海洋博公園の熱帯ドリームセンターで開催されていた沖縄国際洋蘭博覧会2019を見学しています。
今回から、カトレア温室の奥半分に展示された、各カテゴリーの優秀作品と、その中から最高賞となる内閣総理大臣賞などの作品が展示されています。
ガイドしていただいた伊良部さんによると、最高賞の展示台前で、最終審査が行われたとのことです。
最高賞のの展示台です。
総合審査の部 最優秀賞・沖縄国際洋蘭博覧会大賞・内閣総理大臣賞
オベロニア ディシィティフロラ
Oberonia dissitiflora (= Oberonia indragiriensis)
玉城政隆氏(沖縄県)
オベロニア属は熱帯および南部アフリカから太平洋まで約240の種が生息しています
出展して6回目で初めて大賞をいただき、感謝しています。この作品を作る時、全体的なバランスに一番気を遣いました。光によってつぼみの開き方が違うので、週に1回くらいのペースで鉢を動かし、バランス良く花が咲くようにしました。また、カトレアと違ってバルブがないランなので、水を散らさないようにし、大きな株に育てました。今後も大きな株を作っていく所存です。
【審査委員長講評】(審査委員長は江尻宗一氏です)
作品の出来がきれいである。普通は小さな株だが、良くこのサイズまで育てたこと、また均等にきれいに花が出ており、大会に合わせて開花させた、栽培の努力による結果が出たと思う。
【喜びの声】
台風に遭ってどうなるか心配していたのですが、ボールのように花がたくさんついて、前年より良い作品を出品できました。
【審査委員長講評】
花序の纏まりが均一で輪数も多いために、ボリュームがあった。それにより優秀賞となった。
【喜びの声】
可愛い色の花を咲かせてくれるランですので、ついつい力を入れて育てました。それに応えてくれたような気がします。
【審査委員長講評】
しっかり作り込まれていること、仕立てが丁寧で全面を向いている状況が評価された。葉もきれいで、支柱もきれいに仕立てられている。
【喜びの声】
タイ国チームが。前年に続いてバンダを出展でき、またこの賞を賜り、感謝しています。毎年、出展・参加したいと思います。
【審査委員長講評】
大株に作り上げた立派なバンダ。日本国内では見る事が出来ない。そこに大輪の花が3本立ち誇っており、そこが評価された。
ガイドしていただいた 伊良部さんによると、玉城さんは30年間熱帯ドリームセンターに勤務し、3年前に定年になられた方だそうです。
このような大株は審査が難しいとのこと。なぜなら、寄せ植えは賞の対象外となるからです。大きくなると根詰まりを起こすので、隣り合ったバルブの根をカットするのはやむを得ないことだとのこと。
なお、伊良部さんも熱帯ドリームセンターで開設当時から勤務され、10数年前にリタイアされた方です。沖縄国際洋蘭博覧会を始められた頃は、海外から輸送してきた出展作品が途中の暑さで全滅したとか、正式な外交関係がない台湾の方への外務大臣賞の授与について外務省から反対され、何度も東京に足を運んだとか、色々なご苦労があったそうです。
バンダは高湿度と風通しを好むため、大型株は沖縄でも2~3年くらいしか持たないそうです。その他、シンビジュームは温度が下がらないので育たない、リカステも沖縄では難しいとの事。
副賞は、内閣総理大臣賞 100万円、農林水産大臣賞・沖縄及び北方対策担当大臣賞・外務大臣賞 各15万円。
昨年、及び、一昨昨年に内閣総理大臣賞(大賞)を受賞した斉藤正博氏の作品が出展されていなかったのは残念でした。
なお、大賞を含む1位受賞の個体を翌年以降に出展しても各賞からは除外されるそうです。
2月5日撮影。
次回は、その他の優秀作品を紹介します。
(つづく)
今日から開催された東京ドームの「世界らん展日本大賞」で、大賞は桜井一さん(東京都)の黄色いパフィオペディラムに決定したそうです。なお、第2位は神保康紀さん(群馬県)のカトレア、第3位は斉藤正博さん(茨城県)のリカステだそうです。後日、妻と見に行く予定です。
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第68回関東東海花の展覧会にて(8)
2月1日から3日まで、池袋サンシャインで開催された第68回関東東海花の展覧会で見た花たちです。
1月10日撮影。
(つづく)
この記事へのコメント
寿々木
目黒のおじいちゃん
益々忙しくなりますね。
river
バンダも巨大です。本当に3本立ちなんでしょうか?
eko
エピデントルム ‘ナオ オキナワ’はボール状にオレンジの花が咲いて可愛いですね。
バンダも大株で見事ですね。
どの花も生産者の苦労と努力の賜物、素晴らしいです。
信徳
地の利も有るのでしょうが素敵なランですね。
今日から世界ラン展がドームで始まったと新聞に
出ていました。
もこ
同郷の方が大きな賞を頂いたのは我が事の様に嬉しいですね。
うふふ
江尻宗一氏の講評を見ても大変なことが良くわかります。
初めて見るランですが、これを機会にいろいろなところで見られると良いですね。
そうそう、今日から東京ドームのラン展が始まりましたね。
今年は趣向がちょっと違っているとラジオで報じていました。
長さんのこと、きっといらっしゃるでしょう?
楽しみにしています。
長さん
オベロニアはつくば植物園のラン展でみた原種を過去に2回取り上げた事があります。いずれも小さな株で、こんなに大きな株にしたのは見事です、花が鎖線上に付くのが特徴で、日本のヨウラクランはこの仲間です。
会社の先輩の中にも沖縄出身の玉城さんが2人、おられます。
長さん
まだ沖縄の報告が終わっていないのに、東京ドームへ取材に行く羽目になりました。まー、楽しいから良いですけどね。
長さん
オベロニアはごく小さな花がらせん状につく、珍しい方のランですが、こんなに大株にするのは大変だったようです。最近は、ここから株分けしてお仲間に配布しているそうです。
バンダは上から2枚目7あ9枚目の写真をみていただくと、リボンが付けられた2本の茎の中央にもう1本茎があるのが分かっていただけると思います。
ロシアンブルー
これだけの賞を頂くには管理が並大抵でない努力なんですね。
総理大臣賞のランは珍しいですね。
これだけの大きさに育てるご苦労は大変でしょうね。
長さん
大株でも裏側に花が付いていなければ総理大臣賞じゃなかったかも知れませんね。
エピデンドラムは我が家にもありますが、花茎をこんなに長くして、更に花をたくさん付けさせるのはとても難しい事がよく分かります。
バンダもこれだけ大きくできたのはタイだからこそですね。
長さん
地元の方が2にもここに展示され、ガイドをしていただいた伊良部さんも喜んでおられました。
世界蘭展日本大賞2019の第2位に髙﨑市の神保康紀さんが入りました。
長さん
もこさんも作州津山にお住まいでしたね。大臣賞獲得ですから、早速地元新聞の記者が取材に行ったのですね。
日本一のラン展でなければ、川さんの作品には出会えなかったでしょう。
長さん
熱帯ドリームセンターにお勤めでランの知識は十分だったと思いますが、それでもこんなに大きく育てるのは大変だったと思いますよ。オベロニアはまだ珍しいランですから、知名度が上がると良いですね。
世界らん展日本2019のチケットは既に購入済みですから、後日報告する予定です。
長さん
やはり最高賞を取るくらいの作品になると見事としか言いようがありません。オベロニアは過去に2回みていますが、もっとずっと小さいものでした。大株に仕立てるため、きっと、人知れぬ努力をされたのでしょうね。
無門
素晴らしい作品ばかり
オベロニアは遠目には
蘭に見えないところが
面白いですね
月奏曲
ナオ オキナワ、こちらのほうが可愛くてすきw
長さん
オベロニアはめずらしいらんです。花茎のごく小さな花が螺旋状につくのです。もっと近付ければそんな様子がマクロで撮れたんですが…。
長さん
メドゥーサの頭から黄色い蛇が生えているように見えましたか。確かにそんな風にも見えますね。エピデンドルムは前年に芽が出た茎の頂点に花が咲くんですが、普通こんなにたくさん咲かないんです。
なおさん
東京ドームの世界らん展も始まりましたね。何年か通いましたが、ここしばらくはご無沙汰です。もっとひとが少なければ良いのですが、それはムリですよねえ。
ジュン
素晴らしく素敵です
努力の甲斐があり
賞をいただけると
励みになるでしょうね
すーちん
シンビジューム身近なラン
育てた方多いと思いますが
こんなに大株に育て凄いですねー
長さん
ラン好きと言うだけの私で、作品の良否を見極めるだけの目を持っていませんが、これは素晴らしいものと心底思えるような作品ですね。受賞者はさぞ嬉しいと思いますが、ここまでにするには相当のご苦労があったものと思います。
世界蘭展日本耐暑の初日、空いている内覧会も料金は高いですが入場可能です。でも平日ですからね。
長さん
ラン愛好家の人口はかなりの人数になると思いますが、その頂点に立つわけですから、嬉しい事でしょうね。きっと、もっと良いものを作ろうという気になりますよ。
長さん
我が家にもシンビジュームがありますが、こんなに花茎が上がるのは驚異的です。