くらしの植物苑「伝統の朝顔展」にて(1) 変化朝顔の色々(正木系統)

IMG_4145.JPG 8月11日に、千葉県佐倉市にある国立歴史民俗博物館に行ってきました。その敷地内にある「くらしの植物苑」で開催されている特別企画「伝統の朝顔展」を見るためです(企画展の内容はこちら)。ここは、昨年、古典菊の色々を見に行ったところです。
 実は、8月4日にも行ったのですが、良い状態のアサガオが少なく、出直しました。なお、新型コロナ対策として、受付で検温をされ、入館者確認票の提出を求められました。

 植物苑の入口で、3色のルコウソウが咲いていました。白は初めて見ました。


ルコウソウ(縷紅草)
ヒルガオ科サツマイモ属の非耐寒性つる性多年草。原産は熱帯アメリカ
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先ずは、東屋(写真)内に展示された変化朝顔の色々を見学しました
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東屋の内部の展示です。パネルの説明は光の反射で上手く写りません
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展示された変化朝顔のうち、正木系統(=種が出来るもの)です
花や葉の形(変化)については、末尾のイラストをご覧下さい

団十郎
花:栗皮茶、丸咲、大輪
葉:黄、蝉葉
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源平
花:白地、紅時雨紋、咲分、大輪
葉:黄、斑入、蝉葉、青軸
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千羽鶴
花:紅、縞、丸咲、大輪
葉:黄、斑入、蝉葉
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花王
花:桃、覆輪、丸咲、大輪
葉:黄、斑入、蝉葉
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松1510
花:茶、刷毛目絞、丸咲、大輪
葉:黄、斑入、蝉葉
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輝55
花:紫、吹掛絞、丸咲、大輪
葉:黄、斑入、蝉葉
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初嵐
花:紺、縞、丸咲、大輪
葉:黄、蝉葉
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初霜
花:浅葱、吹掛絞、丸咲、大輪
葉:黄、斑入、蝉葉
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右近
花:淡黄、やや縮み咲、中輪
葉:青、斑入、蝉葉
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< 変化朝顔の葉と花の形 > 会場で頂いたパンフから
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ヒメノアサガオ(姫野朝顔)
ヒルガオ科サツマイモ属の多年草。台湾、中国南部、熱帯アジアに分布
沖縄島以南で帰化状態。花径は2cmくらい、花色は白または淡黄
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モミジヒルガオ(紅葉昼顔)
ヒルガオ科オオバアサガオ属のつる性常緑多年草
北アフリカ原産で、熱帯アジア〜アフリカに広く分布。沖縄で帰化状態
別名:タイワンアサガオ、モミジバヒルガオ、モミジバアサガオ
花径は5cm程度になる。葉は掌状に5裂し、モミジの葉には似ていない
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 8月11日撮影。
 次回は、出物系統の変化アサガオを紹介します。
(つづく)

この記事へのコメント

  • イッシー

    朝顔っていいですよね~。情緒ありますね。
    入谷の朝顔市などは中止になっているようですから
    貴重な展示ですね。
    2020年08月12日 12:25
  • river

    変化アサガオは江戸の文化・文政時代から明治の初めごろまでは全国各地で作られていたようです。でも今ではごく一部の研究者や愛好家によって保存されているにすぎませんね。単純な変化を示すグループと複雑な変化を示すグループがあります。後者は種を付けませんから劣性遺伝子を持つ正常な親から種を採り変化株が現れるのを期待します。確率は低いです。江戸時代にはメンデルの法則は知られていなかったようですが経験からそのことを知っていたのですね。
    2020年08月12日 13:48
  • 寿々木

    ルコウソウの花聞いたことあるのですが。見た記憶はありません。綺麗な花です。アサガオにもマニアがいて品種改良をしてらっしゃるのですね、素晴らしいです。
    2020年08月12日 14:46
  • mina

    こんにちわ
    アサガオも色々種類があり
    綺麗ですね
    夏の代表ですね
    ヒメノアサガオは珍しいですね
    2020年08月12日 15:23
  • nobara

    ルコウソウ3色。揃って見られて良かったですね
    団十郎、松1510、小豆色っていうんでしょうか、かなり渋い色ですね。
    絞りや斑入りなど多彩ですね~(*^-゚)⌒☆
    モミジヒルガオは沖縄・石垣島あたりで見かけました。
    アサガオも愛好家が多いみたいですね。
    薩摩も肥後もかなり盛んだったようですね。
    この頃、学校などでアサガオ観察研究しないのでしょうか?
    今年はこういう事態でやらなかったのかしら?
    小学生が夏休みに持ち帰っていましたよね~???
    2020年08月12日 18:01
  • 降魔成道

    変化朝顔は実に多様ですね。江戸時代から始まったと何かで読みましたが、多くの人が夢中になって品種改良に取り組んだのでしょうかね。
    2020年08月12日 18:56
  • はるる

    ルコウソウこうして色もたくさんあると。よりきれいで可愛いです。変化アサガオ、実にいろいろあるものですね。つくりもののようです。色の出具合がとてもきれいです。
    出直されたのですか。お気持ちわかります。
    2020年08月12日 19:51
  • 長さん

    イッシーさん、コメントありがとうございます。
    この植物苑は変化アサガオの種をつくることで、遺伝する形質を後世に伝えようとしています。国立機関ならではの取り組みですね。
    2020年08月12日 20:43
  • 長さん

    riverさん、コメントありがとうございます。
    この植物苑では1990年から毎年、変化アサガオの実物を展示してきているそうです。頂戴したパンフレットにも変化アサガオの歴史などが解説されていますが、本館には近世から現代に至る歴史資料をパネル等で展示しているそうです。
    2020年08月12日 20:48
  • 長さん

    寿々木さん、コメントありがとうございます。
    ルコウソウは星形の綺麗な花が咲きますが、深く切れ込んだ穂も特徴がありますね。東山動植物園でも展示がないですか。
    ここは国の施設で、新しい変化アサガオを作り出すことも行っています。
    2020年08月12日 20:51
  • 長さん

    minaさん、コメントありがとうございます。
    アサガオは変化しやすい植物だそうで、花は勿論、葉の形にも色々な変化が出ます。
    ヒメノアサガオは私も初めて見ました。
    2020年08月12日 20:52
  • 長さん

    nobaraさん、コメントありがとうございます。
    ルコウソウはあまり見かけませんから、白い花が貴重ではないでしょうか。
    団十郎や松1510は茶色の花です。色の変化や斑の入り方、更には葉の変化など、遺伝する品種だけでもかなりの数があるようです。
    モミジヒルガオは沖縄でかなり増えているようですね。
    毎年1年生は学校で種蒔きから実習し、夏休み前には鉢を持ち帰ります。今年はコロナで休校になりましたから、保護者に種や鉢、支柱のキットが配布されたようです。
    2020年08月12日 20:59
  • 長さん

    降魔成道さん、コメントありがとうございます。
    変化アサガオは江戸時代に大発展を遂げましたが、明治以降、廃れた時期があり、その後、愛好家の手によって復元の努力がされたようです。最近は小さなブームになっているようですよ。
    2020年08月12日 21:01
  • 長さん

    はるるさん、コメントありがとうございます。
    ルコウソウの花は赤、ピンク、白の3色だそうで、それが全部咲いていました。
    変化アサガオは実に多様なものがあり、種で遺伝子が受け継がれていきます。しかし、突然変異で形質が遺伝しないものもたくさんあるようです。
    2020年08月12日 21:04
  • なおさん

    いにしえは牽牛子(けにごし)と呼ばれて下剤に用いられたアサガオですねえ。牛と引き換えにするほど貴重なものだったのかなあ、とも思うのですが、いにしえはなかなか手に入らないものだったのかもしれません。

     古典園芸植物としての変化朝顔は、マニアの世界のハナシですよねえ。一般には、小学生の朝顔観察に使うのとか、ヘブンリーブルーなどを咲かせる方が楽しいと思うのですが、国立の機関ともなると、そのマニアの世界も追求しないといけないのでしょうね。
    2020年08月12日 21:48
  • 月奏曲

    ああ最近入館時検温はなんかスタンダード化してきてますねw

    おお!なんか変w
    萎びてるみたいwww面白いですねぇ…
    (´ε`;)ウーン…そういやアサガオ展とかだとみかけますがあまり世間では見かけない気が…難しいのかマイナーなのか…

    昔チューリップバブルみたいなことあって廃れちゃったとか?
    2020年08月12日 21:57
  • うふふ

    ルコウソウが3色揃っていると余計に可愛らしく感じますね。
    サツマイモ属とは意外です。
    変化朝顔はいろいろな姿かたちがあって楽しいですね。
    江戸時代の武士も品種改良に一生懸命だったと聞きましたが、その気持ちがなんとなくわかるような気になります。
    2020年08月12日 22:34
  • 長さん

    なおさん、コメントありがとうございます。
    アサガオは日本原産の植物ではなく、奈良時代に中国から渡来し、薬草として用いられたのが始まりということですから、昔は貴重品だったのですね。
    そのアサガオが観賞用となったのは江戸時代で、世界でも類を見ないと言うことですから、そういう文化を残していくのも国利機関の役割なんでしょうね。
    2020年08月12日 22:59
  • eko

    ルコウソウが3色揃って咲いて良いですね。
    「伝統の朝顔展」変化アサガオが色々見られて良いですね。花色、花姿、葉の形など様々ですね。団十郎の花色がシックで素敵です。
    2020年08月12日 23:02
  • 長さん

    月奏曲さん、コメントありがとうございます。
    おでこの温度を測るのは一瞬ですから、こちらも助かります。
    一般に売られているのはスタンダードのアサガオで誰でも咲かせることが出来るものですね。
    今回紹介したのは、現代ではどちらかというと、マイナーな品種でしょうね。
    2020年08月12日 23:02
  • 長さん

    うふふさん、コメントありがとうございます。
    ルコウソウはあまり見かけない植物ですから、3色揃って咲いているのは貴重ですね。アサガオと同じ仲間とは考えにくいですよね。
    娯楽の少ない江戸時代は園芸が盛んだったのですね。桜の品種改良なども江戸時代ですね。
    2020年08月12日 23:06
  • 長さん

    ekoさん、コメントありがとうございます。
    ルコウソウ、3色揃って咲いているのを見たのは初めてです。ekoさんは先日、マルバルコウを取り上げておられましたよね。
    変化アサガオはこういう展示会以外では見る事が出来ないので、興味津々です。
    2020年08月12日 23:13
  • mori-sanpo

    ルコウソウは魅力ある花ですが、3色の花が揃って咲いていたとは、ラッキーでしたね。
     佐倉市には、以前、総武線で通勤していた仲間たちと出かけたことがありましたが、江戸時代の佐倉藩の歴史に再認識させられたことがありました。
     変化朝顔の色々は興味深いです。
    2020年08月13日 06:17
  • すーちん

    おはようございます
    アサガオ鑑賞
    時間が難しいですね
    作者は一番良い所を見せ
    たいでしょう
    2020年08月13日 07:55
  • 秋月夕香

    おはようございます。大変ごぶさたしております。忘れずにブログにご訪問頂きありがとうございます。
    ルコウ草、白はぞんじていましたが、ピンクは初めてみました。
    赤は一般的ですね。
    2020年08月13日 08:54
  • 長さん

    mori-sanpoさん、コメントありがとうございます。散歩
    ルコウソウの赤は一般的ですが、ピンクや白は珍しいですね。
    この歴史民俗博物館とくらしの植物苑は佐倉城趾の一角に位置していて、空堀痕なども見られます。
    2020年08月13日 09:26
  • 長さん

    すーちんさん、コメントありがとうございます。
    アサガオは早朝に咲いて、午後には萎み始めますからね。つぼみの具合を見ながら、職員が鉢を置き換えているようです。
    2020年08月13日 09:28
  • 長さん

    秋月夕香さん、コメントありがとうございます。
    ルコウソウの赤や白をご覧になったことがありますか。なかなか3色同時というのは見られませんよね。
    新作の童話、筆が進んでいますか?
    2020年08月13日 09:31
  • グランドマザー2

    こんにちわ^@^
    伝統の朝顔展だけあって どの朝顔もきれい!!
    花の大きさも立派ですね この展示会のために皆さん丹精込めて花づくりをなさるんですね
    入谷の朝顔市にはみに行ったことがありますが
    絞りの朝顔は初めて見せていただきました
    やはり朝顔の花は朝が見ごろなのですか?
    2020年08月13日 10:38
  • ロシアンブルー

    おはようございます。
    ルコウソウ、正確な五角形の可愛いお花ですね。
    変化朝顔展にお出かけでしたか、団十郎は落ち着きのある色で花も大きいですね。
    葉っぱの形で花弁も変わってきますね~、江戸、明治と粋な職人さんに魅せられてしまいます。
    愛好家にとってワクワクしながら挑戦してきたんでしょうね。
    向島百花園に行きたくなりました。
    2020年08月13日 10:48
  • 佐久良 爽

    こんにちは。
    私はアサガオが大好きで、若いころ切込み作りも経験していますが、伝統の朝顔作りも年々廃れていくご時世で寂しい思いをしています。
    それでも今こうして栽培が受け継がれているのを見ると嬉しく思います。
    2020年08月13日 11:08
  • ジュン

    3色揃い綺麗です
    正木系統の朝顔も種類が多いのですね
    種が出来るのが正木系統覚えました
    2020年08月13日 11:11
  • 長さん

    グランドマザー2さん、コメントありがとうございます。
    正木系統の大輪種を並べてみました。これは愛好家の作品ではなく、国立歴史民俗博物館が行う育種の仕事の成果なんです。絞りも変化の一つなのですね。
    2020年08月13日 20:48
  • 長さん

    ロシアンブルーさん、コメントありがとうございます。
    ルコウソウ、小さな花です。3色同時に見る事が出来て良かったです。
    茶色の花弁が出るアサガオは珍しいですよね。花の形や葉の形は関連がありそうですね。
    江戸時代には町民も武士も変化アサガオ作りに夢中になったそうです、
    2020年08月13日 20:51
  • 長さん

    佐久良 爽さん、コメントありがとうございます。
    変化アサガオを育てた経験がおありですか。
    国の機関がこうして変化アサガオの伝統を守り続けてくれるは良いことですよね。
    2020年08月13日 20:53
  • 長さん

    ジュンさん、コメントありがとうございます。
    ルコウソウの3色が一度に見られて良かったです。
    正木系統は必ず種が出来ますが、出物系統の中にも種が出来るものがあり、それが親木と呼ばれて、受け継がれています。
    2020年08月13日 20:55
  • ミキ

    団十郎という朝顔は当代の団十郎が歌舞伎で着ていた
    衣装の色だそうです。TVでやっていたのですが、
    その時はつぼみが開かなくて・・・花色が
    見られませんでしたが、素敵な栗皮茶色なのですね。
    確認出来て嬉しいです、ありがとうございました。(^^♪
    2020年08月13日 23:43
  • 長さん

    ミキさん、コメントありがとうございます。
    TVで変化朝顔についてしょうかいされていましたか。団十郎の茶色は歌舞伎の衣装から着ていたのですね。それは知りませんでした。お知らせ、ありがとうございます。
    2020年08月14日 09:38
  • コスモス

    伝統の朝顔展に行かれましたか。
    朝顔の葉の形もいろいろあるんですね。
    団十郎という名の茶色の花が珍しいと思いましたが、
    衣装の色からきているんですか。
    ルコウソウも好きな花ですが、3色同時に見られるなんて良かったですね。
    2020年08月15日 09:12
  • 長さん

    コスモスさん、コメントありがとうございます。
    変化朝顔というと花に目が行きますが、葉の形や斑の入り方とも関係してくるのだそうです。茶色の花が咲くアサガオは珍しい方ですね。
    歌舞伎の一門、市川家の色はいわゆる柿渋色で、これを団十郎茶と言うそうです。
    ルコウソウ、3色揃うのは珍しいです。マルバルコウの黄色も咲いていたので、後日アップします。
    2020年08月15日 10:43

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