今回は、東屋内部に展示された、正木系統の大輪朝顔の続きです。屋内で風の影響を受けにくいため、綺麗に咲いているものが多かったです。
説明は、銘、葉の特徴、花の特徴の順です。なお、銘の後に「歴黄・歴青」とあるのは、くらしの植物苑で作出された品種です。
東屋入口に置かれたアサガオのフローティング
咲き方が変化した花も含まれています

東屋内部の大輪朝顔の展示風景

正木系統・大輪朝顔
団十郎(だんじゅうろう)
黄/蝉葉 ・ 栗皮茶/丸咲/大輪

初霜(はつしも) 歴黄-44
黄/斑入/蝉葉 ・ 浅葱/吹掛絞/丸咲/大輪

千羽鶴(せんばづる)
黄/斑入/蝉葉 ・ 紅/縞/丸咲/大輪

弁慶(べんけい) 歴黄-70
黄/斑入/蝉葉 ・ 濃葡萄鼠/丸咲/大輪

瀞(とろ)
黄/斑入/蝉葉 ・ 濃浅葱/丸咲/大輪

天下一(てんかいち) 歴青-37
黄/斑入/蝉葉 ・ 桃/覆輪/丸咲/大輪

神楽(かんらく)
黄/斑入/蝉葉 ・ 茶/縞/丸咲/大輪

吾妻絞(あずましぼり) 歴黄-1
黄/斑入/蝉葉 ・ 紅/吹掛絞/丸咲・大輪

清滝川(きよたきがわ) 歴黄-12
黄/斑入/蝉葉 ・ 浅葱/縞/丸咲・大輪

以下は、東屋前に展示された大輪の曜白朝顔です。曜白とは花弁の折れ目が白い品種です。‘富士’と付くのはサカタのタネの園芸種です。花径は7~8cmです。
2022年8月16日撮影。
朝顔の栽培の歴史
朝顔は古くから多くの人々に親しまれてきました。特に、江戸時代以降、文化・文政期、嘉永・安政期、明治・大正期など、繰り返し朝顔ブームが訪れ、変化朝顔とよばれる、朝顔に見えないような多様な形の花と葉を持つ朝顔が創り出されてきました。
特に、朝顔は一年草であるにも関わらず、種子を結ばない変異も種子によって維持してきたことは世界的に見ても特異なもので、幕末の嘉永・安政期にはきわめて多くの品種が創り出されていたようです。
しかし、大正期以降、現在でも広く栽培されている大輪朝顔の栽培が盛んになる一方、変化朝顔の愛好家は次第に減少し、第二次世界大戦後の変化朝顔はわずか数名の愛好家によって維持される状況になりました。
幸いなことに、江戸期に起源を持つ変化朝顔の変異の多くは、愛好家や研究者の努力によって現在まで維持されているのです。そこで、江戸時代以降の独創的な知識と技術を駆使してつくり上げられた伝統の朝顔を広く知っていただき、人と植物との関わりを見るべく、当苑では1999年以降、歴史資料としてこれらの朝顔を展示してきました。
(くらしの植物苑のHPより引用)
(つづく)
次回は、正木系統の変化朝顔です。
この記事へのコメント
なおさん
沢山咲いていると惜しげもなくフローティングにも浮かべられますね。良い感じです。
river
私も毎年、アサガオを種から育てているのですが今年は「日中友好の朝顔」、耀白アサガオの富士シリーズ2種だけになりました。いずれも鉢植えの行灯仕立てですがそろそろ終盤で採種の予定です。
イッシー
日本の夏っていうとこのイメージかな~。
一枚目のいろんな柄があるのもいいですね。
浴衣の柄にしたらよさそうな気がします。
nobara
栗皮茶色なんですね。なるほど~
フローティング、いっぱい咲くから出来ることですね。
もっとも一日花(しかも早朝?)ですから。
こうやって見て貰えるのはいいアイデアですね(*^-゚)⌒☆
もこ
神楽(かんらく)渋い色合いですね
eko
大輪の曜白アサガオも綺麗ですね。
アサガオのフローティング、見頃が短い花も少しは長く楽しめそうで、素敵です。
無名子
朝顔のフローティング友禅柄を見るような華麗さですね。
朝顔は古典園芸植物の一つ、
伝統を大切に継承、保存している事に敬意を覚えます。
凄いですよね (^o^)
長さん
紅色の大輪朝顔もありましたが、仰るように地味目な花が多かったです。
花のフローティング、どこも流行りですね。ここでは大輪から変化朝顔まで多彩な品揃えが出来ましたね。
長さん
歌舞伎役者の市川団十郎が代々用いた色が茶色だったので、団十郎茶という色の名前が出来たそうです。
お宅の朝顔はそろそろ終盤ですか。我が家のは昨日あたりからたくさん咲くようになりました。
長さん
江戸時代から続く伝統の朝顔なので、やはり渋めな色が好まれたのでしょうね。
朝顔の花を図柄にした浴衣、実際に沢山売られているようですよ。
降魔成道
長さん
歌舞伎の市川團十郎が好んで使ったのが、成田屋の茶色なんですってね。
フローティング、これでもかと朝顔が浮かべてありました。日陰だったので、写真写りが悪いですが、実際はもっと綺麗です。
長さん
朝顔のフローティング、大輪から変化朝顔まで揃えられるのはくらしの植物苑なればこそですよ。
神楽、茶の縞模様が良いですよね。
長さん
江戸時代から続く趣味の朝顔ですから、日本人の気質に合った花色が受け継がれてきたのでしょうね。
朝顔は花弁が薄いですから、風に煽られるとひとたまりも無いですからね。
大輪曜白は現代の園芸種ですが、曜が太く綺麗です。
フローティングにしておけば閉苑時まで花保ちしますからね。
長さん
朝顔のフローティング、色とりどりで良いのですが、私的にはもっと大きな平鉢に余裕を持って並べてもらいたかったなー。
この植物苑は変化朝顔だけでなく、サザンカのコレクションでも有名なんですよ。
長さん
アサガオ、特に変化アサガオのコレクションでは九州大学に次ぐ多さだと思います。今年も色々ご覧いただきたいと表います。
朝顔は数時間で萎んでしまうので、茶花には向かないかも。
すーちん
アサガオ市今も人気です
日本人に合っているんでしょうねー
ロシアンブルー
大輪朝顔の花は魅力ですね、一つ一つが江戸時代から伝統を
引き継いで来られ、今その姿見られるのはうれしいですね。
サカタさんにも期待しますね。
長さん
朝顔市は日本の風物詩ですね。有名な入谷の朝顔市は今年もコロナで中止となったので、業者は昨年から通販を始めたそうです。
長さん
大輪朝顔は江戸時代から、大きな花が咲くものを選別育成した品種のようですよ。
サカタのタネは色々な植物の種を生産していますね。