くらしの植物苑「伝統の朝顔展」にて(4) 変化朝顔の色々(立木性) & マルバルコウソウ(黄花)、オグルマ、サクラオグルマ、メハジキ、サンザシの実など

 千葉県佐倉市にある国立歴史民俗博物館の「くらしの植物苑」で開催されている特別企画「伝統の朝顔展」でみた変化朝顔です。
 変化朝顔は花だけでなく葉や茎などにも変化が現れます。今回はつる性ではなく、木立性になったものを2種類紹介します。残念ながら、どちらにも花が咲いていませんでした。


正木系統 木立性1
花:藤紫、星咲。 葉:黄、常葉
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正木系統 木立性2
花:青、切咲、孔雀八重。 葉:青、乱菊葉
説明がないとアサガオとは思えない葉の形です
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正木系統 木立性3
花:濃紅、筒白、丸咲。 葉:青、水晶斑入、常葉
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正木系統 木立性4
花:藤、筒咲。 葉:青、蝙蝠南天葉
これも花がないとアサガオとは思えません
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 なお、同属にブラジル原産のキダチアサガオ(木立朝顔)があります。キダチチョウセンアサガオ(木立朝鮮朝顔)はナスなの別種です。

 以下は、変化朝顔以外の植物です。「くらしの植物苑」には、庭木として利用される樹木や、農作物、庭植えに向く草花が展示されています。


キバナマルバルコウソウ(黄花蔦葉縷紅草)
ヒルガオ科サツマイモ属のつる性一年草
熱帯アメリカ原産のマルバルコウソウの黄花種
黄花種は初めて見ました(普通種は、朱色で中心部のみ黄色)
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キキョウ(桔梗)
白と紫の他に、白と紫の縦絞りの花が混じっていました
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オグルマ(小車)
キク科オグルマ属の多年草。日本以外に、朝鮮、中国、ロシアなどに分布
花径は3~4cm。頭花は薬用に、葉は食用になる。  初めて見ました
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サクラオグルマ(佐倉小車)
キク科オグルマ属の多年草。オグルマとホソバオグルマの自然交雑種
牧野富太郎博士がこの佐倉市内で発見し、この名前が付けられた
花径は3~3.5cm。  初めて見ました
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メハジキ(目弾き)
シソ科メハジキ属の一年草または越年草。日本全土に分布
全草が婦人病、眼病などに利く薬草で、別名:ヤクモソウ(益母草)
花期は7〜9月ですが、もう実が出来ていました
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ヨメナ(嫁菜)
キク科シオン属の多年草。本州中部以西、四国、九州に分布
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サンザシ(山査子)の実
バラ科サンザシ属の落葉低木。中国原産。日本には1934年に朝鮮から渡来
果実は秋に赤く熟し、生食が可能。整腸薬として利用された
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5月に白い花が咲く
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 8月4日撮影。
(つづく)

この記事へのコメント

  • 寿々木

    オグルマ、初めて見ます。花を旋覆花と称し、稀に漢方で利尿、健胃、鎮咳去痰として用いるそうです。ヨメナですか、キク科の花は難しくヤマシロギク、イナカギクなどと見分けられません。
    2020年08月16日 13:32
  • なおさん

    変化アサガオ以外にもいろいろ興味深いものがあるのですね。オレンジのマルバルコウソウはあちこちで普通に見るのですが、黄色いのは見たことがありません。オグルマやサワオグルマは見たことがあるのですが、ご当地佐倉の名を冠したサクラオグルマというのがあるというのは知りませんでした。
    2020年08月16日 13:40
  • river

    木立性の変化アサガオは花がないとアサガオとは思えないですね。
    絞り咲きのキキョウは家にもあります。
    ヨメナはこちらにはありませんがカントウヨメナがあります。昔はどこにでもある雑草でしたが最近は皆さんが処分してしまうのでだいぶ少なくなってきました。仕方なく庭に植えたのですが妻が切り取ってしまいました。根は残ったのですが花が咲くかどうかは微妙です。
    2020年08月16日 13:47
  • 目黒のおじいちゃん

    長さん
    特別企画展拝読しています。
    アサガオも実に奥が深いのですね。
    オグルマによく似たカセンソウは梨ガ原でみかけますが
    オグルマは初めて見ました。少し繊細な感じ、
    サクラオグルマは更に繊細な感じですね。
    猛暑とコロナ不安の日々、
    どうぞ御自愛ください。
    2020年08月16日 17:27
  • イッシー

    やっぱり花が咲いてるのはいいですよね!
    我が家には土がなく(傾斜地なので全面コンクリで覆っている)普通は草も生えないのですが、水道の栓のところに少し土のようなものがたまりそこから、たぶん西洋朝顔だと思うけれど、つるが伸びていま3mくらいのところまで伸びてるんですがまだ花はつけてないんですが、どんな花が咲くかちょっと楽しみです。その他にも少ない植木鉢から今度は逆に葉っぱもすごく小さい朝顔が(もちろん植えた覚えない)芽を出していてこれも楽しみなんです。植物も育つ過程を見てると可愛いですね。
    2020年08月16日 18:55
  • 月奏曲

    葉っぱだけだとなにがなんやらw
    お花ついてると違うんでしょうね。

    サンザシ、漢方かと思ってましたが生で食べられるんだ(;^ω^)
    2020年08月16日 20:45
  • 長さん

    寿々木さん、コメントありがとうございます。
    私もオグルマとサクラオグルマを初めて見ました。
    キク科は似たようなものが多いので、名札がなければ名前が分らなかったでしょう。
    2020年08月16日 21:02
  • 長さん

    なおさん、コメントありがとうございます。
    黄色い花のマルバルコウは珍しいですね。私はオグルマもサクラオグルマも初めて見ました。
    国の機関だけに、種の保存には力を入れているようです。
    2020年08月16日 21:05
  • 長さん

    riverさん、コメントありがとうございます。
    木立性の朝顔にも花が咲いておらず、残念でした。
    ヨメナとノコンギクの見分けが出来ませんが、恐らくヨメナは殆どないと思います。白いヨメナは珍しいのでしょうね。
    カントウヨメナが被害に遭いましたか。生きていてくれると良いですね。
    2020年08月16日 21:09
  • 長さん

    目黒のおじいちゃん、コメントありがとうございます。
    木立性の変化朝顔にも花が咲いていれば良かったのですが・・・。
    カセンソウは何度か見ていますが、あれもオグルマ属でしたね。サクラオグルマは良く分枝するタイプのようです。
    都内は第二波が大きいです。おしいちゃんこそ、外出してコロナに感染しないようご注意下さい。
    2020年08月16日 21:13
  • 長さん

    イッシーさん、コメントありがとうございます。
    お宅は傾斜地でしたか。多分、基礎工事が大変だったでしょうね。
    つる草の葉が丸いハート型だったらセイヨウアサガオの可能性がありますね。これは8月から花が咲き、寒くなっても咲いていることがあるので、長いこと楽しめますよ。
    2020年08月16日 21:18
  • 長さん

    月奏曲さん、コメントありがとうございます。
    アサガオはつる性ですから、木立というのは珍しいです。花が咲いていれば良かったのですが・・・。
    サンザシの実はビタミン、ミネラル豊富で、美容にも良いそうですよ。
    2020年08月16日 21:21
  • nobara

    キバナマルバルコウソウってのがあるんですね☆彡
    キキョウ、絞り、久しぶりに見ました。
    粋な~感じですよね(*^-゚)⌒☆
    オグルマ、可愛いお花ですよね。
    カセンソウに似ていますね。舌状花が細くて~
    メハジキ、小金井公園に群生地がありました。
    サンザシ、屋台などで加工されたのが売っていますよね。
    大陸育ちの知人が懐かしいといつも言ってました。
    2020年08月16日 21:32
  • ロシアンブルー

    こんばんわ。
    木立性のアサガオは葉で判るものとアサガオらしくない葉
    どんな花が咲くんでしょうね。
    キバナマルバルコウソウ、黄色い花は初めて見ました。
    ヨメナがもう咲いているんですね。
    2020年08月16日 21:33
  • 長さん

    nobaraさん、コメントありがとうございます。
    マルバルコウソウの黄花種は初めて見ました。幸い、一輪だけ開花していました。
    キク科は苦手なんですが、名札があって助かりました。そう言えば、カセンソウもオグルマ属でしたね。
    メハジキは花が残っていなくて残念でした。
    サザンカの赤い実を串に刺して、水飴を付けたものを屋台で見たことがあります。あれは、中国風の食べ方らしいですね。
    2020年08月16日 22:37
  • 長さん

    ロシアンブルーさん、コメントありがとうございます。
    木立性の変化アサガオに花が咲いていなかったのは残念でした。花の色や咲き方は紹介されていたので、それから想像するしかないです。
    キバナマルバルコウソウは初めて見ました。白花のヨメナは植物園に行かないと見られないかも。
    2020年08月16日 22:41
  • うふふ

    花が咲いていないと確かに朝顔だとは思いませんね。
    それでも、葉だけでも美しく見えます。
    キク科のお花は何度見ても見分けられません。
    なかなか難しいですね。
    ヨメナがもう咲いていましたか。
    可愛いですね。
    2020年08月16日 22:42
  • 長さん

    うふふさん、コメントありがとうございます。
    普通のアサガオはつる性で巻き付きますが、変化アサガオは木立性が出来たり、蔓が巻き付かないものもあるのです。花が咲いていなくて残念でした。
    私もキク科の花は似たものがたくさんあって、苦手です。
    2020年08月16日 23:00
  • eko

    こんばんは!
    少しご無沙汰でした。変化アサガオは面白い花姿でアサガオと思えない花も色々ありますね。木立性のアサガオも葉だけではアサガオと思えないものもありますね。どんな花が咲くのでしょう。
    葉だけでも変化に富んで面白いです。
    マルバルコウの黄花は初めて見ました。色々出てきますね。
    サクラオグルマのまん丸い花が可愛いです。
    2020年08月16日 23:52
  • すーちん

    おはようございます
    立木性アサガオ
    冬場花が咲くので
    楽しみましたー
    2020年08月17日 08:05
  • コスモス

    アサガオの花も種類が多いですが、葉の形もいろいろあるんですね。
    マルバルコウソウの黄花があるんですか。
    キキョウの花も絞りが混ざったりするんですね。
    2020年08月17日 09:10
  • 長さん

    ekoさん、コメントありがとうございます。
    岐阜県は38℃になったようですが、お元気ですか。
    変化朝顔は花だけでなく葉や蔓にも変異が起きますので、こんな木立性も出来るのですね。
    マルバルコウの黄色は珍しいです。
    オグルマは細い花弁が特徴のようで、サクラオグルマは良く分枝するようです。
    2020年08月17日 11:10
  • 長さん

    すーちんさん、コメントありがとうございます。
    九州大学の変化アサガオのHPには、木立性は「例外なく早咲き」としてあったので、もう咲き終わったのかと思いました。冬に咲くのもありましたか。
    2020年08月17日 11:12
  • 長さん

    コスモスさん、コメントありがとうございます。
    変化アサガオは先ず双葉に変化が起こり、続いて葉の変化が有り、そして、花の変化が現れるという経過をたどるそうです。
    マルバルコウの黄色は珍しいです。
    桔梗の白と紫が交雑すると絞りの花が出来るようです。
    2020年08月17日 11:16

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