くらしの植物苑2022年「伝統の朝顔」展にて(4) 正木系統の変化朝顔(その2)

 8月16日、千葉県佐倉市にある国立歴史民俗博物館のくらしの植物苑で開催中の「伝統の朝顔」展(8/03~9/04)を見に行ってきました。
 今回は、前記事に続き、正木系統の変化朝顔です。後半の品種は変化が大きくなっています。

 説明は、銘、葉の特徴、花の特徴の順です。なお、銘のないものの番号は整理のために私が付けたものです。


東屋前の展示風景(主に、正木系統の変化朝顔)
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暑さのせいか、昨年より開花が遅れている印象だった

正木系統・変化朝顔14
青/縮緬/立田/蜻蛉/雨龍葉 ・ 納戸鼠/車咲(注)
(注)車咲は花弁が筒の手前まで切れ込む咲き方
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正木系統・変化朝顔15
青/孔雀葉 ・ 紫/台咲(花が平開する咲き方)
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正木系統・変化朝顔16
青/縮緬/立田/蜻蛉/雨龍葉 ・ 納戸鼠/車咲
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正木系統・変化朝顔17
青/尾長/立田葉 ・ 淡青/切咲
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正木系統・変化朝顔18
黄/尾長/立田葉 ・ 紅/筒白/切咲
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正木系統・変化朝顔19
青/丸立田/芙蓉葉 ・ 紫/切咲
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正木系統・変化朝顔 ‘春月’
青/斑入/千鳥葉 ・ 淡桃/丸咲
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正木系統・変化朝顔 ‘磯打波’
青/斑入/千鳥葉 ・ 極淡青/丸咲
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正木系統・変化朝顔 ‘司紅’
青/斑入/千鳥葉 ・ 紅/丸咲
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正木系統・変化朝顔 ‘白波’
青/斑入/千鳥葉 ・ 白/丸咲
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正木系統・変化朝顔 ‘龍田川’
青/斑入/州浜葉 ・ 茶/丸咲
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正木系統・変化朝顔20
青/水晶斑入/孔雀葉 ・ 石化 ・ 紫/切咲
石化は帯化とも言いますね
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正木系統・変化朝顔21
青/斑入/蜻蛉葉/枝垂 ・ 紅紫/覆輪/丸咲
朝顔の茎は上に伸びますが、これは上に伸びません
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正木系統・変化朝顔22
青/水晶斑入/渦葉 ・ 木立 ・ 濃紅/筒白/丸咲
つるが伸びませんが、花が咲き、種も採れます
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正木系統・変化朝顔23
青/蝙蝠南天葉 ・ 木立 ・ 藤/筒咲
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正木系統・変化朝顔24
青/乱菊葉 ・ 木立 ・ 青/切咲/孔雀/八重
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 2022年8月16日撮影。

 次回は、変化朝顔以外の花や実を投稿します。
(つづく)

この記事へのコメント

  • river

    変化朝顔はいわゆる奇形の1種ですね。最近になってトランスポゾン(動く遺伝子)が原因であることが分かってきました。遺伝子が壊れて正常な花や葉の形状を作り出せなくなっているのです。
    2022年08月22日 12:51
  • 無名子

    こんばんは!
    変化朝顔、ますます不思議な花の登場ですね (^o^)
    花も面白いけど,葉っぱも変化が凄く面白いですね。
    変化朝顔16、雄蕊が長いですね、
    雄蕊の長いヒルガオ科の花、珍しいですよね。
    2022年08月22日 18:50
  • 信徳

    数年前に鬼子母神朝顔市に行った時は茶色の朝顔が圧倒的に
    人気でした。
    2,3の店はその色しかなかったように覚えています。
    アサガオの色も流行が有るのかな?
    2022年08月22日 18:56
  • イッシー

    唯一無二の役者ぞろいですね!
    ここで紹介されてるから変化朝顔ってわかるけど、
    単独で見たら、何の花かわからないようなのもありますね。
    2022年08月22日 21:13
  • 長さん

    riverさん、コメントありがとうございます。
    トランスポゾンが突然変異を誘発してアサガオの千変万化を生んだことは、仰る通り、1990年代からの分子遺伝学によって分ってきたことです。更に、2016年にはアサガオのゲノムの98%もが解読されたそうで、科学者にとって、アサガオは実験植物としての魅力が増しているそうです。
    2022年08月22日 21:26
  • 長さん

    無名子さん、コメントありがとうございます。
    後半の変化アサガオは、その変化が大きくなっています。これらは種が出来ますが、種が出来ないものはもっと変化に富んだものが出てきます。
    変化朝顔16は雄しべが長いですね。ちょっと分かり難いですが、変化朝顔14も雄しべが長いです。同じ車咲なので、その咲き方と関係があるのかも知れません。
    2022年08月22日 21:33
  • 長さん

    信徳さん、コメントありがとうございます。
    下谷の朝顔市に行かれましたか。流行があるのかどうか分りませんが、茶色の花が珍しいので人気があるのでしょうね。朝顔市は、残念ながら、コロナで3年続けて中止になってしまいました。
    2022年08月22日 21:36
  • 長さん

    イッシーさん、コメントありがとうございます。
    変化朝顔20以降は、正木系統でも変化が大きいもので、これでも朝顔なの?と驚かれるでしょうね。
    2022年08月22日 21:39
  • nobara

    アサガオにも帯化現象が起こるのですね。
    石化とも呼びますね。
    もともと。孔雀葉なんですね。
    どこもかしこも変化していますね。
    蔓が上に伸びずに枝垂れる?
    普通のも添えるものがないと上に行くのは厳しいですね。
    もしくは寄りかかれる植物があるといいんでしょうね。
    木立ちなんてのもあるんですね@@
    2022年08月22日 22:10
  • 長さん

    nobaraさん、コメントありがとうございます。
    石化朝顔、正木系統だそうですから、種を蒔いても石化するのでしょう。多分、孔雀葉は石化する前からでしょう。
    枝垂れはいったん上へ向かったあと、下へ下へと伸びて行き、花も葉も下向きにつきます。これは巻き付けるようなものがあっても上には伸びません。
    木立は蔓を伸ばす性質を失ってしまいました。
    2022年08月22日 22:28
  • eko

    一つとして同じ変化はないようですね。花びらも葉も変化して台咲や丸咲以外は不思議な花を見ているようです。上に伸びないものや木立もあるんですね。蕊が長い花もありますね。それぞれの変化が面白いです。
    2022年08月22日 22:57
  • すーちん

    おはようございます
    アサガオ
    といえばツル
    ツルが無いのもあるんですねー
    2022年08月23日 08:35
  • 長さん

    ekoさん、コメントありがとうございます。
    ここでは同じ品種(同じ変化)のものを、種を取るために、何鉢も育てているようですが、その中から選別して展示しているようです。
    今後の記事ではもっと変った花が登場しますよ。
    つるが上に伸びなかったり、つるにならなかったり、というのはいわゆるアサガオらしくないですよね。
    2022年08月23日 12:26
  • 長さん

    すーちんさん、コメントありがとうございます。
    花や葉の変化だけでなく、つるにも異常(変化)が出てくるのですから、アサガオは遺伝子が変化しやすい植物だと言えますね。
    2022年08月23日 12:28
  • なおさん

    コメント遅くなりました。
     マニアも千差万別でまっとうなものに飽き足らなくなってくると、なかなかないもの、珍奇なものにハマるひとも少なからず居るようですねえ。

     古典園芸植物もそれぞれ個性があるものですねえ。
    2022年08月23日 19:38
  • 長さん

    なおさん、コメントありがとうございます。
    変化朝顔は大正期になると次第に大輪朝顔の方に流行りが移ってしまい、終戦後は僅か数名になってしまったそうです。今でも変化朝顔の種類が多く保存されているのは、この数名の愛好家と研究者のお陰だそうですよ。
    2022年08月23日 21:56

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