花ちょう遊館の高山植物館にて(1) イワチドリ、クルマバソウ、イカリソウ、ミヤマハタザオ、シコクカッコソウ、スズムシソウ、ヒトリシズカ、センジュガンピ、ラショウモンカズラなど

 4月9日、栃木県真岡市の井頭(いがしら)公園内にある「花ちょう遊館(かちょうゆうかん)」に行ってきました。昨年8月に初めて訪れ、今回が2回目です。とちぎ花センターに行ったついででしたが、「ついでなのに遙かに遠いとはどう言うこっちゃ」と突っ込まれそうですね(笑)。
 まず、関東で唯一という高山植物館に入りました。ここは年間を通じて一定の温度を保つ「定温室」で「一年を通して可憐な高山植物が楽しめます。広さは30坪にも満たないのではないかと思います。


内部の様子です(iPhoneを超広角側にして撮影)
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イワチドリ(岩千鳥)
ラン科ヒナラン属の多年草。本州中部地方以西と四国に分布
花径10~15mm。別名:八千代
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クルマバソウ(車葉草)
アカネ科アカネ亜科ヤエムグラ属の多年草
日本では南千島、北海道、本州の林中の木陰に生育する
隠し画像あり(画像クリックで、花のアップが表示されます)
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イカリソウ(碇草)
メギ科イカリソウ属の落葉性多年草。北海道~九州の山地に自生
隠し画像あり(画像クリックで、花のアップが表示されます)
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トキワイカリソウ (常盤碇草)
メギ科イカリソウ属の多年草。本州(山陰~北陸、近畿、
中国地方)の日本海側の山野の林内に生える。日本固有種
隠し画像あり(画像クリックで、花のアップが表示されます)
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ミヤマハタザオ(深山旗竿)
アブラナ科ハタザオ属の多年草
北海道、本州(中部以北、大峰山、大山)、四国(剣山)に分布
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イワハタザオ(岩旗竿)
アブラナ科ハタザオ属の多年草。北海道、本州(近畿以北)、佐渡に分布
隠し画像あり(画像クリックで、花のアップが表示されます)
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ヤマブキソウ(山吹草)
ケシ科ヤマブキソウ属の多年草。本州、四国、九州に分布
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シコクカッコソウ(四国郭公草、四国鞨鼓草など)
サクラソウ科サクラソウ属の多年草。カッコソウの変種
四国の愛媛県などに分布。絶滅危惧2類(VU)
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ニホンスズラン(日本鈴蘭)
キジカクシ科スズラン属の多年草。有毒植物
本州中部以北から北海道に分布。ドイツスズランより低い位置で咲く
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スズムシソウ(鈴虫草)
ラン科クモキリソウ属の多年草。北海道~九州、四国に分布
名の由来は、花の唇弁がスズムシの雄の羽に似ていることから
隠し画像あり(画像クリックで、花のアップが表示されます)
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ヒトリシズカ(一人静)
センリョウ科チャラン属の多年草。北海道、本州、四国、九州に分布
花弁はなく、白いものは花糸。葉にしわが目立つ
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キビヒトリシズカ(吉備一人静)  初めて見ました
岡山県、九州北部などの林床に自生。ヒトリシズカに比べ、葉に光沢がない
隠し画像あり(画像クリックで、花のアップが表示されます)
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オサバグサ(筬葉草)
ケシ科オサバグサ属の多年草。1属1種。日本特産。本州の北部~中部に分布
名の由来は、葉の形がシダ類に似て、機織の筬(おさ)に似ていることから
隠し画像あり(画像クリックで、花のアップが表示されます)
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センジュガンピ(千手岩菲)
ナデシコ科センノウ属の多年草。中部地方以北に分布する日本固有種
名の由来は、標本が中禅寺湖千手ヶ浜で採集されたことによる
隠し画像あり(画像クリックで、花のアップが表示されます)
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↑ 左奥はオサバグサ      

ラショウモンカズラ(羅生門葛)
シソ科ラショウモンカズラ属の多年草。日本では本州、四国、九州に分布
平安時代、渡辺綱が切り落とした鬼女の腕に例えて名付けた
隠し画像あり(画像クリックで、花のアップが表示されます)
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 4月9日撮影。
(つづく)

この記事へのコメント

  • イッシー

    そろそろ気になってたところでした。
    ご紹介ありがとうございます。
    隠し画像ありっていう仕組み面白いですね!
    ナイス!!
    2021年04月23日 12:51
  • 寿々木

    珍しい花を拝見しました。ラショウモンカズラ、こんなに花は多くないけどセンジュガンピ、ミヤマハタザオは標高1500mの上高地でであいました、山旗竿、白山旗竿も一緒に見かけました。白山旗竿が一番立派で明神館の軒下で咲くのです。
    2021年04月23日 13:25
  • nobara

    とちぎ花センターに行かれた、その日、かなりの取材だったのですね。@@
    花ちょう遊館、かなり興味あります。
    高山植物館はかなり温度管理がされているんですね。
    大阪の咲くやこの花館に高山の管理室がありました。
    クルマバソウ、可愛いです。
    ヨツバムグラは近くでも見かけますが、挑戦したくなるお花です(^o^)丿
    キビヒトリシズカ、かなり繊細なお花のようですね。
    オサバグサ、センジュガンピは夏に麦草ヒュッテでも見られます。
    今夏はいけるかどうか?ヤキモキしています。
    2021年04月23日 14:52
  • 信徳

    カッコソウは桐生、みどり市の山に自生があり管理されています。観察会が先週18日にあってタイミング悪く明日予定していましたがもう花が咲いてしまったとの事で残念でした。シコクカッコソウは園芸店で見られます。
    2021年04月23日 15:35
  • もこ

    高山植物館一つの部屋で色々見ることが出来て良いですね
    隠し画像の設定で拡大して見させていただきました
    2021年04月23日 15:49
  • eko

    花ちょう遊館の高山植物館は色々な高山植物が見られて良いですね。
    隠し画像の花のアップ画面で見るとよく分かります。
    二ホンスズランを一度見てみたいです。ほとんどドイツスズランばかりです。
    キビヒトリシズカは初めてです。葉の光沢の違いなんですね。
    オサバグサとセンジュガンピの清楚な花が素敵です。
    2021年04月23日 18:26
  • river

    山を歩いているとハタザオ、ヤマブキソウ、ヒトリシズカ、ニホンスズラン、ラショウモンカズラなどはお馴染みの花です。花を見ると花に出会った場所を思い出します。
    オサバグサは彩雲さんや佐久良爽さんのブログでおなじみの花です。
    カッコソウは世界で鳴神山だけに自生しています。2度出かけました。
    2021年04月23日 19:10
  • なおさん

    花ちょう遊館は他の方のブログ記事でも見ましたが、山野草や高山植物を卓越した栽培管理で、時期をずらした花を美しく見せてもらえるというのがスゴイですよね。
     クルマバソウはクマリンを含むそうですから、桜餅の葉の香りがするようですね。
     オサバグサは初めて見たのが高校生の時で、八ヶ岳の針葉樹林帯の仄暗い中で見た、白い花が印象的でした。
    2021年04月23日 19:39
  • 長さん

    イッシーさん、コメントありがとうございます。
    隠し画像のテクニックは簡単なので誰でも出来ますよ。ご希望があれば、ご伝授します。
    2021年04月23日 20:46
  • 長さん

    寿々木さん、コメントありがとうございます。
    山に行ければ良いのですが、今の状況は無理ですよね。こういう施設があると労せずして多くの植物に出会えるので、嬉しいです。
    2021年04月23日 20:48
  • 長さん

    nobaraさん、コメントありがとうございます。
    ここの展示は狭いスペースに密度高く展示してあるので、1時間ほどで300枚以上撮影できました。滞在中、妻以外は誰も入館者がおらず、撮り直しも出来ました。育成室では温度だけでなく気圧もコントロールされているようです。関西には、咲くやこの花館と京都府立植物園に高山植物室があるそうですね。
    キビヒトリシズカはヒトリシズカと葉の様子が違うのに名札がなかったので、ネットで調べましたよ。
    東京は3度目の緊急事態宣言ですね。多分、5/11以降も感染者は減らないと思いますよ。
    2021年04月23日 21:04
  • 長さん

    信徳さん、コメントありがとうございます。
    シコクカッコソウは箱根湿性花園などで見たことがありますが、カッコソウは見たことがないです。自生地はかなり貴重ですね。群馬と遠く離れた四国にカッコソウの変種が自生するというのは不思議ですね。
    2021年04月23日 21:09
  • 長さん

    もこさん、コメントありがとうございます。
    ここは展示の密度が高いので、多くの植物を見る事が出来て、ありがたいです。
    隠し画像、面白いでしょう?
    2021年04月23日 21:10
  • 長さん

    ekoさん、コメントありがとうございます。
    ここは年間いつでも高山植物が見られるので、ありがたいです。
    隠し画像だと、大抵の人はクリックされるので、大きな画像を見ていただけます。
    ニホンスズランは普通は見かけませんよね。我が家もドイツスズランです。
    キビヒトリシズカは葉はもちろんのこと、ヒトリシズカより大型でした。
    オサバグサやセンジュガンピも中々出会えない花です。
    2021年04月23日 21:15
  • 長さん

    riverさん、コメントありがとうございます。
    我が家からだと簡単に行けるような山が近くにないので、こういう施設があるのはありがたいです。
    群馬県にしか自生していないカッコソウの変種が四国に存在しているというのは不思議なことですね。
    2021年04月23日 21:18
  • 長さん

    なおさん、コメントありがとうございます。
    この展示室には気圧調整はされていないので、育成室できちんと管理して栽培されているようです。展示は殆どが1~2株なので、開花株を植え込んでいるようです。
    クルマバソウは桜餅の葉の香りがしますか。
    オサバグサは8年前に小布施で開催されていた山野草展で初めて見ました。
    2021年04月23日 21:23
  • うふふ

    高山植物館にはたくさんの植物が植えられていますね。
    一年を通していつでも見られるとは嬉しいです。
    隠し画像でアップのお花が見ることができて、すっかり楽しみました。
    全部日本に自生している植物なのですね。
    日本固有種もありますね。
    なんだか誇らしくなってきました。
    シコクカッコウソウのように絶滅危惧種もあって、ここで大切に育ち、少しでも増えたら良いなと思いますね。
    2021年04月23日 21:47
  • 月奏曲

    イカリソウは確かに碇ぽいですよねぇ…
    スズムシソウ…というか私鈴虫みたことないので知らないんですよね。
    とはいえなんか虫っぽい花なのは確かw
    2021年04月23日 22:36
  • 長さん

    うふふさん、コメントありがとうございます。
    関東で唯一の高山植物園で、品揃えも豊富、しかも、年間通して何らかの花が咲いているというのですから、嬉しい施設です。
    ニホンの高山植物や山野草の他に、外ごくさんのものも展示がありますので、後日ご紹介します。
    2021年04月23日 22:48
  • 長さん

    月奏曲さん、コメントありがとうございます。
    イカリソウは4本の距が錨の爪のように見えますね。
    私の子供の頃は夏休みにスズムシを飼育するのが流行っていたんですよ。
    2021年04月23日 22:52
  • すーちん

    おはようございます
    ヤマブキソウ、葉っぱも
    ヤマブキと同じですねー
    花弁が4枚ですか
    2021年04月24日 08:46
  • 長さん

    すーちんさん、コメントありがとうございます。
    ヤマブキソウは4弁が基本ですが、ヤマブキは5弁が基本ですね。ヤマブキの鋸歯は二重ですが、ヤマブキソウは単純な一重で、葉は緩やかに波うつのが特徴です。
    2021年04月24日 09:29
  • はるる

    栃木までお出かけにですか。
    いいものを見に、好きなものを見に出かけるのは楽しいですね。
    また珍しい花、興味深い花、ひきつけられてしまいます。
    でもこうして拝見でるのは嬉しいです。
    2021年04月24日 18:20
  • 長さん

    はるるさん、コメントありがとうございます。
    この公園は我が家か距離がありますが、ネタ稼ぎには打ってつけの植物館があるんですよ。しかも、関東では唯一の高山植物園で、一年中花が絶えないのですからね。
    2021年04月24日 22:03

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