今回はその紹介8回目で、中南米に分布する野生ランの続きです。今回も初めて知る属名があり、改めてランの奥の深さを感じました。
ディメランドラ・ステノペタラ
Dimerandra stenopetala ジャマイカ、トニにダー土、エクアドルに分布
花径2.5cmと小柄だが、数ヶ月に亘って次々に咲く
マクシラリア・アルバ
Maxillaria alba 熱帯アメリカ(メキシコ~ブラジル)の広い範囲に分布
花径は3cm程度
エピデンドラム・ベシカツム
Epidendrum vesicatum ブラジルに分布 開花後の花径は2cm
エピデンドラム属は中南米に約1,180種ほど分布する着生種です。日本で
良く見かけるのは、長い茎の先にたくさん花を付けるタイプの交配種です
エピデンドラム・ノクツルヌム
Epidendrum nocturnum 中南米に広く分布 花径は7.5〜13.5cm
エピデンドラム・レボラタム
Epidendrum revolutum ブラジルに分布 花径3cm
エピデンドラム・カプリコルヌ近似種
Epidendrum aff. capricornu エクアドルに分布
エピデンドラム・ナネガレンセ
Epidendrum nanegalense エクアドルに分布 花径2cm
ブラッシア・プミラ
Brassia pumila ベネズエラなどの熱帯アメリカに分布 花径12cm
エクサラリア・パルビフロラ
Exalaria parviflora (=Cranichis fertilis)
ベネズエラ、コロンビア~ペルーに分布
マスデバリア・コッキネア
Masdevallia coccinea コロンビアに分布 花径は3.5~7.5cm
マスデバリアは形の面白さと美しさで、ラン展で良く見かけます
アナタリス・リネアリフォリア
Anathallis linearifolia(旧 = Pleourothallis linearifolia)
ブラジルに分布 花径は4~5mm
プレウロタリス・ペネロプス
Pleurothallis penelops エクアドルに分布 葉の付け根から咲く 花径1cm
レリア・ルベスケンス
Laelia rubescens メキシコ~グアテマラに分布 花径7cm
属名は古代ローマの女神の名、rubescensはバラ色を
意味するが、これは白花。良い香りがする
レリア属はおよそ50種がメキシコからブラジルにかけて自生しています
ワーセウイッツェラ・アマゾニカ
Warczewiczella amazonica ブラジルのアマゾン盆地、スリナム、
ベネズエラ、コロンビア、エクアドル、ペルーに分布 花径10cm
ワーセウイッツェラ・マルギナタ
Warczewiczella marginata コロンビア,ベネズエラ,パナマに分布 花径7.5cm
オンシジウム・インクルブム
Oncidium incurvum メキシコとニカラグアに分布 花径2.5~3.7cm
カンピロケントルム・コロンビアヌム
Campylocentrum columbianum コロンビアなどの熱帯アメリカに分布
1本の花茎に2列に花を付ける 花径3mmくらい とても珍しい
つくば植物園のコレクションした原種ランの紹介はこれで終りにします。
次回は、愛好団体が出展したカトレア類を紹介しようと思います。
(つづく)
この記事へのコメント
イッシー
皆さん研究者みたいな方ばかりなんですね。
寿々木
今朝の当地は冷え込んで、路上駐車の車の窓に氷が張りついていました。
river
nobara
ちょっと様子が違いますね(*^-゚)⌒☆
ナネガレンセは少し近づいていますが?
エクサラリア・パルビフロラはミズトンボみたいな感じなのかしら?
前記のボナテア・スペキオサ、まだ蕾って事は
その筋のある緑のは萼片?
マユハケオモトも萼片が実になってもいつまでも美しいのです。
私は萼片フェチみたいです(^o^)丿
eko
2列に花をつけるカンピロケントルム・コロンビアヌムは独特ですね。
はるる
まだまだあるんですね。
奥が深い、本当にそうですね。
植物園でちらっと、見てくるだけでしたが、こんなに珍しいランが次々とあって、驚きました。
信徳
中南米 (ボリビア、コロンビア、エクアドル、ペルー)の高山に育つランなんですね。標高は2~3,000mの霧の出る環境の良い所に育つのでしょう。台湾などでは1,000mのウーロン茶畑が有るところで夏越ししているようです。
なおさん
長さん
ランは品種が多すぎて・・・、毎回知らないランが続々と出てきますよ。
長さん
マスデバリアの園芸種はラン展に行くと良く目にしますよ。ちなみに、2016年の沖縄国際洋蘭博覧会では、全日本蘭協会会長の斉藤正博さんがマスデバリアで最優秀賞・沖縄国際洋蘭博覧会大賞を獲得しています。
長さん
中南米は標高の高い雲霧林地域が広いですから、ランが生育するにはよい環境ですが、日本ではそうは行きませんね。つくば植物園の担当者もご苦労が絶えないと思います。
長さん
エピデンドラムの原種は1200種近くもあると、属内でも花の形はバラエティに富んでいます。しかし、ベシカツムは異端の花ですね。
ミズトンボは小さいながらもランの花と分りますが、エクサラリア・パルビフロラは花弁が同じような形をしています。
前記事のボナテア・スペキオサは開花前で、3枚の萼片が花弁を包み込んでいる状態です。マユハケオモトの萼片は実が出来る頃も脱落しないのですね。
うふふ
それでも、まだまだあるんですね。
本当に奥が深いです。
長さん
今回の展示は開花しているものだけですから、これ以外にも多数育てられています。年が明けて、2月か3月頃なら、別の品種がずらりと並ぶことでしょう。
2列に花をつけるランは他にもないことはありませんが、珍しい部類でしょう。
長さん
つくば植物園は世界でも有数な原種ランコレクションを持っています。それぞれ花の咲く時期が異なるので、3月や6月にも原種ランの展示を行う場合もあり、多分、500種以上は見る事が出来るのではないかと思います。
長さん
標高2000~3000mの雲霧林では普通の花が生存できないので、ランが勢力を伸ばしたという実態があるようです。一般に暑いところは苦手な植物なので、台湾でも高地が育て易いでしょうね。
長さん
こうして大量に原種が展示される機会はとても貴重です。3月や6月にも展示されることがあり、ラン好きにはありがたいのですが、担当者のご苦労も相当なものでしょうね。
長さん
連日のようにランの記事ばかりで申し訳ありません。
つくば植物園の原種ランコレクションの紹介は今回で終り、愛好団体の出展作品からカトレア類の紹介を残すだけとなりました。
月奏曲
でも一番良かったのは実はブラッシア・プミラw
長さん
ワーセウイッツェラは大きな花で、交配などしなくても十分美しいです。
ブラッシア・プミラ、月奏曲さんには足の長い昆虫に見えるかなと思ったら、以外でした。
ジュン
葉の付け根から咲くのもあり
本当に蘭は奥か深いですね
すーちん
華やかな改良された蘭
もいいですが
原種魅力ありますねー
長さん
原種ラン、面白いでしょう?
ランの多様性と奥深さを知って、すっかり嵌まってしまいました。
長さん
ランは見に行く度に知らない原種が続々と出てきます。それが楽しみなんです。
ロシアンブルー
世界にはいろんなランがあることをしることができました。
コスモス
本当に奥深いですね。
白花のランはより気品があるような感じがします。
長さん
何度も原種ランばかりを投稿しましたが、それはランの多様性をお伝えしたかったのです。
長さん
ランはご覧のように多様な色や形に進化した植物です。花色が白いのは夕方から夜にも目立つように進化した結果だと思われます。そのような時間帯に活動する昆虫に合わせたのですね。