ここは関東で唯一の高山植物館です。年間を通じて一定の温度を保つ「定温室」で「一年を通して可憐な高山植物が常時約100種類ほど見られる」がうたい文句です。今回も沢山の花を撮ってきましたので、ご覧頂けると幸いです。
フシグロセンノウ (節黒仙翁)
ナデシコ科センノウ属の耐寒性多年草。花期は7~10月。花径5~6cm
本州、四国、九州の山地の林床、林縁に自生

シライトソウ(白糸草)
シュロソウ科シライトソウ属の多年草。花期は5〜6月
本州(秋田県以南)、四国、九州南部に分布
両性花と雄花がある。長い花糸が目立つので、試験官ブラシの様に見える

ツクシカラマツ(筑紫唐松)
キンポウゲ科カラマツソウ属の多年草。花期は5~6月。花径は1cm弱
筑紫地方には自生がなく、対馬列島から済州島に分布するムラサキカラ
マツと、屋久島に自生するヤクシマカラマツとの交配種と考えられている

チダケサシ(乳茸刺)
ユキノシタ科チダケザシ属の多年草。開花期は7~8月
本州、四国、九州の山野に生える


ヤクシマショウマ(屋久島升麻)
ユキノシタ科チダケザシ属の多年草。開花期は7~8月。日本固有種
屋久島の渓谷の岩場に生える。草丈5cm未満のものはコヤクシマショウマ


ソバナ(岨菜、蕎麦菜)
キキョウ科ツリガネニンジン属の多年草。花期:8~9月。花径6~7mm
本州、四国、九州、朝鮮半島、中国の山地に生える


ツクシシャジン(筑紫沙参)
キキョウ科ツリガネニンジン属の多年草。花期は8~9月
熊本県・宮崎県の山地の湿った岩場などに生える
手前の葉はツクシシャジンのものではありません


ハナゼキショウ(花石菖)
チシマゼキショウ科チシマゼキショウ属の多年草。花期は7~8月
本州の関東地方以西から四国・九州の湿った岩に生える。日本固有種

センジュガンピ(千手岩菲)
ナデシコ科センノウ属の多年草。中部地方以北に分布する日本固有種
名の由来は、標本が中禅寺湖千手ヶ浜で採集されたことによる
花期は7~8月。花径2cmほど

マツモトセンノウ(松本仙翁)
ナデシコ科センノウ属の多年草。花期は6~8月。花径4cm
原産地は諸説あり、確定していない。名の由来は長野県松本に分布して
いたから、松本幸四郎の定紋「四つ花菱」に似ているからなど、諸説あり

シキンカラマツ(紫錦唐松)
キンポウゲ科カラマツソウ属の多年草。花期は7~9月。花径は3cmくらい
長野、群馬、福島の三県に分布。山地の湿った木陰などに自生する


サワヒヨドリ ?
名札が見当たらず、ヒヨドリバナと思って撮ってきましたが、
ヒヨドリバナより葉が細い感じがします。ご存じの方、教えて下さい
→ riverさんから、ヒヨドリバナとのご意見を頂きました。感謝

(つづく)
この記事へのコメント
river
ヒヨドリバナ 分枝する 短い葉柄がある
サワヒヨドリ 分枝しない 葉柄がない
サワヒヨドリは名前のように沢のようなところに生育するので場所で判断できます。
写真のものは短い葉柄があるように見えるのでヒヨドリバナのような気がします。
長さん
この温室は狭いので、どこか別の場所に圃場があり、花が咲きそうになるとここに移植するようです。
最期の写真はヒヨドリバナで良いですか。ご教示、ありがとうございます。
nobara
夏の終わりの八ヶ岳野草園でも、多く見られました。
目立つので見逃すことはないですよね(*^-゚)⌒☆
升麻類も自然界でも多く咲きますね。
ヤクシマショウマの花のアップが可愛いですね。
ソバナはツリガネニンジンより好きかも(^o^)丿
シキンカラマツもイイですね~
なかなか近場では見られませんもんね。
高山植物館では、季節感はどの程度?なんですか。
お山の開花とあまり変わらないんでしょうか?
eko
フシグロセンノウは花色が綺麗で目立ちますね。シライトソウは長い花糸が試験管のブラシですか。確かに見えます(笑)
シキンカラマツは何度見ても本当に可愛いですね。
平地では出会うことのない花を見られるのはいいですね。
長さん
オレンジ色って、薄暗いところでも意外に目立つものですね。
ヤクシマショウマの花はチダケサシそっくりです。違いは草丈が低いことです。
この日、嬉しいことに、シキンカラマツは2度目の出会いでした。
展示の植物は花期を記載するようにしましたが、季節外れの花は無かったです。
長さん
展示エリアは狭いのに本当にたくさんの草花が植え込まれていました。恐らく、別に圃場があって、そこから開花しそうな株を持ってきているのだと思います。
試験管ブラシ、大学の実験で使っていましたから。
シキンカラマツ、好きな花を間近で見る事が出来ました。
はるる
どれも驚くほどきれいで不思議な珍しい花ばかりです。
シキンカラマツ、ピンク色で小さそうですね。
木陰で育つのですか。目立ちにくいでしょうね。
秋月夕香
ヤクシマショウマが特にかわいいです。
葉っぱもよくにていたりしますが微妙にちがうのですね。
ツクシシャジンたくさんさいていますね。岩場などにはえるのですか。
長さん
関東では唯一、年間を通じて高山植物が楽しめる温室で、大変貴重だと思います。
シキンカラマツは自生のものを見たことがありませんが、植物園ならかなり目立つ存在です。
長さん
高山植物が通年で見られるという植物園は大変貴重です。
高山植物は地域変種が存在します。外観は似ていてもDNAが違うものです。
なおさん
月奏曲
温湿度一定にして…にしても一年中咲いてるわけないですよね?ローテで咲いてる花持ってきてるんでしょうねやっぱり
裏に回ると色々大変そう(-_-;)
長さん
ここは労せずして多くの高山植物に出会いますから、夏のネタがれ時には大変ありがたい植物園です。時々、植え替えが行われているようで、3度目の今回も初めて見る花がありました。
長さん
温度と気圧を一定にしているそうですが、そういう条件を備えた圃場があって、花が咲きそうになったら入れ替えを行っているようです。大きな温室なら植えっぱなしでも良いですが、ここは狭いですからね。
すーちん
一定の温度という事は
温度に合った植物が見れる
という事ですねー
寿々木
長さん
ここは年間を通して高山植物の花が見られます。ということは秋から春先までの低温期や、真夏の暑さを無くして、花がいつでも咲ける環境を作っていると言うことなのでしょうね。
長さん
今日はこちらも降ったり止んだりの天気で、気温も28℃台です。
上高地でセンジュガンピを見たことは無いですが、入笠山で見たことがあります。
無門
夏の高山植物
清々しく感じますね
でも
平地では
温度管理も大変でしょうね
ジュン
沢山拝見させていただきました
ソバナ可愛いです
長さん
高山植物を年間で咲かせようという植物園ですから、温度管理と共に、気圧も低めにしているそうです。
長さん
高山植物をいつでも、しかも、多くの品種を見る事が出来る植物園です。こういう所は実にありがたいです。