今回は、奥州菊と伊勢菊を取り上げました。
江戸時代の末頃から、奥州八戸地方で盛んに栽培された大菊の系統です。
外側の管状の走り弁を周囲に長く伸ばし、内側の花弁は両手できつく掴んだように巻き、何段にも力強く盛り上がって咲きます。(頂いたリーフレットから。以下同様)
花弁が細く、先が垂れるように咲く「垂咲」が特徴です。伊勢神宮の斎王や、彼女に使える女房たちが京の都を懐かしんで取り寄せた嵯峨菊が基本になったとも言われていますが、「垂咲」は、江戸時代に改良されて出来たとされています。
以下は、苑内で見た花や実です。
食用菊 ‘もってのほか’
食用菊の栽培は、山形、新潟、青森、秋田、岩手で栽培が多い

食用菊 ‘阿房宮’
青森県の有名品種。この菊の生花を蒸して乾燥さ
せた「菊のり」寒地の貯蔵食品として珍重される

ベニシタン(紅紫檀)の実
バラ科シャリントウ属の半常緑低木。中国原産
実の直径は5mmほど。盆栽にも利用される。こんな花が咲きます

アマ(亜麻)
アマ科アマ属の一年草。原産地はカフカス地方から中東にかけて
種からは亜麻仁油が採れる。別名:ヌメゴマ(滑胡麻)、アカゴマなど
左下の写真の右下に実が写っている


ワタ(綿)の実
アオイ科ワタ属の一年草(多年草)。原産はインドや中央・南アメリカ


ホトトギス(杜鵑草)
ユリ科ホトトギス属の多年草。原産は日本や中国
別名:ユテンソウ(油点草)

ツクバトリカブト(筑波鳥兜)
キンポウゲ科トリカブト属の多年草。福島県~神奈川県の太平洋側に分布
筑波山で最初に発見された

(つづく)
この記事へのコメント
寿々木
mina
古典菊ですか。
色々と種類があるんですね
食用菊、最近スーパーにも並んでいますね
ワタ(綿)、子供の頃見たような
記憶があります。
イッシー
奥が深いですね~。
食用でもってのほかていうのがあるんですね。
面白いな~。
なおさん
古典文学もいろいろ読んでみるとおもしろいものがありますね。今昔物語だの宇治拾遺物語だのは、実に興味深いものです。
もってのほかが食用菊としてあまりに有名になってしまったのですが、菊の酢の物などは他のものでもできるのでしょうね。
菊はお酒の名前にも多く使われていますし、菊の花びらを浸したお酒というのも、古来有名なものなのでしようね。
天目茶碗やら掛け軸を壊したつぐないに、附子を舐めて死のうとしたが死ねなかった、という狂言の附子は黒砂糖でしたから平気でしたが、ホンモノのトリカブトの根を食べたらタイヘンでしょうねえ。でも、こうして見る分には心配いらないですね。
mori-sanpo
初めて拝見しましたが、花の色合いが良く、更に形に力強い魅力を感じました。
shuuter
台湾杜鵑があちこちで見かけますがやはりホトトギスが素晴らしいです。
自生のものは少ないですね。
秋月夕香
こちらも昔菊人形で有名でしたが、今は沢山、キク愛好会を作られていて、市の駅前に行くとやはり毎年人形が飾られています。
市の中心部へ行くのにはバスで30分、しかもも乗り換えて。
それから自家用でも20分くらいです。
電車なら7つくらい向こうです。用事がないとなかなかいけないですね。
nobara
伊勢と名が付くとなんだか複雑になるような?
伊勢ナデシコしかり?
亜麻の実、デザインされたような整い方ですね~
長さん
菊花展に行くと、こういう古典菊も展示されていますから、愛好家によって品種が維持されているのでしょう。
綿と種を分離させるには棉繰機という簡単な木製の機械があるんですよ。
長さん
古典菊だけで相当な品種があるようですよ。
スーパーに並んでいる食用菊はもっと小さいような。
昔は綿を植えて糸を作ったようですね。
長さん
古典菊は見たことがないかも知れませんが、これを基にした交配種は見ているだろうと思いますよ。
もってのほかという名前が面白いですね。
長さん
古典文学は勉強しなかったので分かりませんが、それにも菊の話がでて来ますか?
スーパーで売られている食用菊はもってのほかよりもっと小さい花ですよね。
トリカブトは意外に遅くまで咲くのですね。
長さん
奥州菊は花弁が太く、下側の花弁が枝垂れるのが魅力ですね。白も良いですが、極楽電のような色合いも良いですね。
長さん
これは在来種のホトトギスですね。花の付き方が全く違いますね。自生種を探すのは大変でしょう。
長さん
古典菊の中には、花だけ見るとダリアみたいなものもありますね。
菊人形に使う菊はよく分枝する小菊が多いようですね。関東では茨城県笠間の菊人形が有名です。
長さん
伊勢菊は細い花弁が乱れるように咲くのが特徴のようです。
アマの実から亜麻仁油を作るんでしたね。
月奏曲
亜麻ってリネンの材料ですよねぇ?
食用にも布にもなるとは便利にもほどがあるw
eko
食用菊もこの頃はスーパーで時々見かけるようになりました。
アマは綺麗な花ですね。
トリカブトは地域の名前の付くものが様々ありますね。
うふふ
いろいろな花の形があって、興味深いですね。
江戸時代はアサガオやサクラソウの栽培も盛んで、品種改良されていたと聞きます。
心豊かな良い時代だったのでしょう。
もってのほかがスーパーに並ぶようになりましたね。
季節を感じます。
長さん
伊勢菊、お好きですか。繊細な花ですね。
アマは茎の繊維からリネン、種から亜麻仁油が出来ます。リネンはフランス語ではリンネルでしたね。
長さん
奥州菊はいかにも菊らしい咲き方ですね。
伊勢菊は嵯峨菊から作られただけあって、花弁が細いのが特徴ですね。
食用菊、スーパーで見たことがあります。もってのほかより小さな花だったような。
トリカブトは地域変種が多いようです。
長さん
江戸時代は娯楽の少ない時代だったので、植物の栽培が盛んに行われたようですね。武士のたしなみでもあったとか。
もってのほかがスーパーに並んでいましたか。我が家の近くで育てているお宅がありますよ。
ロシアンブルー
古典菊もいろいろありますね。
江戸時代は風流ですね~、面白い花弁ばかりです。
ツクバトリカブトの花にはっとさせられました。
CHIEKO
桜吹雪、ほんとうにそのイメージの菊で驚きました。
食用菊はよく母が甘酢に菊を漬けてくれました。懐かしいですね。
綿の実は11月に入り、市場にもたくさん並ぶ季節になりました。
クリスマスリースなどに雪のイメージが出るので重宝な花材です。
長さん
古典菊の栽培は江戸時代に大きく発展したそうです。
トリカブトの花は横から見ると鳥兜や烏帽子に似ていますが、正面から見ると妖しい感じがしますね。
長さん
古典菊の名前に殿がつくのは公家を連想したものかも知れません。
食用菊は我が家の食卓には上りませんが、茹でて酢の物にすると美味しいそうですね。
ワタの実、花材にもなりますよね。雪のイメージにも使われますか。
信徳
食用菊、もってのほかは子供の頃良く食べました。
アマは長さんに名前を教えて貰った草花です。
ホトトギスの斑点が綺麗ですね。
ジュン
はじめて拝見するものばかりです
極楽殿凄くて見入ってしまいました
すーちん
暫く作ってませんがー
菊のお浸し食べたくな
りましたー^^
トトパパ
菊にも色々ありますね。
極楽殿、なんか極楽って感じですね。
長さん
食用菊は茹でて酢の物にすると長持ちするそうですね。よく食されましたか。
アマの名前を教えましたか。そんなことありましたね。
ホトトギスの斑点が水に浮いた油のように見えるのでユテンソウというらしいです。
長さん
菊花展などでたまに見ていたのですが、グループ別に多くの品種が展示されていました。極楽殿、見事ですね。
長さん
食用菊、スーパーでも売られていますから、すぐに作れますね。
長さん
極楽殿、色も花姿も良いですね。
小枝
極楽殿に、友白髪に魅せられました。
両親がこの時期によく、食用菊を三杯酢で
食べていたなぁ…と懐かしくおもいだしながら拝見させていただきました。
長さん
極楽殿は良いですよね。友白髪もお気に入りですか。大きな写真にすれば良かった(笑)。
ご両親、食用菊がお好きだったのですね。最近、スーパーにも売られていますね。
無門
菊はどちらかと言えば
静のイメージですが
こちらのものは
動のイメージですね
激しい情熱を感じます
長さん
奥州菊は力強い、そして伊勢菊は繊細な動きが感じられますね。