古典菊の色々(3)肥後菊、丁字菊 & チャノキ、クコの実、ノコンギク、コウシンバラなど(くらしの植物苑にて)

 11月13日に訪れた「くらしの植物苑」で見た古典菊の色々、今回は残りの肥後菊と丁字菊です。
肥後菊
6種類の古典菊の中では、一番開花が遅れていました
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 宝暦年間(1751~1764)、肥後藩主が文化政策の一つとして栽培を奨励したことに始まります。
 一つの花序(偽花)を構成する花数(花弁)の数が極めて少なく、一見すると一重に見えるシンプルな花容となるのが特徴です。肥後朝顔などとともに「肥後六花」に数えられています。 (頂いたリーフレットから引用。以下同様)
 「肥後六花」は、他に肥後椿、肥後芍薬、肥後花菖蒲、肥後朝顔、肥後山茶花。
朱鷺の羽(ときのはね)
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月の匙(つきのさじ)      手まりうた   
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佐倉の淑女(さくらのしゅくじょ) 宮の松(みやのまつ)
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春興殿(しゅんこうでん)   乙女のほほえみ  
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丁字菊
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 江戸時代に盛んに栽培されていた菊で、外周に平弁の舌状花が伸び、中心の筒状花の花弁が大きく発達して盛り上がって咲きます。この盛り上がった形が、香料の丁字(クローブ、フトモモ科の植物)の花に似ていることから名づけられました。アネモネ咲きとも呼ばれています。

岸の赤星(きしのあかぼし)
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希望丸(きぼうまる)        武蔵丸(むさしまる)
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元禄丸(げんろくまる)
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 以上で、古典菊の紹介を終わります。

 以下は、苑内で見た花や実です。

チャノキ(茶の木)
ツバキ科ツバキ属の常緑低木
原産地はインド、ベトナム、中国西南部とされるが詳細は不明
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斑入りスダジイ(すだ椎)
ブナ科シイ属の常緑高木
黄色の覆輪なので、‘安行イエロー’ではないだろうか
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コクサギ(小臭木)の実
ミカン科コクサギ属の落葉低木。雌雄異株
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シロダモ(白梻)の実
クスノキ科シロダモ属の常緑中高木。雌雄異株。別名:シロタブ(白椨)
昨年咲いた花の実(後ピン)
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クコ(枸杞)の実
ナス科クコ属の落葉低木
こんなに実の付きの良いクコは初めて見た
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ノコンギク(野紺菊)
キク科シオン属の多年草
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コウシンバラ(庚申薔薇)
バラ科バラ属の落葉低木。中国原産。別名:ロサ・キネンシス
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 11月13日撮影。
 次回は、サザンカの色々を投稿します。
(つづく)

この記事へのコメント

  • river

    肥後菊は長く細い花弁が特徴的な菊です。家では’松の雪’が咲いています。
    クコはよく見ますがこれはまた実付きが良いですね。
    コウシンバラは四季咲きのバラでモダンローズの品種改良に重要な役割を果たしたバラですね。
    2019年11月19日 14:25
  • 寿々木

    色々な菊を楽しませて頂き有り難うございました。春興殿は舌状花が筒状になってます。私も野草で、伊那ノギクと言う名の絶滅危惧種で筒状の舌状花を撮りました。こんなの初めてでビックリしていたのですが、古典菊にもあったのですね。
    2019年11月19日 14:52
  • イッシー

    いろいろな花の形があるんですね~。
    肥後菊の花びらの形、シンプルでいいですね。
    種類とか名前とかあまり考えてなかったんですけれど
    より深く知るとまた面白そうですね。
    2019年11月19日 15:05
  • 信徳

    2020年東京オリンピックのビクトリーブーケが決まった
    ようですね。菊、ダイヤモンドリリーが候補NO1.2だったのですが•トルコギキョウ(福島県産)•ヒマワリ(宮城県産)
    •リンドウ(岩手県産)•ナルコラン(福島県産)•ハラン(東京都産)のようです。
    東日本大震災応援が一つの課題だったのでしょうが菊が外れたのは残念です。ダイヤモンドリリーは8月に咲かせる難しさがあったのでしょう。
    2019年11月19日 15:27
  • 目黒のおじいちゃん

    長さん、今晩は。
    クコの実が鈴なりでしたか。
    中華の杏仁豆腐が好きでよく食べます。なんでも不老長寿の薬果と言われているそうですが、生もシロップ浸けで売られていますね。
    実際は甘味がなく小さな種が多いので、グミのように旨い
    ものではないようです。
    羽村の堰で沢山自生していたのを思い出しました。
    2019年11月19日 16:20
  • 秋月夕香

    こんにちは。それにしてもキクの花の種類が多い事、それに名前の付け方がすごいですね。
    昔の人はやはりすごいです。クコもすごく沢山実をつけています~。
    やはり何か育て方があるのでしょうか。どちらにしても植物苑ですか。専門家ですね。
    2019年11月19日 17:15
  • はるる

    菊も形がさまざまですね。
    よく名前がついたものと思います。
    名前と花を見比べると、なるほどとおもったりします。
    実もこの時期、楽しいですね。
    2019年11月19日 18:19
  • なおさん

    肥後のお殿様は花好きだったのですかねえ。いろいろな花を庇護?して後世に伝えていますね。
     江戸時代、戦がなくなり太平の世になると、園芸好きなお殿様やら武士やら町人やらも出てきて、園芸ブームになったのでしょうねえ。

     お茶の花とお茶が片親の炉開の花は、うちでも今も咲いています。コウシンバラはかなり古くからある薔薇ですよねえ。
    2019年11月19日 18:52
  • shuuter

    古典菊 じっくり見ると面白いですね。
    牧野植物園でも見たのですが、取り上げるべきか迷っています。
    2019年11月19日 18:57
  • もこ

    お店で見慣れた菊と違って色々な咲き方をする花があるのにビックリしました。
    2019年11月19日 20:10
  • mori-sanpo

    肥後菊は派手さがなく、素朴な感じを受けますが、菊の愛好者から見れば奥が深いんでしょうね。
     クコの赤い実、こんなに多くの実がついているのは珍しいですね。こちらでは、花は咲きましたが実は僅かしか付きませんでした。
    2019年11月19日 20:14
  • nobara

    肥後菊もかなり苦心の後が窺えます。
    肥後のお殿様は植物に独特の文化を取り入れたですね。
    ヒゴツバキもしかりですよね。
    クコの実、大好きです。
    オーギョーチの中に入ってるのが特に好き
    コウシンバラも素朴でいいですね(*^-゚)⌒☆
    2019年11月19日 21:24
  • うふふ

    最近クコの花を撮ってブログにアップしたばかりですので、クコの実のお写真に目が留まりました。
    こんな風に実が付くのですね。
    家の近くのはどうも実が出来そうもありません。
    残念です。
    2019年11月19日 21:38
  • 長さん

    riverさん、コメントありがとうございます。
    肥後菊の松の雪、今日、見せて頂きました。
    クコの実の付き方が半端じゃないですね。どうやったらこんなに付くのでしょうか。
    コウシンバラは馴染みがなく、本物を見たのは初めてでした。
    2019年11月19日 21:58
  • 長さん

    寿々木さん、コメントありがとうございます。
    春興殿はご存じでしたか。イナノギクの写真をネットで探しましたが、花色は違うものの、舌状花が筒になっていますね。和名はツツザキヤマジノギクとしてありました。ヤマジノギクの変種だそうですから、他人のそら似?
    2019年11月19日 22:04
  • 長さん

    イッシーさん、コメントありがとうございます。
    肥後菊はシンプルな花ですが、良く見ると花弁が細いものだけではなく、筒弁もあったりして、変化に富んでいますね。
    2019年11月19日 22:08
  • 長さん

    信徳さん、コメントありがとうございます。
    東京オリンピックのビクトリーブーケに菊は入っていませんでしたか。それは知りませんでした。ダイヤモンドリリーは分かるとして、菊は夏でも流通していますからね。
    2019年11月19日 22:11
  • 長さん

    目黒のおじいちゃん、コメントありがとうございます。
    クコの実の付き方が半端じゃないので取り上げましたが、クコのシロップ漬けが売られていますか。杏仁豆腐の上に乗っているのは食べたことがありますが、シロップ漬けは食べたことがありません。
    2019年11月19日 22:13
  • 長さん

    秋月夕香さん、コメントありがとうございます。
    キク科キク属は原種だけで200種類くらいあるそうです。これから園芸種が作り出されるので、その数は膨大になります。
    こんなに実のたくさん出来ているクコは見たことがありません。土の栄養が良いのかも。
    2019年11月19日 22:21
  • 長さん

    はるるさん、コメントありがとうございます。
    菊の名前、何か法則とか言うものがあるのかもしれないし、作出者のイメージから付けられたものも多いんですかねー。
    2019年11月19日 22:24
  • 長さん

    なおさん、コメントありがとうございます。
    江戸時代、平和になると武士はやることがなくなってしまって、当時、流行っていた園芸ブームに乗る藩主も出てきたのでしょうか。
    コウシンバラ、名前だけは知っていましたが、実物は初めて認識しました。
    2019年11月19日 22:27
  • 長さん

    shuuterさん、コメントありがとうございます。
    牧野植物園にも古典菊がありましたか。是非取り上げて下さい。
    2019年11月19日 22:28
  • 長さん

    もこさん、コメントありがとうございます。
    これは古典菊です、として売っている花屋さんはあまり見かけませんから、目にする機会も少ないのでしょう。
    2019年11月19日 22:31
  • eko

    肥後菊は嵯峨菊や伊勢菊とは真逆、シンプルでシャンとした花びらが素敵ですね。
    丁子菊は可愛くて好きなキクです。キクの種類も豊富ですね。
    チャノキの花は清楚で良いですね。
    クコ、実付きの良い木ですね。
    2019年11月19日 22:33
  • 長さん

    mori-sanpoさん、コメントありがとうございます。
    肥後菊は他の古典菊から比べると、ちょっと地味な感じがしますね。でも、細弁だったり筒弁だったり、色も違うし、奥が深そうですよ。
    クコの実、こんなに多いのは初めてです。ウォーキング中に見るクコは長い枝に、せいぜい2,3個です。
    2019年11月19日 22:34
  • 長さん

    nobaraさん、コメントありがとうございます。
    お殿様ご推奨となれば、藩士は一生懸命育てなければなりませんね。ヒゴツバキというのはしべが長く、広がっているタイプでしたっけ。
    オーギョーチというのは知りませんでした。ゼリー状のスイーツなんですね。
    コウシンバラ、初めて認識しました。
    2019年11月19日 22:40
  • 長さん

    うふふさん、コメントありがとうございます。
    クコの花をアップされたのは今月初め頃でしたっけ。通常、花は長い期間咲くのですが、実はあまり見ません。これは実の付き方が良すぎます。
    2019年11月19日 22:46
  • 長さん

    ekoさん、コメントありがとうございます。
    肥後菊は素朴というか、シンプルですね。肥後のお殿様はこういうタイプがお好みだったのでしょうか。
    古典菊の中で、街中では、丁字菊が植えられていることが多いようです。
    クコの実が鈴なりでピックリしました。
    2019年11月19日 22:49
  • トトパパ

    こんにちは

    ときのはね、朱鷺の羽ですか。
    ほんと朱鷺の羽のようですね。
    2019年11月20日 08:37
  • すーちん

    おはようございます
    ノコンギク購入しました
    増やしたいです^^
    2019年11月20日 09:57
  • 長さん

    すーちんさん、コメントありがとうございます。
    ノコンギクを植えられましたか。菊は寒さにも強いですから、今の花が終わったら挿し木にしても良いですね。
    2019年11月20日 19:26

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