とちぎ花センターにて(2) トビカズラ、ヒメアリアケカズラ、クロサンドラ、ニオイバンマツリ、コエビソウ、ベンケイクサギ、ルリハナガサ、ランタナなど

 4月9日に訪れた「とちぎ花センター」の鑑賞大温室で見た花などです。
 トビカズラという珍しい植物に、5年ぶりという花が咲いていました。開花すると国家的な事変が起こるなどの言い伝えがあるそうです。


トビカズラ(飛蔓)
マメ科トビカズラ属の常緑つる性植物。原産は中国の長江流域
日本では、九州のごく一部に自生するのみ。別名:アイラトビカズラ
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花の長さは7~8cmほど
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葉の様子
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“伝説の花”5年ぶり開花 栃木の「とちぎ花センター」
 岩舟町下津原のとちぎ花センターで、開花すると国家的な事変が起こるなどとの言い伝えがある「トビカズラ」が5年ぶりに開花した。濃い紫色の丸い形の花が20個ほど集まりブドウの房のように見える植物で、4月上旬ごろまで咲く見通しという。
センターによると、前世は観音様だったとの言い伝えもあるほか、伝説の霊華「優曇華(うどんげ)」とも呼ばれている。センターでは7、8年前から栽培し、咲いたのは1、2回。今月22日、開花に気付いた温室担当の永島安紀(ながしまあき)さんは「驚きと、少し不安も感じた」と振り返る。
 国内では熊本県山鹿市など一部で自生が確認されているトビカズラ。同市担当者は「昔はめったに咲かなかったが、最近は毎年のように咲いている」と、環境の変化が背景にあるとみる。永島さんは「なぜ5年ぶりになったのかは分からない」と首をかしげる一方「珍しいこと。いいことがあるかも」と笑顔を見せた。以上、下野新聞 2021年3月28日付より引用

 トビカズラの名の由来として、2つの話が伝わっている。治承・寿永の乱(源平合戦)の頃、壇ノ浦の戦いで敗れた平家の残党が相良寺に落ちのびた際、豊後竹田の源氏方の武将である緒方惟栄が寺を焼き討ちした。焼き討ちの際に寺の千手観音は飛翔してこのカズラに飛び移り、危うく難を逃れたという。また、一説には千手観音がカズラに姿を変えて飛来し、走落の坂を下る緒方三郎の足にからみつき、落馬したところを残兵が討ち取ったとも伝えられている。
以上、Wikipediaより引用


ヒメアリアケカズラ(姫有明葛)
キョウチクトウ科アリアケカズラ属の常緑小低木
ブラジル原産。花径は3~5cm。花筒部に赤橙色の筋があります
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クロサンドラ
キツネノマゴ科ヘリトリオシベ属の非耐寒性常緑小低木
原産はアフリカ、インド、マダガスカル、スリランカなど
和名はヘリトリオシベ(縁取雄蘂)、葯に縁取りがあるからという
別名:ジョウゴバナ(上戸花)、キツネノヒガサ、サマーキャンドル
花弁の先端は5裂し、下部は管状(じょうご状)
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ニオイバンマツリ(匂蕃茉莉)
ナス科ブルンフェルシア属の半耐寒性常緑低木
原産はブラジル、アルゼンチン
全体に神経毒性がある(未熟な果実や種などに中毒成分が多い)
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サンユウカ(三友花)
キョウチクトウ科サンユウカ属の非耐寒性常緑中木。インド原産
一重と八重がありますが、これは八重の咲き始め
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コエビソウ(小海老草)
キツネノマゴ科ジャスティシア属の常緑低木。メキシコ原産
苞の形が小エビの尻尾に似ているから。別名:ベロペロネ
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クレロデンドルム・ウガンデンセ
シソ科クサギ属の常緑つる性低木。原産は熱帯アフリカ
和名はベンケイクサギ(弁慶臭木)。英名:ブルーバタフライブッシュ
流通名:ブルーウイング、ブルーエルフィン
しべがカールして、カリガネソウによく似ている
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クラリンドウの実
シソ科クサギ属の非耐寒性常緑低木。インド原産
別名:クレロデンドルム・ウォリッキー、ブレープバニラ
花期は10~11月。和名の由来、漢字は不明
ハクチョウソウ(ガウラ)に似た白い5弁花が咲きます(こちら
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ルリハナガサ(瑠璃花笠)
キツネノマゴ科エランテムム属の常緑小低木または多年草
原産はインド。別名:ブルーセージ、エランテムム・プルケルム
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苞が深紅の ブーゲンビリア
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プセウデランテムム・アクミナティッシムム
キツネノマゴ科ルリハナガサモドキ属の常緑小低木。マレーシア原産
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ランタナ
マツヅラ科シチヘンゲ属の常緑小低木。中南米原産
和名はシチヘンゲ(七変化、花色が次第に変化することから)
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 4月9日撮影。
(つづく)

この記事へのコメント

  • nobara

    トビカズラ、別名のアイラトビカズラは姶良の事ですかね。
    隼人なども姶良市になるんですよ(確か?ご友人が?)
    勝手な憶測ですが、イカのトンビに似てるなと思いました(^o^)丿
    いい事のある前兆なら嬉しいですね(*^-゚)⌒☆
    クレロデンドルム・ウガンデンセ、イイですね~~~♬
    大好きなお花です。
    クラリンドウの実をみるとクサギそのものですね。
    2021年04月17日 13:00
  • 目黒のおじいちゃん

    長さん
    トビカズラは花も由来も生態も面白いです。気候変動が気懸かりですね。
    2021年04月17日 13:05
  • なおさん

    トビカズラの花はそうそう見られるものではないでしょうから、珍しいものをご覧になれましたね。吉事なら良いのですが、凶事かも、と心配ですよねえ。
     クラリンドウの実は同じ仲間ですので当然ですが、クサギの実に良く似ていますよね。
    2021年04月17日 13:23
  • river

    アイラトビカズラは見たことがありません。熊本県鹿本郡菊鹿町に1本だけ自生すると言うので国指定特別記念物に指定されていますね。その後ほかでも2~3ヶ所で見つかったようですがここのものは樹齢1,000年以上。幹周り50cmと巨大なもののようです。以前はたまにしか花を付けませんでしたが環境整備の結果今では毎年花をつけるようです。昔ここが相良寺の境内で、留学僧が中国から種子を持ち帰ってまいたからではないかといわれているそうです。昨年作業員が誤って半分ほど伐採してしまったと言う記事もありました。
    2021年04月17日 14:49
  • 寿々木

    トビカズラ、初めてです。この花が咲くと異変が起きるのですか、新コロナの変異をこの花のせいにしては可愛そうですね。アラマンダは大小4種類ほどありますね。沖縄では露地で見かけます。ヤエサンユウカは当地植物園温室にもございます。夕方に香ると名札に書いて有りますが、昼間でも嗅ぐと良い香りです。ルリハナガサ、東南植物楽園のトーテムポール前で密植されてとても綺麗だったのを思い出しました。
    2021年04月17日 14:55
  • コスモス

    トビカズラの花の長さが7~8cmとは大きいですね。
    色も形も変わっていますね。
    クレロデンドルム・ウガンデンセ、書くのも間違えそうですが、カリガネソウに似てますね。
    色も好きです。
    2021年04月17日 15:55
  • eko

    トビカズラは初めて見ました。珍しい花が咲くと異変が起きるとかよく言われます。吉兆ならいいですね。
    クレロデンドルム・ウガンデンセは良い花色、好きな花の一つです。
    クラリンドウの実はクサギの実とそっくりですね。
    2021年04月17日 16:12
  • イッシー

    トビカズラとはまた変わった花を拝ませていただきました!
    観音様が前世とは驚きますね。熊本では自生もしてるんでえすか。いいことあるといいですね!
    2021年04月17日 19:05
  • はるる

    ここへ伺うと、いつも珍しい花を見せていただき、驚きます。
    ほんとうにびっくりしました。トビカズラですか。
    ブーゲンビリア、赤い色なんですね。
    カリガメソウに似た花、おもしろい花です。
    2021年04月17日 19:16
  • 秋月夕香

    こんばんは。トビカズラ~すごいお花ですね。7センチもあればおおきいでしょうね。それに色が独特です。めったに咲かないお花が咲くと何かあるかもしれない~とか<うどんげ>と呼ばれるのはめったに咲かないとどこかでよみました。よく仏教の何かのたとえにでてきません?聞いたことはあります。それがこの花でしたか。クレロデンドルム・ウガンデンセ~すごくながいしべですね。
    2021年04月17日 20:31
  • 長さん

    nobaraさん、コメントありがとうございます。
    アイラトビカズラの国内自生地は鹿児島県でも山鹿市菊鹿町の相良地区だそうです。花の形は確かにイカトンビに似ていますね。開花したのが先月22日だそうで日にちが経っていますから、もう何事も起こらないのでは。
    クレロデンドルム・ウガンデンセ、カリガネソウに良く似ていますね。
    2021年04月17日 20:58
  • 長さん

    目黒のおじいちゃん、コメントありがとうございます。
    トビカズラ、奇妙な植物があるものです。結局、何も起こらなかったようですよ。
    2021年04月17日 21:00
  • 長さん

    なおさん、コメントありがとうございます。
    トビカズラ、面白い植物があったものですね。開花してからもう4週間近くですから、何事も起こらなかったようです。
    クラリンドウ、花の方を見たかったです。でもリンドウには似ていませんが・・・。
    2021年04月17日 21:02
  • 長さん

    riverさん、コメントありがとうございます。
    トビカズラの名の由来をWikipediaから引用しましたが、その前段で仰るような内容が記載されていました。国内の自生種は相良地区と、佐世保市沖の時計島で2000年に発見されたものと2本しかないようです。
    2021年04月17日 21:16
  • 長さん

    寿々木さん、コメントありがとうございます。
    トビカズラ、珍しい植物ですね。異変が起こるとは言い伝えだけで、信頼性はゼロですね。
    アラマンダは4種類あるそうですが、私はこの品種しか見たことがないです。
    ヤエサンユウカもルリハナガサも時期外れで、それぞれ1輪しか咲いていませんでした。
    2021年04月17日 21:22
  • 長さん

    コスモスさん、コメントありがとうございます。
    トビカズラ、マメ科であるのは分りますが、奇妙な花ですね。
    クレロデンドルム・ウガンデンセはカリガネソウに良く似ています。日本から遠いアフリカでこんなに似た花が咲くなんて、偶然にしてはできすぎです。
    2021年04月17日 21:25
  • 長さん

    ekoさん、コメントありがとうございます。
    根拠もない言い伝えで、トビカズラが咲いても何も起こりませんから、期待なさらないように(笑)。
    クレロデンドルム・ウガンデンセはしべの形が独特ですね。
    クサギ属の植物はどれもこんな実がなるようですね。
    2021年04月17日 21:29
  • 長さん

    イッシーさん、コメントありがとうございます。
    トビカズラは珍しい植物ですね。珍しいだけに、色々な逸話が生まれるのでしょう。この花が咲いても何も起こりませんよ(笑)。
    2021年04月17日 21:30
  • 長さん

    はるるさん、コメントありがとうございます。
    植物園に行くと、たまにこんな珍しい植物に出会うことがあります。それが、植物園の良いところの一つでしょうね。
    真っ赤な苞のブーゲンビリアもあまり見かけませんね。遠く離れたアフリカでカリガネソウとそっくりな花が咲くとは、驚きですよね。
    2021年04月17日 21:34
  • 長さん

    秋月夕香さん、コメントありがとうございます。
    トビカズラ、面白いでしょう。優曇華というのは仏教の経典に出てくる想像上の花のことで、このトビカズラのことではありません。うどんげの花と一般に言われるのはクサカゲロウの卵のことです。それなら私も1度だけ見たことがあります。
    クレロデンドルム・ウガンデンセのカールした長いしべは、蜜を衰期着た昆虫が青い花弁に止まったとき、しべが反応して、昆虫の背中に花粉を付けるようになっています。
    2021年04月17日 21:47
  • うふふ

    トビカズラ開花の言い伝えは不気味ですね。
    今年はいろいろあるので、暗い方に行きそうに感じるのかもしれません。
    いいことがあるかも・・とおっしゃっているとホッとします。
    この温室にもコエビソウがありましたか。
    冬でも道端で平気で咲いているのを見ているので、温室にあるのが不思議です。
    あらら、ランタナまでも(笑)
    2021年04月17日 22:03
  • 長さん

    うふふさん、コメントありがとうございます。
    トビカズラ、面白い花ですね。こうした珍しい植物には色々な逸話が付きものですね。
    コエビソウもランタナも原産地は熱帯地方で、温室の定番ですが、栽培種は南関東なら屋外で冬越しが出来ますね。
    2021年04月17日 23:04
  • 月奏曲

    トビカズラ初めて見ました、珍しいですね実かと思ったw

    ニオイバンマツリがどうしてもヤマザキ春のパン祭りと被って笑ってしまうw

    ベンケイクサギ、確かに青い蝶w
    2021年04月17日 23:26
  • トビカズラ、暗紅紫色の花は5年ぶりに開花したそうですね。
    珍しいお花をご覧になられましたね。
    良いことが有って欲しいです♪
    美しいツートンのブルーの花、クレロデンドルム・ウガンデンセは、カリガネソウに良く似てますね。
    クルリとカールした長い蕊が優雅です。
    クラリンドウの実は、クサギに良く似ていますが仲間のようですね。
    白い花が枝垂れて咲いていたのをクリスマスに出会った事がります。
    華やかなクラリンドウの花は、仄かに甘い香りがして・・。
    このような果実が出来るのですね♪
    2021年04月18日 00:57
  • 長さん

    月奏曲さん、コメントありがとうございます。
    トビカズラ、面白い花ですね。マメ科ですから、長くて扁平な莢に大きな豆が出来ます。
    臭いパン祭り(笑)。
    ベンケイクサギの青い花弁は昆虫を引き寄せる色で、ここの昆虫が止まると、カールしたしべの先端が昆虫の背中に付き、花粉を付ける構造です。
    2021年04月18日 09:39
  • 長さん

    心さん、コメントありがとうございます。
    トビカズラが咲いてもう4週間、結局何も起こらなかったようです。まー、もともと根拠のない話ですからね。
    遠く離れたアフリカと日本のカリガネソウが同じ形態に進化したと言うことはとても興味のあることですね。
    クラリンドウの花をご覧になりましたか。機会があったら秋に行って、見てみたいです。
    2021年04月18日 09:43
  • ロシアンブルー

    トビカズラという名前も独特の花の色も初めて聞き、見るのも初めてです。
    5年ぶりに咲いたことに何かを連想させたり、温暖化や去年から今年は分水嶺の年とも言われていますね。
    ランタナの色がパッと明るくて良いですね。
    2021年04月18日 11:04
  • 長さん

    ロシアンブルーさん、コメントありがとうございます。
    トビカズラ、初めて知りました。日本では希少の植物なので、色々な逸話出来たのかも知れません。今年は平均気温が高く、トビカズラも‘飛び’起きたのかも(笑)。
    2021年04月18日 12:21

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