3月9日、昭和記念公園の花木園展示棟で開催された、国際雪割草協会関東支部主催の「雪割草展」を見てきました。
雪割草とは、キンポウゲ科ミスミソウ属の仲間(ミスミソウ、スハマソウ、オオミスミソウ、ケスハマソウ)の総称で、中でも花の変異が多彩で園芸的に注目されているのはオオミスミソウです。
ユキワリソウはサクラソウ科サクラソウ属の多年草の名であり、これと間違えないように漢字で雪割草と書くのが一般的です。
詳しくは、国際雪割草協会のHPで解説されていますので、ご興味のある方はこちらをご覧ください。
会場内の様子です。ざっと100鉢くらいの雪割草が展示されていました。鉢には苗字が書かれた札が挿してあるので、関東支部の方々がご自宅で育てたものを持ち寄ったのではないでしょうか。センターテーブルにはシュンランも飾られていました。
室内の照明は意外と暗く、窓際は逆光ということで、撮影条件が悪く、失敗写真も多かったです。
右上の写真で、壁面に飾られているのは雪割草の花弁の押し花絵です。雪割草の生産業者は、株を太らせるため、花が咲くと全て摘んでしまうので、それが押し花用に供給されているのだそうです。
雪割草の花の変化を楽しむには実生が一番とのことですが、花が咲くのは種を蒔いてから2,3年かかります。「実生新花」と表示されているので、初めて咲いた花なのでしょう。
標準花とは、一重で、雄しべ・雌しべがともに正常の多弁花で、短花糸花も含みます。
一重の花には、他に、葯退花(葯は退化、または痕跡を残す。花糸は正常)、雄退花(雄しべが退化した個体。乙女咲きともいう)、変化花(渦巻弁、撫子弁。総苞葉化(えりまき)など)があるそうです。
次回は八重や千重咲きなどを紹介します。
3月9日撮影。
(つづく)
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第73回JOGA洋らん展にて(5)
各賞受賞作品から(1)
今回は、各部門で2席(レッドリボン)や3席(ホワイトリボン)と評価された作品の中から、スポンサー賞を受賞した作品を紹介します。
カトレア ジョンゲアナ ‘スイコウ’
C. Jongheana 'Suikou'
鈴木まゆ美氏 < アザブナーセリー賞 >
ブラジル原産の着生種(旧レリア属)
カトリアンセ ゴールド ディガー ‘オーキッドグレーズ マンダリン’
Ctt. Gold Digger 'Orchidglades Mandarin'
野村吉晴氏 < ワカヤマオーキッド賞 >
隠し画像あり
ゴールドディガーとは「金を掘る人」という意味だそうだ
パフィオペディラム ゴールデン ベル ‘ユンシン’
Paph. Golden Bell 'Youn Shin'
坂本英昭氏 < 中藤洋蘭園賞 >
カトレア インターメディア アキニー ‘ファンタジア’
C.intermedia aquinii ‘Fantasia’
荒木悦子氏 < アルファオーキッド賞 >
ブラジル原産の着生種
デンドロビューム ノビル アルバム
Den. nobile f. album
斉藤 保氏 < ナーセリーイデ賞 >
インドや中国南部などに広く分布する原種ノビルの白花品種
3月8日撮影。
(つづく)
この記事へのコメント
nobara
少し狭いから催しによっては離合?が難しい時も(笑)
以前、バードカービングに出逢った事もありました。
そこからいつもハーブ園に廻ります。
雪割草、多彩ですね。慈しんで育ててらっしゃるのが判ります。
デンドロビューム ノビル アルバムも清楚ですね。
アルバは白い意があるようですがアルバムとは?
なんか意味があるんでしょうね。
寿々木
river
無門
実生からだと
そんなにかかるのですか
それだけに
強い植物なんでしょうね
信徳
毎年種を蒔けば毎年新しい苗の花を見ることが出来るのですが山野草の苦労は夏場にあって難しいですね。
なおさん
雪割草の本場の越後丘陵公園の雪割草展を見たことがありますが、並品はまあまあの値段ですが、銘が付くようなものは、値段も高いですね。
雪割草の種子を播いて咲かせたことがありますが、並のものでも親とは違うものが出たりしますので、面白いものですね。
shuuter
花咲隈で2~3年 かかりますか。
素敵な花ですね。
長さん
今回も、花木園展示棟では右手が雪割草展で左手の部屋ではクリスマスローズ栽培の講習会が開かれていましたよ。
雪割草は花の変化に魅力がある花ですよね。それを見に、新潟まで何度も行っています。
ランの白花をalbaとかalbumと名付けていますが、ラテン語ではどちらも白という意味だそうです。
長さん
植物名のユキワリソウは既にサクラソウ科の植物に付けられていたので、それと混同しないよう、漢字で「雪割草」としたそうです。
長さん
実際に雪割草を育てていらっしゃるから、さすが詳しいですね。
ジレベリンはそれほど高いものではないので、1年も開花が早まるなら使った方が良さそうですね。交配結果を早く知りたいのは皆さん同じですからね。
長さん
寒さに耐えなければならない草なので、まず株を丈夫にする必要があるのでしょう。花を咲かせるとエネルギーを消耗しますからね。
長さん
紅花シャクナゲも開花までに5年かかりますか。雪割草の3年というのはまだ良い方で、カタクリは7、8年しないと花が咲きませんから。
長さん
花木園展示棟には2部屋ありますが、意外に狭いですね。花みどり文化センターは広いのですから、らん展のスペースとしては余っているので、あそこでも良さそうに思います。但し、入園料収入は入りませんね。
雪割草の標準花と銘品では値段の桁が違いますね。銘品を基にした実生ならもっと良いものが出来るかも知れませんね。
長さん
現在流通している雪割草は多くの遺伝子が混じったものですから、実生にするとどの遺伝子が強く出るのか予想が出来ないわけです。その変化を期待して栽培している人が多いようです。でも、2~3年待たなければならないので、まどろこしい。
CHIEKO
イッシー
いろんな種類がありましたよね。
そうここも暗いし窓際は明るすぎて。。
あんまり条件よくなかったですね。
うふふ
時々行く植物園では土手の斜面に薄紫の花だけ咲いています。
種から咲くまでに2,3年もかかるとは恐れ入りました。
私はお花を見るだけにしておきましょう。
長さん
雪割草は同じものが二つとないと言われるほど花色や形の変化が大きい植物です。本当は、もっと見ていただきたいのですが、そうも行きません。
何種類もの雪割草を育てて、それを交配して種を取り、それを育てて更に交配する。年数はかかりますが、希望通りの品種が出来たときのうれしさは格別でしょうね。
長さん
雪割草って何?と思われる方もおられると思ってちょっと書き添えました。
ISO1600で撮ったのですが、それでも露出が不足していました。広角レンズで撮った方が良かったと反省。
長さん
雪割草のごくごく一部を紹介したに過ぎません。次回はもっと大きく変化した品種を紹介しますが、こうした雪割草展で実際に見ていただくと驚きますよ。
その名の通り、雪解けから3週間ほどで咲く花なので、株をしっかりさせるために花を付けるのは後回しになるのですね。
eko
デンドロビューム ノビル アルバム清楚で美しいですね。
長さん
雪割草は変化に富む遺伝子を持っているので、本来の楽しみ方は自宅で実生させるのが一番です。でも、それは大変なので、開花株を買ってくるのがお勧めだそうです。標準花なら安いし、育てやすいそうです。
デンドロビューム ノビルは花弁や萼片の先がピンクで、リップの中央が暗赤色ですが、アルバムは純白で、魅力がありますね。
ロシアンブルー
実生から3年経たないと花が咲かないのですか~。
何だか待ち遠しいですね。
可愛い花を咲かせてくれるのが楽しみですね。
長さん
3年も待てないと言う人はジレベリンなどの成長促進剤使うと2年で花が咲くことがあるそうです。実生はその前に花粉で交配させてタネを作らせることから始めなければなりませんが、それも大変ですね。
月奏曲
実生だと時間かかるんですねぇ…一年草だと思ってたw
長さん
申し訳ない。本文7行目、雪割草と書くところ、雪輪草になっていました。
種から育てると花が咲くまでに3年かかります。カタクリの花は8年経たないと咲きませんから、3年というのは早いほうかな。
コスモス
区別するんですか。難しいですね。
雪割草は大好きですがなかなか見られません。
種から育てると花が咲くまで2~3年かかるんですか。
長さん
雪解けから2~3週間で開花するから雪割草という総称なのですが、サクラソウ科のユキワリソウがすでにあったので、カタカナでは書けないという事情があるのですね。
寒いところで育つ草なので、花を咲かせる前に株をしっかりさせないといけないのです。自然の摂理ですね。同じく、雪解けから10日くらいで開花するカタクリは種から花が咲くまでに8年ほどかかります。
降魔成道
ご説明、とても勉強になりました。
長さん
サクラソウ科のユキワリソウは殆ど見る機会がないですが、これが正式和名ですから、名前を奪っちゃいけませんよね。