くらしの植物苑「伝統の朝顔展」にて(2) 変化朝顔の色々(出物系統の親木など)

 千葉県佐倉市にある国立歴史民俗博物館の「くらしの植物苑」で開催されている特別企画「伝統の朝顔展」でみた変化朝顔です。
 前回は変化朝顔のうち「正木系統」(形質が遺伝し、種が採れる)を紹介しましたが、今回は「出物系統」の親木を中心に紹介します。
 出物系統は比較的変化が単純で種子が採れる株と、葉も花も変化に富んでいる代わりに種子が採れない株に分類できます。
 正木系統でも出物系統でも、変異は双葉、本葉、花、茎と、様々な部分に連鎖して現れるので、花が咲いていなくても、葉や茎でも楽しめるとのことです。種が採れる親木は様々な変化の基となる遺伝子が含まれていますが、どの遺伝子が発現するかは運次第ということでしょうね。
 なお、番号は便宜的に記載したものです。


出物系統の親木1
花:銀鼠、台咲
葉:黄、縮緬葉
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出物系統の親木2
花:紅紫、丸咲
葉:青、蜻蛉(とんぼ)
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出物系統の親木3
花:瑠璃、台咲
葉:黄、縮緬葉
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出物系統の親木4
花:紅、筒白、丸咲
葉:青、渦、蜻蛉葉
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出物系統の親木5
花:藤紫、丸咲。  茎:枝垂
葉:青、斑入、鍬形葉
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出物系統の親木6
花:白、筒紅、台咲
葉:青、縮緬、立田葉
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出物系統の親木7
花:紅、吹雪、丸咲
葉:黄、抱、丸葉
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出物系統 親牡丹1
花:白、筒紅、台咲、牡丹
葉:青、縮緬、立田葉
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出物系統 親牡丹2
花:白、丸咲、牡丹
葉:青、抱、常葉
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出物系統 親牡丹3
花:葡萄鼠、覆輪、丸咲、牡丹
葉:黄、抱、蜻蛉葉
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出物系統 親牡丹4
花:淡紅紫地、紅紫、車絞、覆輪、丸咲、牡丹
葉:黄、抱、常葉
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牡丹出物 牡丹1
花:銀鼠、筒白、総鳥甲、吹上、台咲
葉:黄、縮緬葉
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牡丹出物 牡丹2
花:瑠璃、筒白、総鳥甲、吹上、台咲
葉:黄、縮緬葉
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出物1
花:紅紫、盃咲
葉:青、蜻蛉、偽鼻葉
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出物系統 一重出物
花:白、筒紅、車咲
葉:青、縮緬、立田葉
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 8月11日撮影。
(つづく)

この記事へのコメント

  • イッシー

    なんとも不思議な感じですね~。
    葉っぱが面白かったり八重もあるんだ~。
    奥が深そうな世界ですね~。
    2020年08月13日 12:41
  • なおさん

    種子を播かないと増やすことが出来ない、というものなのに種子が出来ないものがある、というのが大変ですよねえ。
     種子を播いてみないと、どんなものが出てくるか分からない、というのも楽しいのでしょうね。
    2020年08月13日 14:44
  • 寿々木

    アサガオの盆踊りでしょうか、踊ってますね。
    2020年08月13日 14:48
  • もこ

    花の形 一重や八重 葉の形も様々
    朝顔といっても奥が深いですね
    2020年08月13日 14:51
  • river

    変化アサガオは江戸時代からあるものです。種子が出来ない代表的なものは采咲き牡丹、台咲き牡丹、車咲き牡丹、獅子咲き牡丹などです。しかしでたらめに種を播いて偶然を狙っているわけではありません。例えば台咲き牡丹を咲かせるにはそのための親を栽培して種を播きますが出現率は約6.3%と言われています。変化アサガオは双葉の時から変わっているのである程度選抜が可能です。
    2020年08月13日 17:57
  • はるる

    種がとれる、とれない、そうなんですか。
    アサガオらしくない花もあり、おもしろいですね。
    こういうところでしか見られないのでしょうね。
    色もきれいで、いい色をしています。
    普通では見ることができませんね。
    2020年08月13日 18:53
  • 長さん

    イッシーさん、コメントありがとうございます。
    変化朝顔の世界は奥が深そうです。だからこそ、江戸時代に大きな発展を見たのでしょう。
    2020年08月13日 20:56
  • 長さん

    なおさん、コメントありがとうございます。
    変化の出現率は1割以下らしいですから、出物を期待するには多くの親木を揃えて、その種をたくさん蒔かなきゃなりませんよね。
    2020年08月13日 21:01
  • 長さん

    寿々木さん、コメントありがとうございます。
    朝顔の盆踊りですか。面白い例えですね。
    2020年08月13日 21:01
  • 長さん

    もこさん、コメントありがとうございます。
    変化朝顔の世界は奥が深そうです。だから、江戸時代に大流行したのでしょうね。変化朝顔は日本独自の文化だそうです。
    2020年08月13日 21:03
  • nobara

    牡丹種などアサガオとは思えないですね。
    サフィニアみたいに見えますね(*^-゚)⌒☆
    ここまでくるとマニアックな世界ですね☆彡
    相当の歴史があるってことなんですね。
    2020年08月13日 21:03
  • 長さん

    riverさん、コメントありがとうございます。
    出物の出現率は6.3%ですか。双葉の時から選抜が可能と言っても、種を最低でも20粒以上用意しなければなりませんね。
    2020年08月13日 21:05
  • 長さん

    はるるさん、コメントありがとうございます。
    出直した甲斐があって、綺麗な花が撮れました。
    変化の確率が低いようで、変化朝顔を自宅で作るというのは極めて大変なことのようです。
    2020年08月13日 21:09
  • 長さん

    nobaraさん、コメントありがとうございます。
    牡丹咲きは親木もあるので、形質が遺伝するということですね。これから、更に、花弁が切れ込んだり、葉が変化したりという突然変異を期待して育てるのですからかなりマニアックですよね。
    江戸時代に大流行して、一時衰退したそうですが、良く種が残されていたものです。
    2020年08月13日 21:33
  • 月奏曲

    ああなるほど…一種の博打なんですねこれ。

    百株育てて出るの数株で御の字、100位じゃ出ないのもザラって感じぽいですね。

    ちょっと趣味の庭のガーデニング…じゃ難しいですねw
    ディープな世界だw
    2020年08月13日 22:08
  • mori-sanpo

    出物系統の朝顔の親木には、葉や花が様々な形に変化しているものが見られ、様々に異なった形のものが見られるようで、面白そうですね。
     種子が採れる親木から、どのような遺伝子が発現するかは、育てている人にはたまらない楽しみでしょうね。
    2020年08月13日 23:02
  • 長さん

    月奏曲さん、コメントありがとうございます。
    出物の確立が1割以下では博打みたいなものですね。しかも、種が出来ないのでは、江戸時代には証拠が残らない。絵を描いて残したのかな。
    2020年08月13日 23:33
  • 長さん

    mori-sanpoさん、コメントありがとうございます。
    江戸時代には、朝顔の不思議な変化に嵌まった人がたくさんいたのでしょうね。
    一時衰退したのに、変化の遺伝子を持った種がよく保存されていたものだと思います。細々と続けてきた人たちに拍手を送りたいです。
    2020年08月13日 23:37
  • ジュン

    これらも朝顔なんですね
    不思議な感じです
    八重もあり奥が深いです
    2020年08月14日 10:47
  • ロシアンブルー

    おはようございます。
    出物系のアサガオ、見ごたえありますね。
    葉が面白いくりんとしていたり、枯れてる?と思わせられたり、葉の裂かれ具合で花弁も裂かれてますね。
    葉だけ見て花を想像するのも楽しいかもしれない。
    2020年08月14日 11:15
  • すーちん

    こんにちは
    何とも言えない素敵な
    色合いありますねー
    窓辺にアサガオでなく今は
    ゴーヤになってしまったん
    でしょうか
    2020年08月14日 11:40
  • 長さん

    ジュンさん、コメントありがとうございます。
    変化朝顔の世界は奥深いです。ここは国の機関が種の保存のために行っていますが、個人でも栽培される方が多く見に来られたようです。
    2020年08月14日 14:23
  • 長さん

    ロシアンブルーさん、コメントありがとうございます。
    変化朝顔の出物系統は葉の変化と花の変化の両方が現れるそうで、どんな花が咲くか分からない。それを期待する面白さがあるのでしょうね。
    2020年08月14日 14:25
  • 長さん

    すーちんさん、コメントありがとうございます。
    アサガオを咲かせているお宅が減りましたね。それに反して、実ができる蔓植物をグリーンカーテンにしているお宅を良く見るようになりました。
    2020年08月14日 14:27

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