つくば植物園にて_21年6月(8) ヤエヤマノボタン、ヒメタムラソウ、アマミタムラソウ、アマミカタバミ & つくば 夏の洋蘭展にて(4)

 6月22日に訪れたつくば植物園で見た花などです。
 温室で見た花とラン展で見た花を平行して紹介しています。温室で見た花は、多目的温室の希少植物の続きでが、ヤエヤマノボタンの花は初めて見ました。

ヤエヤマノボタン(八重山野牡丹)
ノボタン科タシロノキ属の常緑低木。南琉球固有種(石垣島、西表島)
ハシカンボク属とされてきたが、つくば植物園の研究によって
タシロノキ属の1種とすることが適切であることが判明した
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ヒメタムラソウ(姫田村草)
シソ科アキギリ属の多年草。琉球列島に分布(日本固有種)
渓流沿いで、増水したら水没するような岩の上に生育する
水流の抵抗を低くするため葉を細く適応進化させた
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花径は1cmほど
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アマミタムラソウ(奄美田村草)
シソ科アキギリ属の多年草。絶滅危惧IB類(EN)
奄美大島と徳之島の山地や渓流沿いに分布。日本固有種
ヒメタムラソウの変種で、全体に小さいが、葉の幅は広い
本来は秋の花で、花径は1cm弱
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アマミカタバミ(奄美酢漿草、奄美片喰)
カタバミ科カタバミ属の多年草。奄美大島に分布。絶滅危惧IA類(CR)
川沿いの苔むした岩に生える。近縁種がオーストラリアにも隔離分布している
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アマミクサアジサイ(奄美草紫陽花)
アジサイ科クサアジサイ属の多年草。絶滅危惧IB類(EN)
奄美大島に2ヵ所しか自生していない。装飾花はない。日本固有種
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 6月22日撮影。
(つづく)

~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~

つくば 夏の洋蘭展にて(4)
 6月20日~27日に開催された「つくば 夏の洋蘭展」(出展者は「つくば洋蘭会」の皆さん)でみた花を紹介しています。


マキシラリア・テヌイフォリア
Maxillaria tenuifolia メキシコからニカラグア、コスタリカ森林に着生する
ココナッツのような甘い香りがして「香りの妖精」と呼ばれる
倉持見永子さん
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カトレア・テネブロサ
C. tenebrosa 'Luchi' ブラジルの森林に着生する
大塚初枝さん
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バンダコスティリス・ルー・スネアリー
Vandachostylis Lou Sneary (V.falcata x Rhy.coelestis) フウラン系交配種
加藤かほるさん
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リンコスティリス・レツサ
Rhynchostylis retusa バンダ属の近縁で、熱帯アジアに分布する着生種
花茎は50cm位、花径は2cm。斉藤正博さん。ホワイトリボン
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スタンホペア・ティグリナ
Stanhopea tigrina メキシコから中南米にかけて分布する着生種
奇妙な花で、臭いも良くないが、特殊な蜂が媒介するという
花は3日くらいしか持たない。稲葉茂子さん。ホワイトリボン
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 6月22日撮影。
(つづく)

この記事へのコメント

  • イッシー

    奄美は独特の種があるんですね~!
    鹿児島までは何度も行っているんですがそれ以南の島にはまだ行ったことないんですよ~。行きたいところなのですが、定年後に時間が仮にできても、経済的に難しいかな~。笑
    宝くじでもあたらないかな・・・
    リンコスティリス・レツサは綺麗な花ですね~!
    2021年07月08日 12:15
  • river

    沖縄には2度訪れているのですが奄美は行ったことがありません。珍しい花がありそうですね。
    タムラソウと言えばアザミに似た花を思い出しますがヒメタムラソウ、アマミタムラソウはこちらの山で見るアキノタムラソウに近いですね。
    アマミクサアジサイには装飾花がないようですが榛名山で見るクサアジサイは少ないながら装飾花がついています。
    装飾花がたくさんつくハナクサアジサイというのもあります。
    2021年07月08日 13:43
  • 無門

    こんにちは

    蘭になじみの南国で
    生活したので
    楽しい思い出でした
    それにしても
    たくさんの種類があって
    驚かされますね
    2021年07月08日 15:33
  • nobara

    ヤエヤマノボタン、葉っぱの立て筋がノボタンですね。
    ヒメタムラソウ、アップが鮮明に撮れましたね。
    雄蕊が髭?みたいで面白いです(^o^)丿
    アマミタムラソウはその変種なんですね。
    夏に咲くナツノタムラソウもありますよね(*^-゚)⌒☆
    カタバミはきっと見かけても小さいなくらいしか思わないかも。
    リンコスティリス・レツサは相変わらず
    たっぷりの花穂ですね。豪華~~~☆彡
    2021年07月08日 16:26
  • 信徳

    南の島の植物、ヤエヤマノボタンなど当然戸外で咲いているのでしょう。とても群馬では生きられません。
    リンコスティリス・レツサ、バンダに特徴な花弁のバンダ模様が出ていますね。レッサパンダではなかったんだ!
    2021年07月08日 16:38
  • eko

    沖縄や奄美の地方の固有種、見たことのない花ばかりです。現地では露地で咲いているのでしょうね、ヤエヤマノボタン、可愛い花ですね。シベが独特ですね。
    ヒメタムラソウ、アマミタムラソウなどの小さな花が綺麗に撮れていますね。
    「香りの妖精」といわれるマキシラリア・テヌイフォリアは花がなんとも言い難いですね。
    リンコスティリス・レツサは流石とても綺麗で見事です。
    2021年07月08日 18:36
  • はるる

    ヤエヤマノボタン、これもいい色ですね。植物園も常に研究されているのですね。すばらしいことです。アマミカタバミ、ずいぶん小さいですね。
    マキシラリア・テヌイフォリア甘い香りのラン、葉の中に咲いているのですか。リンコスティリス・レツサもきれいで、珍しい、姿形がいいですね。
    2021年07月08日 18:40
  • 長さん

    イッシーさん、コメントありがとうございます。
    鹿児島から先は黒まで行くわけには行かないので、どうしても飛行機か船になりますよね。在職中はよく行きましたが、倒産騒ぎの時、無償搭乗の権利を奪われてしまいました。その後はマイレージを溜めて行っています。
    2021年07月08日 21:25
  • 長さん

    riverさん、コメントありがとうございます。
    私も奄美大島は行ったことがありません。タムラソウとヒメタムラソウやアマミタムラソウH¥は似ていませんが、花穂がノビルアキノタムラソウには似ていますね。
    クサアジサイやハナクサアジサイは見たことがないですが、トラフクサアジサイというのはみたことがあります。
    2021年07月08日 21:41
  • 長さん

    無門さん、コメントありがとうございます。
    ランは原種だけで約700属15,000種あると言われています。交配種を含めると25,000種はあるでしょう。ですから、ラン展に行く度に見たことがない品種に出会います。
    2021年07月08日 21:50
  • 長さん

    nobaraさん、コメントありがとうございます。
    ヤエヤマノボタン、葉に縦筋がありますね、普通のノボタンはこの縦筋の本数が5本、これは3本です。ノボタン科はおしべが途中で折れ曲がっていますよね。
    ナツノタムラソウ、名前は知っていますが、見たことがないです。
    リンコスティリス・レツサはピンクの花なので、豪華に見えますね。
    2021年07月08日 22:01
  • 長さん

    信徳さん、コメントありがとうございます。
    これらの希少植物、温室での展示ですが、冬以外は屋外で育てているようです。
    リンコスティリス・レツサはバンダに近縁だけに、花の模様は似ていますね。花色が茶色と黒ならレッサーパンダですが(笑)。
    2021年07月08日 22:08
  • 長さん

    ekoさん、コメントありがとうございます。
    これらの希少植物、現地では当然ながら、屋外で生育しています。
    ヤエヤマノボタン、綺麗ですね。ノボタンの仲間は雄しべが途中で曲がっているのが特徴ですね。
    マキシラリア・テヌイフォリアの花は小さいですが、派手な色で存在感があります。
    リンコスティリス・レッサ、ピンクの花が綺麗ですね。
    2021年07月08日 22:14
  • 月奏曲

    なんか謎、そこまでして渓流の岩場で頑張る理由が謎
    生命の不思議だなぁ…
    適者生存はわかるんだけどなぜそこに特化するのかww

    後半のランも今回は不思議な趣の花ですねぇ…
    マキシラリア・テヌイフォリア、これはちょっとビビったよw
    2021年07月08日 22:19
  • 長さん

    はるるさん、コメントありがとうございます。
    ヤエヤマノボタン、ピンクの花に黄色の葯ですから、綺麗ですよね。
    アマミカタバミの花径は5mm位ですから、普通のカタバミの半分くらいでしょう。
    マキシラリア・テヌイフォリア、波が細長いですから花が隠れてしまいます。
    リンコスティリス・レツサ、ピンクの花が多数尽きますから、とても綺麗です。
    2021年07月08日 22:21
  • 長さん

    月奏曲さん、コメントありがとうございます。
    今は希少な植物ですが、人が踏み込まなければあちこちで咲いていたでしょうね。
    マキシラリア・テヌイフォリア、細長い葉に隠れるように咲いています。香りが良いので、存在感があります。
    2021年07月08日 22:26
  • なおさん

    八重山や奄美の希少種は、普段見る機会がありませんので此処で見られるというのはありがたいことですね。
     姉は奄美大島にいたことがあるのですが、面白そうなところですよねえ。ただ、ハブがいるのがコワイですね。
    2021年07月09日 05:16
  • 秋月夕香

    おはようございます。奄美の固有種ですね。同じお花でもその地では独特の花の形や形態もあり、不思議ですね。
    リンコスティリス・レツサ~とてもきれいなレース模様みたいですね~♫ 茎から下はもじゃもじゃとでていますが根?ですか、葉っぱはちゃんとありますから。
    2021年07月09日 06:41
  • コスモス

    つくば植物園はいいところですね。
    琉球列島や奄美には固有種がいろいろあるんですね。
    ヒメタムラソウとアマミタムラソウは、
    ほとんど同じように見えますね。
    リンコスティリス・レッサは、花がびっしりついていて綺麗ですね。
    2021年07月09日 08:28
  • すーちん

    おはようございます
    花にとっては媒介してくれるのもが
    大切で人に見て貰うために咲いてる
    わけでないですからねー^^
    臭いにおい出すのもあるんですねー
    2021年07月09日 08:49
  • ロシアンブルー

    おはようございます。
    ヤエヤマノボタン、優しいピンク色で花数が多いですね。
    マキシラリア・テヌイフォリオ、葉の間に地味な花で
    目立ちませんが香りで虫が寄ってくるんですね。
    リンコスティリス・レッサ、全部花開くと綺麗ですね。
    2021年07月09日 09:37
  • 長さん

    なおさん、コメントありがとうございます。
    離島の希少種は興味があるので、展示は必ず見るようにしています。絶滅危惧種植物温室も同様です。
    お姉さんが奄美大島にお住まいだったことがあるのですね。住むとなると暑いでしょうね。
    私も蛇は嫌いです。
    2021年07月09日 09:37
  • 長さん

    秋月夕香さん、コメントありがとうございます。
    植物は環境によって進化の方法が異なりますから、希少種を見るのは興味があります。
    リンコスティリス・レツサのもじゃもじゃは気根です。着生種は気根をもつものが殆どです。
    2021年07月09日 09:40
  • 長さん

    コスモスさん、コメントありがとうございます。
    周囲から隔離された環境では元の種と異なる進化をすることが多いので、こういう展示は興味があります。
    ヒメタムラソウとアマミタムラソウの花は殆ど同じですが、ヒメタムラソウの葉は細く、アマミタムラソウの葉は丸いのが特徴です。残念ながら、ヒメタムラソウの葉は写っていません。
    リンコスティリス・レッサ、ピンクの小花がびっしり咲いて、綺麗ですね。
    2021年07月09日 09:45
  • 長さん

    すーちんさん、コメントありがとうございます。
    昆虫は殆どが色盲ですから、人間が綺麗だと思っても昆虫にはそう見えません。ですから、花粉を媒介してくれる、特定の昆虫が好む臭いも発散するように進化してきたのですね。
    2021年07月09日 09:48
  • 長さん

    ロシアンブルーさん、コメントありがとうございます。
    ヤエヤマノボタン、ピンクの花弁に黄色い葯の対比が綺麗ですね。しべの形も面白い。
    マキシラリア・テヌイフォリオ、香りで昆虫を誘うのですね。細い葉ですから、小さな昆虫には支障がありません。
    リンコスティリス・レッサ、満開になると見事です、
    2021年07月09日 09:51

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