5種類のウスユキソウ、ハコネギク、イブキフウロ、シラネニンジン、カラフトゲンゲ、コマクサ、リシリヒナゲシなど

井頭公園・花ちょう遊館の高山植物館にて(4)
 栃木県真岡市の井頭公園内にある「花ちょう遊館」にある、関東で唯一の高山植物館で見た花を投稿しています。
 ウスユキソウが5種類咲いていたので、日本産は分布地が北から順に並べました。


エゾウスユキソウ(蝦夷薄雪草)
キク科ウスユキソウ属の多年草。別名:レブンウスユキソウ(礼文薄雪草)
北海道の礼文島、藻琴山、ニペソツ山、釧路町昆布森に分布し
花期は7~8月。頭花の径は6mm。絶滅危惧IB類 (EN)
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オオヒラウスユキソウ(大平薄雪草)
キク科ウスユキソウ属の多年草。北海道(大平山、夕張山地)に分布
日本ではエーデルワイスに最も近い種類。絶滅危惧II類 (VU)
雌雄異株の傾向がある。花期は8月。頭花の径は3.5~4.5㎜
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ハヤチネウスユキソウ(早池峰薄雪草)
キク科ウスユキソウ属の多年草。花期は7~8月。絶滅危惧IB類 (EN)
岩手県早池峰山特産で、山頂部の蛇紋岩地の礫地に生える
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ホソバヒナウスユキソウ(細葉雛薄雪草)
キク科ウスユキソウ属の多年草。至仏山と谷川岳の蛇紋岩地帯などに分布
ミヤマウスユキソウの変種。花期は6~7月
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コウライウスユキソウ(高麗薄雪草)
キク科ウスユキソウ属の多年草
朝鮮半島の雪岳山(北朝鮮と中国の国境)に分布。花期は5~6月
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ハコネギク(箱根菊)
キク科シオン属の多年草。本州(関東・中部)の山地の草原に生える
箱根では駒ヶ岳など山頂の草原に多い
花期は8~9月。花径2~2.5cm。別名:ミヤマコンギク
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イブキフウロ(伊吹風露)
フウロソウ科フウロソウ属の多年草。本州(中部地方以北)に分布
エゾフウロの変種で、花弁の先端が三浅裂したもの。花期は7月~8月
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シラネニンジン(白根人参)
セリ科シラネニンジン属の多年草。北海道、本州(中御地歩以北)に分布
日光白根山で初めて採集されたことによる名づけ
別名:チシマニンジン。花期は7-9月
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カラフトゲンゲ(樺太紫雲英)
マメ科イワオウギ属の多年草。北海道礼文島、大雪山系、日高山脈に分布
別名:チシマゲンゲ。花期は6~8月。花冠の長さは1.5cm
残念ながら、花茎の上がが折れていた
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アサギリソウ(朝霧草)
キク科ヨモギ属の常緑多年草。北陸地方や東北地方以北の岩場に分布
黄緑色の花が咲く(見たことはないです)。花期は8月~9月
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コマクサ(駒草)
ケシ科コマクサ属の多年草。日本では北海道から中部地方の高山帯に分布
高山植物の女王と呼ばれる。別名:カラフトコマクサ(樺太駒草)
花期は5~7月。花径は2~4cm
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リシリヒナゲシ(利尻雛罌粟)
ケシ科ケシ属の多年草。北海道利尻山の特産
別名:ミヤマヒナゲシ。花期は7~8月
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 8月19日撮影。
(つづく)

この記事へのコメント

  • 寿々木

    ウスユキソウにもいろいろあるのですね、エゾウスユキソウ以外出合ったことありません。スイス三大名花の一つエーデルワイスは高麗ウスユキソウに少し似てますが、白い部分が八重ではありませんし中心部の花は黄色です。コマウスユキソウは木曽駒の極楽平の尾根に生えています。エゾウスユキソウは礼文島桃山近くの尾根に立つ小屋の海側で見ました。
    2020年08月26日 14:08
  • ロシアンブルー

    こんにちわ。
    各地のウスユキソウ、花もけっして目立つ色ではないのですが、ネーミングが良いですね。
    コマクサを登山中に見たときは、嬉しかったです。
    白根山で見たときは人の手が加わった感じがするほどたくさん見かけましたが、それも仕方ないかなと思いました。
    2020年08月26日 16:35
  • mina

    こんにちわ
    高山植物館ですか。
    沢山の種類の植物があるんですね
    カラフトゲンゲ、可愛いお花ですね
    >花茎の上が折れていた
    可哀そうに・・・
    2020年08月26日 16:57
  • river

    5種類のウスユキソウが1度に見られるのは貴重ですね。ヒナウスユキソウ、チシマウスユキソウ、ミネウスユキソウなどがあれば完璧ですね。エーデルワイスは種が売られているので何回か挑戦して開花させたのですが長持はしませんでした。
    コマクサは各地にありますが草津白根山に大群落があります。
    2020年08月26日 17:28
  • はるる

    ウスユキソウにも種類があり、それがいろいろ揃っているのがいいですね。アサギリソウ、花も見たかったですが、葉だけでもきれいです。リシリヒナゲシ、場所の名前がつくんですね。他の花もそうですが。高山植物館、たくさんあちこちにできるといいのにと思います。とにかく珍しいものがいっぱいで楽しいですね。
    2020年08月26日 18:21
  • 信徳

    今晩は!
    ウスユキソウ,所変われば品変わるで風貌が夫々に特徴が
    有りますね。環境に良く合致しているのでしょう。
    今日は暑かったので11時頃家を飛び出し赤城山にアケボノソウを見に行ってきました。
    エゾリンドウ、トリカブトも咲き赤城山は秋になってきました。
    2020年08月26日 19:37
  • なおさん

    昔、谷川岳の尾根でホソバヒナウスユキソウの花を見ました。普通のウスユキソウも長野の高原で見たことがあります。

     アサギリソウやハコネギクは挿し芽も容易で株分けでも増やせますね。アサギリソウの場合、株が老化しないとなかなか咲かないようで、以前育てた時も花は咲きませんでした。
    2020年08月26日 20:16
  • 長さん

    寿々木さん、コメントありがとうございます。
    ウスユキソウも色々な地域変種があるのですね。エーデルワイスはスイスアルプスでも減少しているそうで、自生のものは見る事が出来ませんでした。
    コマウスユキソウはハッポウウスユキソウに似ているそうですね。
    エゾウスユキソウは北海道では出会えませんでしたが、箱根湿性花園で見たことがあります。
    2020年08月26日 20:52
  • 長さん

    ロシアンブルーさん、コメントありがとうございます。
    ウスユキソウは花が咲いているのか、いないのか、よく分らない花ですね。
    コマクサの自生地は個体数が少なくなって、移植が行われているところが多いそうです。
    2020年08月26日 20:54
  • 長さん

    minaさん、コメントありがとうございます。
    この高山植物館は狭いですが、植物の多さでは他の植物園と引けを取らないようです。
    カラフトゲンゲ、初めて見ました。本来は花穂が伸びるのですが、これは一番下しか咲いていませんでした。
    2020年08月26日 20:56
  • 長さん

    riverさん、コメントありがとうございます。
    場所が狭いので、開花株のみが展示されている可能性が高く、他のウスユキソウもここに集められているのかも知れません。
    エーデルワイスは種が売られていますか。高山植物は育てるのが難しいですよね。
    2020年08月26日 21:00
  • 長さん

    はるるさん、コメントありがとうございます。
    ウスユキソウが一ヵ所でこれだけ見られるのは貴重ですよね。
    アサギリソウはなかなか花が咲かないそうですよ。
    高山植物はその厳しい環境に対応して、地域変種が出来るようです。
    高山植物はこの温室のように温度管理を徹底させないと継続展示は難しそうです。
    2020年08月26日 21:05
  • 長さん

    信徳さん、コメントありがとうございます。
    高山植物は生存環境が厳しいためか、生き残るために地域変種を作るという進化をしたのでしょうね。
    赤城山に登られましたか。アケボノソウが咲いていましたか。
    この植物館にはトリカブトはなかったですが、エゾリンドウは次回に登場します。
    2020年08月26日 21:11
  • 長さん

    なおさん、コメントありがとうございます。
    ホソバヒナウスユキソウを本場の谷川岳でご覧になりましたか。ヨーロッパアルプスには何度か行ったのですが、エーデルワイスの自生は見る事が出来ませんでした。
    アサギリソウは古くならないと花が咲かないのですか。道理で見たことがないわけだ。
    2020年08月26日 21:17
  • 月奏曲

    コウライウスユキソウが綺麗ですね。
    イブキフウロかわいいw

    あ~高山植物だなぁ…みたいなお花ばかり(当たり前だけどw)ですね。
    この並びでみるとコマクサって派手ですね
    2020年08月26日 21:23
  • eko

    ウスユキソウも地域によって変異がありますね。こうして並べて見せて頂くとよく分かります。
    イブキフウロやコマクサは可愛いですね。
    カラフトゲンゲは初見です。花茎の上が折れていて残念ですね。
    アサギリソウは一度だけ花を見たことがあります。花は無くてもこの緑色が美しいですね。
    2020年08月26日 21:26
  • うふふ

    ウスユキソウと言ってもいろいろあるのがわかりました。
    絶滅危惧種になっているのが切ないですね。
    可愛らしいお花だけに、頑張っていてほしいです。
    伊吹フウロは植物園で見たことがあります。
    その時、名前に伊吹とつく植物は思っている以上に多いので感心していました。
    高山植物館で開花調整をして、冬でも見られるのは嬉しいですね。
    2020年08月26日 21:45
  • 長さん

    月奏曲さん、コメントありがとうございます。
    どの花も一株くらいしかないのに状態が良いものが多く、頻繁に植え替えられている気配が伺えます。
    コマクサは咲いている花の中で、色が良いのを選びました。
    2020年08月26日 21:53
  • 長さん

    ekoさん、コメントありがとうございます。
    ウスユキソウは地域変種が多いですね。
    イブキフウロやコマクサは伊吹山でも見られるでしょうね。
    私もカラフトゲンゲは初めて見ました。
    アサギリソウの花をご覧になりましたか。なかなか咲かないそうで、ラッキーでしたね。
    2020年08月26日 21:57
  • nobara

    ウスユキソウも多彩なんですね(*^-゚)⌒☆
    ハコネギクが咲いていましたか。
    イブキフウロ、かわいいです
    シラネニンジンも繊細ですね。
    コマクサ、乗鞍で見ました。あそこは自然に出現?
    高山性の植物もなかなか条件が整わないと~ですね。
    2020年08月26日 22:01
  • 長さん

    うふふさん、コメントありがとうございます。
    ウスユキソウの自生地はどこも厳しい環境ですからね。少なくなるのは温暖化の影響があるかもね。
    伊吹山は地質的に古い山で、ここで発見されて学会に報告されたものが多いそうです。30種類以上あるらしいです。
    ここでフユはどんな花が咲くのでしょうね。
    2020年08月26日 22:02
  • 長さん

    nobaraさん、コメントありがとうございます。
    日本にはこの他にもウスユキソウの品種があるそうです。
    ハコネギクも高山に分布する植物だったのですね。
    イブキフウロには小さな昆虫が止まっていました。
    シラネニンジンは草丈がせいぜい30cmですから、他のセリか植物から比べると小さいですね。
    乗鞍岳のコマクサは明治時代に採り尽くされたそうで、今見られるのは移植したものらしいです。
    2020年08月26日 23:15
  • イッシー

    ウスユキソウの仲間が多いですね。
    あまり区別を気にしてなかったのですが微妙に違いますね。
    ほんとだ~冬でも見られるって書いてありますね。
    今度はいつ行こうかな。
    2020年08月27日 07:19
  • すーちん

    おはようございます
    園芸種のコマクサ
    毎年さきますが
    女王の様には咲きません^^
    2020年08月27日 07:49
  • 長さん

    イッシーさん、コメントありがとうございます。
    ウスユキソウもソウですが、高山植物は隔離された環境で育つので、地域変種が出来やすいようです。
    冬にどんな花が咲くのか、私も興味がありますよ。
    2020年08月27日 11:44
  • 長さん

    すーちんさん、コメントありがとうございます。
    コマクサの園芸種を育てておられますか。ここの展示もそれに近いと思いますよ。
    2020年08月27日 11:46
  • 降魔成道

    エゾウスユキソウ、懐かしいですね。6年ほど前に大雪山系をお散歩した時に、エゾウスユキソウとチシマゲンゲを見ました。コマクサは秋田駒ケ岳などに普通に咲いているので毎年のように見ていますが、今年は少し早かったようで秋田駒ケ岳をお散歩した時に見ることが出来ませんでした。また来年です。
    2020年08月28日 23:01
  • 長さん

    降魔成道さん、コメントありがとうございます。
    エゾウスユキソウとチシマゲンゲは大雪山系を歩いた時の思い出の花ですか。私はチシマゲンゲは見たことがないです。
    コマクサの生前環境は厳しいですから、ある程度、人が守ってあげないと減少するでしょうね。
    2020年08月28日 23:26

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