9月5日に行ったつくば植物園で見た花などを紹介しています。
今回も、多目的温室で開催中の「亜熱帯の希少植物展」の続きです。
オキナワヤブムラサキ(沖縄藪紫)
シソ科ムラサキシキブ属の落葉低木。絶滅危惧Ⅱ類(VU)
沖縄の山地の林内、林縁に分布。日本固有変種
花期は5~6月。花冠の長さは3mm
アカハダクスノキ(赤肌楠、赤膚樟)
クスノキ科アカハダクスノキ属の常緑高木。準絶滅危惧(NT)
琉球列島~台湾に分布
樹幹は灰褐色で、鱗片状に剥がれ、新しい樹皮は暗紅色(写真中央)
ヤエヤマラセイタソウ(八重山羅背板草)
イラクサ科カラムシ属の多年草。準絶滅危惧(NT)
八重山諸島固有種で、石垣島、西表島及び与那国島にのみ分布
花期は3~5月。雌雄異株で、写真は雌株らしい
マルバハタケムシロ(丸葉畑蓆)
キキョウ科ミゾカクシ属の常緑多年草
琉球列島の固有種。絶滅危惧ⅠB類 (EN)
沖縄島では絶滅。最近、久米島で再確認。花径は1cmに満たない
ヒメスイカズラ(姫吸蔓)
スイカズラ科スイカズラ属の常緑または半落葉性の低木
琉球列島の固有種。絶滅危惧IA類(CR)
花期は4~9月。花はスイカズラより一回り小さい
ヤエヤマスズコウジュ(八重山鈴香需)
シゾ科シキクンソウ属の多年草。絶滅危惧II類(VU)
台湾、琉球列島(沖縄島、与那国島)の海岸近くの低地に分布
花期はほぼ周年。花径は10~13mm。ピンクの花だが、これは白花種?
インドヒモカズラ(印度紐蔓)
ヒユ科インドヒモカズラ属のつる性の亜低木。絶滅危惧IA類(CR)
宮古島・八重山諸島、台湾、中国~インドに分布
花は小さく目立たない。写真は白い実(径は3mmくらい)
シマザクラ(島桜)
アカネ科シマザクラ属の常緑低木。準絶滅危惧(NT)
小笠原列島の固有種。花期は7~9月。花径は1cm
オオシマガンピ(大島岩菲)
ジンチョウゲ科ガンピ属の落葉低木。絶滅危惧IA類(CR)
日本固有種(奄美大島、徳之島)
花期は7~8月。花径は8mm。花弁に見えるが、4裂した黄色い萼片
(つづく)
この記事へのコメント
river
寿々木
ロシアンブルー
本州では殆どお目に明かることのない植物ですね。
つくば植物園ではその希少さでも残って行けますね。
小笠原の島ザクラも固有種、めずらしいですね。
はるる
ヒメスイカズラも繊細な感じです。
インドヒモカズラ、おもしろい実ですね。
オキナワヤブムラサキというのがあるんですか。
珍しいものばかり、植物園はさすがにすごいところですね。
長さん
主に離島に分布する絶滅危惧種ですから、普段目にするというわけにはいきませんね。こういう機会は貴重です。
長さん
キガンピには出会ったことがありませんが、寿々木さんのブログで毎年拝見しています。
長さん
つくば植物園では絶滅危惧種の研究が行われているので、その保全や育成に力を入れています。こうした希少植物を見る事が出来るのはそのお陰です。
シマザクラはアカネ科の植物ですが、桜の花には全く似ていませんね。
なおさん
沖縄はまだ未踏の地で、そうそう行ける気もしないので、「島唄」という泡盛や久米島の泡盛「久米仙」など呑んで、気分だけでも行った気になっています。川越にも沖縄料理の楽しめる居酒屋さんが何軒かありますので、そういうところに行くのも良いですねえ。
長さん
つくば植物園では絶滅危惧種の研究を行っていますが、その収集数は恐らく日本では最大だと思います。
長さん
沖縄はまだ未踏の地でしたか。夏は暑いし、秋は台風が来るのでお勧めしませんが、ヒカンザクラの咲く頃は如何でしょうか。勿論、本場の沖縄料理と地酒を現地で味わうのもお勧めです。
月奏曲
八重山・琉球と・離島だとやはり独自種が残るんですかねぇ…
人が移動するようになると人について外来種が…とかで駆逐されちゃうのかなぁ…
長さん
離島はやはり人が少ないし、土地が開発できないところあるし、と言うことで、希少な植物が残っているのですね。それでも、徐々に減ってきているそうです。
うふふ
今回は南の島の絶滅危惧種を集めたのでしょうか。
分布しているところを見て、そう感じました。
どのお花も小さいうえに、一生懸命咲いているように見えて可哀そうになりましたよ。
長さん
今回は南西諸島の品種が多かったですが、小笠原諸島の絶滅危惧種も集められています。
普段、ひっそりと咲いている植物たちですから、多くの人たちに見てもらえると、嬉しがっているように見えましたよ。
信徳
一度も足を踏み入れていませんので初見の草花ばかりです。
台湾も南の高雄でしたから亜熱帯は余り出掛けませんでした。
nobara
ヤブムラサキにしては花の付きがたっぷりですね。
ラセイタソウもこちらのはごっつい感じですが
これは可愛いですね。
マルバハタケムシロ、可愛いですね☆彡
ミゾカクシって感じです。
シマザクラのりぼん状の花弁が変わっていますね。
オオシマガンピも凄いお花!(萼片)
帯状化したのかと思うくらいですね。
長さん
沖縄本島はまだしも、奄美諸島や琉球列島にはあまり行く機会もないので、こうして紹介して戴けると良いですよね。
台湾の高雄も亜熱帯ですから、絶滅危惧種がたくさんありそうですね。
長さん
オキナワヤブムラサキは茎の先に集散花序を付けますが、ヤブムラサキは葉腋から花序がでるので、花は少ないですよね。
内地のラセイタソウは雄花序も雌花序も大きいですが、ヤエヤマラセイタソウはこぢんまりしている感じです。
マルバハタケムシロは写真で拡大すると大きい花と錯覚しそうです。
シマザクラ、どうして桜と付いたのか、疑問を感じました。
オオシマガンピは花付きが大変多かったです。
イッシー
流石に希少種は見たことない花ばかりですね~。
植物園はやはりありがたいですね。
信徳
台湾は北回帰線のある嘉義より北が亜熱帯、それより南が熱帯に分類されています。高雄は熱帯なんですよ。
沖縄、奄美、台北など亜熱帯には余り出たことがなくもっぱら熱帯の高雄、シンガポール、マレーシア、タイで仕事やったり遊んでいました。亜熱帯の植物は初見が多いです(笑)。
すーちん
シマザクラ、桜らしくないですね^^
ニオイ桜有りますが桜らしくないです^^
長さん
絶滅危惧種は花が小さいものが多いのかもしれませんね。今回も、初めて見る植物が多かったです。
長さん
高雄は熱帯でしたか。香港が亜熱帯なので、それと同じくらいの緯度の台湾は全域が亜熱帯だと思っていました。それは失礼しました。
長さん
シマザクラは花弁が細いので、なぜ桜と名が付いたのか疑問ですね。その点、ニオイザクラの花はピンクだし、筒状花の先端は5弁になっているので、納得なんですが・・・。
ジュン
お花を見せていただきました
長さん
初めての花に出会うと、何故かワクワクしてしまいます。