日本全国に、万葉とつく植物園がどのくらいあるのか調べて見ました。Wikipediaによると、何と、70個所もありました(万葉の小径などという名前が付く区画を含む)。内訳は、東北地方4、関東地方17、中部地方20、近畿地方13、中国地方6、四国地方3、九州地方8で、北海道や沖縄にはありませんでした。
園内の風景その2
アオツヅラフジ(青葛藤)
ツヅラフジ科アオツヅラフジ属のつる性落葉低木。雌雄異株
北海道、関東地方以西〜沖縄分布。万葉名は都豆良(つづら)、黒葛
これは雄株だった。花径は、雄花も雌花も3mm程度
駿河の海 おしへに生ふる浜つづら 汝を頼み 母に違ひぬアオツヅラフジ(青葛藤)
ツヅラフジ科アオツヅラフジ属のつる性落葉低木。雌雄異株
北海道、関東地方以西〜沖縄分布。万葉名は都豆良(つづら)、黒葛
これは雄株だった。花径は、雄花も雌花も3mm程度
東歌 巻14-3359
さいかちに 延ひおほとれる屎葛 絶ゆることなく宮仕えせむ
高宮王 巻16-3855
路の辺の 壱師の花のいちしろく 人皆知りぬ 我が恋妻を
柿本人麻呂 巻11-2480
うちなびく 春さり来れば 小竹の末に 尾羽うち觸れて 鶯鳴くも
作者未詳 巻10-1830
わが屋戸の いささ群竹 吹く風の音の かそけきこの夕かも
大伴家持 巻19-4291
ミヤギノハギ(宮城野萩)
マメ科ハギ属の落葉低木。園芸品種。花期は8~10月
万葉集にハギは出てくるが、ミヤギノハギでは出てこない
タブノキ(椨)
クスノキ科タブノキ属の常緑高木。別名:イヌグス、タマグス、ヤマグス
万葉名は都萬麻(つまま)
大伴家持 巻19-4159
ヤブミョウガ(薮茗荷)
ツユクサ科ヤブミョウガ属の多年草。関東地方以西〜九州の林内に生える
万葉集には出てこない
メハジキ(目弾き)
シソ科メハジキ属の一年草または越年草。日本全土に分布
花期は7〜9月。別名:ヤクモソウ。万葉名は土針(つちはり)
作者不詳 巻7-1338
2022年9月10日撮影。
(つづく)
この記事へのコメント
イッシー
しかもそんな名前で。。1枚目はまた小さな花ですね~。
肉眼ではそんなに注意深くは見ないですが。写真だと
細かいところまで見られますね。
もこ
ヘクソカズラが読まれていたなんてビックリです
river
eko
ヘクソカズラが万葉の時代からあるとは驚きました。名前も可哀そうなままですね。
メハジキも古くからある植物なんですね。時々草むらに咲いています。
こちらでゲンノショウコの赤花は見たことがありません。
yasuhiko
万葉時代の名前や、その植物を詠んだ
万葉歌の紹介まであって、歴史的なものが
よく分かりますね。ミヤギノハギが
もう咲き始めてましたか。神代植物公園の
ハギ園では、ほとんど花に出合えませんでした。
無名子
万葉とつく植物園が70個所、多いですね~ (^o^)
今回は、馴染みの植物が多いですね。
万葉の時代から、歌に詠まれるほど
親しまれていたのかと思うと感慨深いですね。
ゲンノショウコが万葉集に登場し無いのは不思議ですね。
なおさん
万葉植物園と言いつつも、詠まれていないものもあれこれ植えてあるのはままあることですが、こだわり抜いているところも見たいですよねえ。
長さん
私も万葉集にヘクソカズラが出てくるとは思いませんでしたよ。当時から蔓延っていたんですね。
アオツヅラフジは花径3mmで、とても小さいです。
長さん
万葉の時代はまだ外国の派手な花がもたらされる前ですからね。ヘクソカズラ、当時から蔓延っていたんですね。
長さん
万葉植物園、全国に70個所とは多いですよね。
フロッピーディスクですか、懐かしい。3.5インチだったら、Windows対応のUSBの機器がまだ売られていると思いますよ。
長さん
湯河原の万葉公園には、万葉集に登場する80種余りの草花が植えられているそうですよ。
ヘクソカズラが入っているとは、意外でした。当時はクソカズラですから、へが付いている今の方が悪名ですね。
メハジキは今となっては植物園にでも行かないと見られませんが、当時は普通に生えていたのでしょうね。
ゲンノショウコの赤は富士川を境に、西日本に多いと言いますが、ご覧になっていませんか。
長さん
万葉集から一首だけ紹介された立て札がありましたが、全部の植物ではないので、ネットで調べて記載したものがあります。
ミヤギノハギ、こちらでは6月に咲いているのを見たことがありますよ。神代植物公園のハギ園、在職中に行ったような記憶があるのですが、無料区画に近い方だったですかね。
長さん
万葉植物園、意外に多かったです。
在来種は当時から既に知られていたものですから、日本人には馴染みがありますね。
ゲンノショウコは古来から薬草として知られていたはずなので、万葉集に出てこないというのは意外でした。
長さん
万葉集は全文漢字ですから、解釈の相違が出てくるでしょうね。
万葉集に出てくる植物だけの展示となると、地味なものばかりになりそうな気がします。集客という点から見ると、古くから知られていそうな草花を採用するというのも致し方がないでしょうね。
nobara
アオツヅラフジはJR東日本の高架下に大変な蔓延りようです。
メハジキは野川自然観察園内には繁茂しています。
万葉の頃から営々と永らえてる植物も多いでしょうね。
ここには外来のは当然ながらないのでしょうね。
ゲンノショウコ、なにか違う古代の名前でもあるんでしょうか?
万葉集には登場しないのが不思議ですね~~
薬草としては有名だったでしょうに。
ろこ
万葉時代の植物を詠んだ
万葉歌があるなんて最高です!
万葉とつく植物園が70カ所も。。。
びっくりです。
ヘクソカズラは名前は今と同じまま
万葉の時代からあるんですね。
アオツヅラフジ小さなお花ですが可愛らしいですね。
出会ってみたいです。
ミキ
何だかいい感じですね。
いまと違う呼び名もあったりして、面白いです。
万葉集は苦手ですが、こうして歌が添えられると
何となくわかったような?気がします。
メハジキは好きな花ですが、万葉の時代から
咲いていたとは驚きでした。(^^♪
yoppy702
万葉植物だけでないので、ほぼ四季で楽しめそうですね。
お花毎に、万葉集の歌が添えられてるのが風情があります。
特に、万葉名というのが、古に誘います。
古代の日本人ってロマンチストなんやと思います。
ヘクソカズラは、万葉でも、可哀想な名前やったんですね。(^^ゞ
信徳
一度素通りした事があります、入り口はヒガンバナが咲いていました。ヘクソカズラは臭い、臭いと臭い話が先行しますが鼻の悪い私には良く分かりませんでした。利根川堤防に沢山咲いています。
すーちん
地域によって
花の色が違ってくるのは
面白い現象ですね
ジュン
万葉名でも屎葛・・・何だか可哀そう
彼岸花の時期がやって来たのですね
まだ見かけませんが探してみましょう
長さん
このヒガンバナ、10日の撮影ですから、今日辺りは開花しているかも。毎年見に行っている、松戸市のお寺さんでは、昨日現在、まだ1分咲きだそうです。
アオツヅラフジやメハジキ、こちらでは見かけませんが、強そうな植物ですね。
今回は外来種を見かけませんでしたが、春にはバラのトンネルが出来ると書いてありました。
ゲンノショウコ、当時は玄草と書いたそうですが、万葉集研究者のことですから見落としはないと思います。歌を詠む人が住むような所には生えていなかったのかも知れませんね。
長さん
万葉集には、植物名を含む歌が約1500もあるそうですよ。万葉植物園と聞くと、何かロマンを感じるのは私だけではないようです。
ヘクソカズラの万葉名はクソカズラですから、今の方がより悪名ですね。
アオツヅラフジ、植物園で見るくらいで、あまり見かけませんね、
長さん
万葉集は全く勉強しなかったので、良い機会とばかり、歌を調べて載せてみました。園内には小さな看板もあるのですが、全てではなかったので・・・。
今回はヘクソカズラが入っていて、ゲンノショウコが入っていないのに驚きました。
長さん
園内には樹木が多いのに驚きました。敷地の脇を武蔵野線が走っているのですが、軌道面より高い所にあり、静かに鑑賞できましたよ。
西洋の花はありませんでしたが、春にはバラのトンネルが出来るそうです。
万葉集では、花そのものではなく、花から感じた印象や思いなどを、他のものや人にかけて詠っているものが多いようです。
長さん
Wikipediaでは、関東の万葉植物園の中にぐんまフラワーパークの「万葉の小径」は入っていませんでした。関東地方の数を一つ増やしておきますね。
ヘクソカズラ、見るだけでは臭い臭いはしませんよね。
長さん
ゲンノショウコの場合は赤と白ですから、地域差は大きいですね。その理由は分っていないようです。
長さん
万葉集ではクソカズラ、現代では、それに屁が加わっているから気の毒な名前です。
ヒガンバナ、もう咲いている所があちこちにあるようです。我が市での見頃は来週中頃くらいだと思います。