ですね。
信徳
ミカン科で唯一の草本とくれば珍しいのでしょう、そこいらの
野山で見た事が有りません。
ホトトギスの色々、蕾が付いてきました。タイワンホトトギス
キイジョウロホトトギス、ホトトギス三色、ヤマホトトギスは種を蒔いたところです。
river
月草尓 衣者将揩 朝露尓 所沾而後者 徒去友 1351
月草で 衣は摺り染めにしよう 朝露に 濡れたそのあとは 色があせても
ツユクサの青い色は洗うと消えてしまうので染物の下絵を描くために使われています。
もこ
nobara
葉っぱも好きです(^o^)丿
リズミカルな葉っぱですよね~
ツユクサは我が家に蔓延っています。
苞の中の様子を観察しています。
苞の中に3~4個の花芽があります。
一番後ろに雄花がスックと立っていますが
これはすぐに落ちてしまいます。
双子ちゃんを見つけるにも楽しみです。
三枝と書いてさきくさと読ませるのですね。
さえぐさって呼んでしまいますよね。
マキエハギ、可愛いですね
eko
ツユクサはどうしてもトンボの顔に見えてしまいます。万葉の時代からあるんですね。
マキエハギの花、白地にピンクの模様が入って可愛いです。
ヤマホトトギスの白地に紅紫色の斑点が可愛いです。蕾は面白い形をしていますね。
なおさん
ツユクサはこの当時から花びらを布にこすりつけてじか染めという草木染めがなされていましたが、水に濡れるとすぐ色褪せてしまうので、儚いものの例えとされたものですね。
ツリガネニンジンは、3枚輪生ですから、さきくさと考えるひとも居ることでしょう。万葉植物の書籍を見ると、さきくさは春まず咲くということで、ミツマタが妥当だろう、という説も有力なようですね。
ヒサカキは早春の花で、花の香りはガス臭いでがす、とすわガス漏れ騒ぎかとなるものですが、ハマヒサカキは初秋に咲いて、やはりガス臭いでがす、と大騒ぎになるようですねえ。
無名子
マツカゼソウ、可愛い花ですよね (^o^)
今日投稿した アキカラマツ とよく混同してしまいます。
同じ里山、アキカラマツは尾根筋に、マツカゼソウは谷の沢近くに咲いています。マツカゼソウ、今年は見に行き損ねてます。
ヤマホトトギス、群馬は絶滅危惧種に指定されています。
咲きそうな蕾が可愛いですね。
花弁を反り返らせた姿も好きです (∩.∩)
長さん
マツカゼソウ、風に揺れて撮りにくかったですが、アップの写真はこの1枚だけがピントが合っていました。
マキエハギ、可愛いでしょう?
長さん
>♪マツカゼ騒ぐ丘の上
三橋美智也ですね。それを知ってる私も歳だなー(笑)。マツカゼソウは植物園でしか見たことが無いです。
ホトトギス、3種類が咲きますか。ご自宅で見られるなんて、良いなー。
長さん
マツカゼソウは目黒の自然教育園と箱根湿性花園でしか見たことが無いです。
万葉集の歌に平易な文章を添えようと思ったのですが、長くなるので止めました。
京友禅の下絵を描くには、今はツユクサ科のオオボウシバナを使っているそうで、それを栽培しているそうですね。
長さん
マキエハギ、シンプルな赤い斑ですが、とても可愛いですね。
長さん
マツカゼソウの葉の着き方がリズミカルですか。なるほど。
ツユクサが蔓延っていますか。今や、我が町内を回っても発見出来ないのですよ。苞の中までは見たことが無かったので、今度発見したら見てみましょう。
三枝、現代ではさえぐさとしか読みませんよね。
マキエハギ、久しぶりに出会えました。
長さん
マツカゼソウ、初見ですか。私も植物園でしか見たことが無いです。たまたまアップで撮った花が5弁でした。突然変異でしょう。
ツユクサがトンボの顔に見えますか。それは面白い。
マキエハギ、可愛いでしょう?今回出会えて良かったですよ。
ヤマホトトギスの蕾、形はホトトギスやタイワンホトトギスに似ています。
長さん
そうそう、ヘンルーダも草のように見えますが、木本でしたね。
引用したツユクサの歌はまさに染めた色が朝露のせいで色が変わってしまったという内容ですね。
ネットにはサキクサはミツマタ説もでていました。
ヒサカキの花はガス臭いですか。小さな花なので鼻を近づけてことがないです。
長さん
マツカゼソウとアキカラマツを混同ですか。アキカラマツを良く見ると、花弁がなくしべが目立つので違いに気付くでしょうが、遠目では同じに見えますか。
ヤマホトトギス、群馬県では絶滅危惧IA類ですね。千葉県は無印ですが、もともと無いのかな。同じような花が咲くヤマジノホトトギスの花弁は反り返りませんね。
yoppy702
とっても綺麗な花ですね。
へぇー、これ、ミカン科なんですね。
ツリガネニンジンも万葉の花なんですね。
万葉名が三枝…
マキエハギ、初めて見ました。
シラハギは良く見ますが、こんなのがあるんですねぇ…
このハギ、生で見てみたいです。(^^ゞ
園内の風景その3…
やっぱ、ここイイ感じですね。(^^)
すーちん
松風草
可愛らしい花ですねー
蝶が飛んでる様^^
ジュン
初めて見ました可愛いですね
小さいお花見逃しそうです
長さん
マツカゼソウ、私も植物園でしか見たことが無いです。
万葉の植物名と現代の植物名が全く違っているものがいくつもあります。その辺の歴史を調べるのも面白いかも知れません。
マキエハギは赤い筋がなんとも言えず可愛いです。これも、あまり目にしません。
長さん
マツカゼソウの花はあまりにも小さいので、思わず近寄ってしげしげと見てしまいます。
長さん
マツカゼソウやマキエハギは普段目にすることが出来ない、珍しい植物だと思います。どちらも、植物園以外では見たことが無いです。