9月5日に行ったつくば植物園で見た花などを紹介しています。
今回も、多目的温室で開催中の「亜熱帯の希少植物展」の続きです。
ヒメタムラソウ(姫田村草)
シソ科アキギリ属の多年草。琉球列島の渓流沿いに分布。日本固有種
花期は10~5月。花径は1cm弱。絶滅危惧種ではない

アマミタムラソウ(奄美田村草)
シソ科アキギリ属の多年草。絶滅危惧IB類(EN)
奄美大島と徳之島の山地や渓流沿いに分布。日本固有種
ヒメタムラソウの変種で、全体に小さいが、葉の幅は広い
花期は9~11月。花径は1cm弱

アマミクサアジサイ(奄美草紫陽花)
アジサイ科クサアジサイ属の多年草。絶滅危惧IB類(EN)
奄美大島に2ヵ所しか自生していない。装飾花はない。日本固有種
花期は8~9月。花は淡紅色(または白)で径5mm(写真は実と思われる)

ヨナグニノシラン(与那国熨斗蘭)
ユリ科ジャノヒゲ属の多年草。絶滅危惧IA類(CR)
与那国島のみに分布する固有種。花期は8~10月
ノシランに似るが、花茎の上部が白色を帯びず、筒状部が短かく、
葯が黄色(ノシランは淡緑色~黄緑色)である点が異なる


タイワントリアシ(台湾鳥足)
イラクサ科ヤブマオ(カラムシ)属の多年草。絶滅危惧II類(VU)
琉球列島と台湾に分布。ナガバヤブマオに似るが、より大きくなる
花序は果穂で長さ10~18cm、太さ3~4mm。花期は8~10月

多目的温室での希少植物の紹介は以上で修了し、以下は屋外のH4区画(絶滅危惧種植物区)で見た希少植物になります。
ホソバオグルマ(細葉小車)
キク科オグルマ属の多年草。絶滅危惧種Ⅱ類(VU)
日本(関東と九州に多い)、朝鮮、中国、シベリアに分布
終盤で、花の状態が悪いです


フジバカマ(藤袴)
キク科ヒヨドリバナ属の多年草。準絶滅危惧種(NT)
本州・四国・九州、朝鮮、中国に分布


ケサヤバナ(毛鞘花)
シソ科サヤバナ属の多年草。絶滅危惧IA類(CR)
多目的温室にも展示があった(こちら)が、これはオーストラリア産で
花色が異なる。花序の長さは7~10cm。花期は10~12月


ミズキンバイ(水金梅)
アカバナ科チョウジタデ属の抽水性多年草。絶滅危惧種(VU)
千葉県、神奈川県、高知県、宮崎県で生育が確認されているのみ
中国から有史以前に帰化したと考えられている。花径は3cm。花期は6~10月


(つづく)
この記事へのコメント
イッシー
フジバカマはよく見ますが絶滅危惧種なんですね。
寿々木
river
フジバカマは有名な花で良く知られていますが謎の多い植物です。ヒヨドリバナ、サワヒヨドリ、ヨツバヒヨドリ、中国産フジバカマ(玉咲きフジバカマ、キクバフジバカマ)など近縁種があり、交雑主もありので区別は大変難しいです。古く中国から渡来したと言われますが本邦産と言われるものもあります。
ロシアンブルー
フジバカマぐらいしか判りません。
ノシランも亜熱帯だと少し違うのですね。
見た目では全然判りません。
ミズキンバイ、有史以前に帰化ですか~、そんなこともわかるのですね。
はるる
なおさん
この中ではフジバカマとミズキンバイしか見たことがないのです。
長さん
タムラソウですが、名の由来が分っていません。
フジバカマは有名ですが、私たちが目にする殆どが園芸種なんです。
長さん
離島で生息してきた植物は独特な進化を続けたものが多いようです。
長さん
私はクサアジサイの花を見たことがないのです。このアマミクサアジサイと、西表島に分布するオオクサアジサイはこの植物園で見ましたが。
フジバカマは殆どが園芸種ですよね。ここのは本物だと信じています。
長さん
やはり離島では、独特な進化が起こりうるのですね。その変化の程度は研究者にしか分らないものもあるのでしょう。
ミズキンバイは中国に分布の中心があり、イネが伝わる前には伝来していたらしいです。
長さん
アマミクサアジサイ、一輪でも花が咲いていれば良かったのですが。これは花後か、もしかすると、つぼみかも知れません。
ミズキンバイは爽やかな黄色の花で、綺麗ですよ。
タムラソウはセージやサルビアの仲間ですが、そう言われてもピンときませんよね。
長さん
植物園でも希少種が栽培を続けているところは少ないですね。
新宿御苑の温室でも希少種が育てられていますね。
月奏曲
ホソバオグルマ、花弁半分とか変わってるお花だと思ったら状態が悪かったのか…よく考えたらそうですよねぇ…
うふふ
知っていたのはフジバカマぐらいでしょうか。
希少植物はたくさんありますね。
ここにも蝶を放したら、増やす役目をしてくれるかな?
長さん
フジバカマはポピュラーですが、他は希少植物ですから、見たことがないものが多いでしょうね。
ホソバオグルマ、花弁が何枚か脱落していました。
長さん
フジバカマは園芸種が出回っているので、よく見かけると思いますが、他は珍しい部類でしょうね。
植物園で蝶を放つのは交雑種が出来てしまう可能性があるので、ちょっと困りますね。
ジュン
絶滅危惧が多く管理が大変ですね
すーちん
フジバカマとヒヨドリバナ
迷う事多いですー^^
nobara
アキノタムラソウの姫版?
もともとのタムラソウとは全く違いますもんね(*^-゚)⌒☆
アマミタムラソウも楚々としていますね。
ホソバオグルマも細いですね。頭花はオグルマですね。
ケサヤバナはアキノタムラソウとヤマハッカをごちゃまぜにしたみたい(^o^)丿
目黒のおじいちゃん
さすが希少な花々を揃えていますね。
先年横浜の川でミズキンバイを見ました。
長さん
日本ではおよそ1700種類が絶滅危惧種と言われてるので、この植物園でもかなりの品種を管理していると思われます。
長さん
フジバカマとヒヨドリバナ、良く似ていますよね。フジバカマの方が少し茶色っぽいかも。
長さん
ヒメタムラソウはアキノタムラソウと同属ですが、タムラソウはアザミの仲間ですね。
ホソバオグルマは葉の幅がオグルマより狭いと言うことですが、はなも一回り小さいようです。
ケサヤバナは花の先端が尖ったような感じですね。
長さん
横浜でミズキンバイをご覧になりましたか。それは貴重ですね。