今回も、つくば植物園がコレクションしている野生ランの展示からです。
アンキストロキルス・ロスチャイルディアヌス
Ancistrochilus rothschildianus
西熱帯アフリカの熱帯雨林に分布する着生種。DNAの情報で進化の
道筋を調べたところ、エビネの仲間に近縁であることが分った

着生植物なのに、根を空中に晒すと調子を落とすので、鉢の外に根を出さないよう気をつけているとのこと。秋には落葉し、それと前後して花茎がぐんぐん伸びる。
以下、アフリカなどに分布する原種ランです
ユメレア・アラクナンタ(ジュメレア・アラクナンサ)
umellea arachnantha
マダガスカル島北端とコモロ諸島の標高1200~1800mに生育する着生種
花径は5cm位で、非常に美しい


ポリスタキア・ガレアタ
Polystachya galeata
熱帯アフリカ西部~ウガンダ、アンゴラの標高400〜1000mに分布する
ポリスタキア属は愛好団体のラン展でたまに見かけます

アングレカム・エブルネウム・スペルブム
Angraecum eburneum subsp. duperbum
セイシェル諸島、コモロ諸島、マダガスカル島に分布する着生種
エブルネウムは、アングレカム属の中で最大の草丈になる(1mにも)

以下は、アジアに分布する原種ランです
ヘツカラン(辺塚蘭)
Cymbidium dayanum
日本(九州南部)、東~東南アジアに分布。花径H4cmくらい
辺塚は鹿児島県の大隈半島の地名で、かっては原生林に数多く着生していた
日本産の学名はCymbidium dayanum var. austro-japonicumで変種扱い

エリデス・マグニフィカ
Aerides magnifica
フィリピンのカラヤン島の標高300m辺りで発見された着生種
根で光合成を行う。ピンクのクリオネみたいで可愛い。花径は2.5cmほど


こちらは白花種

ファレノプシス・コルヌケルビ(ファレノプシス・コルヌセルビ)
Phalaenopsis cornu-cervi
インド~ボルネオ島、ジャワ島に広く分布。花色は地域により変化がある
花径は4~5cm。この種も根で光合成を行っている

レナンテラ・アングスティフォリア
(レナンセラ・アングスティフォリア) Renanthera angustifolia
東南アジアに広く分布。人の形のような独特の花を咲かせる
オレンジ色の花弁には紅色の斑紋が入る

バンダ・ナナ
Vanda nana(旧名 Ascocentrum pusillum)インドシナ半島に分布
花径2cmくらい。バンダ属も根で光合成を行う

アキザキナギラン(秋咲梛蘭)
Cymbidium aspidistrifolium 日本では絶滅危惧1B類
日本(四国、九州以南)、韓国、台湾に分布する。シュスランの仲間
ナギランに似るが、全体に大きく、葉か革質で、葉に鋸歯がない

カンラン(寒蘭)
Cymbidium kanran
中国、台湾、日本(本州南部以南の森林内)に自生する。絶滅危惧IB類 (EN)

ハチジョウシュスラン(八丈繻子蘭)
Goodyera hachijoensis
日本(関東南部や九州など、ごく一部)、台湾に分布

カゴメラン(籠目蘭)
Goodyera hachijoensis var. matsumurana
日本(屋久島以南)、台湾に分布
常緑樹林の林床や林縁などに生える。沖縄県で絶滅危惧II類に指定


(つづく)
9日から1泊で湯治旅行中のため、コメント欄を閉じ、10日は投稿を休みます。
両日は、お伺いして、気持ち玉による足跡を残したいと思います。
この記事へのコメント