第16回日比谷公園ガーデニングショーにて(2) 10月21日、24日
10月20日(土)から10月28日(日)まで開催中の日比谷公園ガーデニングショーで見た出展作品を紹介しています。
今回は、4部門のコンテストのひとつ、ガーデン部門(20作品)の中から、優秀作品を取り上げました。
21日の写真が思わしくなかったので24日に再取材しましたが、ガイドツアーが始まるとのことで、それに参加してしまい、写真はその合間になどに撮ったものも含まれます。
このコンテストの出展スペースは、幅4m×奥行3m、12㎡。約2ヶ月前に抽選で場所が決まるので、出展者は周囲の立木も考慮に入れたデザインを考えるそうです。審査は初日の朝なので、出展者は光の当り具合も考慮しなければなりません。
(ガイドの説明から)
出展作全体の中で最高の評価を受けた作品。ガーデン部門では珍しいしつらえ。京都の山のような静寂を感じる。杉木立と、同じ素材の渡り廊下もリズム感が良い。奥に行くほど杉の密度が増し、奥行き感がある。苔や草木の扱いに自然らしさ、繊細さがある。水の流れの表現も上手い。渡り廊下の上部にはアクリルに薄い水を張り、光りの揺らぎを演出。難を言えば、石段が綺麗すぎること。
(ガイドの説明から)
どこを取っても絵になる作品で、一番人気。中央や丸窓の奥も壁面緑化で、しかり作り込んでいる。右の丸窓の奥には舟形の石に盆栽が据えてある。細い紐を挟んだアクリルパネルは特注。公園内の木を借景に2本の紅葉が配置してある。手前の石の並べ方は女性が担当していたが、実に繊細に並べてある。横から見ても裏から見ても神経を使っているのが分かる作品。
(ガイドの説明から)
竹篭の周りに秋の草花を配した作品。紅葉も色を増してきた。篭の前後と左に入り口があり、二人で中に入ると「ちょっと話そうか」という雰囲気になる。囲われているという安心感がある。大小の石の並べ方も繊細。竹篭は螺旋を描いている。苔の張り方も自然。
(ガイドの説明から)
ガーデン部門は「和」の雰囲気の作品が多かったが、今後、この作品のように現代的なデザインが増えてくるだろう。いわゆる枯山水で、砕石で水の流れを表現している。上の方の砕石は粗く、次第に小さくなっているのは、上が強い流れ、下が緩やかな流れを表現している。茶色の曲線部は鉄板に見えるかも知れないが、合板を曲げてペイントしたもの。最近はコングリート打ちっ放しにペイントするスタイルが出てきている。
(ガイドの説明から)
この作品の特徴はレンガを使ったことです。既成ではなく、一つ一つ手作りし、現場でこねた土を使って積み上げた。出展前に2回試作し、今回が3回目。再現するためにレンガに番号が振ってある。朽ちていく様子を良く表現している。小屋を水の流れが通っている。これだけ枯れ葉を集めるのも大変だ。裏側には日陰に会う植物を配置しており、草屋根も良くできている。
(ガイドの説明から)
出展者は過去に大臣賞を獲得したことのある常連。今回は僅差で受賞に至らなかった。織部灯籠を配したりして「和」の雰囲気だが、門の形にした壁面緑化が「和」の雰囲気に合わないとの意見が出た。
次回はハンギングバスケット部門の優秀作品を紹介します。
(つづく)
この記事へのトラックバック
この記事へのコメント
信徳
結びつく可能性があるのでショーと言っても
必死でショーね。
目黒のおじいちゃん
好きなことはがんばれますね
river
寿々木
なおさん
秀逸な出来栄えに見えるものも、奇をてらったように見えるものもあることでしょうが、それぞれ趣向を凝らした飾りつけを工夫するのも苦労することでしょうね。
イッシー
噴水の周りだけかと思ってそそくさと帰ってしまいました。
やはり、写真撮る時は一人のほうが集中できますね。
mori-sanpo
「ちょっと話そう」という作品はなかなか奇抜で面白いです。
月奏曲
ちょっと話そうとオアシスの空気が好きかな?
shuuter
頑張りますね。
コスモス
ガイドツアーがあるんですか。
説明文があるのでよくわかりました。
特注した丸窓があるのがなかなか面白いですね。
うふふ
作品の名前も興味深いです。
造園業の方ばかりではなく農大の造園科の学生さんも参加しているのは心強いですね。
ハンギングバスケット部門も楽しみです。
長さん
関東だけでなく、地方からも出展があり、業者だけでなく、大学生や高校生も出展していました。
長さん
この日はボランティアの旗振りもなかったので、ウォーキングがてら再訪しました。
長さん
4m×3mですから、箱庭みたいなものですが、それでも工夫次第で狭さを感じさせない作り方ができるものです。電車に乗れば1本で行けるので、都合が良いのです。
長さん
次回は、ハンギングバスケット部門という別のコンテストの優秀作品を取り上げるつもりです。
長さん
執念でもないですが、撮った写真が気に入らないので・・・。毎日が日曜日なので、気楽なものです。
業者さんにとっては日頃考えていることの具現化として、学生にとっては発表の場ととらえているのかも知れません。
長さん
噴水の周りは前回報告の展示で、広い第二花壇と、更に南側のケヤキ広場にもコンテスト会場が設けられています。
長さん
狭いスペースの中で工夫するわけですが、周囲の景観や木立も借景として使うと広がりが出るようです。
竹篭をその場で組み上げたようですが、面白いアイディアですね。
長さん
竹をつ買った作品はユニークですよね。オアシスの方は大きな公園の一角を切り取ったみたいな作品で、これもまたユニークです。
長さん
ここで受賞したことが仕事に直接結びつくかどうかは分かりませんが、チャレンジの場であることは確かです。
長さん
ガイドツアーは期間中の午前午後それぞれ5回実施されています。受賞のポイントが聞けますから、素人でも楽しいです。
設営に時間制限があるので、特注した方が扱いやすいと言うことなのでしょう。
長さん
造園科学科というのがあるのですね。将来、造園業や庭園デザインの分野に進む意思のある学生たちなのでしょうね。
ハンギングバスケット部門は家庭でも実現できそうなので、参考になると思います。
eko
長さん
どの作品も工夫が凝らされていて良いものです。他にも紹介したい作品もあるのですが…。
実はこのガーデンショー、主催者が嘆いていましたが、16回目なのにあまり知られていないのです。ですから、ここに出展したからといって仕事につながるかどうかは疑問です。
すーちん
ずっとそこに存在していた様に
作り出すのも大変ですね
nobara
写真が気に入らず?撮り直しに出向かれた。
ハハーと頭が下がります。
遠出のはそれができませんから一写、闘魂ですね。
なんだか、プロ向けの展示かしらと思いました。
斜陽のスタンスにびっくりしました。
皆さんの取り組む姿勢が凄いの一言です。
長さん
草木や苔など、以下に自然に見えるかが評価されるポイントの一つだそうです。
長さん
千代田線直通の電車に乗って、日比谷駅から地上へ登ってくればそこが日比谷公園ですから、難なく到着です。旅行の場合はこうはいきませんが、いい加減な写真を撮ってくるとこういうことになります。
審査員はプロですから、作る方もそれは頭にあるでしょうが、我々素人が見ても楽しめますよ。
無門
力作ぞろいですね
作者の作品にかける思いが
伝わってきます
ロシアンブルー
大きなイベントですね。
賞を取られた作品も大がかりなガーデン部門、日比谷公園の立木を利用してあるのですよね。
ガイドツアーも付く作品揃いで力いれてますね。
はるる
長さん
今年は写真を並べるだけではつまらないので、作者のメッセージやガイドの話を入れてみました。
長さん
国交大臣賞やノウスさん大臣賞、都知事賞もあるのですが、知名度がイマイチなんですよねー。限られた展示空間だけかと思ったら、借景を使っていると知って、なるほど名と思いましたよ。
長さん
最初は机の上で考えるのでしょうが、それを立体的に作ってみて、更に色々工夫をしないと上位入選は難しいようです。