秋バラいろいろ(2) ガーデンツアー①

秋の茨城県フラワーセンターにて(2)  9月24日
 フラワーセンターのスタッフによる秋バラまつり特別企画「ガーデンツアー」は定刻の10時半より少し遅れて始まりました。
 フラワーパークには約850種12,000株のバラがあるそうですが、お話は先ず今年の秋バラの状況についてでした。
 バラの適温は25℃~30℃以下だが、35℃を超える高温が続き、雨も降らずに乾燥し過ぎたので、今年はバラには厳しい年だった。そのため、良い花が咲く状態ではない。9月20日に秋バラまつりが始まるので、お盆過ぎに剪定をしたが、蕾がつくのが遅れ、形も小さい。従って、花弁数が少なく、大輪系は春より小さい。等のお話がありました。

 変わっているバラとして紹介された2種類のバラです。

バベル・バビロン
2008年 オランダ 一重咲き 中輪 微香
花の状態は良くないが、花弁に赤い目が入るのが特徴
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ミラマーレ
HT 2002年 京成バラ園 剣弁高芯咲き→ロゼット咲き 大輪 中香
開くにつれ色が変わる 最初は黄色 紫外線が当たると赤くなる
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 続いて、バラの系統のお話です。1867年以降に作出された現代バラをモダンローズと言い、大まかに次の5つに分類される。ハイブリットティー(HT、1本の茎に大きな花を1輪咲かせる)、フロリパンダ(FL、中輪系、多くて20輪くらい咲く)、つるバラ(クライミングローズ、CL)、シュラブローズ(S、蔓のようでブッシュ状になる、蔓バラにも木バラにもなる、枝伸びが早いので暴れやすい)、ミニバラ(Min、四季咲きの小輪)。

ダブルディライト
HT 1977年 米 丸弁盃状咲き 大輪 強香
白っぽい色から赤に変わる。香りもある
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 バラの育て方で重要なのは、なるべく切ってやること、いじめることが必要。切る時期は木が休んでいるとき。思いっきり切れるのは冬。葉が残っていれば切っても良い。四季咲きは年間5回くらい咲く。切ってやらないと咲く階数が少ないし、良い花が咲かない。丁度良く咲いたときに切って花瓶に入れるのが良い。バラにも良いし、見るにも良い。咲いている枝の半分くらいの長さまで切っても良い。などのお話がありました。

きらり
FL 2003年 京成バラ園芸 半八重平咲き 中輪 微香
花弁に斑が入る。入り方も様々な変化がある
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 ローズヒップをつけたら木が弱ると聞きますが…と質問すると、バラの実をつけると言うこと=花が咲かないということ、とのお答え。その種を蒔いたら花が咲きますか?との質問には、咲くことは咲くが、交配を重ねているので、どんな花が咲くかは分からない。同じ花を咲かせたいなら挿し木で増やすべき。とのこと。

紅(くれない)
FL 2003年 京成バラ園芸 高芯丸弁咲き 中輪 微香
斑入りの葉になるのは珍しい(病気かと思った)。作りやすい品種
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アストリック・グレーフィン・フォン・ハンデンベルク
世界一長い名前の品種。女性革命家の名前だとか
S 2001年 独 アンティークタッチ、ロゼット咲き 中輪
強香(フルーツ香、ダマスク香)
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 お話をしてくれたのは前園さん(一番奥)。参加者は8名
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 (つづく)


この記事へのコメント

  • 寿々木

    バラいろいろ拝見しました。バラとは思えないようなのもありますね。
    2018年09月29日 16:26
  • nobara

    複色咲き系のバラも魅力がありますね。
    『きらり』は私の好きな『リトルアーチスト』によく似ています。好きで植えてたのですが(東のコーナー)に、九州転勤から帰ったら野バラに変身してました。
    多分に、ノバラに接ぎ木したらしく、接がれた方が廃れて本来の土台が幅を効かせたようです。
    虫が着くし棘が凄いので泣く泣く処分しました。
    思った以上にバラを育てるのは大変です。
    見るのは良いけれどなんですけどね。
    2018年09月29日 16:39
  • なおさん

    詳しい専門家のひとの話を聞きながら花を見て回るのも勉強になるものですよね。バラは種類も多く解説つきですと、より理解も深まることでしょう。
     話をマジメに聞くと、好き勝手に写真を撮ったり気ままなことは失礼ですので、話の後に撮影、ということになりますね。
    2018年09月29日 16:58
  • イッシー

    今年の秋バラはよくないのですか。
    それは残念だなー。
    2018年09月29日 17:46
  • eko

    今年は猛暑でバラにとっても過酷な環境でしたね。
    説明を聞きながら見て周るのは理解が深まって良いですね。
    我が家のバラ、伐ると良いとは知っていますが、なかなか手入れが出来ません。それでも小さな花をつけています。きちんとお手入れしないといけませんね。耳が痛い(苦笑)
    ダブルディライト素敵ですね。
    2018年09月29日 18:00
  • 無門

    こんにちは

    薔薇のお話を聞くと
    興味は尽きませんね
    それぞれに
    ドラマがありそうで
    2018年09月29日 18:21
  • river

    秋バラのシーズンになりましたね。とは言え4季咲きのバラは春以来切り込んでやるとずうっと花が咲いています。私はバラは苦手で手を出さないことにしているのですが今数種類のバラが咲いています。古いものは植え付けてから30年ほどになります。
    ’紅’は武内俊介、京成バラ園芸、日本、2003、ミニバラ×実生、葉に斑が入りますが高温期は目立たなくなります。
    2018年09月29日 19:32
  • 長さん

    寿々木さん、コメントありがとうございます。
    多弁のバラが多い中、一重で花弁に斑が入るバベル・バビロンは珍しいですね。
    2018年09月29日 21:01
  • 長さん

    nobaraさん、コメントありがとうございます。
    複色のバラがあるのは知っていましたが、紫外線で色が変わる品種があるとは思いませんでした。
    リトル・アーチスト、中央が白いミニバラですね。花弁の大きさは異なりますが、雰囲気は似ていますね。台木が幅を利かしてしまったとは残念。剪定と消毒が一番大変でしょうね。
    2018年09月29日 21:08
  • 長さん

    なおさん、コメントありがとうございます。
    デジタル録音機を胸ポケットに入れて一緒に歩いたのですが、ガイドから離れると録音が出来ない(笑)。従って、あちこちで花を撮っているわけにはいきませんでした。箱根湿性花園で終盤、写真を撮るので遅れたら、妻がガイドに嫌みを言われました。
    2018年09月29日 21:12
  • 長さん

    イッシーさん、コメントありがとうございます。
    夏が暑すぎたので、バラにはかなりのダメージがあったそうです。
    冬の剪定と肥料で、来年は復活するでしょう。
    2018年09月29日 21:16
  • shuuter

    バラの栽培の 残骸ともいうべき 一重の紅のバラが残っています。名前も忘れてしまいました。
    八重よりも一重が好きでした。
    2018年09月29日 21:17
  • 長さん

    ekoさん、コメントありがとうございます。
    この夏は暑すぎましたよね。おまけに感想ですから、栄養を吸い上げることも不十分だったのです。
    四季バラは春から秋まで5回咲くそうですから、剪定が重要なのですね。
    2018年09月29日 21:19
  • 長さん

    無門さん、コメントありがとうございます。
    バラは手がかかるので、自分で育てようとは思いませんが、専門家の話を聞くのはとても参考になります。
    2018年09月29日 21:22
  • 長さん

    riverさん、コメントありがとうございます。
    茨城県フラワーパークにも30年もののバラがありましたが、かなり幹が太くなっていました。驚いたのは30年ものの鉢植えがあったことです。
    紅の情報を頂き、ありがとうございます。「バラ 紅」で検索したのが失敗で、「バラ くれない」としたら出てきました。
    2018年09月29日 21:25
  • 長さん

    shuuterさん、コメントありがとうございます。
    一重のバラがお好きですか。ここにも一重が咲いていたのですが、好みで撮ったので、八重が多くなってしまいました。
    2018年09月29日 21:27
  • 月奏曲

    色が変わるのは紫外線の影響なのかぁ…なるほど。

    ローズヒップのお話と系統のお話が勉強になりました。
    忘れないようにあとでコピペして保存しておかなきゃ(;´Д`)
    2018年09月29日 21:53
  • 長さん

    月奏曲さん、コメントありがとうございます。
    新芽や葉が紫外線に負けないよう赤いものがありますが、花弁が紫外線で赤くなるとは面白い変化です。
    花を楽しむならローズヒップを作ったら駄目と言うことですね。
    2018年09月29日 22:13
  • すーちん

    お早うございます
    薔薇の育て方
    大いに参考に成りますね
    大胆に剪定難しいです
    2018年09月30日 07:32
  • 信徳

    四季咲きなどは剪定すると綺麗な花が咲いてくれますがやはり一番先の春バラが大きくて良いですね。
    今年の夏は暑かったので病気などに罹り易かったのでしょう。バラは剪定と消毒が大切かなと思います。
    2018年09月30日 07:58
  • うふふ

    今年の夏の異常な暑さはいろいろな所に影響があったのですね。
    花数が少ないのはお世話をする方々も残念だったことでしょう。
    バラの詳しいお話、興味深く拝見しました。
    2018年09月30日 08:34
  • ジュン

    薔薇もお天気に
    左右されたのですね
    ダブルディライト
    素敵です
    2018年09月30日 08:38
  • 長さん

    すーちんさん、コメントありがとうございます。
    バラが可哀想だから剪定しない、というのは間違った考え方なんですね。
    2018年09月30日 10:15
  • 長さん

    信徳さん、コメントありがとうございます。
    ガイドの方も言っておられましたが、秋バラは春に咲く花より小さくなるのはやむを得ないことなのだと。
    消毒の話は伺いませんでしたが、特に大変だった様子もないので、例年並みの作業だったようです。
    2018年09月30日 10:18
  • 長さん

    うふふさん、コメントありがとうございます。
    四季バラは春から何度も花を咲かせているので、この夏の異常気象はとても厳しかったようです。でも、花後肥料を入れてしっかり育てるから、来春は大丈夫とのお話でした。
    2018年09月30日 10:20
  • 長さん

    ジュンさん、コメントありがとうございます。
    バラには厳しい気候だったですが、頑張って咲いていました。
    ダブルディライトは大輪で色の変化もあるし、香りも楽しめるので、得した気分?(笑)。
    2018年09月30日 10:23
  • りりい

    薔薇の世話についてのお話、とても勉強になりました。
    以前は我が家にもバラがあったのですが、手入れが悪かったので、現在はゼロです。
    剪定が大切なんですね.素人には勇気が必要です。
    肥料も、いつ、どれぐらい?なども勉強が必要ですね。
    2018年09月30日 11:23
  • 長さん

    りりいさん、コメントありがとうございます。
    普通、綺麗に咲いているからそっとしておこうと思うのが人情ですが、バラの場合は綺麗な内に切って花瓶に飾るというのが、木にとっても花にとっても良いことなのですね。
    自分で育てる気はないので、肥料については聞いてみませんでした。
    2018年09月30日 11:57

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