今回は、私と前立腺がんとの関わり合いについてと、前記事で書き漏れた入院中のあれこれを記しています。
定年後、2回目だったと記憶している人間ドックの結果で、PSA値が8ng/ml台になっているとの指摘がありました。
PSA値は前立腺がんの可能性をチェックする上でかなり精度の高いマーカーです。一般的には2ng/ml以下ですが、前立腺肥大でも上昇します。
膵腫瘍の初期症状が発見されたのも人間ドックであり、その重要性は極めて高いと思われます。私としては、理想的には毎年~2年に1度、ドック入りすることをお勧めします。
私が利用しているクリニックの場合は6万円弱ですが、松戸市では国民健康保険の場合1.5万円、後期高齢者医療制度の場合は1万円の補助があります。
人間ドックの結果に基づき、2005年に泌尿器科クリニックを受診しました。最初はPSA値の推移を見るわけですが、万一の場合も考え、前立腺から細胞を採取し、がん細胞の有無を調べる生検をやってもらいました。
当時は尿道から前立腺に何度も針を刺し、細胞を採取する方法でした。現在は、経会陰的前立腺生検を全身麻酔で行う1泊2日のコースが一般的なようです。
生検の結果、がん細胞が発見され、内分泌療法(ホルモン療法)が開始されました。選択肢としては、前立腺内の組織を掻き出す手術もありましたが、私の場合は前立腺が大きいので、ホルモン療法を選択したのです。
ホルモン療法は、男性ホルモンの分泌や働きを抑えることによって、前立腺がん細胞の増殖を抑制しようとする治療法です。これを4、5年続けたと記憶しています。最期は下の毛が全部無くなりました。PSA値は確実に下がり、2ng/ml以下が継続するようになっていました。
2018年に、郵便局員の勧めで、アフラックがん保険に加入しましたが、翌年、前立腺がんは本当に無いのかどうか調べてみたくなりました。
泌尿器科クリニックの紹介状を持って、新松戸にある総合病院を訪ね、MRI検査を行ってもらいましたが、結果は「明らかな前立腺がんは無い」との診断が下されました。また、前立腺肥大については、その体積が72mlであることも分りました。
ところが、昨年秋から尿の回数が増え、夜、就寝中も3回くらい起きるようになりました。また、排尿後、10分くらいで再度尿意を感じることもありました。これは、前立腺が更に大きくなった証拠と考え、かかりつけ医に「前立腺全摘を前提にした精密検査」の紹介状を書いてもらい、今年2月に千葉西総合病院の泌尿器科を訪れました。
2月22日、CTとMRI検査が行われました。CTでは明瞭な結果が得られませんでしたが、MRIでは前立腺が85.9mlに達していること、21mm大の前立腺がんがあることが判明、今回の全摘手術に至ったわけです。
入院していた病室から見える風景です。ほぼ真西の方向で、手前は市立公園「21世紀の森と広場」、その奥に見える大きなビルが、私がお世話になっている松戸市総合医療センターです。入院患者が窓際のベッドにいると写真が撮れないので、退院した隙に撮影(スマホで撮って、トリミング)。
病院で寝たきりになっている場合、エコノミークラス症候群になる例が報告されているため、私の場合も手術当日の朝、「弾性ストッキング」(写真、装着後)を履くように言われました。足を下から上へと段階的に圧迫する特殊な編み方でつくられているもので、爪先の裏側は穴が開いています。
これだけなら良いのですが、術後に、足裏を空気圧で圧迫する装置が取り付けられました。片足につき20秒間隔ですが、左右交互に圧迫するので、10秒間隔になります。これが大変気になり、術後の夜はよく眠れませんでした。
写真は術後から4日目の朝まで続けられた点滴です。
いわゆる「リンゲル液」で、食事が出来ない患者への水分補給を目的としています。老人の場合は、点滴速度を遅く設定します。
退院前日の食事(朝、昼、夕)の写真です。栄養士さんにお願いした結果、ローカロリー食(1日1,600Kcal、通常成人男性は1,800Kcal)で、米飯は200g。小さな紙片に、「魚禁、麺類禁、揚げ物禁、フルーツ禁」と書いてあります。なお、食事は術後3日目の昼からで、米飯は術後5日目の朝までおかゆでした。
(シリーズ終了)
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