今回から、温室で見た花とラン展で見た花を平行して紹介しようと思います。温室で見た花は、多目的温室の希少植物からです。
多目的温室の展示の様子
オオシラタマカズラ(大白玉葛)
アカネ科ボチョウジ属のつる性常緑低木。小笠原諸島の固有種
付属根を持ち、林縁の樹幹や岩などによじ登る。花期は5~6月
日本各地に分布するシラタマカズラよりも全体的に大きい
花径は5~6mmほど
コクテンギ(黒檀木)
ニシキギ科ニシキギ属の常緑小高木。九州~琉球、台湾に分布
海岸近くの低地から山地の石灰岩地に自生。花径は1.3cm
花期は6~7月。別名:コクタンギ、チロトチュウ(黒杜仲)
ヤエヤマハマゴウ(八重山浜栲)
クマツヅラ科ハマゴウ属の常緑小低木。マレーシア~ポリネシアに分布
沖縄(西表島、石垣島)は台湾とフィリピンを飛び越した隔離分布で、北限
ミツバハマゴウの変種。絶滅危惧IA類(CR)
ハマトラノオ(浜虎の尾)
オオバコ科クワガタソウ属の多年草。絶滅危惧Ⅱ類 (VU)
日本固有種:九州南西部・奄美大島・琉球(慶良間列島の座間味島)
咲き始めたばかりなので、赤い葯が残っていた
オキナワヤブムラサキ(沖縄藪紫)
シソ科ムラサキシキブ属の落葉低木。絶滅危惧Ⅱ類(VU)
沖縄の山地の林内、林縁に分布。日本固有変種
花期は5~6月。花冠の長さは3mm
(つづく)
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つくば 夏の洋蘭展にて(3)
6月20日~27日に開催された「つくば 夏の洋蘭展」(出展者は「つくば洋蘭会」の皆さん)でみた花を紹介しています。
ショエノルキス・ジュンシフォリア
Schoenorchis juncifolia
ボルネオ、ジャワ、マレーシア、スマトラに分布する着生ラン
加藤かほるさん
ビフレナリア・オーレオフルバ
Bifrenaria aureo-fulva ブラジル南部に分布する着生ラン
稲葉茂子さん
メイラシリューム・ウエンドランディー・アルバム
Meiracyllium wendlandii fma.album
メキシコ、グアテマラに分布する着生種。 鈴木敏克さん
デンドロキラム・マグナム
Dendrochilum magnum フィリピン諸島の低緯度の山中に分布する着生種
倉持見永子さん
ゴンゴラ・ブフォニア
Gongora bufonia ブラジル南東部に分布する着生種
小林貴代さん
不思議な形の花で、白い毛が生えている部分が唇弁らしい
(つづく)
この記事へのコメント
イッシー
ランは本当に不思議だな~。ここに行けば世界の変わったランがみられるんですね。
コスモス
花の色は似てますね。
ハマトラノオの咲き始めがきれいですね。
信徳
nobara
私もキフクリンマサキをアップしましたが
かなり長い事、蕾の時期が続きましたよね。
コクテンギ(黒檀木)も同じようだったのかしら。
だとしたらお花の咲いた時に出逢われたのですね。ラッキーでしたね。
ヤエヤマハマゴウはハマゴウとはあまり感じられない?
どっちかというと原種系のトウフジウツギみたいに見えますね。
蘭も種類が多くて~凄いですね
river
洋ランと言えばパフィオペディルム、カトレア、デンドロビューム、シンビジューム、ファレノプシスが代表的なものですがそれでは飽き足らなくなってくると珍しいランに目が行きますね。
ランは南極、北極、砂漠以外世界中に存在します。その数はおよそ2万5千種ですから見たことのないランが多くあります。
eko
ランの花も個性豊かですね。それぞれに面白い花姿をしています。最後のゴンゴラ・ブフォニアは不思議過ぎます。
はるる
小さい花が集まってひとつの花になっているんですか。
ランも独特な姿、驚きと美しさを見せていただきました。
長さん
つくば植物園は、絶滅危惧種を中心とした植物多様性保全研究も大きな目的のひとつになっています。
つくば洋蘭会の皆さんはラン育成のベテランですから、色々な品種に挑戦しているようです。
長さん
ハマゴウは伊豆半島の海岸沿いなら自生があるでしょうね。珍しいことに、2年前、ウォーキング中に花を見たことがあります。
ハマトラノオ、まだ花に葯が付いていて、新鮮でした。
長さん
つくば植物園は希少植物の収集・保線・研究にも力を入れています。ハマトラノオ、花穂が直立していました。
洋ランの名前は名札に表示されていますが、旧属名が書いてあったり、学名だけしか記載されておらず、その中に誤記があったりして、調べるのに時間が掛かるものがあります。
長さん
キフクリンマサキ、拝見しました。珍しいです。マサキはつぼみが見えてから、咲くまでの期間が長いですよね。コクテンギは初めて見たので、よく分りませんが、花期(5~6月)からすると、咲き残りのようです。
ヤエヤマハマゴウの花序は本来上に向かうようですが、1枚目は横に寝ていますね。
夏咲きのランも品種が豊富ですね。
長さん
希少植物で観賞価値が高いものは、やはり盗掘されているようです。
洋ランは品種が膨大なだけに、ネットで購入できるものも多く、今回のラン展でも初めて知る品種を含め。多くの品種を見る事が出来ました。
長さん
希少植物の保護育成に重点を置いているだけに、展示も多かったです。収集数では日本で一番でしょう。
ハナトラノオは咲き始めの状態の良い花に出会えました。
ランは実に多様ですね。最後のゴンゴラ・ブフォニアも面白い形です。
長さん
この植物園は希少植物の収集・保線・研究に力を入れていますので、私もなるべく多く紹介しようと思っています。
ハマトラノオは新鮮で状態の良い花が撮れました。
オキナワヤブムラサキは花序の下の方から上に向かって咲き進んでいくようです。白くて丸いもはつぼみ、お皿みたいなのは花弁が落ちた痕でしょう。
ランもお楽しみ頂けたら幸いです。
月奏曲
ゴンゴラ・ブフォニア、こっちはなんか不思議な感じ
後半珍しいのばっかですねぇ
うふふ
ほとんど見たことのないものばかりです。
ハマトラノオだけは知っていました。
絶滅危惧Ⅱ類だったのですか。
アップにした赤いシャクがとてもきれいですね。
昨日、オオシラタマカズラの名前が突然出てきたコメントをいただいて驚きましたが、ここで訳が分かりましたよ(笑)
長さん
>メイラシリューム・ウエンドランディー・アルバム,これ面白いですね
本種は濃いピンクの花で、これは白花の変種です。
>ゴンゴラ・ブフォニア、こっちはなんか不思議な感じ
花柄の先に真っ直ぐ咲けば良いのに。わざわざ内側に向いて咲いています。
長さん
ハマトラノオはご存じでしたか。今や殆どの自生地で数を減らしているそうです。咲いたばかりで、葯が新鮮でした。
昨日はオオシキンカラマツのつもりで、オオシラタマカズラと書いてしまいました。丁度その記事を書いていたので・・・。失礼しました。
なおさん
ハマトラノオは、国営武蔵丘陵森林公園のボーダー花壇で見てはいるのですが、それ以外は見たことないものです。
秋月夕香
世界にはいろいろ変わった植物があるのですね。勉強になります。いつもありがとうございます。
すーちん
オキナワヤブムラサキ
紫式部と又違った咲き方ですね
長さん
この植物園は希少植物の収集・保線・研究に力を入れているので、珍しい植物が多いです。
ハマトラノオがボーダー花壇に植えられたことがありましたか。
長さん
コクテンギはニシキギ科ですから、生垣に使われたりするマサキの花に似ています。
メイラシリューム・ウエンドランディー、花としてはまともな方です。
長さん
ムラサキシキブ属の花は葉腋から花が咲くのが普通ですが、オキナワヤブムラサキの場合、花序が出来るのが異なりますね。
ロシアンブルー
美しい花ですね。
希少植物、中々普通には見られませんね、植物園はあ
りがたい存在ですね。
着生ランも珍しいものばかり、デンドロキラム・マグナム
長い花の穂で見ごたえありますね。
長さん
ハマトラノオは咲き始めです。葯が残っていて新鮮な花ですね。希少植物は生育環境が異なると上手く育たないものもあるようですが、ここではしっかり育っていました。
デンドロキラムはこのように長い花穂が垂れるのが特徴です。
寿々木
長さん
夏のラン展は少ないですから、初めて見る品種が多かったです。
デンドロキラムはラン展でも良く目にするランです。小さい花ですが、香りが良いですよね。