展示品は、入口背後のよしず張り、東屋の前面と左面、ビニールハウス、ビニールハウス北東側のよしず張り、それに、「桜草花壇(段飾り)」に並べられ、出展の品種数は約400、鉢数は約700とのことでした。
会場で頂戴した資料の表裏です
先ずは、入口と背中合わせのよしず張りの展示です。42鉢ありますが、全て、関西の山原茂氏(故人)が作出された品種です。
続いて、受付を抜けて、すぐ左手の、江戸時代の伝統的な鑑賞法の「桜草花壇(段飾り)」の紹介です(枠組みと屋根、飾り段は。2003年に愛好家から寄贈されたもの)。
この展示方法は、多くの古典園芸植物の中でもサクラソウのためだけに開発されたものだそうで、5段の花壇に33鉢、あるいは38鉢、6段の花壇に43鉢を並べて鑑賞したと記録に残っています。
東屋の前、右手には、近年作出されたという、八重咲き種(雄しべが花弁化したもの)が21鉢展示されていました(左下は一重)。
その中から、何点か紹介します(品種名はいずれも左から)
虫時雨、白眉、磯牡丹
磯牡丹(上と重複)、桃の舞、浜千景
綾絣、奈々子、絞り重
鳴海潟(一重。4枚上の写真の左下に写っている品種)
東屋の入口に置かれたサクラソウの花(水盤、トレイ、寒天挿し)
東屋の中には10数枚のパネル解説がありましたが、その中から・・・
それぞれ、画像クリックでPDFが表示されます
< 八重咲きになるしくみ >
< 日本のサクラソウの仲間の系統関係 >
< サクラソウの学名の由来 >
(つづく)
この記事へのコメント
イッシー
見ごたえありますよね~。水に浮かべたお花もとても魅力的です。
river
「桜草花壇(段飾り)」については天保時代の後半に書かれたと言われる「櫻草作傳法」に詳しく述べられています。白ー染出ー裏薄ー裏紅ーの4種類を横と斜めに並べて行きます。
一江豊一氏が作出した八重咲種は300種を超えています。私も1時はだいぶ集めましたが今は磯牡丹、桃の舞、浜千景、綾絣など10数種しかありません。お会いした時に八重咲種作出資料を頂いたのですがどこかへ仕舞なくしてしまいました。
秋月夕香
色も花びらの形もみなちがいますね。
後の記事も楽しみにしております。
寿々木
eko
段飾りはサクラソウのためにだけに開発されたとはこの花が大切にされてきたということですね。展示されているサクラソウはとても美しく見えます。
サクラソウの学名がシーボルトに由来していることは初めて知りました。
なおさん
園芸種も数多く生み出されていて、さまざまな変異が楽しめるのが楽しいですね。
はるる
とてもきれいで驚くほどです。
水に浮かべたものも、きれい、よく考えましたね。
並べただけで、こんなにきれいだなんて、すごいです。
nobara
見せ方が素晴らしいです。
葦簀の使い方、私の大阪赴任時のマンションのベランダの様子を思い出しました。
サクラソウも和的でいいですよね
九重や阿蘇の原でみたのも魅力でした。
なかなかこちらでは自然のを見られませんね。
フローティングも贅沢な見せ方ですね
長さん
私も日本桜草は段飾りが伝統的なものだとは知りませんでした。
水盤やトレイに花が並べてあると、色々比較できるので良いですね。
長さん
日本桜草についてはよく知らなかったので、今回は良い機会でした。
山原さんとメールのやりとりをしておられたり、一江豊一さんとお会いになっていたとはビックリです。
長さん
桜草の栽培は江戸時代に盛んだったと言うことなので、園芸種も膨大なものが作られたのでしょう。明治以降、愛好家が少なくなったので、多くの品種が失われました。
長さん
700鉢が並んでいるというのですから、一つ一つ見ていったら相当な時間が掛かるでしょうね。
長さん
江戸時代の桜草は一重の変化を楽しむもので、派手好きな西洋人にの趣味には合わなかったのですね。江戸時代、八重は奇形だと言って捨てられていたのだそうです。
江戸時代に桜草展があったとしたら、こんな段飾りがずらりと並んだのでしょうね。
私も桜草の学名を初めて知りましたよ。
長さん
埼玉県では田島ケ原がサクラソウの自生地ですね。
国営武蔵丘陵森林公園で毎年サクラソウが展示されますか。
埼玉県花と緑の振興センターには約380種が保存されているそうですが、展示会は行われていないようです。
長さん
サクラソウはかなり交配が行われているので、変化が出やすい植物になっているようです。
展示品は触れませんが、水に浮かべたりしてあるのは近くで見られるのは勿論、触ってみることも出来ます。
長さん
サクラソウの愛好団体は全国組織がないようなので、愛好家の数はそれほど多くはなさそうです。
よしずは日本生まれの日よけですが、使い道がたくさんありますよね。
サクラソウの自生地は埼玉県など、限られたところにしかないそうです。
水盤に花が浮かべられていますが、左上は寒天を固めたものらしく、これも伝統的な展示法らしいです。
月奏曲
日本は江戸時代とかに大衆文化が爛熟してますからねぇ…
なんだかんだで平和な時代だったんでしょうねぇ…
というかシーボルトも興味あったのかwすげーw
長さん
江戸時代の文化から天保の頃がッ全盛だったようです。武士階級の趣味だった関係で、明治以降は衰退し、少し盛り返したと思ったら、東京大空襲なんかで品種そのものが失われたそうです。それが最近になって愛好家が増えてきたとか。
うふふ
展示方法も桜草のためだけに開発されたとは、どんなに愛されていたかわかりますね。
北区の浮間公園でも、桜草の保存会が長年守り続けています。
江戸時代に浮間が原に鷹狩りに来た徳川家康に見つけ出されて、江戸城に持ち帰って広まったということでした。
一度行ったことがありますが、展示というよりは畑で育てている感じでしたよ。
これからも日本中で大切にされますね。
もこ
それにしてもこんなに沢山のサクラソウの種類に驚きました
展示の仕方も色々工夫してありとても勉強になりました
ジュン
雛段で見やすいし見応えがあります
種類も多いのですね
水に浮かべたお花可愛いです
すーちん
サクラソウの鉢
決められている訳で
ないでしょうが
矢張り質素な花ですから
引き立たせる鉢ということですね
長さん
本格的なサクラソウの展示会は初めてのことです。
浮間公園は昔、サクラソウの自生地があったそうですね。約1,600平方メートルの苗圃で栽培しているとのことですから、鉢植えとは比べものにならない多さですね。
長さん
これまでサクラソウを見かける機会はありましたが、このように実物だけでなく、学べる展示会に行ったのは初めてでしたよ。
長さん
サクラソウに伝統的な飾り方があるのはここで初めて知りました。
花を水に浮かべるのは現代的ですが、寒天差しは昔もあったそうです。
長さん
サクラソウ専用の鉢があり、栽培にも観賞にも使いやすいとのことです。しかし、入手しにくいため、家庭ではプラ鉢や素焼きの鉢での栽培が一般的だそうです。
目黒のおじいちゃん
サクラソウの企画展には大いに啓発されます。
判りやすくて有り難いことですね。
長さん
桜草を本格的に観賞出来るところが少ないので、今回は良い勉強が出来ました。
ロシアンブルー
そして、その種類の多さににも驚きです。
一重から八重に絞りとそれぞれが違う仲間があって驚きました。
花が小さいので可愛い雰囲気ですね。
学名にシーボルトのお名前もついているのdすね。
長さん
園芸種の種類が多いのは知っていましたが、本格的な桜草展を見に行ったのは初めてなんです。
昔は、八重は奇形だと言って、捨てられていたのだそうですが、今は可愛い品種が並んでいました。
サクラソウの学名、初めて知りましたよ。
コスモス
サクラソウのためだけに開発された展示方法があるなんて凄いですね。
江戸時代にこんな段飾りがあったんですね。
水盤に飾られたサクラソウも素敵ですね。
長さん
本格的なサクラソウの展示会を見に行ったのは初めてで、伝統的な飾り方があることも初めて知りました。ここには700鉢あるそうで、その中から摘んだ花を水盤などに入れたようです。