2021年秋つくば蘭展にて(8) ラン愛好団体の出典作品(3) 水戸市植物公園蘭科協会の作品①

 11月6日に見に行った「つくば蘭展」(会期は10/31~11/7)で見たランです。
 今回のラン愛好団体の出展は、つくば洋蘭会、らん友会龍ケ崎、水戸市植物公園蘭科協会の3つでした。まず、昨年はコロナの関係からか、出展がなかった水戸市植物公園蘭科協会の皆さんの作品です。
 水戸市植物公園蘭科協会は、水戸市植物公園の洋ラン愛好会と徳川圀斉氏(パフィオペディルムの育種家、水戸徳川家14代当主)が創立した蘭科協会が一緒になって、1996年に設立されました(初代会長は徳川氏)。


展示風景
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カトレア・ラビアタ(自己交配種)
C. labiata 'October Fantasy x self
福田正通さん
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レリオカトレア・ラ セルバ
Lc. La Selva 'Miamore'
福田正通さん
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カトレア・ジェンマニー
C. jenmanii tipo 'Rubra' x 'Metro'
ジェンマニーはベネズエラの代表な品種で、夏頃から秋に開花する
福田正通さん
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アングレカム・ラモサム
Angcm. ramosum 'Typioum'
アフリカのセイシェル諸島、マダガスカルに自生する原種ラン
花弁の先端が長く、距も長い
道川哲司さん
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シクノチェス・クーペリー
Cycnoches cooperii
熱帯アメリカ原産の着生種
褐色の花色は珍しく、唇弁が上向きにカールしているのも面白い
小岩井雅子さん
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ブラソカトレア・カーニバルキッズ
Bc. Carnival Kids
道川哲司さん
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カトレア・ポーシャ ’カニザロ’
C. Porcia 'Cannizaro'
1927年に作出された品種で、根強い人気がある
稲見昭夫さん
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ファレノプシス・ヒエログリフィカ
Phal. hieroglyphica
フィリピンの熱帯雨林に自生する着生ラン
小岩井雅子さん
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シュンラン(春蘭) ’平成’
Cymbidium goeringii 'Heisei'
鬼澤一夫さん
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ファレノプシス・プルケリマ
Phal. (Doritis) pulcherrima
東南アジアに広く分布する着生種
柳林正己さん
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エピデンドラム・エブルネウム
Epi. eburneum
パナマ、コスタリカ原産の希少種です
小岩井雅子さん
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アングレカム・ディスティカム
Angraecum distichum
熱帯中央アフリカ地域が原産の極小型の原種
花径は7mmほど。こんな小さな花が咲くアングレカムは初めて見ました
出品者名記載なし
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セロジネ・メモリア・ルイス・フォーゲット
Coel. Memoria Louis Forget `Tokyo'
花が痛み始めているようだ
丹下術代さん
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グリアンセ・ボーリンギアナ・セルレア 'アツミ'
Gur. bowringiana var. coerulea 'Atsumi' BM/JOGA
中米ベリーズ・グアテマラに分布するカトレアの仲間
グリアンセ・ボーリンギアナは濃いピンクの花だが、この色は変種
丹下術代さん
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 11月9日撮影。

 次回も水戸市植物公園蘭科協会からの出展作品を紹介します。
(つづく)

この記事へのコメント

  • イッシー

    長いひげのマダガスカルに自生する原種ランや、
    その次の褐色のランが珍しい感じでいいですね~!
    2021年11月18日 12:52
  • river

    徳川圀斉氏は「パフィオペディルム」にこだわって育種をされた方で特に白いランがお気に入りだったと言うのは有名な話です。その伝統を引き継ぐのが水戸市植物公園蘭科協会ですね。
    アングレカム・ラモサムはエイリアンのようです。
    2021年11月18日 16:05
  • nobara

    水戸徳川家まで登場なんですね\(◎o◎)/
    水戸市植物公園蘭科協会、世が世なら、畏れ多い事ですね。
    見慣れない、変わったランもいっぱいありますね。
    みなさんに見て貰えることで、意気もあがるんでしょうね。
    頑張って育てた努力が実りましたね。
    シュンランなら我が家にも少しですが咲きます。
    ファレノプシスは可愛い感じですね~
    2021年11月18日 17:05
  • なおさん

    水戸の愛好団体のみなさまのものもそれぞれ素晴らしいですね。ランの女王様とお呼びっ、というカトレアは大輪で艶やかで気品がありますね。
     その他のものも大輪あり、小輪あり、華やかなものから渋いものまで変化に富んでいるのが面白いですよね。
     シュンランとあるのは、カンランの雰囲気も感じられますよねえ。いかにも和の趣ですよね。
    2021年11月18日 17:46
  • はるる

    美しいラン、
    展示場所もなかなかいいところでしね。
    愛好団体もいくつかあるんですね。
    去年、出展しなかったということは今年は力作ぞろいなんでしょう。
    2021年11月18日 18:23
  • 長さん

    イッシーさん、コメントありがとうございます。
    アングレカム・ラモサムやシクノチェス・クーペリーですね。それぞれ、送粉者の昆虫に合せて進化してきたのだと思いますが、茶色の花弁はかなり珍しいです。
    2021年11月18日 18:42
  • 長さん

    riverさん、コメントありがとうございます。
    仰る通り、徳川圀斉氏は白いパフィオがお好みで、いくつもの新種を作り出しています。次回は、過去に見た氏の白いパフィオを紹介しようと思っています。
    アングレカム・ラモサム距が長いので、口吻が長い昆虫が送粉者なのでしょうね。
    2021年11月18日 18:48
  • 長さん

    nobaraさん、コメントありがとうございます。
    水戸徳川家の当主がラン好きで、自らも新たな交配種を作っていたなんてビックリですが、水戸徳川家は薬草園を作っていた位なので、植物に興味を持ったのは自然の成り行きかも知れません。
    ランの世界も、他の人が育てていない品種を育てたいと思う愛好家がいると言うことですね。
    2021年11月18日 18:54
  • 長さん

    なおさん、コメントありがとうございます。
    水戸市植物公園蘭科協会の皆さんは茨城県を中心に展示会などを行っておられるので、こうして色々見る事が出来たのは良かったです。会員の皆さんも、他の愛好団体と同様、珍しいランを育てている方が多いようです。
    2021年11月18日 18:59
  • 長さん

    はるるさん、コメントありがとうございます。
    ラン展は会議室みたいな所を借りて開催されることが多いですが、空調などの問題が発生します。その点、ここは温室ですから、ランの展示には最適ですね。
    出展の皆さんは、満を持して、ということでしょうね。
    2021年11月18日 19:03
  • 信徳

    水戸黄門さんの血を引く方も加わって由緒あるラン科協会メンバーなんですね。
    カトレアが多いように感じましたが珍しい自生ランなど内容豊富ですね。
    2021年11月18日 19:40
  • 長さん

    信徳さん、コメントありがとうございます。
    水戸徳川家は、あの黄門様が医療に役立てようと薬草園を創設したという歴史を持っていますから、代々、植物には関心が深かったのでしょうね。
    カトレアは皆さん最初に育てるようですが、次第にそれ以外のランにも興味が広がっていくのでしょう。
    2021年11月18日 21:05
  • eko

    水戸の徳川家もランの育成に力を注がれているんですね。世が世なら恐れ多いことです。
    カトレアはランの女王様、どの花も華やかで気品があります。
    アングレカム・ラモサムやシクノチェス・クーペリーはエイリアンみたいで面白い花姿や花色ですね。
    シュンランは華やかさはなくても趣のあるラン、親しみが湧きます。
    希少種のエピデンドラム・エブルネウムは美しいですね。
    2021年11月18日 21:30
  • うふふ

    ランの育成に徳川家がかかわっていたとは、さすが水戸ですね。
    黄門様もきっと応援しているでしょう。
    ますますのご活躍をお祈りしたいです。
    アングレカム・ディスティカムは7mmですか。
    小さなランも可愛らしくて良いですね。
    2021年11月18日 21:57
  • 長さん

    ekoさん、コメントありがとうございます。
    平和な江戸時代、大名でも趣味に嵌まった藩主がいておかしくはないですが、徳川家の直系当主がたまたまラン好きだったという事なのですね。
    カトレアはどなたも育てていますが、この会員さんも色々なランを手がけていらっしゃいます。
    2021年11月18日 22:25
  • 月奏曲

    アングレカム・ラモサムかわいいw
    シクノチェス・クーペリー、これ面白い色合いですねぇ

    エピデンドラム・エブルネウムこれは形が独特で面白いw
    2021年11月18日 22:29
  • 長さん

    うふふさん、コメントありがとうございます。
    徳川圀斉氏の没後、その御子孫はランの育成が困難になったようで、現在は水戸植物公園がそれらのランの育成を引き受けているそうです。
    アングレカム・ディスティカムは、ダーウィンが研究していたアングレカム・ディスティカムに比べれば遙かに小さな花です。
    2021年11月18日 22:35
  • 長さん

    月奏曲さん、コメントありがとうございます。
    アングレカム・ラモサム、花弁の先端が伸びていたり、長い距を持っていたり、面白いです。
    シクノチェス・クーペリー、とても変わった花色で、初めて見ました。
    エピデンドラム・エブルネウム、唇弁以外は地味ですね。
    2021年11月18日 22:39
  • 秋月夕香

    おはようございます。これだけたくさん見せていただいているのに、蘭はいくらでも種類がありますねえ。奥が深いです。
    えっと思うくらい、驚きの形態をして進化しているのですね。

    ファレノプシス・プルケリマ~とてもすきです。
    2021年11月19日 07:09
  • すーちん

    おはようございます
    見たこともない形、色の蘭が
    あるもんですねー
    ビックリですー
    2021年11月19日 09:22
  • 寿々木

    珍しい花を拝見シンビ宗務シンビジュウムが咲いてましたか、驚きました。寒冷ショックを与えた後、温室で温めたのでしょうかね。
    2021年11月19日 11:02
  • 長さん

    秋月夕香さん、コメントありがとうございます。
    ファレノプシス・プルケリマ、気に入っていただけましたか。ランは実に種類が多いですね。劣悪なばしょでも条件が違えば、異なる進化をする可能性があるからですね。
    2021年11月19日 13:58
  • 長さん

    すーちんさん、コメントありがとうございます。
    世界にはまだまだ見る事が出来ないランがたくさんあります。こうした機会にそれらを少しでも見る事が出来れば嬉しいです。
    2021年11月19日 13:59
  • 長さん

    寿々木さん、コメントありがとうございます。
    シュンランの花期は3~4月ですから、温室で日照時間をコントロールしたのでしょうね。
    2021年11月19日 14:04

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