今回はその紹介6回目で、アジア・オセアニア地域に分布する原種ランの色々です。
花が咲いていることに気付かれたでしょうか。東南アジアの森の木の枝で暮らす至って地味なランですが、顔を近づけるとどうでしょう。強烈な香りが!この小さい花のどこに、こんなパワーがあるのか不思議です。バラやチューベローズ(月下香)、クチナシを彷彿とさせる香りに、ココナッツやバニラなどの甘い香りがアクセントとなっています。花王株式会社と共同でにおい物質を分析したところ、バニラの香りを特徴づけるバニリンが確かに含まれていることが分かりました。この存在感のある甘い香りでどんな昆虫を誘っているのか。全く分っていません(つくば植物園の説明文から)。
ドリティス・プルケリマ
Doritis pulcherima 東南アジアに広く分布 美しい花です
以前はコチョウラン属とされたが、今もコチョウランの交配親として知られる
ドリティス属とコチョウラン属の交配種はドリテノプシス属となる

こちらはピンクの花が咲く個体

サーフケラ・ラティフォリア
Sirhookera latifolia インド南部とスリランカに分布 花径1cm 珍しい

エリオデス・バルバタ
Eriodes barbata ミャンマー、タイ、ベトナムに分布 花径3cm

デンドロビウム・ラミィ
Dendrobium lambii ボルネオ島に分布 花径3cm

デンドロビウム。クリスピリングム
Dendrobium crispilinguum ニューギニア島に分布 花径は4x8cmくらい
側花弁が捩れて立ち上がっている 後ピンだった

バンダ・セルレア(バンダ・コエルレア)
Vanda coerulea タイやミャンマー、インドに分布 網目模様がみえない

バンダ・デフォーティ
Vanda devoogtii スマトラ島に分布 バンダでは異端な色・形 花径4.5cm

アジア・オセアニア地域の原種ランの最後はバルボフィラム属です。ブルボフィルム属と表記する場合もあります。この属の原種は2000種もあると言われます。鱗茎から葉が出ているので、属名はギリシャ語の「bulbos(鱗茎)+phyllon(葉)」から作られました。日本にはマメヅタラン(豆蔦蘭)などが分布しているので、和名ではマメヅタラン属です。花粉媒介者はハエなので、いやな臭いを放つ花が多いです。
バルボフィラム・トリカナリフェルム
Bulbophyllum tricanaliferum ニューギニア島に分布
側萼片が3つに分かれて上下に伸びています

バルボフィラム・ルフィヌム
Bulbophyllum rufinum 中国南部~インド東部に分布 花径は1cm

バルボフィラム・カレヤヌム
Bulbophyllum careyanum 中国雲南省~ヒマラヤ、インドに分布
穂状に沢山の花を付ける ひとつの花は縦1.3cm位

バルボフィラム・ウェンドランディアヌム
Bulbophyllum wendlandianum タイからミャンマーに分布
細長く伸びた側萼片と花弁周辺の付属物が特徴 花の長さは10cmほど
最近はシルホペタルム属(Cirrhopetalum)とするようです

(つづく)
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